琴葉姉妹とほしめぐりシリーズ完結1周年記念設定資料的なやつ その2
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琴葉姉妹とほしめぐりシリーズ完結1周年記念設定資料的なやつ その2

2019-07-07 12:11
    https://ch.nicovideo.jp/starduster/blomaga/ar1780157
    ↑の続き。
    キャラクター編。
    7月7日は琴葉姉妹とほしめぐりシリーズから2周年。完結から1周年。

    目次(その2)

    ・キャラクター
    ・個別の幻燈一覧

    現代編

    ・琴葉葵
    年齢:15歳→18歳
    身長:151cm→158cm
    テーマ・モチーフ:ジョバンニ(銀河鉄道の夜)

    『琴葉姉妹とほしめぐり』シリーズの主人公。
    幼い頃に家庭の事情で離ればなれになった姉と高校進学時に再開した。
    心優しい性格で、繊細だが情に厚い。姉の茜よりしっかりものだが、割と葵も天然で抜けている。
    勉学、運動神経共に可もなく不可もない。姉に比べると人付き合いも得意で、なにはともあれ「普通」の子。
    『蠍火の目』の持ち主だが、幻燈についてはほとんど知らず、物語を通して徐々に理解していくことになる。
    相手が人でも化物でも偏見なく関わっていき、事情によってはたとえ化物が相手でも強く感情移入し、一度親身になった相手を見捨てることはしない。
    いわゆる「お人よし」。彼女に悲劇を打破するほどの力はなく、無力感を覚えることもあるが、ただ理解して悼んでくれるだけでも人んいよっては救いになることもある。
    終わりの近い化物達が彼女の周りに集ったのは、蠍火の目を求めてというより、ただ誰かに覚えていてほしかっただけなのかもしれない。

    彼女が今の性格になったのは、幼少期の出会い(ゆかり・きりたん)が強く影響している。
    もし蠍火がなければきりたんとも出会わず、ゆかりと折り合いもつかず、姉に依存する人間不信気味の暗い性格になっていた模様。

    見送る者。
    誰かの悲しみに共感し、寄り添うことができる人。
    3人目。


    ・琴葉茜
    年齢:15歳→18歳
    身長:151cm→165cm
    テーマ・モチーフ:修羅(春と修羅)

    『琴葉姉妹とほしめぐり』シリーズのもう一人の主人公。
    幼い頃に家庭の事情で離ればなれになった妹と高校進学時に再開した。
    おっとりしていて、少し天然。
    性格に見合わず頭は良いが、運動神経は絶望的にない。細かいことは気にしない性格。
    作中で最も強い『蠍火の目』の持ち主で、あまりにも視えすぎるために、幼い頃から様々な化物に襲われ続けていた。
    そのため、幻燈・化物の知識は葵に比べると豊富だが、視えない人からは茜の行動は奇行に映るため、元々の天然・口下手な性格も相まって、葵と再会するまではずっと周りから腫物扱いを受けてきた。
    過去の経験が原因で、周りからは一歩引いた付き合い方をすることが多く、化物の危険性を身をもって知っているため、化物達にも簡単に気を許せない。
    だが、本質的にはやはり妹と同じく「お人よし」で、根は優しくて情に厚い。
    妹の幸せを第一に思っているが、たとえ妹でなくても、他者の悲しみや痛みに敏感で、すぐに手助けをしてしまう。
    ただ、自嘲的・偽悪的な性格のせいか、自分の痛みに鈍感で、己を顧みることができない。
    また、過去の経験から「自分の力で何とかしなければ」という想いが強く、何でも一人で抱え込んでしまう。
    その性格はマキから『化物殺しの猟銃』という実質的な手段を得たことで加速する。

    かくして彼女は修羅となる。
    修羅とは、「自分の妄執に苦しみながらも戦い続ける者」を差す。
    琴葉茜は、『自分の涙に気付けないまま、誰かの涙を止めるために戦い続ける修羅(ヒーロー)』となっていく。

    作中後半の過激な面が目立つが、本来はマイペースな性格。割とずぼらで面倒くさがり。
    ゆかりと話している時などは気を抜いているため本来の性格が表に出やすい。
    特に「面倒くさがり」という部分は何気に表出しやすく、彼女が色々と知っている割に、他人にほとんど語らないのは、「巻き込みたくないから」という面もあるが、それ以上に「詳しく説明するのが面倒」という部分も多分にある。
    より詳しく言うならば、「説明しても理解してもらえないから」という想いが彼女の口を閉ざしている。

    戦い続ける者。
    誰かの苦しみを止めるために戦うことができる人。
    2人目。

    やたらと身長が伸びたのはレイヴンと融合したせいもある。


    ・結月ゆかり
    年齢:15歳→18歳
    身長:157cm→159cm
    テーマ・モチーフ:なし

    葵の幼馴染。琴葉姉妹が別れた後で出会ったので、茜と直接の面識はなかった。
    勉学・運動神経共にハイスペックだが、人の心の機微には鈍感で、いわゆる天才肌。
    趣味はUMA、超常現象の探索だが、『蠍火の目』も持たず、霊感的なものはゼロに近い。
    周りを巻き込み、周りの人を引っ張りまわす。自己中心的とも言えるが、「大切なこと」は見えなくても感覚的に理解しており、時折鋭いことを言う。
    幼い頃は無鉄砲で傲慢な性格で、若干いじめっ子気質。また、他人の心が理解できなかった。

    彼女が今の性格に育ったのも、幼少期の出会い(葵・きりたん)が強く影響している。
    特にきりたんの教えは人格形成の基盤になっており、きりたんのことを殆ど覚えていなくても、ゆかりの心の主柱になっている。
    また、葵という放っておけない幼馴染がいたことも、きりたんと別れて以降のゆかりの成長に強く影響している。

    葵もまた、ゆかりのおかげで姉と離ればなれになっても孤独を感じず生活することができた。
    『ほしめぐり』という物語において、彼女は何の役割ももたないが、だからこそ、彼女の笑顔は貴重だった。

    ただ隣で笑ってくれる人。


    ・東北ずん子
    年齢:???歳
    身長:157cm
    テーマ・モチーフ:山猫(注文の多い料理店/どんぐりと山猫)

    正式名称は『ずんだ山猫』という山猫の化物。
    幻燈『四辻の森』の主で、人間に化けて社会に紛れることができる程度には強い力を持つ。
    出会った当初は葵のことを獲物としか見ていなかったが、以降、葵とは何かと縁ができ、1年後に葵・茜の下級生として同じ学校に入学する。
    ただし、本来は山を住処にする化物のため、人の姿を取り続けるのはかなりの力を消耗する。

    化物の割に人の文化に詳しく、また知らないことには純粋な興味を示す。無邪気で人を疑うことを知らない性格で、懐いた人には開けっ広げな好意を示す一方、動物的な勘で危険なものや危険な人物を嗅ぎ分けることができる。
    化物の間では『人間かぶれの変わり者』として知られている。
    一方、「化物としての彼女」はどうした所で「人食い」であり、その性質は変えられない。
    力が弱まるほど自制が効かなくなり、大切な人でも食い殺してしまう。
    だから彼女は自分が完全な化物に戻る前に、撃ち殺されることを願う。
    それがどんなに残酷な願いかもわからぬままに。

    その正体は、過去に孤独だったところを東北じゅん子に拾われた野良猫。
    飼い主のじゅん子に懐いており、最期の時まで彼女と共にいた。
    しかし、じゅん子が『貝の火』に命を捧げて、共に死ぬはずだった猫に「じょうぶな身体」と「生きていける力」を授けた。
    結果、猫は『山猫』という新しい化物に変生する。
    以上の経緯から『山猫』はじゅん子に感謝し続けており、じゅん子の代わりに、彼女の求めた『本当の幸い』を探すようになる。

    「人食いの化物」となったのはじゅん子にとってもずん子にとっても想定外の事。
    「人が好きで好奇心旺盛」といった性格は、じゅん子の願いを受けついだこともあるが、それ以上に「ずんだ山猫」自身の性質によるところが大きい。

    受け継ぐ者。
    怪獣のバラード。


    ・東北きりたん
    年齢:???歳
    身長:140cm
    テーマ・モチーフ:座敷童(座敷童子のはなし)

    座敷童の化物。
    見た目は小学生だが、比較的長い期間を生きた化物であるため、知識も力も豊富。
    住処となるような特定の幻燈は持たないが、彼女の住む家が自然と「座敷童の住む家」として幸を呼び込む幻燈になるため、都会でも問題なく活動できる。
    人間と変わらぬ実体と戸籍を持ち、東北ずん子共々、旧い家に住んでいる。山の化物であるずん子が1年以上街で過ごせたのは、彼女の力のおかげもあった。
    ずん子と違い、100年近くこの街で過ごしていたが、殆どの期間は霊体化していた。
    ただ、霊体の状態でも『蠍火の目』を持つ相手や感受性の強い子どもには視えてしまう。
    現代編が始まる10年前に、幼少期の葵・ゆかりと出会っている。その頃の出会いは2人に大きな影響を与えた。また、きりたんにとっても二人との出会いは忘れられないものとなったようだ。

    現代編では事実上の最年長。
    長い人生経験から性格は達観しており、何事にも動じない。
    趣味は読書、家での休養、童話の収集。
    生活する上での一般的な教養は備えているが、今時の流行りには疎い。
    現在は葵もゆかりもきりたんのことを覚えていない。
    だが、きりたんは今も2人のことを覚えており、茜やずん子も含め、一歩引いた視点から皆を見守っている。その態度はやや過保護な保護者のよう。

    その正体は東北じゅん子の妹。雪の日に死んだ東北きりたんが変生したもの。
    生前の記憶を有しており、本来無関係な『山猫』の化物である東北ずん子に拘るのはそれが理由。
    彼女はずん子を、自分と同じくじゅん子が化物になった姿で、生前の記憶を失っているのだと思っていた。
    だが、その間違いに気づいた後も、2人の姉妹関係は揺らぐことがなかった。

    本編中だとゆかりとの関係が強調されるものの、問題児なので手を焼くことが多かったため。
    実際には葵のことも同じくらいに愛している。


    過去編

    ・東北じゅん子
    年齢:17歳→21歳
    身長:157cm
    テーマ・モチーフ:グスコーブドリ(グスコーブドリの伝記)

    過去編の主人公。1人目の星巡りの旅人。見送る者でもあり、戦う者でもある。
    きりたんを失い途方にくれていたところを、『博士』と名乗る弦巻マキに拾われ、人と化物の理想郷・幻想都市イーハトーヴにいざなわれた。以来彼女の元で幻燈の扱い方を学んでいく。
    『蠍火の目』を持つが、その力は不安定で琴葉姉妹ほど強くはない。
    博士から『化物殺しの猟銃』を受け取り、それをもって様々な幻燈と関わる。きりたんを失ったことがトラウマになっており、「妹が死んだというのに、自分がのうのうと生きていていいのか」という想いが常に心中を渦巻いている。その苦悩は、やがて「本当の幸い」への問いに変わっていく。
    最後は火山噴火で生まれた竜の幻燈から幻想都市イーハトーヴの人々を守るため、「普通の少女」は勇気を振り絞り火山へ向かう。犠牲により幻燈の被害は最小限に抑えられたが、それが彼女のおかげと知るものは殆どおらず、じゅん子は無名のまま生涯を終える。
    朴訥とした性格だが、決断力もあり、性根は優しいが、戦うべき時は勇気を出して戦う。
    だが、彼女は決して超人というわけではなく。笑うことも怒ることも、悲しむこともある普通の人で、後の琴葉姉妹のように突き抜けることも吹っ切れることも最期まで出来なかった。

    1人目の彼女の決意は特別視されるようなものではなく、普通の少女が普通に勇気を振り絞っただけの、普通に格好いい物語だったのだ。

    1人目。


    ・東北きりたん
    年齢:10歳
    身長:140cm
    テーマ・モチーフ:楢夫(ひかりの素足)

    生前の東北きりたん。東北じゅん子の妹。
    冬のある日、姉と共に雪山で遭難し、自分だけ命を落とす。
    享年10歳。


    その他

    ・弦巻マキ
    年齢:???歳
    身長:163cm
    テーマ・モチーフ:ブルカニロ博士(銀河鉄道の夜・第三稿)

    現代編では「弦巻マキ」を名乗り、琴葉姉妹の同級生。
    過去編では「ブルカニロ博士」を名乗る、幻想都市イーハトーヴの責任者。
    他にも様々な名を騙り、各地の幻燈に偏在する化物とも人間とも言えない謎の存在。
    斜に構えた飄々とした性格で、色々なことを知っている様子だが、追及されても薄ら笑いで煙に巻くことが多い。

    その正体は、『心象スケッチ』の大本である『物語の原本』。
    その『手記』自体が幻燈となったもの。
    心象スケッチという幻燈は、全て彼女から生まれたものであり、言うなれば彼女の一部。
    故に彼女は全ての『心象スケッチ』に対して絶対的な力を持つ。
    またそれ以外の幻燈に対しても、『全ての心象スケッチの総体』であるため、単純に出力の桁が違う。
    そうした強い力を持つ一方で、彼女自身は非常に曖昧な存在である。
    『手記の幻燈』である彼女は、物語内に役がない。「銀河鉄道の夜」の没キャラクターである「ブルカニロ博士」を名乗っているが、それも彼女の正体ではない。
    誰にでもなれるが誰でもない無貌の者であり、様々な名を騙って幻燈に紛れられるのはそのため。
    また『手記自体』の特性として、筆者の記憶・人格を継承している。ただし、それはあくまで手記に書かれた――いわば戯画された作者の心であり、決して作者本人ではない。マキ自身も『自分と手記の筆者は別人』と認識しており、それが彼女の心に空洞を作っている。
    『ほしめぐり』という物語の大体の元凶。未完成の銀河鉄道を完成させて天上に至るため、蠍火の目を持つ人間に幻燈を巡らせ、物語を追体験させることで『ジョバンニ』と『カムパネルラ』を意図的に作り出し、銀河鉄道の終点で彼女に「本当の幸い」の答えを求めた。「星巡りの旅」全てが、その問いに至るための心理実験だった。ただし、マキの目論見通りに進んだのは半分だけ。

    目的はあったが、それはあくまで役割をなぞっているだけであり、彼女自身の動機ではない。
    「ブルカニロ博士」も「筆者の心」も、また彼女が騙る様々な名前も全て借り物であって、マキは自分のことを空虚な「人でなし」だと断じている。
    目的のためなら手段を選ばない冷酷な性格――だが、目的が関わらないところでは――
    笑顔を絶やさず、気配りも出来る。積極的に表に立つ方ではなく、基本的に助言に留めるが、人を助けることに躊躇はない。また、当人に自覚はないが身内とみなした相手にはやや態度が甘くなる。
    そうした性質こそ他でもない彼女自身の本質なのだが、作中でそれに言及出来たのは、役を持たないゆかりだけだった。


    ・東北イタコ
    年齢:???歳
    身長:160cm
    テーマ・モチーフ:狐(雪渡り)

    最古の心象スケッチ。妖狐の化物であり、幻燈・『雪渡り』の中で、他の妖狐の化物と過ごしている。
    現代編では殆ど消えかけており、全盛期の力は殆ど残されていない。
    だが、『妹』のずん子を守るために、己に残されたすべての力を使って一時的に全盛期まで戻り、茜と対決した。

    過去編ではイーハトーヴの住民で、そこでじゅん子と出会い、彼女のことを妹と呼んで溺愛していた。
    最後までじゅん子を案じつつも、彼女が火山にたどり着くまでイーハトーヴを守るために竜の幻燈と対決する。また、この時の怪我が原因で力を失った。


    ・レイヴン
    年齢:???歳
    身長:160cm(人間時)
    テーマ・モチーフ:烏の大尉(烏の北斗七星)

    烏の幻燈。生前はどこかの紛争地帯の傭兵で、レイヴンと呼ばれていた。
    死後に烏の化物となったが、茜を気に入り茜についてくるようになる。
    ややお調子者で少し天然で、よく笑うしっかり者。
    化物になりたてのため、力や知識は殆どないが、茜に憑りつくことで生前の自分の身体能力、技術などを分け与えることができる。その時は茜の姿は黒い服装へと変わる。
    また、傭兵だったという経緯から色々と慣れており、茜に足りない部分を物理的にも精神的にも補い続けた。
    茜が片腕を失い瀕死の重傷を負った時、己の命を『貝の火』に捧げて、自分自身を茜の片腕へと変生させることで命を救った。

    以降、茜の左手は一個の化物「烏の左腕」となる。腕にはもうレイヴンの意志は残されていないが、茜に害を成すものには自動的に反撃する。
    生前は妹がいたが、姉らしいことは出来なかったことを悔いていた。



    ・セヤナー
    年齢:長生き
    身長:ちまちま
    テーマ・モチーフ:クラムボン(やまなし)

    茜の旅に同行する謎のナマモノ。
    実は化物の類ではなく、この世界に生きるれっきとした生物である。
    軟体動物門:腹足綱 :異鰓上目:ボイロスライム科
    いわゆる殻をもたない貝類で、類縁種はウミウシ。
    高い知能と声帯を持ち、鳴き真似をして周囲に擬態する。
    また、人に育てられたボイロスライムは人語を覚える。ただの鳴き真似でなく、単語ごとの意味を理解し、2・3節程度の文章を組み立てることができる。

    特に茜についてくるセヤナーは長生きしているせいか、ボイロスライム科の中でも特に知能が高く、5節以上の文章を使いこなせるほか、嘘・冗談・命乞いまで理解する。


    ・緑の悪霊

    年齢:???歳
    身長:???(不定形)
    テーマ・モチーフ:又三郎/オツベル(風野又三郎/オツベルと象)

    物語の中盤から登場し、蠍火の目を狙って様々な策を使った、正体不明の化物。
    中盤は「風野又三郎」。後半は「オツベル」と名乗り立ちふさがったが、彼の正体はそのどちらでもない。そもそも『心象スケッチ』の化物ですらなく、何かに憑りつかなければ自分の形も保てない過去の亡霊。

    しかし、その妄執と執念はすさまじく、消滅しかけの悪霊でありながら、策を練って他の化物達を騙し討ち、きりたんを含む他の心象スケッチを吸収することで、最後の敵として立ちはだかる。

    その正体は、かつて『先生』の生徒の1人だった、無名の人物。
    『先生』の死後、作家としての『先生』の再評価と、遺作を残すために尽力した。
    しかし、彼の物語の原本は幻燈化しており、生前に表に出たもの以外は彼には見つからなかった。
    未練の中で死んだ彼は怨霊となり、幻燈や心象スケッチの理を理解する。
    以降は『先生』の書いた世界を永遠にするために奔走した。
    長い年月の末に願いが歪み、ほぼ悪霊化していたものの、根底にあったのは『先生』への純粋な敬意と、物語への愛だった。



    ・茜竜・葵竜
    年齢:???歳
    全長:2・30M
    テーマ・モチーフ:サンムトリ火山(ペンネンネンネンネンネネムの伝記)

    火山噴火の幻燈。噴火した火山がイーハトーヴの影響で幻燈となってしまったもの。
    赤い竜は荒ぶる溶岩の具現。荒々しい性格で、目に映るものを全て焼き尽くす。
    青い竜は火山そのものの具現。人に御しきれるものではないが、山の神、土地神の性質を持っており、鎮められれば素直に封じられる。


    ・『先生』
    年齢:30代
    身長:163cm
    テーマ・モチーフ:宮沢賢治

    『心象スケッチ』を書いた人物であり、手記の本当の持ち主。童話作家であり、農学校の教師でもあったため、『先生』と呼ばれる。
    容姿はマキに似ており、牧歌的でやや天然気味。
    妹がいた。


    ・個別の幻燈一覧

    ・『化物殺しの猟銃』
    所持者:東北じゅん子→琴葉茜

    かつて諸行無常を想った狩人が持っていた、「獣殺しの猟銃」が幻燈化したもの。
    この銃自体が独立した幻燈であり、撃たれた化物はなんであれ死に絶える。


    ・『緋色の修羅』
    所持者:琴葉茜

    茜が『化物殺しの猟銃』を媒介にして発現した茜固有の幻燈。
    『たとえ修羅に落ちてでも妹を守る』という茜の心象が具現化した形。
    その効果は、彼女自身を化物(修羅)にする、というもの。
    発動中は茜自身に肉体強化と再生回復を常時付与し続ける。
    過剰な肉体強化に身体が耐え切れず自傷し続けるが、再生回復で無理やり抑え込んでいる。
    茜の心象の具現であるため、決意が続く限り効果に上限はないが、心が揺らぐと発動が止まる。
    そのため、彼女を止めるには物理的にではなく、心を折る必要がある。


    ・『緋色の修羅/烏の童子』
    所持者:琴葉茜

    『烏の童子』を名乗っていた頃の茜の幻燈。『緋色の修羅』に比べて茜の心象自体が変化しており、それを受けて幻燈も変化している。
    『所詮この世は悲しみの世界であり、誰もが苦界を生きるただの修羅』という心象が具現化した形。
    その効果は、彼女の周囲に『修羅道の幻燈』を作り出し、他者を引きずり込む、というもの。
    茜の生み出した『修羅道の幻燈』は全ての命が例外なく殺し合い、茜が解除するか最後の一人になるまで脱出できなくなる。
    また、この世界では茜の記憶から生み出された影が実体を持って殺しあいに参加する。
    戦うつもりがなくても、彼ら同士の殺し合いに巻き込まれることになる。

    上記効果の他、『緋色の修羅』の効果も残っており、茜自体の肉体も強化される。
    ただし、効果自体は弱体化している。


    ・『烏の左腕』
    所持者:琴葉茜

    隻腕になった琴葉茜の命を救うため、レイヴンが命を捧げて姿を変えたもの。
    茜とは別個の幻燈で、茜に憑りつく形で融合している。
    戦闘時は左腕を隠すように黒い外套を羽織るが、漆黒の外套の下に腕があるのではなく、あの外套も含めて全て烏の左腕が変化したものになる。
    割と不定形。状況に応じて様々な形に変化する。
    普段は擬態する腕の形。戦闘時は茜を守る漆黒の外套。飛行時には翼を生やし、攻撃時には大量の銃口を生成する。
    『化物殺しの猟銃』を取り込んでいるため、打ち出される銃弾は、化物殺しと同じ効果を持つ。
    作中最強クラスの強さを誇るが、その分発動のデメリットも高い。
    まず、歪な形で融合しているため、茜の身体には常に激痛が走っている。
    これは平時でも変わらず、さらに戦闘時に大きな力を使うほど、身体にかかる負担も高まる。
    また、左腕側が常に茜の身体を侵食しようとするため、やがては腕に食われてしまう。

    実の所、左腕を得た後の茜は、殆ど自分で戦っていない。
    『緋色の修羅』の再生能力の殆どを左腕の暴走を抑えるために使っており、後は全て左腕に任せている。その様は、まるでオーバードウェポンのそれ。


    ・『雪渡り』
    所持者:東北イタコ
    イタコの所有する幻燈。最初の『心象スケッチ』。
    発動すると「狐の学校の幻燈」が展開される。力を失ったイタコは、普段はこの奥で他の狐たちと余生を過ごしている。
    また、イタコの所有する刀の銘でもある。最古の幻燈の一部でもあるこの刀は、イタコの力そのものであり、絶対的な強さを誇る。



    ・『四辻の森』
    所持者:東北ずん子
    ずん子の所有する幻燈。迷い人を誘う妖の森。
    かつて街の近くにあった、ある山の過去の姿そのものであり、都市開発に伴って失われた動物たちの理想郷。
    発動すると、近くの人間を出口のない森へと誘う。森の中には四辻を中心に、ずん子の居城である『注文の多い料理店』の他、『猿山』『鹿おどり』『かしわばやし』などが存在し、動物メインの化物達が多く住んでいる。
    ずん子が幻燈の所持者であり、管理者の権利は彼女にあるのだが、元の性格が大雑把なせいか意図せず迷い込む人間も多い。
    生息する化物たちも割と自由に生きているが、ずん子の『人間かぶれ』には困っている模様。


    ・『オツベルの象』
    所持者:オツベル
    「オツベル」の名を騙った、緑の悪霊が有する幻燈。
    彼が吸収した『心象スケッチ』の融合体であり、見た目はグロテスクな化物の塊だが、その力はマキにも届く。『手記』であるマキが『心象スケッチの総体』なら、彼の象も『心象スケッチの総体』だからだ。
    同時に、所持者である『緑の悪霊』は心象スケッチ内の化物でないため、マキの権利も意味がない。
    だが、彼は取り込んだ幻燈を完全に制御出来ているとは言えず、それが敗因となって分解され、僅かに残った心象スケッチもマキに回収されて消失した。



    ・『幻想第四次・銀河鉄道』
    所持者:琴葉葵

    最後の『心象スケッチ』。『ほしめぐり』を終えた葵が、それまでのことを綴った『日記』を媒介に発現した葵固有の幻燈。
    『失いたくない』『叶うならもう一度会いたい』という葵の心象が具現化した形。
    その効果は、仮想第四次・銀河鉄道を完成させ、天上に繋げる。というもの。
    発動すると葵は完全に幻想の住人となり、死者の住む天上にも、もう失われた幻燈でも、あらゆる世界を自由に渡り歩くことができる。
    かわりに現世の葵は消滅し、二度と生まれ変わることもない。
    言ってしまえば強制解脱。しかし、それは歪な形のショートカットであり、悟りを得ての解脱ではないため、妄執はそのままに魂だけが肉体から解放される。
    葵の幻燈ではあるが、葵自身が望んだものというより、彼女をここまで連れてきた元凶であるマキの求めた答えだった。
    葵はマキに幻燈を開くことを求められるが、葵はマキを拒否し、自分の答えを告げる。
    その答えを受けてマキは納得し、『手記』の幻燈を閉じる。
    物語は全て終わり。3人目の旅人は現実を生きると決めて、それと同時に彼女の蠍火の目は失われた。
    例え幻想が見えなくても、「本当に大切なこと」を知っているから、もうその瞳は、彼女には不要なのだ。


    ・『修羅』
    所持者:琴葉茜

    終わりの後に残った幻燈。琴葉茜の心象。
    マキが『手記』を閉じたことで『心象スケッチ』は全て消失し、幻燈の媒介となった『化物殺しの猟銃』も失われた。
    しかし、それで茜の心象が変わるわけではないため、ついに自分だけの心象で幻燈を開くことに成功した。
    とはいえ中核を担っていた化物殺しの猟銃も烏の左腕も消えたために相応の弱体化はしている。

    『誰かの涙を止めるため、俺は一人の修羅でありたい』という心象の具現。
    葵が蠍火の目を失ったのと同じように、実は茜もいつでも自分の意志で手放すことができる。
    けれど茜は、あれだけ自分を苦しめていた瞳も幻燈も手放さない。
    2人目の旅人は、助けを呼ぶ声が聞こえる限り、今日もどこかで戦い続ける。


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