ユーザーブロマガは2021年10月7日(予定)をもちましてサービスを終了します

『コスプレ少女』ROUTE161  445-448頁  ★ダイヤモンド徽章の意味
閉じる
閉じる

新しい記事を投稿しました。シェアして読者に伝えましょう

×

『コスプレ少女』ROUTE161  445-448頁  ★ダイヤモンド徽章の意味

2021-02-28 22:16
    ちょっと心に傷あるコスプレ少女たちの物語。
    【 今までのあらすじ】

    コミュ障で友達が出来なかった京都に住む中学生のルミは、イベントで年上の美少女レイヤー滝沢エリカや同じ歳で萌え可愛い人気レイヤーの白銀(しろがね)リンと出会う。
    ルミリンの誘いでサバゲ―イベントのお手伝いをすることに。
    そこで、リンの過去を知る元暴走族の影山と出会う。
    暴走族どうしの大規模傷害事件血の七日間抗争』に、リンがどう関わったのか?
    ルミの好奇心が止まらない。


    *********************************************************
    07~09年に商業誌の新人賞に応募も落選した「コスプレ少女ルミ」シリーズと「ソニックボイス」の作品を
    再編集して、書き直したものです。先に当ブログに掲載していましたが、ルミの一人称形式を改め、
    設定(携帯⇒スマホ)修正、加筆しています。

    *****************************************************
    *****

    【登場人物紹介】                
                         人公の本田ルミ
    この春、中学生になったばっかりの女の子。
    ゲームオタクでプチ引籠り、コスプレを
    きっかけにコミュ障からリハビリ中。
     ツインテールのメガネっ娘のゲームキャラ
    賢者のルミのコスプレイヤー。
       

     イメージイラストは
     はじめとみかん様提供。 
                         
     

                                
                    白銀(しろがね)リン
    ルミがイベント会場で出会ったベレー帽が

    トレードマークの萌え可愛い女の子。
    本名は坂本サキ
    天使のリン」をイメージしたオリジナル
    コスプレイヤー。
    実は「狂犬サキ」の異名をもつ、街の不良からも一目置かれるほどの喧嘩猛者だった。

    イメージイラストは いろは様提供。






                          滝沢エリカ                
    ポニーテールにティアラを着けた
    エリカ姫」の
    コスプレイヤーで
    中学三年生。
    イジメによる背中に酷い火傷が
    コンプレックス。
    リストカットした過去もあるちょっと
    ワケありの美少女。
    ルミをダンス動画作りに誘う。

                          イメージイラストは安堂ゆな様提供。

    ************************************************************
     当ブログ内のイラストの著作権者は、各絵師様に有りますので転載等はご遠慮願います。

    ***********************************************************
       445- 448頁です

    敵陣の真っ只中へ放り込まれ、たった三人をやっつけただけで帰ってこれたとは、
    ルミにはとても信じられなかった。

    三人だけって、リンちゃん、過小申告してない?
    いつものようにサバを読んでいるのではないかとルミはメガネの奥から
    強い疑いの眼差しをリンに向ける。

    ウソじゃないですゥよ。ほんと三人だけ
     リンは未だブルーシートに直座りしているルミの腕をとって体を起こしてやりながら、
    そう疑いを否定する。
    ふたりはパイプ椅子に座り直した。

     ルミはさらに訊き出そうと一思案する。
    切り口を変えてみよっか ……
    でさあ、遠藤さんは何て言ってたの?

    マリちゃんから?
     リンはほんの一瞬、怪訝な表情をした後、
    って、影山の奴! ルミちゃんにまた何か喋ったんですゥね
    しかめっ面をしてルミを睨む。

    いや、ほんのチョットだけね……

    あいつめ、今度会ったら、あの仮面を剥いで、鼻も削ぎ落してやろうか、なのですゥ~

    削ぎ落すって、怖いよリンちゃん!

    グルルゥ~
     ルミは両手のひらをリンに向けて、なだめる仕草をしながら。
    あ、あの遠藤さんがね、どんなこと考えたのか、凄く気になるんだよ
     ルミは遠藤マリがリンに何か奇策を授けたのではないかと考えた。

    ふむう……ルミちゃんは変な事を知りたがるんですゥねえ。
     まあ、今さら、ルミちゃんにうちの黒歴史を知られたところで、
    別にどうってことはないのですゥけど、エリカお姉様には喋っちゃイヤですゥよ。
    うちのイメージが今以上に悪くなりますから

    うん、わかったよ。エリカさんには喋ったりしないよ、わたしが知りたいだけだから
     今さらイメージ云々を言うリンルミは心の中で苦笑する。

    うちはマリちゃんから言われた通りに、三人だけを狙ったのですゥ。
     間違えないようにって、相手の特徴を何度も聞かされましたですゥよ
     ようやくリンが当時を話し出す。

    うちは面倒くさいから、小学生でもその場で十人くらいはボコってみせるって
    言ったんですゥけどね、マリちゃんから言う通りしろって

    やっぱり、三人だけなのか……
     って、普通の小学生の女の子は、たとえ三人でも暴走族をボコったり出来ません

     ルミは固唾を飲んでリンの言葉を聞く。

    うちが指示された三人を仕留めたその直ぐ後に、パトカーが来たのですゥよ。
     集まってた連中は一斉に逃げ出して、誰もうちを追ってこなかったし、
    うちはニッコリ笑って警官の前を堂々と通って帰ってきたのですゥ。

     後になって、マリちゃんから教えてもらったのでゥけどね。
    相手グループのナンバー2の何人かが、抗争から降りる方法を探ってたみたいなのですゥ。
    何人いたのか、うちにも教えてもらわなかったけど、マリちゃんは通じてたみたい。
    それと、パトカーを呼んだのもマリちゃんなのですゥ

     ルミの頭の中のモヤモヤが晴れていく。
    そうか、解ったよ。凄惨を極め、終りの見えない抗争、誰もが常に襲われる恐怖に怯え、
    精神も疲弊していた。
    何の為に争っているのかさえも見失っていた。
    みんな殺られたくない、泥沼化から抜け出したがっていたんだ。

    遠藤さんはみんなのそんな精神状態を知っていた。
    恐らく、立場上、面子もあって抗争を止められないチームのトップを排除すれば、
    崩壊すると読んでいたに違いない、そのためにチームのナンバー2を
    何人か抱き込んでいた……凄いことを考える人だ

    それとですゥねえ。マリちゃんは警察にも予めタレこんでいたのですゥよ。
     族を一掃するチャンスをやるから、踏み込むタイミングを待てと

    ああっ、だから抜群のタイミングで来れたのか! 
    そうだよね、いきなり百十番したってそんな都合よくいくわけないもんね

    クウ~、遠藤さんは、わたしの想像をさらに超えてくるね。
    警察もお役所だ、手柄が欲しい。
     警察さえもタラしこんでいたなんて。
     リンちゃんが警察に捕まらなかったのは、逃げる素振りなく、小学生の見た目から
    だと思ってたけど、初めから話がついていたのかも……

    そうだ、影山さんも抗争に勝ったとは一言も言ってない、終わらせたと……
    単純に勢力争いで敵対チームを従わせようとしたんじゃない、
    遠藤さんは古参の勢力を一掃して、新しい秩序体制を作ろうとしていたんだ

    リーサルウエポン(最終兵器)として、リンちゃんの役目を考えていたんじゃないのか?

    ルミは親指の爪をガチガチと噛み、遠藤マリの恐ろしいまでのしたたかさに興奮を覚え。
    まるで、ゲームのヒールキャラのようなクールさに。

    全て話終わったリンがパイプ椅子から立ち上がり、
    さあさ、ルミちゃん、そろそろ帰りますゥですよ
     そう言って、両腕を突き上げて大きな伸びをした。

    本部テントも解体が始まり、武田と丸川がレンタル会社の軽トラックに
    手際よく積み込んでいく。
    サバゲ―参加者たちも次々と車に乗り込みに帰り路につこうとしていた。

    会場出口へ向かって、砂ぼこりを上げながらちょっとした渋滞を作っていた。

    ルミたちも乗って来たピックアップトラックの荷台に乗り込もうとした時、
    黒田から呼び止められた。
    「おや、武田君と一緒じゃなかったのですか?」

    アレ? まだレンタル屋さんのとこじゃないのですゥか?

    「てっきり、おふたりと一緒だとばかり思ってました」

    丸川が携帯で呼び出しているが応答がない。
    リンが辺りを見回すと、まだ残ってる車に見知った顔が居た、影山のチームの者たちだ。

    あんたら、影山はどこに居るですゥか?

    「さあね」と言って、彼らはニヤついている。

    クッ!
     リンは嫌な予感がした、知らないわけがない、こいつらトボけてると。
    耳に神経を集中させた。
     犬並みと自慢する聴覚で気配を探る。

    向こうか!
     リンは林に向かって駆けだした、ルミと丸川も訳も分らず彼女の後を追う。

     林の抜けると居た、赤いモヒカン頭影山と武田が木の枝で打ち合っていた、と言うか、
    影山が一方的に武田を打ちのめしていた。

    かげやまあああー
    リンが叫びながら影山に突進していく。
    まるで鳥が飛んでいくような速さで迫ると間合いの直前で跳び上がって膝蹴りを繰り出す。
    影山の不気味なマスクに決まったかと思われたが、するりとかわされた。

    両手を着いて獣のように着地するリン
    次の攻撃を狙うも、影山は木の枝でリンの射線を封じる。
    影山は見かけこそド派手なモヒカン頭で世紀末のザコキャラのようだが、
    中国剣術の達人なのだ。

    サキ、相変わらずワンパターンな攻撃だな。 でも、お前とやり合う気はないぞ

    そっちになくともコッチにあるのですゥよ

     リンは四つん這いの低い体勢から、胸のナイフに手をかける、
    模擬戦用のラバーナイフではなく物本の方だ。

    まあ、待て。この男とはゲームをやってるだけだ、顔や脚は狙わない、
    胴体だけ、フェンシングのフルーレみたいなルールで合意済みだ

    そ、そうなの?
     武田の方を振り返るリン

    「アハハ、情けねえところを見られたな。 グハアッ」
     武田の口から昼に食べたカレーが噴き出した。

    随分と鳩尾をやられたみたい。 影山、もうお終いにするですゥよ
     リンは立ち上がって、影山を諫めた。

    「まだだ、まだこのガキに……」

    俺は勝負がついたと思ってるんだが、このおっさんの諦めが悪くてね。
     んじゃあ、次で楽にしてやるよ

     影山は身体をくるりと回転させると、武田の胃を下から鮮やかに突き上げる。

     だが、武田は倒れない。

    ムッ、決まってるはずだ、立っていられる筈がない、なぜ倒れん?

     武田がニヤりと笑い、鳩尾に突かれた木の枝を血の滲んだ手でゆっくりと掴み取る。

    「ガキよ、レンジャーのダイヤモンド徽章の意味を知ってるか?」

    はあ? ペーパーアーミーのおっさん、何言ってんだ?

    武田は信じられない力で掴んだ木の枝を突き返し、
    影山自分のエモノで鳩尾を突かれる格好となり、後ろに倒されてしまう。

    「よく聞けよ、ダイヤモンドは任務を完遂する堅い意志を表してるんだ!
     その誇りを汚す奴は許せねえ!」

     鬼気迫るその気迫に、その場に居た者は圧倒された。


    (つづく)
    *****************************************************
    ********
    ★初めて読まれた方は、1頁目からどうぞ
    http://ch.nicovideo.jp/sonicvoice/blomaga/ar858417

    広告
    コメントを書く
    コメントをするには、
    ログインして下さい。