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『コスプレ少女』ROUTE161  441-444頁  ★リンちゃんには必殺技がありますからね
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『コスプレ少女』ROUTE161  441-444頁  ★リンちゃんには必殺技がありますからね

2021-01-24 18:34
    ちょっと心に傷あるコスプレ少女たちの物語。
    【 今までのあらすじ】

    コミュ障で友達が出来なかった京都に住む中学生のルミは、イベントで年上の美少女レイヤー滝沢エリカや同じ歳で萌え可愛い人気レイヤーの白銀(しろがね)リンと出会う。
    ルミリンの誘いでサバゲ―イベントのお手伝いをすることに。
    そこで、リンの過去を知る元暴走族の影山と出会う。
    暴走族どうしの大規模傷害事件血の七日間抗争』に、リンがどう関わったのか?
    ルミの好奇心が止まらない。

    *********************************************************
    07~09年に商業誌の新人賞に応募も落選した「コスプレ少女ルミ」シリーズと「ソニックボイス」の作品を
    再編集して、書き直したものです。先に当ブログに掲載していましたが、ルミの一人称形式を改め、
    設定(携帯⇒スマホ)修正、加筆しています。

    *****************************************************
    *****

    【登場人物紹介】                
                     人公の本田ルミ

    この春、中学生になったばっかりの女の子。
    ゲームオタクでプチ引籠り、コスプレを
    きっかけにコミュ障からリハビリ中。
     ツインテールのメガネっ娘のゲームキャラ
    賢者のルミのコスプレイヤー。   

     イメージイラストは こんぺいとう** 様
    のイラストメーカーより作製。

     こんぺいとう** 様 @Konpeito1025  
                                                                  白銀(しろがね)リン
    ルミ
    がイベント会場で出会ったベレー帽が
    トレードマークの萌え可愛い女の子。
    本名は坂本サキ

    天使のリンをイメージしたオリジナル
    コス
    プレイヤー。
    実は「狂犬サキ」の異名をもち、小学生の時に暴走族相手に暴れて恐れられているほどの喧嘩猛者だった。

    イメージイラストは こんぺいとう** 様
    のイラストメーカーより作製。

                    遠藤マリ
     リンより二歳年上の幼馴染。
     幼少期は借金取りから虐待を受けるなど悲惨だった。
     中学生にして暴走族の幹部になり、さらにのし上がろうと
     謀略の限りを尽くしていた。
     唯一、リンに心を許し、喧嘩の仕方を教えた姉貴分。

     イメージイラストは こんぺいとう** 様
    のイラストメーカーより作製。
    ************************************************************
     当ブログ内のイラストの著作権者は、各絵師様に有りますので転載等はご遠慮願います

    ***********************************************************
       441 444頁です

    モヒカンヘアの影山は当時を振り返る。

    行き詰った争いに決着を着けるべく、リーサルウエポン(最終兵器)に使命された坂本サキこの少女自身には関係のない争いに赴かされる心中を影山には察することが出来なかった。彼女を敵地へ送り届ける役のバイクが一台、タンクに紅白の旭日が描かれ、
    白い後部シートから突き出た背もたれのある改造バイクだ。

    これから援護も無く単騎で敵地へ乗り込まなければならない恐怖からか、乗り手はせわしく
    空ぶかしを繰り返し、甲高く唸る四気筒エンジンが辺りに紫煙をくゆらせる。

    一方のサキからは、そんな緊張した様子は感じられない。
    黒いTシャツにカーキ色のサファリジャケット、デニムパンツとボーイッシュな
    スタイルだった。
    小学生には大き過ぎるフルフェイスのメットを被せられ、後部シートに座らされていた。

    遠藤マリがヘルメット越しにサキに何か話しかけていたが、エキゾースト音に
    かき消され影山には聞き取れなかった。
    ただ、サキは指でOKマークを作り、まるでコンビニに買い物でも行くような気軽さで見送る遠藤に手を振り出発して行った。

    その後、配送役はサキを目的地に置いてきただけで、どんな戦い方をしたのかまでは見てはいない。

    「ああ、確かにサキは役目を果たした …… 」
     影山はルミの言葉を繰り返す、自分にも言い聞かせるように。

    すっかり調子づいてるルミが知った風な口で。
    リンちゃんには必殺技がありますからね

    「必殺技?」
     影山はルミの中二的な発言に思わず聞き返した。

    そう、ミラクルボイスで相手を失神させるリンちゃんの必・殺・技!
     特撮戦隊もののヒーローのように必・殺・技と言いながら、指で変形Ⅴサインを作り
    腕を変な角度に曲げてきめポーズを見せるルミ

    わたし、目の前で見たことがあるんですよ。リンちゃんが入れ墨した大男と闘った時、
    手の背中に貼りついて、キャンって叫んだんです!
     離れたとこに居たわたしの耳が痛くなる
    くらいの甲高い声で!
    そしたら、まるで魔法にかかったみたいに男が崩れ落ちて

    「ソニックボイスのことだろ。
    それなら知ってる、俺もやられたことがあるからな」
    そう言って影山は、無意識なのか自身の耳に手をやっていた。

    いっ! そ、そうでしたか ……
     リンの武勇伝を我が事のように得意満面で語っていたルミは表情を真っ赤にして俯く。
    そりゃそうだろうな、わたしより過去のリンちゃんをよ~く知ってる人だもんな。
     経験者の前で恥ずかしいこと言っちゃったよ

     影山がポツリと呟いた。
    「ソニックボイスでも、あの状況をどう切り抜けられたのか、さっぱり分からん、不思議だ」

    えっ?
    影山の言葉にルミはあらためて冷静に考えてみた。

    リンちゃんは単身で乗り込んでいった。
    相手は一人や二人じゃない相当な人数だったはず、
    マンツウマンのソニックボイスじゃ相手するのも追いつけそうにない、
    サポートもなしで、一体どうやってやっつけたんだ?

    気になったルミは、思い切って訊いてみた。
    リンちゃんが行かされた所って、どんなだったんですか?

    「ああん? 場所は潰れたボウリング場の駐車場だったと聞いている。
    その当時、まだ八チームぐらい残っていた、見て確かめたわけじゃないが
    少なくとも五十人以上は居ただろう。
    火炎瓶の焼き討ちを警戒して建物の中に集まったりはしない。
    それに周辺にも見張りを立てていたから、サキの届け役には相手チームのジャンバーを
    着させて偽装させていた、遠藤の指示だけどな。

    相手は複数のチームが混成していたから、同じチーム相手だと直ぐにバレてしまうが、
    そうでなければ誤魔化せると考えたらしい。
    もっとも、単騎とは言え、後ろに子供を乗せてたら怪しさMAXだったと思うが ……
    とにかくサキを目的地に送り込むことには成功したんだ」

    影山の話を聞いてルミは考え込む。
    一体、どんな手を使ったんだろう???
     あの遠藤さんがリンちゃんを何の考えも無しに鉄砲玉みたいなことを
    させたりなんか絶対しないはずだ

    黙考するルミに影山が話を続ける。
    「あの時、サキを刺客に送ったことを知っていたのはごく一部の者だけだった。
     誰も小学生の女の子の仕業だなんて信じない。
     抗争が終わった後になってから、アレは狂犬サキがやったんだと知れて、
    アイツが修羅の化身だのと まるで抗争全体を壊滅させたかのような噂が
    膨らんでいったんだ ……」

    アレ? 影山さんも抗争を終わらせたって言ってませんでした?

    「言った。壊滅させたとは言ってない、終わらせたことは事実だ。」

    ……なるほど
     ルミはようやく、影山の言いたいことが理解出来た。
    リーサルウエポン(最終兵器)として送り込まれたリンちゃんが
    どうやったか解らないけど、
    結果として『血の七日間抗争』が終わった……

    「さてと、長話になったな。俺たちは、そろそろ引き上げるわ」
     座っていた影山が自分の膝頭をつかんで、やおら腰を上げた。

    あ、どうも……
     尚も思案中だったルミは、締まりのない返事だけで座ったまま影山たちを見送る。

     影山がテントの仕切り幕を開けて出ようとした、ちょうどその時、
    戻ってきた白銀リンと出くわした。

    ゲッ! 影山!
     あからさまに嫌そうな表情を見せるリン

    「おう、邪魔したな」
     そう言って、影山はAKトイガンを片手に仲間とともにぞろぞろと出て行く。

     出て行く彼らをテントの戸口で見送ったリンは、テントの隅でブルーシートに
    直座りしているルミを見つけ、慌てて駆け寄った。

    ルミちゃん、あいつらに何かされてないですゥか?
    両肩を掴んで強く揺さぶりながら問いかける。

    べ、別に何もされてないよ!
     ルミは激しくかぶりを振って否定する。

    あいつら、ここで何してたですゥか?

    あの人たち、着替えをしに来てた

    着替え? 女の子の前で失礼な奴らですゥね

    わ、わたしがテーブルの下で転がって寝てたから、居ると思ってなかったみたいで……

    何で、テーブルの下なんかに?」

    いやあ、椅子から寝落ちしちゃって、今朝は無茶苦茶早かっでしょ、だから、つい……

    あきれた……ですゥ
     安堵と同時に唖然とするリン

    それより、リンちゃん! 影山さんの素顔を見たことある?

    何を突然。影山の? 
    そういえば、あいつがマスク外したとこなんか見たこと無いですゥね。
    別にあいつの素顔なんて興味も無いし
    素っ気なく答えるリン

    わたし、見たんだ。 すっごいイケメンだったよ!
     ルミは胸の前で手を組み合わせ、うっとりとした瞳で語る。

    ゲ~ッ、あのモヒカン頭が~あ?
     あんなザコキャラみたいな格好してるのに。
    ひょっとしてルミちゃん、うちを騙そうとし
    てないですゥか?

    してない、してない!

    メガネのレンズが曇ってたとかないですゥか? じゃなきゃ眼球そのものがドド曇り?

    曇ってない! 何よ、そのドド曇りって?

    眼球レンズの顔認証の精度が低下したのかと思ったのですゥ

    低下してないよ! それにイケメンなだけじゃなくって、お腹も筋肉質で割れてんだよ
     ルミは顔を赤らめながら、自分の頬に両手をやり、はにかんだ。

    お腹? 一体、あいつのどこまでを見たですゥか……
     リンにさげすんだ目で見られるルミ

     単にルミが突っ込まれて、掛け合いトークで賑わっているだけのように見えたが、
    実は違う。 
    影山の素顔のことは、ルミの話の振りでしかない、リンから『血の七日間抗争』の結末を
    訊き出そうと、ルミはそのタイミングをずっと探っていたのだ。

    影山さんと話もしたよ、例の抗争でリンちゃんは一人で敵陣に放り込まれたって。
     大丈夫だったの?

     ルミは敢えて、どうしたのかとは訊かない、
    大丈夫だったことは既に分っていることだが、大丈夫という心配している言葉を使ったのだ。

    ま~た、その話ですゥか

    だって、相手はえらい大勢だったんでしょう。何人くらいやっつけたの?

    ん、うちが始末したのは三人だけですゥよ

    えっ……

     ルミのメガネが跳ねた、それは予想もしない返答だった

    (つづく)
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