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『コスプレ少女』ROUTE161  449-452頁  ★頸動脈をちょっと押さえてやっただけなのですゥ
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『コスプレ少女』ROUTE161  449-452頁  ★頸動脈をちょっと押さえてやっただけなのですゥ

2021-04-04 22:04
    ちょっと心に傷あるコスプレ少女たちの物語。
    【 今までのあらすじ】

    コミュ障で友達が出来なかった京都に住む中学生のルミは、イベントで年上の美少女レイヤー滝沢エリカや同じ歳で萌え可愛い人気レイヤーの白銀(しろがね)リンと出会う。
    ルミリンの誘いでサバゲ―イベントのお手伝いをすることに。
    イベント終了後、リンのチームの武田と元暴走族の影山が争って…
    ★ニコ動がブロマガサービスを修了させるとのこと、引っ越し先を思案中…

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    07~09年に商業誌の新人賞に応募も落選した「コスプレ少女ルミ」シリーズと「ソニックボイス」の作品を
    再編集して、書き直したものです。先に当ブログに掲載していましたが、ルミの一人称形式を改め、
    設定(携帯⇒スマホ)修正、加筆しています。

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    *****

    【登場人物紹介】                
                         人公の本田ルミ
    この春、中学生になったばっかりの女の子。
    ゲームオタクでプチ引籠り、コスプレを
    きっかけにコミュ障からリハビリ中。
     ツインテールのメガネっ娘のゲームキャラ
    賢者のルミのコスプレイヤー。   

     イメージイラストは
     はじめとみかん様提供。     
                      


                                           
                     白銀(しろがね)リン

    ルミがイベント会場で出会ったベレー帽が
    トレードマークの萌え可愛い女の子。
    本名は坂本サキ

    天使のリンをイメージしたオリジナル
    コス
    プレイヤー。
    実は「狂犬サキ」の異名をもつ、街の不良からも一目置かれるほどの喧嘩猛者だった。

    イメージイラストは ゆりぺっこ 様提供。







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     当ブログ内のイラストの著作権者は、各絵師様に有りますので転載等はご遠慮願います。

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       449-452頁です。

     武田に押し倒された影山は、仰向けになった体勢からすぐさま下半身を振り上げると、
    まるでストリートダンスのように脚を開いて回転させ、その反動ですっくと立ち上がった。

    「ちっ、なんて奴だ、力技で押し返してきやがった」

     エモノの木の棒を奪われてしまったが、素手で構えをとる。
    彼が習得している中国剣術は、剣だけでなく、拳や蹴りも使う実戦武術だ。

     対峙するふたり、影山は押し倒されただけでダメージは全く受けていない。
     一方の武田は、エモノを杖の替わりに気力で何とか立ってはいるものの限界が近そうだった。

     影山がフェイスガード越しにヒューヒューと不気味な呼吸音を放ち、長い腕を交互に
    突き出すカンフーの独特な動きで迫る。

     勝負をつけようとしたその時、ふたりの間に白銀リンが飛び込んできた、
    影山をキッと睨みつける。思わず影山は反射的に後ろへ飛び退いた。
    相手は自分よりはるかに体格の劣る女の子のに、その大きな鳶色の瞳から、
    身体を射抜かんばかりの強烈な眼光を放ってくる。

    狂犬の異名は伊達じゃない、犬どころか虎かライオンに睨まれたような、
    本能的にアブナイと悟らせる何かを一瞬感じさせる。

    「ちっ、静観するんじゃなかったのかよ」
     影山は忌々しく愚痴るも、ここで狂犬相手揉める気はなく引き下がる、
    武田との勝負は既
    にみえていたからだ

    リンは影山の動きを牽制すると、今度は武田の方へと近づいていき、
    彼の胸に体を寄せ、太い首に腕を回して深く抱きついた。

     そして、頬と頬をくっつけ、仔猫のようにじゃれついて。
    武田中尉、もう帰る時間なのですゥよ
    頭に血が上っている武田に、耳をくすぐるよ
    な甘い声で諭した。

     だが、武田は全く聞き入れようとしない。
    「どいてろ、白銀(しろがね)!」
     絡みついたリンの腕を掴んで解こうとする。

    言うこと聞かない人ですゥねえ。 もう、ドクターストップなのですゥよ
    そう言って、リンは武田の首に回していた腕にグッと力を込めた。
    すると武田は急に脱力し、崩れるように地に膝を着けた。

    リンは寄りかかる武田の体を支えたまま、丸川を呼びつける。

    丸川兵長さん、こっちに来て! 中尉を運んでほしいのですゥ

     呆然と突っ立っていた丸川は、慌てて駆け寄り、リンに寄りかかった武田の体を
    ひきはがす。
    武田は気を失っていた、意識が無く四肢が脱力した人間を担ぐのは難しい、
    丸川は彼を背負って運ぶことにした。

     見ていたルミも驚いた、一体、武田の身に何が起こったのか? 
     恐る恐るリンに尋ねてみた。

    ねえ、リンちゃん。武田さんが気絶したのって、例のソニックボイスなの?
    声は聞こえなかったけど ……

    ルミリンソニックボイスを目撃したことがある、相手の耳元に高周波ボイスを放ち、
    鼓膜が破れるほどの衝撃を与えて気絶させる技。
    キャンと鋭く甲高いその衝撃ボイスは、近くに居た自分の耳まで痛く感じるほどだった。
    だが、今回は何も聞こえなかった。

    ルミの疑問をリンはさらりと返す。

    違いますですゥよ。頸動脈をちょっと押さえてやっただけなのですゥ

    頸動脈 …… ちょっと押さえた …… さいですかあ ……
    そんな凄いこと、いとも簡単にやってのけるのね ……)

    リンの底知れぬ格闘スキルに、ルミはつくづく感心するのであった。

    リンは武田の身を丸川に託すと、影山の方にゆっくりと歩み寄っていく
    今度は表情の怒気も失せ、大人しそうな仔猫に見えた、影山も少し警戒を解く。

    「あのおっさん、スゲエ根性してるな、久々に俺も熱くなったぜ」
     赤いモヒカンヘアを後ろに撫でながら、影山は感心した風に言った。

    リンが長身の影山を見上げて。
    か~げ~や~ま~ちゃん
    イタズラしようとする子供の顔つきだ。

     影山はヤバいと思った、仔猫がまた牙を見せたと直ぐに察するも遅かった、
    既に間合いの奥に入らせてしまっていた。

     

    とっさに両耳を手でガードする、過去にリンソニックボイス
    鼓膜をやられたことがあったからだ。 

    だが、リンの狙いは彼の耳ではなかった、
    フェイスガードと喉の隙間に冷たく硬い物が当たる感触、
    それはサバイバルナイフだった。


    身構えてはいたものの影山はリンの動きを後追いすることしか出来なかった。
    動けない、リンが彼の胸の前で、下からナイフの切っ先を突き立てている、
    影山もリンの愛用ナイフが本物の軍用ナイフであることを承知していた。

    鳶色の瞳が悪魔のように恐ろしく、喉から流れた汗がナイフのブレードに伝え落ちる。

    狂犬と呼ばれたリンの不安定な理性が、平静であり続けることを祈るだけだ。

    影山ちゃん、もう一度言っておくで。
    うちの仲間に手を出したら許さへん!

    リンは舌っ足らずなアニメ口調ではなく、地の関西弁で影山に警告した。

    「ああ、わかっている……ところで、サキ、いいのか? 友達が今のお前を見ているぞ」
     影山はリンのことを本名のサキで呼ぶ、ルミへ視線を向けさせようとフェイスガードから
    覗く目をギョロつかせた。

     注目されたルミは、一種、身を震わせた。
     リンルミの方へ視線を向けた瞬間、影山は身を反らせ、そのままバク転して
    リンから素早く離脱した。

    リンは追おうとしなかった、手にしたナイフを胸のホルダーに仕舞いながら。

    影山ちゃん、今度武田さんにペーパーアーミーなんて言ったりしたら、
    マスクの下の鼻を削いでやるですゥよ

    「ふう~、おっかねえな。言わねえよ」
    影山はリンの話し方が、アニメ口調に戻っていることから、一先ず安堵した。
    (どうやら、メガネの友達の前では、あいつ理性にリミッターをかけてるようだ)

    三人はその場から、引き揚げにかかる。
    林を抜け、駐車場へと歩く。途中、先に行っていた筈の丸川が武田を背中から
    降ろして頓挫している、意識が戻った武田と何か揉めている。

    「武田さん、大人しくしてくださいよう」

    「この歳で人におんぶされるの恥ずかしいだろ」

     武田が人に負ぶされるのを嫌い駄々をこねている様子、まだ一人では歩けないのか、
    地面に腰を降ろしたままだ。

    あらあら、大の大人が大声だして。そっちの方が恥ずかしいのですゥ~

     口に手を当て、嘲笑うリン

    「全く、困ったおっさんだなあ」
     影山はそう言いつつも、武田の腕をとり、自分の肩を貸して引き起こす。

    「ああ、す、すまんな …… 」

    武田は不意を突かれた感じで、照れも少しはあったが、彼の好意を素直に受け取った。
    背の高い影山が腰を曲げた窮屈な姿勢で肩を貸しながらも、歩を合わせてくれている。
    武田は自衛官だった頃に、ヤンチャな後輩を何人も指導してきた、
    その経験から反発気味な若者と気を通じ合うには、難しい理屈や優しい言葉ではなく、
    相手が感服するような技量を見せることと相手の成長を認めてやることだと思っている。

    ついさっきまで争っていた赤いモヒカン頭の影山に心境を吐露する。

    「お前、派手な見た目と違って、マジで強いな。
     初めは懲らしめてやろうと思ってたのに、このザマだ」

    「俺もおっさんのこと見直したぜ。
     普通、胃液を吐くまでやられて、立ち続けるなんて、レンジャーの根性は半端ねえな。

     それと一つ訊いていいか? 何で自分のエモノで突いてこなかったんだ?」

    「気づいていたのかモヒカン……芯が折れてたからあのまま突くとケガをさせちまう」 

    「!」

     互いに肩をパンパンと叩きながら、遺恨なく歩いている。

     その様子を後ろから見ていたリンが。
    あのふたり、何だか少年マンガでバトルの後に
    友情が芽生えたあ~みたいなことやってるのですゥ。
     始まりは子供の喧嘩みたいだったのにぃ。
     まあ、影山はああ見えて、族の中じゃ人情肌で舎弟の面倒見も良い奴だったし。
     だから、チームの結束も強かったし、解散後も仲間と一緒に連るんでるんでしょう

    へえ、そうなんだ
    過去の影山の事情を全く知らないルミは、適当な相槌を打つしかなかったが、
    影山のフェイスガードの下の美形なルックスと割れた腹筋を思い出し、
    顔をだらしなく緩ませる。

    ルミちゃん、なんか顔が気持ち悪いですゥよ。 何をニヤついてるんですゥか?

    エへッ、わたし、そんな顔してた?

    薄い本を読んでる時と同じ顔をしてたですゥよ、むふふ

    ……」見透かされ、ルミは赤面した。



    (つづく)
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    ★初めて読まれた方は、1頁目からどうぞ
    http://ch.nicovideo.jp/sonicvoice/blomaga/ar858417

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