【ストーリー解析】世界征服~謀略のズヴィズダー~ 第10話「西ウド川戦線異状あり」
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【ストーリー解析】世界征服~謀略のズヴィズダー~ 第10話「西ウド川戦線異状あり」

2014-03-19 23:25

    世界征服~謀略のズヴィズダー~第10話「西ウド川戦線異状あり」のストーリー解析を行う。→前回 →次回
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    ■評価
    ★★ ウィーク、コンプレックス


    [ニコニコ本編]http://www.nicovideo.jp/watch/1395214380

    ■総評
    第10話は、ズヴィズダーが東京都軍に追いつめられるという話。その中で、ズヴィズダーたちや蓮華などの心境を描いていく。ただ、展開が中途半端で、テーマが抗争なのか、ズヴィズダーの絆なのか、恋愛なのかはっきりしない。そのためエモーショナルラインが断続的で感情移入しにくいのが難点。注意深く見るとテーマが分かってくるものの、もう少し分かりやすい構成にする必要があっただろう。

    ■基本情報
    原作 hunting cap brothers
    監督 岡村天斎
    シリーズ構成 星空めてお(TYPE-MOON)、岡村天斎
    脚本 星空めてお(TYPE-MOON)
    アニメーション制作 A-1 Pictures
    ->Wikipedia

    ■登場人物
    [主人公]
      地紋 明日汰(じもん あすた)/ドヴァー - 花江夏樹
    [ズヴィズダー]
      星宮 ケイト(ほしみや けいと)/ヴィニエイラ様 - 久野美咲
      鹿羽 逸花(しかばね いつか)/プラーミャ様 - 伊瀬茉莉也
      鹿羽 吾郎(しかばね ごろう)/ピェーペル将軍 - 広田みのる
      ナターシャ/ウーム教授 - 花澤香菜
      ヤス/アジーン - 鳥海浩輔 (※ヤスの本名は雨角安兵衛)
      ロボ子 - 山崎エリイ
    [ホワイトライト]
      駒鳥 蓮華(こまどり れんげ)/ホワイトロビン - M・A・O
      白鷺 美酒(しらさぎ みき)/ホワイトイーグレット - 寿美菜子
      隼房 香織(はやぶさ かおり)/ホワイトファルコン - 坂本真綾
    [東京都軍]
      都知事/地紋 京志郎(じもん きょうしろう) - 黒田崇矢

    ■ドライバー分析
    第10話のメインドライバーは2つ。

    ①ズヴィズダーが都軍に追いつめられて散り散りになる(E)
    ②蓮華がホワイトライトを離脱する(G)

    またサブドライバーとして、

    ③明日汰が投降しようとするが殺されそうになる(G-E)
    ④ケイトが明日汰を引き止めようとする(L-F-L)

    などがある。
    第10話のメインストーリーは、ズヴィズダーが都軍に追いつめられていく話(①)。それを中心に、明日汰やケイト、蓮華の心境の変化などを描いていく。メインストーリーの流れは、大きく明日汰系列と蓮華系列に分けることができる。

    まず、明日汰系列は、明日汰が投降しようとする流れである。まず、追いつめられたズヴィズダーは基地を失い公園のテントぐらしとなる。ガラクーチカを失ったケイトの様子もおかしくズヴィズダーの面々は不安な夜を迎える。

    [占拠されたズヴィズダー前]

    そこで明日汰は投降を促す蓮華のラジオ放送を耳にする。これは明日汰が投降を考える第一の布石である。蓮華は指揮をとりながらも、明日汰の事を気にかけており、その言葉は明日汰に向けられている部分が多い。(ただし、明日汰はロビンが蓮華だと知らないため、蓮華の言葉としては受け取っていない。)

    [ラジオ放送を聴く明日汰]

    さらに、その夜、ズヴィズダーは都軍に攻撃を受け、ピェーペル将軍とロボ子を失うことになる。なんとか別の公園に逃れた明日汰たちだが戦況は最悪だ。明日汰は、ケイト達に自分が都知事の息子であることを話し、ズヴィズダーに対する追跡を和らげるために投降すると話す。明日汰には、ズヴィズダーの一員でいたい気持ちがあるが、それは共に戦うという意味ではないようだ。

    しかし、それにケイトが反対する。明日汰とケイトの関係は擬似的な恋愛要素になっており、明日汰の投降はケイトにとって好きな人との別れを意味する。ケイトが明日汰を引きとめようとするのは、もちろん明日汰のことが好きだからだ。

    [明日汰が父親について黙っていたことを許し、引きとめようとするケイト]

    ケイトの望むもの、それは明日汰と共に世界征服をすることだ。しかし、明日汰にはまだその覚悟がない。だから投降などという弱気なことを考えている。明日汰はケイトや逸花に押され、とりあえず投降を保留することになる。

    [逸花にも慰められる明日汰。まだまだ弱気である]

    さて、ここでもう一つの流れである蓮華系列を見てみよう。ラジオ放送で明日汰へ投降を呼びかけた蓮華は、翌日、都軍と行動を共にする。そこで蓮華は、都軍が吾郎やロボ子を収容する現場に立ち会い、その扱いの非道さを目の当たりにする。このシーンは、蓮華が都軍に不快感を覚え、ホワイトライトを離脱するための布石になっている。

    ロボ子に対する都軍の扱いは蓮華の正義感に反する行為であり、蓮華は今のホワイトライトのあり方に疑問を持つようになる。

    [無残に引きずられるロボ子を目撃する蓮華]

    そんな明日汰系列と蓮華系列が合流するのが、最後の地下道出口のシーンである。追いつめられたズヴィズダーは、正面衝突する気だったが、蓮華が明日汰をかばうためにズヴィズダー側に寝返り事態が変化する。(これは明日汰に対する恋愛感情だけでなく、蓮華の中の正義を貫くためだ。蓮華は明日汰が悪人でないことを知っている。)

    [明日汰達をかばい、正体を明かす蓮華]

    しかし、これが逆に明日汰に投降を促すことになる。今まで明日汰はロビンの正体を知らなかったが、ここで蓮華が正体を明かしたため、明日汰は蓮華を救うために投降の道を選んでしまう。自分が投降すれば、蓮華やズヴィズダーの仲間達が助かる。明日汰には、そんな甘い期待がある。

    ところが、ここでイーグレットが明日汰抹殺の命を受けていることが明らかになり、明日汰たちは攻撃されて散り散りになる。ストーリー展開的には、一応どんでん返しということになるだろうか。

    [明日汰もろとも抹殺しようとする東京都軍]

    脱出の組み合わせは、明日汰と蓮華、ケイトとプラーミャに分かれており、ここでナターシャは犠牲になっている。(ストーリー展開的には、これは次回のための班分けである。)ここで第10話は終わる。

    さて、ここで少し全体像についてまとめてみると、第10話に隠された最大のテーマは、「明日汰が本気で世界征服を信じること」にあると思われる。

    現時点での明日汰はまだ、頼りなく、自信も無く、ただ少しだけムキになろうとしている少年に過ぎない。しかし、今回のストーリー展開は、そんな明日汰を立派なズヴィズダーになるよう後押ししているように見える。ズヴィズダーの崩壊も、拒絶された投降も、蓮華の愛情もすべてそのための布石ということだ。

    最後にケイトは明日汰に向かって「それでも尚世界は輝き続けている」と言っている。これは明日汰に対する精一杯のエールだ。「世界は征服されたがっている」、「誰もが征服者足りえる」、ケイトの言葉はいつも明日汰を征服へと後押しする。

    [ラストシーンで明日汰を鼓舞するケイト]

    次回以降はより鮮明に、このテーマが明らかになっていくと思われる。そういった文脈でみると、第10話もそれなりの強度があり、テーマとしては申し分ない。そこがもう少し強調されていれば、良いストーリーになったのではないだろうか。

    [あとは明日汰、君次第だ]

    ■補足

    ①東京戦国時代(東京リベリオン)について
    冒頭の明日汰のナレーションによると、日本は東京都軍の反乱によって戦国時代に突入しているらしい。ただ今どの段階にいるのかはよく分からない。前回出てきた瓦礫となった都市はその結果のようだ。今回、都知事が西ウド川市役所に乗り込んでいるシーンがあるので、中立国を宣言して唯一生き残っていた西ウド川市が占領されたというのが現状だろうか。

    [西ウド川市役所に踏み込む都知事と都軍]

    ■残された伏線

    ①都知事はなぜ明日汰を始末しようとしているのか
    明日汰に対する抹殺命令は、普通の親ならありえない選択である。都知事が悪者というのは良く分かったが、そのメンタリティにはまだ謎の部分がある。何か悪いものがとりついているという可能性もある。例えば、煙のばけものとか。

    [完全に悪者となった都知事]

    ②星宮ケイトは何者?
    ケイトは今回、「都知事と言えば、あの時も、あの時も、あの時も私の邪魔をした仇敵ではないか」や「好きで子供やってるわけじゃない」といった意味深な発言をしている。ケイトには高齢疑惑があり、これらの発言はそれを支持する。ただ、解釈によってどちらともとれる発言なので、ケイトが本当は何歳なのかの確証はない。わざとはっきりさせないようにしている気もするので、このまま曖昧な感じでいくのかもしれない。

    ③ファルコンはなぜ都知事の部下になったのか?
    嫌いだという都知事の部下になったホワイトファルコンこと隼房香織。ホワイトライトと都軍が協力関係になるにしても、ファルコンが都知事の部下になる必要は無い。個人的に嫌悪感をもっているならなおさらだ。香織には何らかの狙いがあると思われる。狙いが何かは分からないが、ストーリー展開からすると、香織はひょっとしていい人かもしれない。

    [イーグレットにホワイトライトを引き継ぐ香織]

    また、前回に引き続き、

    ④ヤスが盗んだガラクーチカはどうなった?
    ⑤ケイトが温泉からの帰り際に明日汰に言おうとしたことは何?
    ⑥蓮華には何か秘密が?
    ⑦椿はなぜ死んだ?
    ⑧逸花の右目の眼帯には意味が?
    ⑨吾郎と香織の因縁とは?
    ⑩東京都軍はどこまで知っている?
    ⑪ケイトがカーテンの向こうで見たものとは?
    ⑫洞窟と古代ウド川文明の関係とは?
    ⑬ウドの大木に現れた暗闇は何?
    ⑭ロボ子は何者?
    ⑮星宮ケイトに備わっている力の正体とは?

    などの伏線が残されている。

    ■おまけ
    今週のベストショットは、全然似ていないズヴィズダーのポスターです。

    [この顔にズヴィーときたら、ズヴィズダー。……似とらん。]

    [もーだめだー明日汰ー。自信なくなっちゃたー]
    <やめて!(ギャグだから!)
    [ちょっと、作画班に文句言ってくる!]

    [逆に本物の方を似せれば良いではないかーー!(解決)]

    ■ストーリー詳細

    (説明)

    P 日本は東京戦国時代の只中にあるらしい。

    (ズヴィズダー基地前)

    P 温泉から戻ったズヴィズダーたちがズヴィズダー基地の前に集まっている。
    P ヤスはいない。
    E 基地は東京都軍に包囲されている。

    E ズヴィズダー基地が東京都軍に爆破され、ズヴィズダーたちは基地を失う。

    (公園)

    P ズヴィズダーたちは公園でテントを張る。
    E ガラクーチカを失ったケイトの様子がおかしい。
    E ウドの備蓄もほとんどないらしい。

    (夜)

    P ラジオからヴィニエイラの投降を促す謎のメッセージが流れる。

    F ロビンからズヴィズダーに投降を促すメッセージが流れる。

    (東京都庁)

    E イーグレットはファルコンからホワイトライトの指揮官に任命される。

    P ファルコンは都知事直属の部下になったようだ。

    (夜の公園)

    E ズヴィズダーたちは都軍に囲まれている。

    E ケイトが説得を試みるが、都軍が発砲する。

    GE ピェーペル将軍とロボ子がケイト達を逃がし、包囲される。

    (別の公園)

    G 逸花たちは明日汰が都知事の息子ということを知っており、明日汰に投降を促す。

    LF 明日汰はそれに応じる気でいる。
    L ケイトは明日汰を引き止めようとする。

    (公園)

    E ピェーペル将軍とロボ子が都軍に拘束される。

    (回想)

    P ファルコンは蓮華が着任したときのことを思い出す。

    (回想終わり)

    G 蓮華はファルコンに都軍に協力すべきではないと進言する。
    P ファルコンは蓮華に合流地点に向かうよう指示する。

    (地下道)

    G ケイト達は予備のウドリアクターを求めて移動する。
    E 明日汰はなぜ諦めないのかという。

    F ケイトは好きで子供をやっているわけではないと怒る。

    (遺跡?)

    E イーグレットと都軍が地下道の出口で待ち伏せしている。

    G そこにロビンもやってくる。
    G ロビンは、ズヴィズダーに寝返る。

    G 明日汰がロビンのために投降する。

    E しかし、イーグレットは都知事の命により明日汰を含め、ズヴィズダーに発砲する。

    L ケイトたちと明日汰たちは散り散りになるが、ケイトは再び世界征服を誓う。

    (つづく)

    次回に続く。

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