【ネタバレ】ずうのめ人形を読んで【たぶんなし】
閉じる
閉じる

新しい記事を投稿しました。シェアして読者に伝えましょう

×

【ネタバレ】ずうのめ人形を読んで【たぶんなし】

2019-11-12 00:09
    すげぇ面白かった。

    「ぼぎわんが、来る」も面白かったけども
    こっちの方が断然面白かった個人的に。

    伏線の張り方が巧妙で、回収されるたびに
    声を上げて驚いてしまった。
    読み進めている中で、伏線を伏線と認識させない
    その文章力、構成力には驚かされる一方だった。

    「えーっ?じゃああの人とあの人が?」とか
    「あーだから急にかー」とか
    「えー?まったく気づかなかった…」やら
    「えうそ?ここでもう黒幕出されてたの?」やら

    …もう、全部話してしまいたいww
    そのくらいに、全体的に気持ちよく”してやられた”感があり
    バーッと読み進めてしまった。

    ずうのめ人形の正体を解き明かすために
    野崎さんや真琴さんがまた躍動するサマも
    なんかバディもののような連携があってかっこいいし
    新キャラの藤間くんの描き方も、リアルでいい。

    藤間くんは基本弱キャラなんですがw
    それがあんまりイライラさせないのが、なんかいい。
    オカルト雑誌「月刊ブルシット」の編集で
    そのメンバー内でもそんなに仕事ができる訳でもないし
    謎解きに大きく貢献する訳でもない。
    ずっと、ずうのめ人形に怯えている方が多い感じで
    そんなにパッとする訳でもないのに、なんか存在感あるし。
    全体的にめそめそしている印象ではあるのに
    憎めなくて不思議とイライラはしてこない、ってのが
    小説を読んでて、何気に不思議なキャラでした。

    最後まで「いい人」ではなかった、というのも
    藤間くんらしさ、リアルを感じられたからともいえる。
    基本は「いい人」ではあるのだけど、彼なりの闇があって
    その闇がまあまあ理解できるもの、だからかもしれない。
    澤村伊智先生、一流(伊智流?w)の「人間の闇」描写が
    今回もふんだんに描かれているのですが
    そうした闇からすれば、まだかわいい程度の闇だったことも
    彼の平凡な人柄からするとちょうど良かった、という
    さじ加減やバランスの良さになって
    彼を愛すべき弱キャラにしているといえるのかも。

    野崎さん、真琴さんバディは
    すこーしヒーロー感が漂ってきてしまっていて
    出て来るだけで安心感が湧いてしまうところはあるけど
    前回の「ぼぎわんが、来る」同様
    真琴さんの力の危うさというか
    お姉ちゃんほどの絶大な力はない
    あの綱渡り感はやっぱりハラハラしたですね〜

    真琴さんの退魔の力を持つという設定にしても
    夜の店で働くにしても
    現実離れした設定ではあるにせよ、その魅力は
    真琴さんの性格、じゃないかと。
    いそうで仲々いない性格、人格。
    それでいて、人間的な強さと弱さを
    ちゃんと兼ねそろえていてとても魅力的です。
    (完全に小松菜奈さんで脳内映像化してるからかもw)

    前回、今回ともに真琴さんが
    結構首を突っ込んでいく所に物語の展開があるけど
    その動機が「心配だから」というw
    性根の優しさ、純粋な思いやりってのがすごい。
    もっと今の世の中淡白で、そういう人を探す方が難しい。
    (自分としては)そんな風に時代を認識していて、それでも
    この真琴さんのようなキャラが魅力的に見えるのって
    澤村先生の描き方が巧みなのかもしれないけど
    どこか説得力あるキャラの存在感なのでは?と思える。
    あるいは、いてほしいという願望がフィルターなって
    読者がキャラに命を吹き込んでしまっているともいえるけど
    いずれにせよ、真琴さんというキャラには
    どこか救われている、というか
    ずっと幸せに生きていてほしいみたいなw
    そんなことを思わせる暖かさを感じるのだ。

    今、書きながら思ったのは
    性格的には少年漫画的、なのかもしれない。
    勝ち目がないような怪異に、誰かのために戦うって
    なんかジャンプキャラ感を醸し出していると思う。
    そういう、実は正道な主人公キャラであるのかー
    だから好きなのかー
    と今、自分なりに納得できました。
    (合ってるかどうかは置いといてw)

    そっかー全然、気づかなかったw

    すごいな澤村伊智先生はww

    えてしてそういうキャラを出してしまったら
    こういう現代を扱ったミステリーやホラーでは
    全然定着せずに浮いてしまうんじゃないかなって思うけど
    そういう風に気づかせずに、フワーっと紛れ込ませている。
    怪異という大きな問題が、キャラの輪郭をあいまいにさせて
    うまいこと溶け込ませることに成功している、ということか。
    もしくは主人公感を出さない立ち位置を上手に構築して
    物語の邪魔にならないように配慮してあるということか。

    もう一度いいます。

    すごいな澤村伊智先生はww

    野崎さんも、「ぼぎわんが、来る」で自分の闇を克服して
    人間として一回り成長したのかな。
    今回も、ずうのめ人形対策班としてw東奔西走している。
    何よりも嫁をもらうくらいに仕事している訳だから
    ライターとしても売れてきたのかも、と思うと
    また喜びもヒトシオですねw
    野崎さんの推理力、考察力が今回もいかんなく発揮されて
    ずうのめ人形の深淵を覗かせてくれる。すごい怖い形でw

    藤間くんを気遣って、自分が情報収集に動く傍
    周囲に適切な指示をしてるのも、やっぱかっこいい。
    単純に男として憧れてしまう存在でもありますね。
    呪いの対象となった藤間くんを
    自分のアパートに住まわせて、食事の用意も済ませて
    お金のことも「心配するな」と優しく声かけする
    そのお父さんのような包容力溢れる周到さは
    フツーに読んでて素敵でした。

    巨大な闇を抱える人間模様も、メインの怪異以上に
    ぞくぞくするほど怖いのも印象的でした。
    前回「ぼぎわんが、来る」では人間の闇が
    物語のアクセントだったかもしれませんが
    今回は人間の闇が物語の主、といってもいいと思う。

    これもすごいなー
    また書いてて気づいたんですがw


    創作としての、フィクションとしての怪異と同じくらい
    人間の闇が怖いホラー小説ってすごくないですか?w


    ライターの野崎さんの推理や考察だけでは
    ずうのめ人形の全貌は明らかにできないんです。
    真琴さんの力や藤間くんの勇気だけでは
    凄惨な怪異を鎮めることはできないんです。
    怪異の謎を解きあかす驚くべき
    ほんとに驚くべきw キーパーソンが現れたところなんて
    鳥肌が立ちました。マジで。
    二つの物語が徐々に接近していく流れは
    感動しながら読んでました。

    …すごくないのかな?w
    あんまり小説とか読まないからな〜
    そういう書き方、手法をとった
    もっと有名な小説があるのかもしれないけど。

    この「ずうのめ人形」は
    怪異も、人間の闇も、最後まで
    ぞくぞくするほど怖い、そういうホラー小説でした。


    「ぼぎわんが、来る」は小説も面白かったけども
    最初に見たのは映画の「来る」だったんスよね。
    正直な感想として、小説も映画も面白かった。
    映画ではやっぱり、柴田理恵さんのかっこよさ
    妻夫木さんのイマドキの夫のうまさ、が光ってました。
    映画で見たのに、レンタルしてまた見ちゃったもんな。
    柴田理恵さんや妻夫木くんが見たくて。

    自分の印象でいうと
    映画は、こう…”高いお弁当”を食べた感じw
    の、満足感ですねww
    綺麗に区切られた空間に
    これまた綺麗にいろんな具材が入っている感じ。
    「え?こんなところにエビ入っている」とか
    「うわー味ごはん三種類あるわ」みたいな。
    ぎっしりと隙なく敷き詰められた
    栄養も食材もたっぷり入った
    上野とかで売ってる駅弁みたいな印象でしたw
    (見れば…見ても分かりづらい例えよね…)

    こっちのプロのレビューも面白かったです。
    賛否がはっきりしているらしいですね、「来る」の監督は。
    たしかに友達も同僚も、批判的だったもんな〜

    「最恐」トレイラーはこちらでw

    広告
    コメントを書く
    コメントをするには、
    ログインして下さい。