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 “α-Synodos” 
vol.245(2018/6/1)
特集:異なった存在への眼差し
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○はじめに
1.浅羽祐樹「だまされないための「コリアン・リテラシー」――あの国を理解する方法と態度」
2.稲葉振一郎「木庭顕――「排除なき現われの場」としての市民社会は可能なのか?」
3.佐藤麻理絵「イスラーム世界の「移動文化」」
4.森口舞「学びなおしの5冊〈カリブ〉」

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〇はじめに

いつも「αシノドス」をお読みいただきありがとうございます。シノドスの芹沢一也です。「αシノドス」最新号をお届けします。今号もバラエティに富んだコンテンツとなりました。

最初の記事は、韓国政治をご専門とする浅羽祐樹氏へのインタビューです。慰安婦問題から北朝鮮の非核化にいたるまで、毎日のように韓国をめぐる報道に接しますが、どうも韓国報道に対するスタンスをつかみかねています。そこで浅羽氏に、韓国や日韓関係についての報道を読み解くためのイロハをお聞きしました。

ついで、連載企画「知の巨人」。今回は社会学者の稲葉振一郎氏にお願いしました。しかしさすが稲葉さん、直球は投げてきません。取り上げられたのは、ローマ法の専門家である木庭顕氏。ロック的な自由とスミス的な自由を越えた地平に展望される「「排除なき現われの場」としての市民社会」。このヴィジョンの導きと手として、木庭顕氏への熱い思いが語られています。

ハイブロウな議論が満載の「αシノドス」、一息つけるエッセイがあってもよいかと思い、ヨルダンをはじめとした中東諸国においてフィールドワークを行っている佐藤麻理絵氏に、イスラーム世界の息遣いが感じられるエッセイをお願いしました。「移動」する民が形作ってきたイスラーム世界にあって、現在、「移動」はどのように変容しているのか? ぜひイスラーム世界の「いま」を体感してください。

最後は、初学者のための「学びなおしの5冊」。ラテンアメリカ・カリブ政治をご専門とする森口舞氏に「カリブ」をテーマに推薦図書を選んでいただきました。「奴隷制や植民地という歴史、独立後の理想と現実、多国籍企業、貧しさ、アイデンティティ、そして社会主義体制の今」を教えてくれる書籍たち、ぜひ本記事をガイドに手に取ってみてください!

それでは、どうぞ「αシノドス」をお楽しみください!