• オジュウチョウサンから見る、経済効果にまつわる話。

    2019-03-13 23:35



    この写真は、先週の阪神スプリングジャンプのレース終盤、ジャンプの“絶対王者”オジュウチョウサンが、終始先行してたタイセイドリームを交わして突き抜ける瞬間である。(ええ、現地まで行って、手持ちのiPhone8で撮影し、画像縮尺のために、フォトショでトリミング処理しましたよw)土曜の8レース目とあって、入場者数こそ15000人程度でしたが、このレースだけで、前年比の1.5倍の10億近い売上があったそうで、レース後はターフィーショップのオジュウチョウサングッズ特設コーナーが、黒山の人集りになってたのはお察しの通りw

    さて、ここからが本題…20年ほど前に杉本アナが、自身のラジオ番組で話してたこととして、競馬が一番盛り上がるのは、主役となるモノがその場にいて、期待通りの結果になることが絶対条件だと持論を展開してたが、まさしくその通りである…但し、そのためには、必要最低限の“話題性”が不可欠であり、本来、オジュウチョウサンが本当に“話題性ある存在”であるなら、当日の阪神競馬場は、もっと混み合ってないと“おかしい”のであって、オイラからすれば入場人員が2万人を超えていない時点で“普段の土曜日”にしか思えなかった訳であり、これが中山グランドジャンプ当日の中山競馬場で、かつ、オジュウチョウサンのライバルであるアップトゥデイトやニホンピロバロン等の有力どころが集結してたなら、土曜日であっても入場人員は通常より2〜3倍は見込める。今回は“ホーム”ともいえるジャンプレースで、しかもめぼしい“相手”もいないことを踏まえると、“話題性”がイマイチながらも、そこそこの経済効果があったことはいうまでもない。むしろ、去年の福島で、久々の平地出走となった開成山特別が“異常”だった訳であり、当然だが、鞍上がジャンプの相棒である石神深一騎手ではなく、武豊騎手だった事も含まれた結果である…

    つまり、“話題性”という部分では、単に“久々のジャンプ”だけでは乏しい訳であり、また、舞台が阪神競馬場だったという時点で、キャパ的にはスカスカ感があったのは仕方ない部分であり、しかし、馬券の売上やグッズ販売が盛況なことを踏まえると、そこそこ“集客力がある存在”として見做しても憚りはないということになる。逆を言えば、いくら主催者が盛大に広告を打ったとしても、ファンが興醒めしてると意味がないのであって、どういう魅力があるかを見極めた上での広報活動が重要な訳である。

    したがって、写真撮影や実際のレースっぷりを生鑑賞したいのであれば、こういう日を狙って行くのが“通の嗜み”と踏まえた上で、単に盛り上がるであろうGⅠレースのみに執着するのは、ある意味で“祭競馬”を楽しんでるのと同じだと考えて良いかと思う。もちろん、競馬の楽しみ方として、話題に乗るのも一つの方法だし、批判する必要もない…ただ、本当に話題性があるという理由のみで行ったとしても“楽しい”とは限らないし、別の楽しみを見つけられると、興味はそっちに向くだけで、それがいいかどうかってのは、現場に訪れた人それぞれの判断だ。オジュウチョウサンに限らず、藤田菜七子騎手や、場内イベントに登場するゲストの知名度や人気によっても、そこの部分は変化するが、その先…すなわち“病的競馬ファン”になるか否かは別の話である。ま、ギャンブル依存症になる人の多くは、本家でも散々解説したが、勝ち負けではなく、単に“生きる意味”を求めるうちに迷った姿であって、堕落してる事が“ラク”だから沼ってるだけで、本質的にギャンブル(勝負事)そのものには“飽きてる”訳で…



  • 広告
  • 競馬を愛する語り部達…vol.30:屋根裏の桜吹雪・板倉俊彦

    2019-03-06 23:35
    3年ぶりっすか、このネタやるの…w きっかけはともあれ、様々な競馬実況経験者を取り上げてるこのシリーズ、まさかこの人を紹介する日が来るとは思いませんでした。MBSクラスタ…特に“あどラン”を知ってる人ならともかく、そうじゃない人にとっちゃ“誰だよ?”って感じかもしれませんが、彼もまた、競馬実況をやってたんですね。惜しむなら、もう少し早めに紹介すべきでした…まさか、とあるラジオ番組で、同期の青木和雄アナから訃報を聞くとは思いませんでした。そして、それは蜂谷アナに関わる話にも繋がる、重要な存在でした。

    蜂谷アナがMBSに入社する前年、青木アナや角淳一アナと同期で入社し、本来ならスポーツ実況を志願してた様なんですが、あまりに低音で、他のスポーツ実況をやるには、聞き取り辛い声質だった事もあって、結果的に競馬以外での実況は、早々に見切られた訳である。また、青木アナや角アナと違って、特徴的なモノがない事も災いし、正直、使い所が難しい存在だった。ただ…3人の中では正確に原稿を読みこなすことに特化したトコがあって、ゆえに基本は顔出しを必要としないナレーションやラジオでのニュース担当を請け負っていた。

    若手時代にはそれでも、競馬実況のマイクの前に座った経験がある…蜂谷アナがデビューする以前、今ほど競馬が毎週重賞がある訳じゃなく、単発での放送がデフォだった頃に、双眼鏡を構え実況に臨んでいるのである。ちなみに、MBSが現在のように毎週競馬中継を行う様になったのは、蜂谷アナが正式に競馬実況専門となって以降の話であり、それまでは現在でいうトコのGⅠ開催での単発が普通の放送形態だった。(だからこそ、ラジニケが第2放送での関西主場からの中継を整備する必要があった訳で、北野アナや藤田アナが“地元採用枠”だったのは、そういう経緯がある…と推測される。)とはいえ、単発放送で、しかも他のスポーツ実況の経験が乏しい若手が拙い競馬実況をやればどうなるかはお察しの通りで、その恐怖心から、自然と競馬場から足が遠のいたと考えると、不憫でならない。(逆を言えば、それに物怖じせずに、むしろ堂々と競馬実況で名を馳せた蜂谷アナの方が‹バケモノ”だったという事w)

    ただ、競馬そのものが“嫌い”って訳ではなく、時折、競馬場やウインズに顔をのぞかせ、馬券を楽しんでいた様で、蜂谷アナに馬券購入を頼む事もしばしばあった様です…そんな事もあって、実は千里丘時代は、結構蜂谷アナとぶつかる事が多く、正面切ってガチ喧嘩なんて日常茶飯事。しかしそれは、裏を返せばお互いをライバルとして認識し、アナウンス技術の向上を切磋琢磨してた姿であって、互いを意識してるからこその話だったのはいうまでもなく、ゆえに滅多なことでは同僚が喧嘩を止めることはしなかった様です。当の本人も、その件に関して、“あどラン”本一冊目に蜂谷アナに対して“ガチ喧嘩できる相手”と認めている事を踏まえると、“ウマ娘”のウオッカとダスカの関係よろしくな、本音は“背中を預ける事ができる同僚”と認識してたのかもしれません。

    朗読やナレーションだったら安定した発音と低音で力強い声ば、それこそ、競馬実況ではモノにできなかった分、準教育放送としてテレビ免許を取得していたMBSで制作した教養番組…特に小学生高学年向けに、当時の近畿圏内の教育委員会の依頼で作成した“私たちの近畿”という社会科のミニ番組では、ナレーションとレポーターをやっていて、オイラと同世代なら、覚えてる人も多いかと思う。だけど、今更ながらこういった一面もあったと紹介すると、なぜ、去年グリーンチャンネルで放映された“競馬書記”の中で、蜂谷アナが少し“暗い顔”をしてたのか、察しがついたかと思う…おそらく、収録の前後にこの訃報があって、それを隠すために取り繕ったと推察すると、相当なショックだったのかもしれない。



    オマケの話:今回は本家と同時公開という方式でネタを揚げてます。また、本家の方ではちょっとしたウラ話も…w



  • 馬事振興と競馬の話。

    2018-12-19 23:35
    えっと…本格的な復帰はまだ先になりそうですが、先日、ちょっと気になる話がSNSで飛び交ってたんで取り上げさせてもらう。実は、国指定の天然記念物である宮古馬が、劣悪な飼育環境下に晒されていて、絶滅の危機にあるというのだ。ただでさえ、日本在来馬そのものが、絶滅寸前の状態なのに、なぜ保全活動そのものが上手く機能してないのか?その背景にあるのは、自治体の税制が“間違っている”ということと、せっかくJRAが馬事振興事業に対する助成を行なってるにも拘らず、それが全く“活かされてない”という、ある意味で“お金に汚い話”が関わってると推測される。ここでは、あくまで競馬に関する話題をやってる以上は、JRAが行っている“馬事振興事業助成制度”に関する部分で話を進めていく。

    以前にもこのブロマガで解説したかとは思うが、JRAは競馬開催の意義を“畜産振興”のための事業費を捻出するために行っていると法律(競馬法および関連規則)に明記していて、馬事振興は、その一環として取り組んでいる部門であり、馬が関わる様々な事業…それこそ観光牧場での展示から馬術競技会場の整備、果ては祭礼行事に至るまで、“馬いるトコにはJRAのロゴあり”な訳であるw だから、よほどのトコでない限り、馬を繋養してる施設には、必ず厩舎の一角にJRAからの助成を受けてる事を示すプレートが付いている。もちろん、そのための条件がいくつかあるのだが、基本的に、馬事振興に関与してるのであれば、JRAの方から助成を受けるかどうかの打診が来る訳であり、それによる支援は、馬を飼う観光施設にとっては、いろんな意味で経営が助かる訳である。

    しかし…この助成制度の活用に関して、結構勘違いしてる人が多いのも事実で、基本的な条件として、単に“馬を飼う”事だけでは下りないのであって、繋養中の馬をいかにして“活用”するか
    明確な目的が示されないと、受けられない訳である。つまり、馬に関わる“経済活動”が伴う事が最低限の条件であり、そのための整備費用を助成してる訳であり、その中には当然だが、馬の健康管理に必要な経費も計上可能なのである。逆を言えば、単に“個人的な趣味”として馬を飼ってるのでは、助成制度を受けられない訳である。

    宮古馬の保全活動の問題点は、恐らく、この範疇の話であると思われる訳で、JRAが保護活動に助成を行いたくても、保護活動団体や行政が“JRAからの助成お断り”な態度を取ってるなら、手出しができない訳である。どっかの政党が、国からの政党活動支援策として設けてる政党助成金制度を拒否してるのと一緒で、支援者のカンパのみで活動してるからという大義名分のみで、国からの支援を断ってるから手詰まり状態になってる訳であり、また、本来であれば馬の繋養に必要な技術を習得するための研修機関があるにも関わらず、そういうトコでの研修や実務がない人に“馬飼えや”と言って助成金出してたら、活用できる訳がないです。そりゃ、馬よりも自分の生活費に充てますよ、貧困な地域だったら。

    ただ、だからと言ってJRAがやってる事を無条件で褒めることはできません…なんせ、こういった事を今まで公表してこなかった訳ですし、むしろ、こういう馬事振興助成制度そのものは、90年代以降にできた制度と言って過言じゃないからです。なんせ日本は、馬も含めた畜産振興に関して、結構無頓着な国であり、事ある毎に畜産農家が辛酸を舐めてきた経緯があって、特に馬に関しては、急激なモータリゼーション化が進んだ弊害で、鉄道事業以上に蔑ろにされてきた歴史があります。そして、競馬を他の公営競技同様に、ギャンブルとしての部分しかメディアが取り上げなかったこともあって、その結果、収益の殆どが“一般財源”に振り分けられてしまったのです。本来であれば、これは“特定財源”として、主に畜産農家の事業整備費等の助成に充てるべき部分を、他の税収と同じ扱いにしてるから、畜産農家になかなか回ってこないという現実がそこにあるのです。平成に入って、空前の“競馬ブーム”が巻き起こって、
    やっとこ“競馬開催の意義”が認知されるようになったからこそ、馬事振興関連事業に関する助成制度が整備された訳であり、その一環として、グリーンチャンネルで放映される畜産関連番組の制作や、情報発信の場を設けることができたのです。

    つまり、馬事振興に関して、世界から見た日本はまだまだ後進国であり、その活用形も未熟なトコがあって、故に一般家庭でミニチュアポニーを飼うにしても、ハードルが“高過ぎる”訳なのです。とは言え、都心で飼うとなると、住宅事情的に無理なのは想像しなくても分かる話ではあるのだが…w