結論未満
第3
回「
言い直せない台詞」

いい年をこいて、人見知りである。
子どもの頃なら「人見知り」で済むが、大人になると「無愛想」「感じが悪い」「なにを考えているのか分からない」など、別の呼び名を与えられる。症状は変わっていないのに、年齢とともに呼称だけが深刻になる。
小学生の頃までは、まだマシだったように思う。中学生になってから、人と話すことが苦手になった。友人は一人もできなかった。高校でも同じだ。休み時間になると机に突っ伏し、寝たふりをして、他者を断絶しながら時間が過ぎるのをただやり過ごしていた。
眠っている人間には、誰も話しかけない。話しかけられても、眠っているので答えなくてよい。大変に便利である。ただし、本当に眠っていたわけではない。周囲の会話を聞きながら、早く休み時間が終わればよいと思っていた。
のちに僕は役者になるが、考えてみればあの頃からすでに演技をしていた。自分が最初に