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オリジナルの異世界を空想する際に必要な知識 ~力の種類によって政治体制が変わる~
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オリジナルの異世界を空想する際に必要な知識 ~力の種類によって政治体制が変わる~

2015-04-30 17:18
  • 3
ハイ・ファンタジー(※1)の製作はとても大変だが、それ故に、好奇心を掻き立てられる。

※1
ロー・ファンタジー = 現実世界の舞台に、ファンタジー要素が介入

ハイ・ファンタジー = 架空の異世界を新たに構築 と定義。

固定観念を取り払って、
0から惑星をシミュレートする能力を問われるので、
必要な知識は多岐にわたる(※2)。
その上で想像力を極限まで働かせなければならない。

僕は「オーシャンまなぶ」という漫画で、
「物理的な暴力が無効な代わりに、口喧嘩の精神ダメージで肉体が傷つく世界」
をシミュレートしてきたので、
どうすれば、よりリアリティのあるハイ・ファンタジーを描けるのか、
それとなく考え続けてきた。
まだまだ勉強不足だが。

必要な知識は多岐にわたる(※2)。
その中で今回は、
「力の種類と保持者による、政治体制や統治形式の変化」という観点で
現在の認識を文章化してみたいと思う。

(ベースとなる参考文献)
・世界史(マクニール著)
・戦争の世界史(マクニール著)

※2
ハイ・ファンタジー(異世界構築)に必要そうな知識

・進化生物学
 (その世界では、どんな形質が適応的で、どんな進化を経て現在の自然界が形成されたか)
・地球科学
 (地形や緯度から、生じる海流や気流などを決める。
  結果、気候が決まり、豊かさや文化などが影響を受ける)
・地政学
 (他の文化圏との位置関係、地理的要因によって、起こり得ることがある程度定まる。)
・世界史
 (ある時代の特徴とその特徴がもたらした影響、などが参考になる。)
・軍事学(武力の変遷)
 (強制力の種類と保持者によって、政治体系や統治形式が決まる)
・科学(物理,化学)
 (その世界の物理学において、起こること、起こらない事は何か、作者は知っておいた方がいい)
・経済
 (その世界の市場がどういう繋がりで形成され、どんな影響力を与えているのか、等)
・政治
 (その世界の支配者は何者で、どうやって権力を保持,維持,行使しているのか、等)
・科学史
 (各技術革新が世の中をどう変えたか。どういう経緯で技術革新が起きたか、等)
・etc……きっとまだまだある

最も重要なのはエンタメ性なので、それっぽければいいと思うんですが、
「それっぽい」レベルですら、いざ作ると大変です。
しかし、
「へー! この異世界だと、現実世界と違ってこうなんだ~」という驚きは、
代えがたいエンタメ(武器)であると僕は思います。
というか僕の好物です。

(これは4月分の更新です。
 文章執筆中に日付が5月に変わってしまいました。すみません。)

 
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前の記事の魚姉妹札さん(http://ch.nicovideo.jp/t-taks/blomaga/ar761804/3)へのご回答はなしですかぁ。残念 (´。-д-`)

紀元前から話が入っていって笑っちゃいましたよ。ス、スゲー!! って。こんな記事を書かれたからには、やっぱり新作はハイ・ファンタジーなんですかね?
「ハイ・ファンタジー(異世界構築)に必要そうな知識」の網羅っぷりが凄いっすね。先生の事だから、これらを踏まえて異世界構築をなさるつもりなんでしょうけど、しかし大変そう。MangaONEで『ある預言の物語』っつー新連載が始まったのはご存知ですか? それで架空戦記の設定を書きまくった分厚いノートが登場するんですが、この記事を踏まえて異世界構築をすりゃ、本当にそれみたく設定だけで分厚い書物が書けそうですね (`・ω・´)

あとクレームってか要望。
う~ん……、先生。流石に月0更新はなくして欲しいですw 2月もでしたよね。翌月すぐに更新してくれたとは言え、月に一つも更新がなかった事実は変わらない訳で、ファンだとは言えどうしても「無駄に540円を払っちゃったな」ってなりますから。

No.1 116ヶ月前

今回も読み応えのある記事を更新して下さり、ありがとうございます。

実は僕もちょうど、この記事でいう、ハイ・ファンタジーの漫画の構想を練っている段階でしたので、今回の記事は非常に参考になりました。
特に、「個人同士の武力格差→封建制or群雄割拠」という部分がなるほどなと思いました。

ゼロから違和感のない世界観を構築するには、歴史や政治、軍事等、記事で指摘されていることについて、かなりの勉強が必要ですよね。
以下、ハイ・ファンタジー漫画の世界観を構築する上で有用だった書籍を紹介しますので、これも参考にして頂ければ幸いです(やや中世ヨーロッパに偏っていますが)。

■都市について(記事の「地政学」の部分にあたると思います)
『中世都市』(井上書院)
『ルネサンス都市』(井上書院)
『古代オリエント都市』(井上書院)
『古代ギリシアとローマの都市』(井上書院)
→文章だけではなく地図や版画が多く掲載されているのでイメージが湧きやすいです

■戦術について(「軍事学(武力の変遷)」にあたると思います)
『戦闘技術の歴史1~4』(創元社)
『名将に学ぶ 世界の戦術 (図解雑学)』(ナツメ社)
『中世ヨーロッパ武器・防具・戦術百科』(原書房)
→「戦闘技術の歴史」はかなり分厚いですが非常に詳しいです
 下の2冊は「戦闘技術の歴史」に比べ、もう少しミクロの視点からの戦術が書かれています

■戦闘について
『中世ヨーロッパの武術』(新紀元社)
『続・中世ヨーロッパの武術』(新紀元社)
→ほぼ全ページに戦闘のイラスト図が載っているので、漫画の資料としては非常に有用だと思います
 剣術が中心ですが、中世ヨーロッパに限らず、いろいろな戦闘描写で活用できると思います


新作についてのご報告は、無理にして頂かなくても大丈夫ですよ!
先生にもいろいろとご事情がお有りでしょうし…。

ブロマガの更新については、ウクデスさんのおっしゃる通り、もう少し頻繁にして頂ければ嬉しいです。
今回の記事ほどしっかりしたものではなく(数行でもいいです)、有料会員限定の記事でなくても構いませんので、出来れば月に数回はお願いします。

それでは、次回の更新をお待ちしています!

No.2 116ヶ月前
userPhoto 戸塚たくす(著者)

コメント有難うございます!
返信にはムラがあります。すいません。

>ウクデスさん
すみません、厳密な月1更新を心がけます。
31日に退会した方がいた場合、例え次の日に更新しても読んで頂けませんからね。
新作は、そうですね、多分ハイ・ファンタジーって言っていいと思います。

>魚姉妹札さん
ありがとうございます。資料、参考にさせて頂きます。
イラストが多いと参考になりますよね!

ハイ・ファンタジーで難しいと思うのが、
整合性と「思い切り」のバランスです。
整合性を犠牲にしてでも、「えいやっ!」と思い切った派手な内容にした方が面白い場合、
そうすべきだし、
知識が発想力の足を引っ張るのはマイナスです。
目標としては、前提知識を無意識に使う……つまり自分の常識にしてしまうことですね。
そのレベルには到底及びません。
好き勝手に暴走して世界観をぶっ壊し、知識によって修復し、そしてまたぶっ壊し、
みたいな作業で、ケレン味と現実味の両方を獲得していくべきなのかもしれません!

更新回数、なるべく増やします。
文章を書いたりすると、それだけで脳汁も出ますからね。

No.3 116ヶ月前
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