【ストーリー解析】世界征服~謀略のズヴィズダー~ 第9話「湯煙仮面武闘会」
閉じる
閉じる

新しい記事を投稿しました。シェアして読者に伝えましょう

×

【ストーリー解析】世界征服~謀略のズヴィズダー~ 第9話「湯煙仮面武闘会」

2014-03-13 01:12

    世界征服~謀略のズヴィズダー~第9話「湯煙仮面武闘会」のストーリー解析を行う。→前回 →次回
    記事一覧

    ■評価
    ★ ウィーク/コンプレックス


    [ニコニコ本編]http://www.nicovideo.jp/watch/1394603988

    ■総評
    第9話は温泉回。視覚的には見どころもあるが、ストーリーは非常に散漫で説明不足の点が多い。やりたいことは分からなくもないが、ストーリー構成上の問題が沢山あり、それが理解を阻んでいる。ここに来て、まとまりのない話はちょっと痛手である。ギャグとして成立していれば良かったが、それも微妙なのでストーリー強度としてはかなり低め。もう少し構成を練っていれば、狙いがはっきりして良いストーリーになっただろう。

    ■基本情報
    原作 hunting cap brothers
    監督 岡村天斎
    シリーズ構成 星空めてお(TYPE-MOON)、岡村天斎
    脚本 OKSG(TYPE-MOON)
    アニメーション制作 A-1 Pictures
    ->Wikipedia

    ■登場人物
    [主人公]
      地紋 明日汰(じもん あすた)/ドヴァー - 花江夏樹
    [ズヴィズダー]
      星宮 ケイト(ほしみや けいと)/ヴィニエイラ様 - 久野美咲
      鹿羽 逸花(しかばね いつか)/プラーミャ様 - 伊瀬茉莉也
      鹿羽 吾郎(しかばね ごろう)/ピェーペル将軍 - 広田みのる
      ナターシャ/ウーム教授 - 花澤香菜
      ヤス/アジーン - 鳥海浩輔 (※ヤスの本名は雨角安兵衛)
      ロボ子 - 山崎エリイ
    [ホワイトライト]
      駒鳥 蓮華(こまどり れんげ)/ホワイトロビン - M・A・O
      白鷺 美酒(しらさぎ みき)/ホワイトイーグレット - 寿美菜子
      隼房 香織(はやぶさ かおり)/ホワイトファルコン - 坂本真綾
    [温泉の宿主]
      爺 - 下山吉光
      婆 - 新井里美

    ■ドライバー分析
    第9話のメインドライバーは2つ。

    ①ズヴィズダーとホワイトライトが慰安先の温泉で鉢合わせする(E-G)
    ②蓮華がドヴァーとイーグレットの正体を知る(P)

    またサブドライバーとして、

    ③ケイトの命が狙われる(E-G)
    ④ドヴァーがイーグレットに襲われ、それを蓮華が助ける(E-G)
    ⑤ヤスが裏切ってガラクーチカを盗む(?)(P=E)

    などがある。
    第9話は、大雑把にいうと3つの要素から構成されている。第9話にはいくつかの構成上の問題があるが、とりあえず第9話を振り返るところからスタートしよう。その3つの要素とは、

    1.ズヴィズダーとホワイトライトの争い
    2.蓮華と明日汰と美酒の関係
    3.ヤスを使った香織の計略(未確定)

    の3つである。
    まず、1つ目のズヴィズダーとホワイトライトの争いは、後半、宴会場で鉢合わせたところから開始される(①)。この衝突にはケイトの命が狙われるという展開や、爺さんと婆さんの戦い、逸花と香織の接触などが含まれる。最も差し迫った問題は、このホワイトライトとの戦いだ。

    [宴会場でホワイトライトに襲われる吾郎達]

    次に、2つ目は蓮華と明日汰と美酒の関係である。ストーリーとしては、

    ・蓮華が美酒への憧れをイーグレットに喋る
    ・蓮華とドヴァーが偶然出会う
    ・それを目撃したイーグレットがドヴァーを呼び出して襲う
    ・それを蓮華が助け、ドヴァーやイーグレットの正体を知る

    などのエピソードから構成されており、最終的に蓮華がドヴァーやイーグレットの正体を知るというところに話が落ち着く。これらは蓮華を中心に展開されている。

    [ドヴァーの正体を知る蓮華]

    そして、3つ目はヤスと香織の動きである。香織は前回のラストでヤスに何か話を持ちかけており、今回裏で工作していたようだ。実際、最後のシーンは、ガラクーチカを持ったヤスと香織が一緒におり、工作は成功したように見える。この密かな工作も、背後のストーリーとして存在する。

    [得意げな表情を見せるヤス]

    このように今回のストーリーには大きく分けて3つの要素があるが、残念ながらそれぞれには次のような問題点がある。詳しく見てみよう。

    ■いくつかの問題点とその補足

    ①ズヴィズダーとホワイトライトの衝突の始まりと終わりが謎
    まず1つ目は、ズヴィズダーとホワイトライトの衝突の謎である。宴会席でホワイトライトに襲われる吾郎達だが、そもそもなぜ戦闘になったのかは良く分からない。最も簡単な説明は、ホワイトライトの作戦だったという線だが、それは

    ・イーグレットがドヴァーを呼び出し単独行動している
    ・蓮華は衝突について事前に知らされていない
    ・香織は逸花に「この事態は想定外」と言っている

    ことなどから否定される。とはいえ、

    ・ホワイトライト側から攻撃を仕掛けている
    ・お婆さんがすぐにケイトの命を狙っている

    などの点を考えると作戦であった可能性も捨てきれない。一応、計画ではなかったと考える方が有力だろうか。
    また、この戦闘は終わりも良く分からない。とりあえず描かれているのは、朝になってみんなが帰るところだけであり、お爺さん、お婆さん、イーグレット、ホワイトライト隊員、ズヴィズダー隊員は皆どこかに消えている。考えられる可能性としては、香織が休戦、あるいは撤退命令を出したというのがある。香織は傷を負っており、かつ戦闘は想定外だったので、そういう命令を出してもおかしくはない。

    [なぜか朝チュンで終わってしまった戦闘]

    ②蓮華の気持ちが良く分からない
    第9話の中で最も継続的に描かれているのは、蓮華がドヴァーやイーグレットの正体を知るという話である。しかし、このクライマックスはイマイチ盛り上がらない。なぜなら、蓮華と明日汰の関係がはっきりしていないからである。具体的には、冒頭のシーンや、休憩所のシーンでもう少し明日汰とドヴァーに対する態度の違いを強調しておくべきだっただろう。例えば、

    明日汰 = 自然に接することが出来る友達
    ドヴァー = 話すと緊張してしまう相手

    ぐらいの演出はしておかないと、最後の正体バレに意味が出ない。第5話の蓮華回以来、蓮華はドヴァーにちょっとした好意を寄せている。ストーリーの焦点は、蓮華にとって別の人間である明日汰とドヴァーが一致するところにある。そのギャップ、つまり明日汰への想い、ドヴァーへの想いを予め強調しておかないと蓮華の心の動きがはっきりしない。蓮華に関するストーリーはもっと恋愛として描かないとストーリーの強度が保てないだろう。

    [休憩所のシーン。ここはもっと、蓮華の態度をはっきりさせるべきだった]

    ③ヤスの行動が説明不足すぎる
    今回のストーリーで最も致命的なのは、ヤスと香織が何らかの工作をしていたという示唆がほとんどないことである。まず、注目すべきは序盤でヤスが山中でタバコを吸うシーンだろう。このシーンは一見、ギャグシーンに見えるが、それはミスリーディングかもしれない。もしかすると、このときヤスと香織は密会していたのではないだろうか。(このとき、香織は土産物を見ていることになっている。)
    ただ、それは本編からは全く分からないので、ヤスの裏切りについてきちんと伏線を張るなら、

    ・宿を選んだのはヤス(という描写)
    ・ヤスが誰かと会っている(という描写)

    などを入れるべきろう。ヤスが何かしているという伏線を活かした方が、ラストもしっくりくるし、前半の意味不明さがなくなるだろう。この辺りからヤスは姿をくらましており、ヤスの行動はかなり謎である。

    [山中でタバコをふかすヤス。そのためだけに山中に来たのだろうか?]

    さらに、ケイト達が旅館から帰る際、ガラクーチカについて全然騒いでいない点も気になる。100歩譲って、ヤスに渡してあったのだとしても、その設定は不自然すぎる。ケイトはいつもガラクーチカを持っているので、無くなったら一大事だ。これをどう解釈して良いのか良く分からない。せめて、ヤスが荷物運びをしている描写ぐらいは必要だっただろう。ケイトがガラクーチカについてたずねたり、ヤスが積み込んだという説明ゼリフがあれば納得できる。

    [何事も無かったかのように帰るズヴィズダーの面々]

    このように、第9話はかなりの説明を補足しないと、ストーリーとして成立しない。そのほとんどが、ストーリーの根幹に関わるものであり、それを抜くとストーリーが意味不明になるレベルだ。今回は、かなり問題のあるストーリーだったのではないだろうか。

    ■残された伏線

    ①ヤスは裏切った?
    ラストシーンで、ヤスはガラクーチカを持っている。前回の香織との接触などから考えても、裏切ったと考えるのが妥当だろう。ガラクーチカがどういう代物なのかは分からないが、ケイトの能力と深く関係するだけに、かなり重要なものであることは間違いない。

    [ヤスの車にガラクーチカが。犯人はヤス]

    ②崩壊した街と黒煙は何?
    ラストで明日汰は、崩壊した街と黒煙を見る。それが西ウド川市なのかはちょっと分からないが、街が崩壊してしまったようだ。考えられる可能性としては、東京都軍、古代ウド川文明関連の暴走、未知の第三勢力の仕業などがある。
    いずれにしても、ズヴィズダーはこの問題を解決に向かわせる流れにみえる。

    [焦土と化している街。何があったのだろうか]

    ③ケイトが帰り際に明日汰に言おうとしたことは何?
    照れている点から考えると、明日汰への恋心と関係ありそうだがまだ分からない。ガラクーチカを探してという可能性も無きにしもあらずだが、少し態度と矛盾するか。とりあえずかわいい。

    [明日汰に何か言いたげなケイト]

    ④蓮華には何か秘密が?
    イーグレットは蓮華をやたらに持ち上げている。蓮華の回想で美酒が蓮華を助けていたのも、元々美酒が蓮華を守る役目を持っていたと考えるとしっくりくる。そもそも、実力から考えるとロビンがイーグレットの上司というのはおかしな人員配置であり、蓮華には何か特別の力があるようだ。だとすると陰陽パワーなどに関係することなのだろうか?

    [常に蓮華を守っているイーグレット]

    また、前回に引き続き、

    ⑤椿はなぜ死んだ?
    ⑥逸花の右目の眼帯には意味が?
    ⑦吾郎と香織の因縁とは?
    ⑧東京都軍はどこまで知っている?
    ⑨ケイトがカーテンの向こうで見たものとは?
    ⑩明日汰がズヴィズダーだと父親にいつばれる?
    ⑪洞窟と古代ウド川文明の関係とは?
    ⑫ウドの大木に現れた暗闇は何?
    ⑬ロボ子は何者?
    ⑭星宮ケイトは何者?
    ⑮星宮ケイトに備わっている力の正体とは?

    などの伏線が残されている。

    ■おまけ
    今週のベストショットは、期待を裏切らない全裸のケイトちゃんです。

    [ほら~ケイトきれいきれいしようなー♪]

    [ほらー、明日汰もわたしが洗ってあげるぞ~]

    [こらドヴァー、どさくさに紛れて何やってんだ!明日汰さんのエッチ!]

    [ま、まったく、油断も隙もないやつだな!一週間、晩飯抜きだ!(理不尽)]

    ■ストーリー詳細

    (バス)

    P 明日汰と蓮華がたまたま同じバスに乗り合わせ、仮面の湯温泉に向かう。

    (仮面の湯温泉)

    P 2人を仮面の宿主の老夫妻が出迎える。

    P 2人はそれぞれ部屋に案内される。

    (西館、手羽先の間)

    P 蓮華がお婆さんに部屋まで案内される。お婆さんもホワイトライトらしい。
    P 部屋に入ると、美酒(イーグレット)と香織(ファルコン)がいる。

    (東館、少女子の間)

    P 明日汰がお爺さんに部屋まで案内される。お爺さんはズヴィズダーらしい。
    P 部屋には、メンバーが揃っている。

    P ケイト達、女子組はさっそく温泉に入ることに。

    P ヤスがどっかに出かける。
    P 明日汰も温泉に行くことに。吾郎は先日受けた傷があって入らないようだ。

    (女風呂)

    P 蓮華と美酒が温泉に入っている。香織はお土産を買いにいっているらしい。
    P 蓮華は美酒にお土産を渡そうかなという。
    L 蓮華は美酒のことを尊敬しているようだ。(ただし、美酒がイーグレットとは知らない。)
    P 美酒は蓮華の気持ちを知るが正体は明かさない。

    P 入れ替わりにズヴィズダーが温泉に入ってくる。

    (山中)

    P ヤスが山でタバコを吸っている。
    P 突然砲撃があり、ヤスが吹っ飛ぶ。

    (女風呂)

    P 砲撃はニコチン反応を検知したロボ子によるものだったようだ。

    P 逸花がケイトの体を洗っている。
    P ケイトがくすぐったいと言って逃げ出す。

    (男風呂)

    P 温泉の中を通って、ケイトが明日汰のいる男風呂に入ってくる。
    P 明日汰がびっくりする。

    P ケイトが裸と裸の付き合いだと言って明日汰に抱きつく。

    (廊下)

    P ケイトが明日汰の浴衣を着て出て行く。
    P 文句を言う明日汰に、ケイトはズヴィズダーのスーツを着ろという。
    P ケイトは部屋に戻る。

    P スーツを着た明日汰は、曲がり角で蓮華とぶつかる。

    (休憩スペース)

    P ドヴァー(明日汰)は蓮華にコーラ(みたいなもの)をおごる。
    L 蓮華はドヴァーに更正するならいつでも言ってくれといい部屋に戻る。

    E その様子をイーグレットが目撃している。

    (宴会場)

    P ズヴィズダーの面々は宴会を楽しんでいる。

    P ケイトが眠ってしまったので、明日汰が部屋まで抱えていく。

    (ケイトの部屋)

    P 明日汰はケイトを布団に寝かせる。

    E そこにお婆さんがやってきて、ドヴァーにロビンからという手紙を渡す。

    (山中)

    E ドヴァーが呼び出された場所に行くと、イーグレットが待ち受けている。
    E イーグレットはドヴァーに攻撃される。

    (宴会場)

    E 宴会場のホワイトライトが正体を現す。

    (ケイトの部屋)

    E お婆さんが寝ているケイトの命を狙う。

    (宴会場)

    G 実は宴会場にはズヴィズダーもいる。
    G ホワイトライトとズヴィズダーがもみ合いになる。

    G 逸花がケイトの元へ向かう。

    (廊下)

    E 逸花と香織が鉢合わせる。
    G 香織は先日の傷がひびき、その場を逸花が制する。

    (ケイトの部屋)

    G ズヴィズダーであるお爺さんがお婆さんを妨害する。

    (山中)

    E ドヴァーがイーグレットに追いつめられる。

    P イーグレットが正体を明かす。

    G やられそうになったドヴァーを蓮華が救う。
    P 蓮華はイーグレットが美酒だと知る。

    P さらに、蓮華はドヴァーが明日汰と知る。

    (夜明け)

    P 明日汰が山中で目覚める。

    E 香織とヤスが帰っている。ヤスの車にはガラクーチカが乗っている。

    P ケイト達が車で帰る。
    P ケイトは明日汰に何か言おうとするが、良く分からない。

    (帰りのバス)

    P 微妙な距離感でバスに乗る明日汰と蓮華。蓮華は正体を知ったことを気にしているようだ。

    E 街が崩壊し、黒煙が上がっている。

    (つづく)

    次回に続く。

    →前回
    →次回
    記事一覧


    広告
    コメントを書く
    コメントをするには、
    ログインして下さい。