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『コスプレ少女』ROUTE161  453-456頁  ★ネトゲーのやり過ぎでコミュ障さんに
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『コスプレ少女』ROUTE161  453-456頁  ★ネトゲーのやり過ぎでコミュ障さんに

2021-05-04 23:02
    ちょっと心に傷あるコスプレ少女たちの物語。
    【 今までのあらすじ】

    コミュ障で友達が出来なかった京都に住む中学生のルミは、イベントで年上の美少女レイヤー滝沢エリカや同じ歳で萌え可愛い人気レイヤーの白銀(しろがね)リンと出会う。
    ルミリンの誘いでサバゲ―イベントのお手伝いをすることに。
    ★ニコ動がブロマガサービスを修了させるとのこと、引っ越し先を思案中…

    *********************************************************
    07~09年に商業誌の新人賞に応募も落選した「コスプレ少女ルミ」シリーズと「ソニックボイス」の作品を
    再編集して、書き直したものです。先に当ブログに掲載していましたが、ルミの一人称形式を改め、
    設定(携帯⇒スマホ)修正、加筆しています。

    *****************************************************
    *****

    【登場人物紹介】                
                        人公の本田ルミ
    この春、中学生になったばっかりの
    女の子。
    ゲームオタクでプチ引籠り、コスプレを
    きっかけにコミュ障からリハビリ中。
     ツインテールのメガネっ娘のゲーム
    キャラ賢者のルミのコスプレイヤー。   

     イメージイラストは ぽよん 様提供。     
                      


                        滝沢エリカ                
    ポニーテールにティアラを着けた
    エリカ姫」の
    コスプレイヤーで
    中学三年生。
    イジメによる背中に酷い火傷が
    コンプレックス。
    リストカットした過去もあるちょっと
    ワケありの美少女。
    ルミをダンス動画作りに誘う。


                      白銀(しろがね)リン
    ルミがイベント会場で出会ったベレー帽が
    トレードマークの萌え可愛い女の子。
    本名は坂本サキ

    天使のリンをイメージしたオリジナル
    コス
    プレイヤー。
    実は「狂犬サキ」の異名をもつ、街の不良からも
    一目置かれるほどの喧嘩猛者だった。

    イメージイラストは ゆりぺっこ 様提供。
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     当ブログ内のイラストの著作権者は、各絵師様に有りますので転載等はご遠慮願います。

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       453-456頁です。

    サバゲ―会場の撤収作業も終わり、ルミ達はピックアップトラックに乗り込んだ、
    来た時と同じく幌付きの荷台側だ。
    本来、シートベルトもない荷台に人が乗るのは違法なのだが、運搬する荷物を
    「見守る」と言う建前で必要最小限の人数ならギリギリ合法になる。

    しかし、荷台側に三名も乗っているので最小限と言えるか怪しいグレイゾーン、
    だから走行中は幌をオープンにしてはいけないのだ。

    タイヤが砂ぼこりを巻き上げ、乾いたダートを疾走する。
    大きなわだちで車体が跳ねる、荷台に乗っていたルミのお尻が一瞬、宙に浮く。

    舌を噛みそうなくらいの揺れに、ルミは転げまいと隣に座るリンの腕にしがみついた。

    行きと違って、荒っぽい運転だね
    そうぼやくルミに、行きと同じく彼女の真正面に座っている丸川が、幌の支柱を掴みながら

    「今は黒田大佐が運転してるから …… 」
    と小さく呟いた。
     彼はルミの方をチラチラ見るが、視線は合わせず下を向く。

     ルミは今日、初めて丸川から話しかけられた。
    もちろん、今朝、初対面の時に挨拶はしたが、話しかけられたのは、
    もう帰る今になってだ。
    彼は元引籠りで、対人関係は苦手らしい。

    あれこれと彼に命令する武田とは、結構賑やかにやりとりをしてはいたが、
    それはルミが馴染みのリンとは仲良くお喋り出来るのと同じようなもの、
    要するに人見知りするのだ。

    ルミ自身もプチ引籠り、自分と似ているなと感じた。
    行きの同乗の時は、素性も知らなかったので 迷彩の完全武装したその姿が
    恐ろしくも見えたが、今見るとまだ少年ぽさが抜けきれない十九歳だ。

    ルミは丸川がどんな人なのか気になった、もう帰るまでそれほど時間もないというのに、
    話をしてみたいと思った。
    いや、あまり時間がないからこそ、ルミは思い切って彼に話しかけた。

    武田さんがケガしちゃったから黒田さんが運転しているんですね。
    黒田さんって、老紳士って感じなのに、ハンドル握ると豹変しちゃうタイプなんですか?
    ルミは質問する自然な感じで話を振った。

    俯いていた丸川が顔をあげた、少し驚いた風だったが、ルミに視線を合わせて返答した。
    「車の運転は武田中尉の方が慎重です。
    自衛隊に居た時に、絶対に外では事故を起こしちゃいけないって厳命されていたそうです」
    どうやら、自衛隊員に世間の風当たりが強い風潮が反映されているようだ。

    丸川は年下の中学生に対してよそよそしい敬語だったが、はにかんだ表情を見せた。

    丸川さんは運転しないんですか?

    「ぼ、僕は免許持ってないんです」

    免許、取らないんですか?

    「……まずはバイクから取ろうと思ってます」

     ピックアップトラックがダートを抜け、アスファルトの国道に入った、
    オフロードタイヤのグリップ音でそれが判った。

     ルミは次の話題を探る。
    丸川さんはゲームでは、やっぱりシューティングが得意なんですか?

    「ゲームは …… 止めたんです …… 」
     丸川の表情が曇る。

     リンルミの脇を肘で小突いて耳打ちする。
    丸川兵長はね、引籠りからのリハビリで、可哀そうにゲーム機を全部
    取り上げられちゃったのですゥよ

    そう教えられ、ルミの表情も暗くなった。
    しまった! うっかり地雷を踏んじゃったよ。どうしようリンちゃん

    な~に、大したことないのですゥよ
     リンは丸川の方を向くと。
    このルミちゃんもネトゲーのやり過ぎでコミュ障さんになっちゃったんですゥよ~。
    でもって、ただ今、コスプレで社会復帰を目指しているところなのでえすゥ~
     腕を拡げて華々しくルミの事を暴露した。

    そ、そんなあ、人の個人情報を発表しないでよ~

    あ~ら失礼、でも軽症の方ですゥよね。
     ゲーム断ちまでせずに済んでいますゥから。
     可哀そうに学校じゃボッチの便所飯だそうですゥけど

    便所飯ってディすらないでよ!

     中学生ふたりの姦しい会話に当てられたのか、丸川の表情から暗さが消えた。

    「ひょっとして、ルミさんのそのツインテールと眼鏡って、
    『ファンタジア学園』の『賢者のルミ』を真似てるんですか?」

    兵長! ひょっとしても何もないですゥよ。今頃、気づいたですゥか!
    丸川を叱咤するリンにルミは慌てた。

    リンちゃん、そんなに怒らないで

     リンをなだめ、丸川にフォローを入れる。
    黒い角帽を着けてないとツインテとメガネだけじゃ誰だかわかんないですよねえ
     そう言って、ルミはツインテールの両端を手で拡げて見せて丸川に愛想よく微笑んだ。

    「す、すみません、気づかなくて。
    でも『ファンタジア学園』は、僕も好きなゲームです」

    推しキャラは誰なんですか?

    「ん~、ヒロインのエリカ姫 …… かな …… 」
     丸川の返答に、またまたリンが突っかかる。

    まったく、兵長は気が利かないですゥねえ。
     うちらを前にして、そこは『天使のリン』か『賢者のルミ』って
    言って欲しいところなのですゥよ!

    「ウウ、す、すみません」

    でも、エリカ姫が推しだとは初めて聞きましたですゥよ。
    なら、特別に、いいものを見せてあげるですゥ

     そう言うとリンは スマホ画面をせわしくスワイプして
    フォトアルバムから何かを探し出す。
    ニタりと笑って、丸川の眼前に元気よくスマホ画面を突き出した。

    じゃ~ん、これを拝ませてあげるのですゥ~

    「リアルエリカ姫! 脚、細!」

     それは滝沢エリカの写真だった。
    ポニーテールの黒髪に燦然と輝く銀色のティアラ、
    凛とした表情は可愛い系というよりは美人系、
    赤いスカーフのセーラー服、短めのスカートからスラリと伸びた白い脚、
    まるで命を授かったフィギュアモデルみたいな完成度だ。

    魅入る丸川、グラビアモデルに喰いつくような欲情的なものではなく、
    神々しい絵画に感銘を受けているような表情をしている。

    ふふふ、エリカお姉様は綺麗でショ
     まるで自分の事のように自慢げなリン

     そして、その大きな鳶色の瞳で、魅入る丸川に何か言えと無言の圧を放つ。

    「い、いやあ、コスプレは白銀(しろがね)曹長殿の可愛い感じの方が好みっす」
     丸川の声が心なしか震えている。

    キャハ! よろしい、少しは気が利くようになったですゥね
     そう言ってリンは上機嫌で丸川の肩を景気よく叩いた。

    萌っ娘! 今のは、あんたが無理くり言わせただろ!
     そう心の中でリンに突っ込みを入れるルミ

    こっちはね。ルミちゃんのですゥ

    えっ、わたしのも!

     次にリンが見せたのは、チョコレート色のブレザーに黒いハーフマント、
    きちんと角帽も被った賢者のルミの正式なコスプレ写真だった。

     丸川は写真とルミを暫く見比べ。
    「凄く似合ってます。可愛いです賢者のルミ」

    あ、ありがとうございます
     お世辞だと分っていてもルミは恥ずかしそうに照れた。

    たいへんよろしい。兵長も女の子とちゃんとお話しが出来るようになったのですゥ。
    これからも気を利かすリハビルに努めるのですゥよ

    「りょ、了解であります!」 丸川は返事とともに敬礼した。

    まあ、うち以外の女の子と話をする機会も無いのでしょうけど。
     兵長もコスプレ始めたらどうですゥか?

    「い、いや、遠慮しておきます……」

    違う自分に成るってのも、面白いですゥよ。 いっそのこと女装とか?
    そう言ってリンはカラカラと笑う。

    「からかわないでくださいよ」 丸川の口から不満が零れ出る。

    丸川さんの今、夢中になれるのって、サバゲ―ですか?
     唐突な質問だが、ルミは引籠りだった丸川を外に出られようにした処方箋が
    何なのか知りたかった。

     丸川は静かに話し始める。
    「部屋の中と違って …… 銃の重みを感じるし。
    走って、伏せて、起き上がってまた走って
    お腹も空くし、疲れるし。

     でも、チームの仲間とサバゲ―の話をするのは楽しいし、
    ポジションを任されたりとかする
    と、
    少し大げさかも知れないけど自信がついた
    …… みたいな感じがするんです」
     そう言って顔をほころばせる。

    ふうん、そんな感じなんだあ
     ルミはこの短時間で丸川と話が出来て良かったと思った。
     そして、自分もいつかコミュ障から完全リハビリ出来るとの思いを強めるのであった。


    (つづく)
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