『コスプレ少女』新装版 東京音楽祭編 369-372頁  ★「見ちゃ・ダ・メ・よ」と囁いた。
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『コスプレ少女』新装版 東京音楽祭編 369-372頁  ★「見ちゃ・ダ・メ・よ」と囁いた。

2019-10-12 14:38
    ちょっと心に傷あるコスプレ少女たちの物語。● 今までのあらすじ コミュ障で友達が出来なかった中学生のルミは、イベントで年上の美少女レイヤー滝沢エリカや同じ歳で萌え可愛い人気レイヤーの白銀(しろがね)リンと出会う。彼女達のダンスパフォーマンスが投稿動画で評判に。これをきっかけに動画サイトの『東京音楽祭』に招待されたのだが、東京までやってきて、初めて会った男性のマンションに泊まるハメになった。

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    07~09年に商業誌の新人賞に応募も落選した「コスプレ少女ルミ」シリーズと「ソニックボイス」の作品を
    再編集して、書き直したものです。先に当ブログに掲載していましたが、ルミの一人称形式を改め、
    設定(携帯⇒スマホ)修正、加筆しての新装版です。

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    *****

    【登場人物紹介】                
                         人公の本田ルミ
    この春、中学生になったばっかりの女の子。
    ゲームオタクでプチ引籠り、コスプレをきっかけにコミュ障からリハビリ中。
     ツインテールのメガネっ娘のゲームキャラ
    賢者のルミのコスプレイヤー。   

    イメージイラストは ぽよん様提供。     
                      
                          沢エリカ
    ポニーテールにティアラを着けた
    エリカ姫」の
    コスプレイヤーで
    中学三年生。
    イジメによる背中に酷い火傷がコンプレックス。
    リストカットした過去もあるちょっワケありの美少女。
    ルミをダンス動画作りに誘う。


                           白銀(しろがね)リン
    ルミ
    がイベント会場で出会ったベレー帽がトレードマークの萌え可愛い女の子。
    本名は坂本サキ

    天使のリンをイメージしたオリジナルコスプレイヤー。
    実は「狂犬サキ」の異名をもつ、街の不良からも一目置かれるほどの喧嘩猛者だった。

    イメージイラストは かりん様提供。

     
                            ノーコンP
                         投稿動画でカリスマ的人気を誇る楽曲制作者。
       【画像なし】            ルミたちを東京音楽祭に招待した。
                         30代半ば、独身。
                  


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     当ブログ内のイラストの著作権者は、各絵師様に有りますので転載等はご遠慮願います。

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       369-372です。

    ファンシーなオムレツトーストの朝食を済ませると、メイド役に成りきっているリンが、
    皆のお皿を集めて回り、狭いシンクで洗い物に取り掛かる。
    リンはセレブなお嬢様なのだが、小学生の時から家事全般をこなしてきたので手際がよい。
    片付けを終えると新聞紙で作ったエプロンをビリビリと破って外した。

    ああっ ……ルミが声をあげた。

    ど、どうしたのですゥかルミちゃん?

    エプロン……あの芸術的なペーパークラフトを写メすんの忘れてた

    新聞紙で作ったアレを写真で残すのは、恥ずかしいからNGですゥよ

     そう言って、リンは未練なく紙くずを丸めてゴミ箱に放り込んだ。

    お片付け終わったですゥ~


    エリカは両腕を挙げ、斜め背伸びをしながら。
    そろそろ出かける準備をしないとね
    そう言ってルミに目配せした。

    今日は『東京音楽祭』の当日だ、打ち合わせもあるので秋葉原の会場へは、
    午前中に入っておかなければならない。

    ジャージを脱いで着替えるとしましょうか

    この狭い部屋に女の子三人と男性が一人、部屋の主だがノーコンPが邪魔になる。
    エリカルミのふたりしての『邪魔だぞ』視線がベッドに座っているノーコンPを突き刺す、さすがに空気を読み取ったのか、

    俺、外へ出ていた方がいいのかな?」 
    部屋の主は、そんな紳士な申し出をした。

    しかし、エリカは意外な言葉を返す。
    いいわよ、ここに居てくれて。 たーだーしぃー 

     彼女は子供のようにイタヅラっぽい表情を浮かべると、ベッドに座っているノーコンP
    顔に大きなタオルを巻きつけ目隠しをした。
    そして、の耳元に唇が触れるくらい近づけ、
    見ちゃ・ダ・メ・よ
    と囁いた。

    甘い吐息とともに、唾液が弾ける音が絡まっ少女の言葉が、彼の耳腔をくすぐる。

    ノーコンPの耳たぶが、みるみると熟れた柿のように赤くなった。
    彼はコホンと咳払いを一つしてから、腕を組み、後ろ向きに座り直す。

    その様子に、エリカはクスクスと笑った。 女の子たちがジャージを脱いでいく、
    もちろ
    ん全裸になるわけではないのだが、何てことはない脱衣の雰囲気に、
    タオルで目隠しをされたノーコンPは、そわそわと落ち着かない。

    その仕草を観察するエリカ、何か変なプレイでもしている気分で、見ている側も
    体温が上がってくる。

    ジャージを脱いで下着姿のエリカが長い黒髪のポニーテールを結い直すために、
    髪留めの輪ゴムを咥えながら、ルミに囁く。
    あいつを動画で撮っておきなさいよ

    イヤですよ。 それ、人としてどうよ!
    鬼畜な命令を さすがにルミは速攻で断わった。女の子たちは着替えを続ける。

    今日の音楽祭のライブでは、彼女たちが動画デビューした時に踊った『ファンタジア学園』のオープニングをやる予定だ。

    白い体操シャツに下はショートスパッツ、残念ながら、今時、ブルマを履いて体育を
    やってる中学校など皆無だ。
    予め、体操着を着込んでおいてから、私服を重ね着する。

    ここから秋葉原の会場に行くまで、体操着姿で移動するのは、さすがに恥ずかし過ぎる。

    エリカはベッドの上で律儀に壁の方を向いて座っているノーコンPに近づいていくと、
    間近でセーラー服のスカーフをワザとシュルルと音を立てて
    外しては結び直してみせたりする。

    その衣擦れの音に敏感に反応しているノーコンPを見て楽しんでいる。

    なんて悪趣味な人だ、きっとSに違いない
    年長のエリカの性癖をそう蔑んだルミだったが、自身もこの遊びは嫌いではなかった。


    服の着替えが終わったルミは、リンに髪をブラッシングしてもらい、
    ツインテールも結い直してもらう。

    ルミちゃん、今日はスタジオじゃなくって、ライブ会場ですから、
    もう少し明るいめのリボンにした方がいいですゥよ

    なるほど、でも、リボンの替えまで用意してこなかったよ ~

    うちの手持ちをあげるですゥよ

    ほんと、ありがとう!

     ルミは礼を言いつつ、さすが萌っ娘はコスプレコンテストに出まくってる人気レイヤーだけあって用意がいいなと感心した。

    リボンは色んなことに使える便利なアイテムなんですゥよ
     そう言って、リンはカバンから半透明の筒状のプラスチックケースを取り出した。

    中には小さなリボンロールが数色入っていた。
     ケースには真ん中に芯棒があって、丁度ロールに巻かれたリボンの穴を通す形で、
    リボン専用のケースみたいだった。

    へえー、こんなの持っているんだあ

    このケースはネクタイを巻いて仕舞うトラベル用のケースを使っているのですゥよ

    へえー、良く思いついたね

    ネットに載ってたんですゥよ

    ……
    そうだった、萌っ娘は何でもネットで調べて試してみたがる人だっけ

     ルミは体操着の上からスクールブラウスに赤いリボンタイを着けて
    チョコブラウンのブレザーに袖を通す、これは『賢者のルミ』のコスだ。

    普段、街中をコスプレで歩くことはしない彼女なのだが、ステージに立つという
    もの凄い対人プレッシャーを前に自分に暗示をかけている。  

    もっとも、小さな角帽さえ着けていなければ、ただの制服で
    コスプレとは判らないのだけれど。

    エリカはセーラー服を着て、お決まりの銀色ティアラで頭を飾る。


     リンは淡いピンクのセーラータイプの服、
    フリルも着いていてファンシーな装い、
    コスプレっぽいけどコスプレじゃない
    彼女の私服だ。

    もちろん、トレードマークのベレー帽も
    被っている。



    身支度を終えた三人は、ベッドに座っているノーコンPに、

    会場でまたよろしく
    と挨拶をしてマンションの部屋を出た。

    目隠しされたままのノーコンP …… 放置プレイ?


    船橋から東京音楽祭の会場がある秋葉原まで また電車に乗って行く。
    駅に降りたら、昨日と同じネットカフェの派手な看板の出迎え。
    けれども、朝の早い時間だから、開いているお店もあまりない。

    三人はキャスター付きのカバンをゴロゴロと引き摺り、お登りさん丸出しで
    キョロキョロしながら、一休み出来そうな所を探して徘徊する。 

    二十四時間営業のドーナツ屋を見つけた。

    ここに入りましょうですゥ~
    リンはそう言うやいなやキャリーバッグの車輪が地面に着くことがないくらいの勢いで、
    ドーナツ屋へピューっとすっ飛んで行った。

    京都でも目にする全国チェーンのお店だ。
    ここなら昨日の回転すし屋みたいに割高な東京価格ということもないだろう。

    リンちゃん、朝から元気いいなあ

    エリカも苦笑しながら、
    朝ごはん、しっかり食べたからじゃない
    わたしたちも同じもん食べたじゃん、オムレツトースト

    あの娘は二枚食べてたわよ

    リンは華奢なわりに大食いな子なのだ。

    ドーナツ屋は空いていた、店のコーナーにある広いソファー席を
    ルミたちだけで独占出来た。
    大きなキャリーバッグも遠慮なしに置けた。
    エリカは腰を降ろすなり、五百円玉をテーブ
    ルの上にパチンと置いて、
    あたし紅茶でいいわ、頼んでおいて

    朝ごはんを食べて間もないので、ルミも紅茶にしようとテーブルの五百円玉を受け取り、
    エリカの分も一緒にレジ前へオーダーしに行く。

    リンは…… メニュー表からドーナツをオーダーしていた、まだ食べる気のようだ。
     清算したルミは、紅茶のポットとカップを持ってテーブルに戻る。

    後から、リンが紙のバスケットに山と盛られたドーナツを持ってきた。

    みなさんも摘んでいいですゥよ
     そう笑顔で盛り合わせをふたりに勧める。

    キツネ色のリングに、チョコレートや色とりどりのトッピングで飾られたものや、
    まるっこいモチモチ食感が売りのものなどが一ダース。

     リンは実に幸せそうな表情をして、シュガーグレイズのドーナツを頬張る。

    エリカさんもどうぞですゥ

     これに首を振るエリカ、モデル並みのスレンダーな美脚を維持している彼女は、
    甘いものは 頑固に口にしないのだ。

    ルミは遠慮するのも何だからと、チョコレートのかかっているやつに手を伸ばした。

    リンも続けて二つ目を摘まむ。

    ティーカップを片手にエリカが呆れ気味に。
    リン、あんた、朝ごはん食べてから、まだ二時間も経ってないわよ

    これは『御茶うけ』ですゥ、別腹なのですゥよ

    いくらスウィーツは別腹と言っても、朝食後に甘い揚げ物はきついと思われた。
     だがしかし、エリカが紅茶を飲み干す頃には、リンはぺロリと平らげ、
    バスケットを空にした。


    (つづく)
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