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『コスプレ少女』ROUTE161  437-440頁  ★リーサルウエポン(最終兵器)
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『コスプレ少女』ROUTE161  437-440頁  ★リーサルウエポン(最終兵器)

2020-12-27 23:58
    ちょっと心に傷あるコスプレ少女たちの物語。
    【 今までのあらすじ】

    コミュ障で友達が出来なかった京都に住む中学生のルミは、イベントで年上の美少女レイヤー滝沢エリカや同じ歳で萌え可愛い人気レイヤーの白銀(しろがね)リンと出会う。

    *********************************************************
    07~09年に商業誌の新人賞に応募も落選した「コスプレ少女ルミ」シリーズと「ソニックボイス」の作品を
    再編集して、書き直したものです。先に当ブログに掲載していましたが、ルミの一人称形式を改め、
    設定(携帯⇒スマホ)修正、加筆しています。

    *****************************************************
    *****

    【登場人物紹介】                
                        人公の本田ルミ
    この春、中学生になったばっかりの女の子。
    ゲームオタクでプチ引籠り、コスプレを
    きっかけにコミュ障からリハビリ中。
     ツインテールのメガネっ娘のゲームキャラ
    賢者のルミのコスプレイヤー。   

     イメージイラストは
     はじめとみかん様提供。     
                      

                      


                        白銀(しろがね)リン
    ルミがイベント会場で出会ったベレー帽が
    トレードマークの萌え可愛い女の子。
    本名は坂本サキ

    「天使のリン」をイメージしたオリジナル
    コス
    プレイヤー。
    実は「狂犬サキ」の異名をもつ、街の不良からも一目置かれるほどの喧嘩猛者だった。

    イメージイラストは 海冥 様作製ご提供の
    3Ðモデルから一階あさぎり様衣装改変タイプ。
    ************************************************************
     当ブログ内のイラストの著作権者は、各絵師様に有りますので転載等はご遠慮願います。

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       437 440です。

    赤いモヒカン!ルミは慌てて目を瞑った。

     そんな酔狂な髪型をしているのは、あの男しかいない、
    世紀末の荒くれ者のようなフェイスガードをしていた影山に違いない。

    会議テーブルの下でブルーシートに寝転がった恥ずかしい体勢のまま、
    ルミは寝たふりをしたのだが、辺りが気になり、そっと薄目を開けてみた。
    自分を覗き込む相手としっかり目が合ってしまう、吸い込まれてしまいそうなくらい
    澄んだ瞳に見つめられていた。

    ルミのメガネに映った相手は、ギリシャ彫刻のように鼻筋の通った端整な顔立ちで、
    もし、顔を寄せられたら、そのまま目を閉じて唇を許してしまいそうになる、
    でも、頭はモヒカンだ。

    ルミエリカリンとじゃれ合った時に、百合落ちしそうになることがあるのだが、
    本来は少女漫画に出てくるような美形キャラが趣味なのだ、
    目の前の相手はリアルにそれだった。
    魂を抜かれたように、ポーっとなってしまう。

    影山はテーブルの下でジャージ着の女の子が寝ていることに一瞬たじろぐも、
    見覚えのあるルミだと気付く。

    「おまえ、そんな所で何してんだ?」

    我に返るルミ、醜態を見られて恥ずかしさが沸騰する、
    不思議なもので好みのイケ面に見られると余計に恥ずかしく思うのが乙女心の複雑さ、
    顔を真っ赤にして高速でゴロゴロとテントの隅へと離脱した。

     騒動に気付いた影山以外の者たちからも注目を浴びてしまい、
    ルミは耳まで真っ赤になって体育座りして、その膝の間に顔を埋めた。

     影山は他の者が騒ぐのを制して、ルミに近寄ると。
    「サキと一緒に居た子だよな?」
    影山の問いかけにルミは顔を埋めたまま頷く。

    「具合でも悪かったのか?」

    優しい声かけに、ようやっと顔を上げる。
    ね、寝てた……だけです……
     ルミはつぶやくような小さな声で返事した。

    「そうか …… 」

     体の具合が悪いわけではないと分ると、影山は着替えの続きを始める、
    乾いた新しいシャツを頭から被り、胸の下へと降ろしていく。

    見ていたルミは、シャツに覆われていく逞しい腹筋が少し名残り惜しかった。

    影山は再びフェイスガードを装着した、どうやらフェイスガードを外したのは、
    シャツに首を通すためのようだ。

    もうサバゲーの試合も、とっくに終わっている時間だ、ただでさえ汗ばむこの暑い中、
    フェイスガードをする意味が分からない。

    赤いモヒカンの様相に 初めは怖い印象だったが、美形な素顔と体調を気遣ってくれる優しさに安心したルミは、思い切って影山に話しかけてみる。

    あのう……なんで、まだマスクしてるんですか?

    「ん? これか? これは …… オレ様のアイデンティティーだ」
     そう言って親指をグイッと立てて見せる影山。

    だが、フェイスガードから覘く眼は、少し照れくさそうで可愛く見えた。

    ルミは思った。
    アイデンティティーって、この人にとって
    マスクの自分はコスプレみたいなもんなのかな?

     影山は肩にプロテクターの付いたレザーベストを纏い、肘にも防具をはめていく、
    モヒカンヘアなのでまさに世紀末の荒れくれ者だ。

    リンちゃんが『血の七日間抗争』を終わらせたっていう話は本当なんですか?
     彼に確めたかった質問を直球で訊くルミ

    「ん? サキのことか? ああ、本当だ。
     逆にこっちが訊きたいぜ、メガネのお嬢ちゃんよ。
    お前がサキと一緒に爆竜連合を潰したっていうのは本当なのか? 
    だいたい、何でサキと連るんでいるんだ?」

    わ、わたしは爆竜連合と直接やりやったわけじゃありません
     ルミは開いた手のひらを激しく振って否定した。

    「なんだ、やっぱり嘘なのか」

    嘘って言うか……わたしが作戦を考えて、リンちゃんの闘いをサポートしたんです。
     廃墟の遊園地の今にも崩れそうな大屋根があったんで、
     そこへリンちゃんを追いかけてくる連中を誘い込んで、
    人の重みでドスンと落としてやったんです

     ルミの悪い癖が出た、知らない人と話すのが苦手なクセに、
    自分の得意なことになるとベラベラと喋ってしまうのだ。

    「何気に恐ろしい作戦だな、サキ諸とも落としたのか?」

    リンちゃんなら、平気で逃げ出せると思ってましたから

    「サキを手駒のように使うなんて、お前、まるで遠藤マリみたいだな」

    そんな、遠藤さんみたいだなんて……

    「お前、遠藤のことも知ってるんだな」

    はい、だって、爆竜連合をバックで操ってたのは遠藤さんだったんですよ

    遠藤がバックに……その噂も本当だったのか

     ルミが遠藤マリのこと知ってと分ると影山も話に本腰を入れる気になったのか、
    ルミの前に胡坐をかいて座り込む。他の仲間たちも影山の後ろに集まった。


    「噂には聞いていた。遠藤がサキとやりあったっていうのが、ちょっと信じられない。
    遠藤はサキの面倒をよくみていたし、凶悪なサキも遠藤にだけは従順だった。
    あのふたりの仲に一体何があったんだ?」

     さすがにルミも言葉を選んで慎重に答える。
    プ、プライバシーの問題もあるから、詳しくは言えない……
    けど、ふたりは憎み合って仲違いしたんじゃないってことは確かです

    「ほう、遠藤のこともよく知ってるような口ぶりだな」

    い、いえ、そんなにも知りませんよ。
     ただ、病院でリンちゃんと一緒に……遠藤さんが亡くなるのを見届けたんです

    「何だって!」

     影山は後ろの仲間たちとも顔を見合わせ驚く。

    「遠藤の最期に立ち会ったって。
    お前、なんか平凡そうに見えて、あの子らと相当な関係じゃないか!」

    と、とんでもないですよ! 
    回数にしたら、ニ、三回会ったくらいですよ。
    後は何と言うか、成り行き的な、巻き込まれ
    たって言うか、そ、そんな感じなんです。

    それより、さっき、わたしが遠藤さんみたいだって言ったのはどういう意味なんですか? ルミ自分が訊かれる側になってしまっていたので、話を切り返した。

    「遠藤はサキを手駒にしたんだ。『血の七日間抗争』の時はエグかった」

    わたし、抗争の事はよく知らないんですよ。リンちゃんも教えてくれないんで

    「ふうん、まあ簡単に言うとだな、族の勢力争いだ。
    いくつもの族が同盟結んで大きく二つのグループに分かれた。
    後になって分かったことなんだが、あの遠藤マリが己の野心のために仕掛けやがったんだ。

     でも、抗争中の時はオレも気づいてなかった。
     オレは『解莉羅(ゲリラ)』っていう族のヘッドだったんだが、
    遠藤は『狂蘭(きょうらん)』っていう女の族の幹部だった。
     四凶に数えられるほど狂暴で、火炎瓶の焼き討ちを始めだしたのもあいつだった。
     あんな悲惨な抗争になるなんて、誰もが思っていなかっただろう。

     争いは段々とエスカレートしていき、殺るか殺られるか、
    寝返るチームもあって猜疑心から相手グループと手打ちする話し合いさえも出来なかった。

    誰もが抜け出せなくなっていった。
    遠藤はとにかく頭の切れる女で、いつの間にかグループをあいつが仕切っていた」

    リンちゃんは、どうしてたんですか?
    ルミは遠藤マリの話ばかりが続くので、リンのことを尋ねた。

    「サキはどこの族にも入ってなかったから、最初は抗争にも参加してなかったんだ。
     アウトローだが遠藤とよく連るんで暴れてたんで『狂犬』って異名で有名だった」
     影山は胡坐を組み直すと腕組みをして目を瞑った、何かを思い起こすように顔を上げて。

    「行き詰まった争いの打開策を話し合っていた時だった、
    相手方の有力リーダーたちが一同に集まるという情報が入ってきた。

     そしたら、遠藤が待ってましたとばかりに、
    リーサルウエポン(最終兵器)で一気に決着を着けると皆の前で大見得を切りやがったんだ。
     みんな切羽詰まってたから、自信有り気なあいつの言うことに賛同しちまった。
     後でよくよく考えたら、これもあいつの心理誘導的な策略だったんだ。

     そして、リーサルウエポンって言うのが、敵陣の集会にサキを単身で突入させる作戦だ。
    どこの族にも入っていないサキは、相手もノーマークだろうから成功率は高いと。
     異名を馳せてたとは言え、小学生の女の子を単身でだ?
     普通、可愛い妹分にそんなことさせるか?
     お前が爆竜連合相手にとった作戦を訊いた時、考え方が同じだと思ったのさ」

    でも、リンちゃんはちゃんと役目を果たしたんでしょう
     ルミリンの力を信じていた、遠藤マリもきっと同じように信じていたのだろうと思った。


    (つづく)
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