• 「斯くして『オンゲキ』はゲームになった」───SUMMER稼働を機にこれまでを振り返る

    2019-08-26 00:01

    0.前提

    (1)筆者はオンゲキをそこそこにプレイしている中途半端なクソザコプレイヤーだ。無論クリアできない譜面もあれば、プレイしたことのない譜面すらある。本記事ではそんな中でも感じた、オンゲキにおける確かな胎動をつらつらと記している。

    (2)執筆時点での筆者のオンゲキステータスは下記のとおりである。
     プレイヤーレベル:168
     RATING:MAX14.17
     シューターレベル:七段
     ランキングイベント実績
      ガルパ:2863位 東方紅魔郷:6623位 プリコネ:1965位 他不参加

    1.前段

     思えばオンゲキの始まりは苦難の連続だった。レバーを中心とした独自のデバイス、洗練されきっていないUI、バトルスコアおよびテクニカルスコアといった性質の違う評価値の併記、キャラクター育成などコアとなるシステムに対する説明不足など。ガルパコラボ経由で触れたカジュアル層はもちろんのこと、歴戦のゲーマーでさえ首をひねったシーンが散見された。
     そして極めつけはガルパコラボ内で行われたランキングイベントだ。この時の対応のマズさが尾を引いてしまい、オンゲキに対するネガティヴイメージを確かなものにしてしまった。列挙すると「突然のランキングイベント告知」「報酬内容を開示しない」「プレートなどのファンアイテムもランキングボーナスに組み込む」など、今日の基本無料ソシャゲではまず犯さない禁忌を、基本有料のオンゲキが平然とやってのけてしまったのだ。


    あれから1年。オンゲキは新バージョンSUMMERの稼働を迎えて確実に良くなっている。次項では下記2点に的を絞ってSUMMERでの改良点を取り上げていきたい。

    2.改良点

    (1)解花チケットの創設

     まず初めに、はっきりさせておきたい点がある。それは「解花がゲーム性に一切寄与せずインカムを上げる措置に他ならない」ということだ。対戦相手のラインナップや限界突破の難しさを見ると解花は事実上必須である。プレイヤーに選択の余地はない。つまり、解花チケットなんてものをわざわざ創設せずに、解花自体を廃止すべきであるというのが筆者の考えだ。基本無料のリズムゲームソシャゲですらレベルMAX状態でスコアを競うのが前提となっている中で、オンゲキの解花を中心としたゲームデザインはひときわ異質である。
     とはいえ、内外では様々な事情があることだろう。そんな中での解花チケットの創設は比較的思い切った舵取りであると評価して良いだろう。我々にとっては小さな一歩に見えるが、開発陣にとっては大きな一歩なのかもしれない。

    (2)楽曲解禁方法の見直し

     SUMMERでは楽曲解禁方法が大きく変わった。原則としてジュエル解禁は不要となり、課題曲クリア条件は対戦相手の撃破から、課題曲ゲージを一定値まで貯める方法になった。この変更により、莫大なジュエルを貯めるためにボーナス曲をひたすら効率デッキで回す必要は無くなったし、解花や限界突破が足りないプレイヤーでも数さえこなせば楽曲を解禁し、さらにストーリーも見ることができるようになった。(しかも早期に課題曲ゲージを貯めればおまけアイテムも貰える!)
     主にSUMMERを機に初めてオンゲキに触れるプレイヤーにとっては嬉しい仕様になるだろう。一方、個人的にはジュエル解禁を廃止したのはやりすぎではないかと感じている。オンゲキをプレイし続ける動機づけを、開発陣からプレイヤーに提供し続けられるかどうかが鍵となってくる。

     オンゲキはSUMMERになってもなお、問題は多い。次項にて2点、議論点として提示する。

    3.議論点

    (1)新レアリティの創設

     ソシャゲをプレイしている者なら時折感じることが有るだろう。突如として実装される新レアリティの意味を。既存のゲームバランスを維持できなくなった時に行われる大味な調整。その先に見える末路を、筆者は幾度となく目にしてきた。
     今回のSR+創設の意図は一体何なのだろうか。ミッション報酬に色をつけたかっただけだろうか。それならば既存のSRスターチケットは使用できないので、却って扱いづらくはならないだろうか。それどころかSRですら同レアリティでもスキル内容にかなりの差が出てきている。考えれば考えるほど、意図がわからなくなる。もしかしたらあまり深く考えなくても良いかもしれない。攻撃力やスキルの多少の差異は誤差の範疇であると。そう思い込むのは自由なのだ。その日が近づいてきた時に、後悔さえしなければ。

    (2)ジュエルのデノミネーション

     新バージョンであるSUMMER稼働に伴い、各種要素の引継が行われている。そのうち、ジュエルに関する引継には注意しなければならない。事実上のデノミネーション(切り下げ)が行われている。
     まず旧バージョンのジュエルについておさらいしよう。チャプタージュエルはそれぞれ第1章、第2章ジュエルに合算される。エンドチャプタージュエルは第3章ジュエルに変換される。オールマイティジュエルは第1章および第2章でのみ使用可能だ。また、オールマイティジュエルは第3章ジュエルに変換できるが1/10に切り下げられる。
     ここで注目すべきはオールマイティジュエルのデノミである。問題点として以下2点が挙げられる。まず、この告知があったのがSUMMER稼働前日であったことだ。どう考えてもデメリット感しか与えない重要な発表を前に、プレイヤーは準備も何も出来なかっただろう。次に、オールマイティジュエルの主な入手方法が有料ガチャから得られるということだ。SUMMER稼働を境に同じ100円でも価値が変わることになる。そもそも、第3章で使用できない時点でオールマイティですらなく、誤解を与える表現であるとさえ言えるだろう。
     一方でデノミに関しては他社含めてバージョンアップの際にはよく行われる行為ではある。この問題は各章ジュエルのラインナップを拡充させたり、ジュエルの量的緩和を行うことである程度は和らぐものと推察している。ちなみに筆者はミッション報酬のカードはどうせジュエルで交換できるだろうと高を括り、エンドチャプターではなく各チャプターのジュエルを集めていたために悲惨な事になっている。

    4.後段

     ここまで(文句多めで)長々と書かせてもらったが、結論としてオンゲキSUMMERでのアップデートは改良点が多く全体として満足の行くアップデートであると評価している。間違いなく遊び易くなっており、従来のネガティヴイメージを持ってしまった人に向けても自信を持ってお薦めできる仕様になったと言って良いだろう。
     本記事を執筆する際に過去の資料やデータを色々探していたが、遡るほどに拙い運営方針が目についた。特に前述した初めてのランキングイベントは今思えば目も当てられない程であり、よくぞここまで真っ当なバージョンアップが出来たものだと素直に評価したい。開発陣のたゆまぬ努力が感じ取れる。
     オンゲキはソシャゲライクなゲームデザインであるため方方から様々な意見が飛び交うが、ゲーム自体の作りはキュートな見た目に反してとても手堅く、ゲーム開発従事者としての矜持が垣間見える。これからも開発現場から主管部、経営陣、ひいてはKADOKAWAを始めとしたステークホルダー各位にはオンゲキという作品に真に向き合って頂きたく、SUMMER稼働を祝すと同時に、今後の誠意ある行動に期待を込めて本記事を執筆した次第である。


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  • 「その昔、トライナリーというソシャゲがあった」───拡張少女系トライナリーにおける画期的なスキームおよび強力なコミュニティの紹介とその継承

    2019-06-08 21:16

    0.前提

    (1)本記事は拡張少女系トライナリーを数あるソシャゲの一つとして捉えている。したがってメタ的な記述が多く、所謂「トライナリーは現実」というスタンスは取っていない。

    (2)筆者はトライナリーのソシャゲ本編を十分にプレイしていない。その深い世界設定や物語あるいは人物像を熟知していないため、あらゆる箇所で拙い文章になっていることと思うがご容赦願いたい。

    (3)本記事ではアニメーションとしての拡張少女系トライナリーは取り扱わないものとする。あくまでも日本におけるソシャゲシーンへの問題提起を主題としている。

    1.前段

     2010年台以降、日本でもスマホが広く普及していった。新しい文明が定着したあとに人々が望むものは古来より娯楽と相場が決まっている。その代表格であるソシャゲは爆発的に数を増やし、人々の娯楽に入り込んでいき、定着し、そして多くが死んでいった。ソシャゲの多くはオンラインコンテンツであるため、常にサービス終了の影がちらつく。思い入れのあるソシャゲほどその影は死の恐怖となって付き纏う。プレイヤー、デベロッパ、パブリッシャ、メディアなど、さまざまな人々がさまざまな場所でさまざまな思いを懐きながらその影と葛藤していく。ソシャゲの最大の特徴と言っても良いだろう。

     本記事ではそんなソシャゲの一つである拡張少女系トライナリー(以下トライナリー)について内外から2つの側面から触れていきたいと思う。アルトネリコなどを世に送り出した土屋暁氏が原案を努めた本作は2017年4月12日にサービスを開始した。アニメーションとの同時進行、有名イラストレータおよび各種IPとのコラボにも意欲的であり、何よりも土屋氏を支持してきた熱狂的なファンによる支援もあったが、惜しむらくは2018年8月31日にサービスを終了した。現在はアプリをダウンロードすることも出来ないし、アプリを起動してもサーバに接続することが出来なくなっている。ソシャゲとしてのトライナリーは死んでしまったのだ。

     あの頃を思い出すにも手元に残された材料は少なく、脳に刻まれた記憶は時を刻むごとにすり減っていく。せめて全てを忘れる前に、自分のココロと記憶の整理を目的に今、筆を執っている次第である。

    2.画期的なスキーム

     ここでは筆者がトライナリーをプレイする上で印象に残っている仕組みを紹介する。

    (1)ファーストフラグ

     トライナリーは度々提示される選択肢から任意の項目を選びながら物語を進めていく。所謂アドベンチャーゲームによくあるアレだ。だがトライナリーはひと味違う。一度選んだ選択をなかったことにすることは出来ない。例え最初からやり直してもその選択肢にはファーストフラグが付与され、それは刻印として残り続ける。アドベンチャーゲームといえばオフラインが主流であり、セーブロードを繰り返してあらゆる選択肢を選びながらエンディングを回収するのがお約束のようになっている。そんな中でトライナリーはオンラインで全プレイヤーのフラグを管理し、セーブロードを許容しない。ソシャゲならではのストイックな仕様には舌を巻いた。

    (2)総意

     前項のファーストフラグに絡めて、それは物語を進行する上で運命を決めるような重大な選択でも例外ではない。全プレイヤーが選んだ選択肢の結果(多数決)によって物語が分岐することもあるのだ。本編では総意システムと呼ばれていた。このシステムのせいでシナリオを書き溜めて置くことは出来ない。毎週更新されていたトライナリー本編での無数の選択肢を見てしまうと、土屋氏を始めとした開発陣の苦労を推し量るには想像に難くないだろう。執筆現在、このような仕組みを採用しているソシャゲは幾つか散見されるようになったが、いずれにしてもトライナリーが先進的であった事実に変わりはない。

    (3)ツイッターよる掛け合い

     トライナリーにはメインヒロインとなる女の子が5人登場する。本編以外でも5人全員が(実際の!)ツイッターアカウントを保有しており日常的に掛け合いが行われていた。これにより本編以外でも彼女たちの性格や様子をうかがい知ることができ、トライナリーという大枠でのライブ感を創出することに成功している。このツイッター上での掛け合い、控えめに言って尋常ではない文量と頻度であり人によっては彼女たちだけでタイムラインが流されるのではと心配になるほどであった。そこらのなりきりアカウントとは次元が違う。未だかつてツイッターをここまで有効に活用したソシャゲ広報を筆者は見たことがない。現在でも彼女たちのツイッターアカウントとツイートは残されているため、遡って当時の掛け合いを眺めることができる。(外部リンク

    3.強力なコミュニティ

     ここでは筆者がトライナリーと接する上で印象に残っているソシャゲ本編以外での動きについて紹介する。

    (1)ツイッターによる掛け合い

     前項と同じ内容だが、ここでは彼女らではなくトライナリーを話題にする人達によるツイッターを始めとしたSNS上での活動について記述する。特に筆者はツイッターのサーチストリームを利用してトライナリーに関する動きを収集していたが、なかなかに訓練された光景が広がっており感心した。問題を提起する人、考察を披露する人、ファンアートを投稿する人、何気ないことをつぶやく人、自分から何かしらを発信する人自体が多く他のソシャゲには無い活発な印象を受けた。

     大抵のソシャゲの場合、サーチストリームにかけるとガチャの結果を上げるだけの人、アカウント売買を希望する人、そもそも公式含めて1日近く全く動きがない事もある。そんなソシャゲの現状に諦観の念さえ覚えてた中で、トライナリーを取り巻くコミュニティは筆者にとって一筋の光だったのかもしれない。

    (2)多様なグッズ販売

     ソシャゲも近年では本編だけでなく、あらゆる方面での収益化を狙うことが当たり前になりつつある。トライナリーでも(ガストのお家芸とも言える)様々なグッズが販売された。関連書籍、CD・BDといった基本的なものから、手紙、食器といった独特なものもあった。その中でも度肝を抜いたのが2018年5月に受注を開始したオルゴールである。このオルゴール、完全オーダメイドで約9万円する代物だがツイッターを監視している限りではかなりの人数の猛者が購入した様子。筆者は流石に手が出なかった。(外部リンク

     他のソシャゲにはない強力なコミュニティ。トライナリーにはまだ可能性がある。少なくとも筆者はそう感じていた。そしてこの翌月に、トライナリーのサービス終了が発表されることとなる。

    (3)外部メディアでの取扱

     トライナリーは有難いことに様々なメディアでも取り上げて頂いた。ファミ通では(ソシャゲ専門誌のファミ通Appではなく)週刊ファミ通本誌で何度も特集が組まれた。本誌で取り上げられるソシャゲはパズドラ、グラブル、デレステなどのモンスター級コンテンツが多い中でトライナリーはある種の異彩を放っていた

     電撃PlayStationではユーザによる年間投票が行われたが、2017年アプリ部門でトライナリーは見事3位を獲得した。アズレン、ガルパ、ミリシタなど名だたるソシャゲがトップ10にランクインする中、はっきり言ってトライナリーは場違い感が半端なかったのだが、それでも本誌でトロフィー授与の様子とインタヴューを掲載してくれた。いずれもトライナリーを取り巻く人達による熱い(熱すぎる?)思いが為せる技だろう。(外部リンク

    4.後段

     トライナリーを知らない人にもイメージしやすいテーマを選定し、文章にも気を遣ったつもりだったが如何だっただろうか。振り返ってみると冗長で無駄に文字数の多い記事となってしまった。他にもまだ言いたいことはある。だが、筆者のココロと記憶の整理だと銘打っても、外部に公開する以上ある程度の節度は必要だ。タイトルにもあるように本記事はサービス終了と同時に消えゆくソシャゲ界隈を憂いて、せめてトライナリーというソシャゲがあったということを紹介し、後世に継承するためという理由に端を発している。

     そんなソシャゲに筆者は懐疑的な立場を取っている。「ソシャゲのゲはゲームのゲだが、ソシャゲはゲームではない。」「ソシャゲは遊んでもいいが、遊ばれてはいけない。」これらはソシャゲに望む際に忘れずに心に留めている銘である。

     開発費の高騰、メディアミックス前提の戦略、ユーザの嗜好の多様化など、ソシャゲ界隈はかつてよりも成熟しているように感じるが現在でも粗製乱造の傾向は見られる。ユーザを裏切り続ける界隈に未来はあるのだろうか。ユーザはますます保守的になるのではないのだろうか。保守的なユーザに革新的なソシャゲを提供するデベロッパは今後現れるのだろうか。執筆現在、聖域ともされる日本のソシャゲ界隈ですら中国デベロッパの影がすぐそこまで見えてきているのだ。

     そんな情勢の中でトライナリーには人を惹きつける魅力があった。革新性があった。ライブ感があった。コミュニティの育成も順調に進み、他のソシャゲにはない様々な独自性を獲得することに成功したと言っても良いだろう。だが、何故1年半でサービス終了という憂き目に遭わなければならなかったのだろうか。その理由は現在も明らかにされていないし、明らかにしなければいけない理由もないだろう。我々が出来ることは、ただただ、年老いたおじいさんのようにつぶやき続けることだけなのだから。

     「その昔、トライナリーというソシャゲがあった」と。


  • 「『オンゲキ』はゲームになれるのか」-オンゲキ不満点まとめ2

    2018-12-31 02:54

    前文

     前回の記事でもオンゲキに対する不満点を述べさせてもらった。たが、オンゲキにはまだ向き合うべき課題が多い。本記事で記述するのは前回からレベルを落として「継続的な運営を志向するならいずれ取り組まなければならない課題」に注目する。同様に老婆心ながら改善案も提案する。備忘録のような取り留めのない長い文章になることをご容赦願いたい。

    不満点1:ランキングイベント

     ランキングとアーケードゲームは切っても切れない関係である。インターネットが無い時代では筐体ごとにスコアが記録されていくため、上位を目指して日夜しのぎを削る光景も見られた。しかし、インターネットが当たり前にある現在ではランキングの意味合いが大きく変わってきている。
     このオンゲキでもランキングイベントの開催が告知された。当時コラボ中のバンドリ!ガールズバンドパーティ!(以下ガルパ)に絡めた追加イベントである。突如として発表されたこのランキングイベントは各界隈に驚きを与えた。
     このランキングイベント、端的にいうと現在のソシャゲでよく見られる形式である。曲をプレイする毎に得られるポイントの累計数による報酬(いわゆるイベボ)と、プレイヤー同士のポイント累計数を競うランキング報酬(いわゆるランボ)の2種類から成る。
     ソシャゲをプレイしたことのある人なら分かるだろうか。ランキングイベント特有の「辛さ」を感じたことはないだろうか。ポイントを貯めるために消費される時間、ポイントを効率よく貯めるために消費されるお金、ポイントのボーダーを常に気にして消費される神経、さらにオンゲキはプレイするために料金を支払う必要がある。さらにさらにオンゲキはゲームセンターに向かう必要があるため当然移動経費がかかるランキングイベントでは様々なリソースが消費されるのだ。
     「じゃあ、そんなランキングイベントに参加しなければいいのでは?」という意見もあるだろう。だがこれも通用しない要素がある。
     まず、このイベントはガルパとのコラボイベントの一環である。当然ガルパファンは注目するだろうし、そのような層を呼び込むためのコラボである。ソシャゲには慣れててもゲームセンターに慣れてない人は多いことだろう。そんな彼らに報酬をチラつかせながら消耗戦を半ば強いるのは如何なものだろうか。なお、本家ガルパではランボにキャラクターカード報酬が設定されていない事を注記しておく。
     非ガルパファンではどうだろうか。残念ながら無視することは難しい。イベボランボ双方にガルパキャラクターのSSRカードが報酬として設定されている。オンゲキで最上位であるSSRを入手するには(非現実的な手段を除くと)ガチャプリントしか無い。つまり文字通り希少なのである。ちなみに筆者はこれまで1万円弱程度を投入しているが未だにSSRは引いたことがない。体感で3%以下であると思われる。
     そう、ランキングイベントはあらゆるリソースを過度に消耗させる形式なのだ。そのため基本無料であるソシャゲだからこそ許されている側面がある。それをオンゲキは、基本無料ゲームではないにも関わらず平然とやってきたのだ。粗製乱造の続く昨今のソシャゲシーンで課金の糸口となるランキングイベントを採用するのはモデルとしてまだ分かる。それをゲームであるオンゲキが実施する意味を、プレイヤーは考えなければならないのではないだろうか。いっときのインカムを集めるためにプレイヤーに消耗を促す行為に、未来を感じることは出来ない。オンゲキが未来あるゲームに近づくため、以下2点を提案する。

    提案1-1:ランキングイベントの廃止

     そもそもソシャゲではないオンゲキがランキングイベントを実施する意義は薄い。ゲームをプレイするための料金をプレイヤー全員が等しく支払っているためだ。正直、なぜランキングイベントを実施しようと企画したのか筆者には理由の見当がつかない。

    提案1-2:ランボ報酬の下方修正

     昨今ではソシャゲをプレイしている人口のほうが圧倒的に多いため、ランキングイベントは比較的馴染みのある形式となっている。幅広い人がオンゲキというゲームを楽しむためにも、過度な射幸心や埋没費用を意識させない程度の控えめな報酬やボーダー設定といった配慮は少なくとも必須だと考える。

     なお、本記事執筆当時でランキングイベントの仕様は流動的だ。その後の東方紅魔郷イベントではランボ報酬の見直しが行われたり、ガルパイベント第2弾ではランキングイベントの不実施が事前に告知されたりしている。フィードバックが進んでいると前向きな見方をしても良いだろう。そのため本項目は課題としての緊急度を落としている。

    不満点2:マイリスト制度

     オンゲキにはマイリスト呼ばれる仕組みがある。各チャプターで設定されている課題曲をプレイして対戦相手に勝つとその曲はマイリストに登録される。マイリストに登録された曲はすべてのチャプターで自由に選曲できる。イベントコラボチャプターでも例外ではない。1回プレイすれば自由に選曲できるとも取れるので、一見すると優良な制度に見える
     この制度の問題点は前回の記事でも取り上げた対戦相手のレベルの存在とミスマッチを起こしている点にある。以下2点の提案とともに詳細な問題点を記述する。

    提案2-1:マイリスト対象曲の縮小

     現在、大半の曲が課題曲になっており1回プレイして対戦相手に勝利して初めてマイリスト登録される。それは版権曲も例外ではない。音楽ゲームをプレイするきっかけを考える上で、耳に馴染んだ曲の存在は非常に重要なファクターだ。まずはプレイしてもらわなければ意味がない。そのために時には膨大な版権料を支払って楽曲を収録するケースも散見されるようだ。加えて対戦相手に勝つ必要がある現状を考慮すると、非オリジナル曲におけるマイリスト制度の意義は薄い。最初からマイリストに入れておいて、誰でも自由に選曲できる曲を増やすべきである。

    提案2-2:マイリスト対象曲の対戦相手レベル廃止または緩和

     これは前回の記事でも言及した対戦相手のレベルに関する項目と被る。自由に選曲できるはずのマイリスト登録曲は、対戦相手のレベルの存在によってその魅力が相殺されている。音楽ゲームならせめてマイリスト登録曲はレベルを撤廃する、緩和するなどの措置があっても良いのではないだろうか。

     この不満点は対戦相手のレベルの存在が解消されれば自ずとこちらも解消されると思われる。それが出来ないならせめてマイリスト登録曲だけでも、といった具合のアプローチである。そのためにこの課題は緊急レベルを落としている。ただ、そもそも対戦相手のレベルの存在がバトルスコアに関連付けられいる時点で部分的な改修での対応は難しい。結局のところ中長期的視点で見るとオンゲキのシステムの抜本見直しはいずれに必要になってくるだろう

    後文

     昨今で馴染みのあるソシャゲのスタイルを取り込む気鋭ぶりは評価するが、うまく機能しているとは言い難い。ソシャゲはゲームではない。逆もまた然り。オンゲキはゲームとソシャゲのバランスを取るという難しい課題に挑戦し続ける選択をした。ゲームセンターやプレイヤーの期待に応えるべく精力的なフィードバックやリソース投入を期待したい。

    (次、記事を書くとしたらキャラクター育成面を中心に)