二人芝居『Equal-イコール-』改訂版 上演台本

作:末満健一



■第一幕「月曜日」

──錬金術は、かつて実在した学問である。
──決してつくり事ではない、現実と地続きの学問である。
──鉛を黄金に、肉塊を命に変えようとした。
──現代化学の礎となった学問。
──だが、その錬金術は歴史の表舞台から姿を消す。
──錬金術は失われた学問である。

時代は判然としないが、季節は秋口。
屋根裏のような手狭な部屋。
その部屋には色彩がなく、
まるで部屋全体が灰色の硝子越しに見たような光景である。
部屋の片隅には質素なベッドが置かれている。
ベッド脇には木造りのテーブルがあり、
その上に水差しが置かれている。
窓際に置かれた机でニコラ・フラメルが書き物をしている。
ニコラは時折、書き物の手を止め、渇いた咳をする。
街の時計塔の鐘の音が微かに聞こえる。
部屋の扉が開き、テオ・ホーエンハイムが入