バイロイト音楽祭参加への手引き
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バイロイト音楽祭参加への手引き

2018-08-13 19:01
  • 2
前回の記事で、実際のバイロイト(Bayreuth)音楽祭の様子をご紹介しましたが、もし実際にご興味を持った方がおられた時のために、参加までの手順について、またこの音楽祭の特徴について補足的な内容を記載したいと思います。


1.意外ととれるチケット
このバイロイト音楽祭、少し前までチケットをとるのがめちゃくちゃ大変、と言われていたようです。
ググってみると、チケットがとれるまで最低8年はかかる。という、冗談みたいな話がでてきます。どうやら、数年前まで郵送のみの受付で、連続して申し込み続けている人から優先的に割り当てられる、という仕組みだったそうです。
この仕組みは現在も現役ですが、3~4年ぐらい前からネット販売も解禁され、自分のようなニワカにもチケットが回ってくるようになりました。
公式サイト:https://www.bayreuther-festspiele.de/en

ネットのチケットは3月頃に発売されてたようですが、ノーチェックだった自分はコレを完全にスルー。だったのですが、ROHのローエングリンを見た後に興味が出てきて、7月頭に公式サイトをのぞいてみたところ
7月4日18時から代金の振り込みがなかったチケットを再販する。
との情報が書いてあり、コレも何かの縁だろう、と思いアタックしたのでした。

この2段階目のチケットリリースもそれなりに過酷で、18時00分0~1秒の間にアクセスしたのに順番待ち画面で待つこと約30分
ただ、最終的には「ニュルンベルクのマイスタージンガー」と「ローエングリン」が連続している日程でチケットをとることができました。
途中、この2演目は何度も「完売」の表示が出ていましたが、とりあえず、で確保していた人も多かったのか、ひたすらリロードをすれば19時過ぎぐらいまでは何とかなったようです。(とりあえず確保して、もっと良い日付や座席がでたら交換して…といった感じと想像)

その他の演目では、「ワルキューレ」が多少人気が高めのようでしたが、一部の演目は発売から数日たっても空席があったようです。
また、リターンチケットが出るたびにサイトに在庫が出てくるので、日を開けて何度もアタックしていればとれる可能性はあります
ただし、レッドカーペットが敷かれて著名人の集まる音楽祭初日や話題の演目はかなり厳しく、例えば今回のローエングリンは新演出であることに加えて、歌手も話題性が高かったため、当日の劇場外に「チケット求む」的な紙を持って立っている人すらいました。

ということで、その気になればチケットをとることは不可能ではない、というのが現状でして、この点では”初心者お断り”ではありません。
もっとも、座席を選ぶような余裕はなく、お値段はローエングリンが23列目中央で299ユーロ。マイスタージンガーが平土間最後列の30列目ギリギリ中央で130ユーロでした。


2.座席について
会場場は平土間が30列、壁際が3階層になっています。
自分は前述の通り平土間最後列の30列目と少し手前の23列目に座りましたが、音響は23列目の方が明らかに良いなぁ、と感じました。
特に壁際の上方になりますと、温度がかなり上がるそうなので、可能であれば平土間25列目ぐらいまででとるのが良いと思います。
気温は低いときは20度切ることもあるそうなので、なんとも言いがたいのですが。


ちなみに左右の許容範囲も割と狭く、中央の座席区分からそれるとすぐに左右の端が見えなくなります。
変な演出が多いので、舞台なんて見えなくてもいい!というのであれば、外れた場所もありですが、舞台をしっかり見るのであれば、結局のところ中央の高い区分の席になってしまうようです。


3.宿泊、移動、服装など
チケットをとって直ちにやらなければならないのが宿の確保です。
バイロイトなんて音楽祭以外では大して有名でもない街なので、宿の数は限られています。価格も音楽祭の時期は通常の1.5~2倍に跳ね上がりますが、宿泊できないよりはマシなので必至に探しました。
結果、バイロイト市のサイトに大手予約サイトではカバーされていない民宿の情報があり、なんとか朝食付き1泊80ユーロの宿が確保できました。
バイロイト市のホテルサイト:
https://tportal.toubiz.de/Bayreuth/ukv?lang=en&tt=c4fngd865peom5n68q6fjj1u27

すっごいセコイ話ですが、このサイトから予約すると中間手数料を取られるので、サイトで場所だけ見つけて、宿のHPから直接予約した方がちょっとだけお得です。

宿に比べれば移動手段は大きな問題ではありません。自分はライアンエアがロンドン(STN)~ニュルンベルク間の直行便を運行しているので使いましたが、スタンステッド空港がクソ遠い上に遅延するとすぐに深夜0時を回るのでオススメしません。
一般的にはフランクフルトやミュンヘン経由でニュルンベルク空港を利用するか、電車でニュルンベルクを経由してバイロイト入りすることになると思います。

服装ですが、バイロイト音楽祭にドレスコードはありません。
が、メルケル首相も毎年観劇にくるほど格式の高い音楽祭なので、半分ぐらいの人はタキシードです。しかし、フツーの柄シャツ+綿パンの人もいますので、旅行者は特に無理しなくて良いと思います。


男性はビジネススーツ、タキシード、少しきれいめのシャツなど。
女性はロングドレス、ワンピース、民族衣装などなどの方がいました。
どっちにしろ天気が良すぎたのでジャケットは厳しかったです。


4.食事など
オペラは1幕物の「さまよえるオランダ人」などの例外を除き16時開始です。
幕間は1時間あり、食事もバッチリできる余裕があります。
現地にはレストランがありますが、チラ見した感じでは2人からのようでした。(価格は1人50ユーロ前後)
その他の選択肢としては、ソーセージやビールを売ってるバー、サンドイッチやお菓子などがあるカフェもありますので、食べるところを見つける分には困らないと思います。
高いですが。

写真の右手奥がレストランです。その左隣にバーやカフェがあります。


5.バイロイト祝祭劇場について

この劇場、ワーグナーの思いを込めて作っただけあってその他の劇場とは違った特徴を持っています。そもそものワーグナーの思いとは、たぶん、ですが「客を舞台に完全集中させる」ことだったのではないかと想像します。
通常のオペラは、照明が落ちる→指揮者入場(拍手)→演奏が始まる→独唱(アリア)→拍手→(×数回)→幕(拍手)→×2~4幕→終了(拍手)、となるわけですが、ワーグナーはこのいちいち拍手が入って流れが途切れるのを嫌ったそうです。
そのためどうしたかというと、オーケストラピットに蓋をしてしまって観客席から一切見えないようにしました。


このように、観客席からは全くピットが見えません。よって、いつ指揮者が入ってきたかもわからず、照明が落ちるとそのまま舞台が始まります
ただ、完全に蓋をしてしまうと音がこもってしまうので、このように細いスリットが開けてあり、また音が上に登る性質を利用して、舞台の下に階段状にオケが配置されているそうです。
音を反射させるための板も配置されているそうで。

また、さらに指揮者が見えないと舞台の歌と演奏を合わせることもできないので指揮者だけは舞台とオケの両方が見えるのぞき窓のような場所に立っています。

こういった特殊な構造になっているため、結果として舞台とオケを合わせるのが難しくなってしまい、慣れない指揮者だとズレることもあるらしいです…。


5.鑑賞について
前述の通りハードルは高いにせよ、とりあえずこのバイロイトの舞台は、ワーグナーの思惑どおり、まるで映画のように舞台から音楽が聞こえ、観客はとにかく舞台に集中できるようになっています。
元々ワーグナーのオペラはスタートから幕間まで途切れることなく音楽が続くので、始まってから幕間まで拍手するタイミングは普通にないのですが、音楽が始まる前のモノローグで拍手しちゃって、周りからノーー!と、怒られてる人もいましたので気をつけてください。
さらに、一部の演目に関しては第1幕後の拍手も禁止のモノがあるので、周囲への注意を怠らないようにしないといけません。



また、観客は一般的にひじょーに評価が厳しい、と言われています。
歌手、指揮者、演出いずれに対しても容赦ないブーイングが出るそうです。
幸いにして自分がいった舞台は人気がある(それでも良くわからない部分はあったけど)演目だったのでブーイングは聞こえず、逆にすさまじいブラボーの嵐で、そういった意味でも普通の舞台とはちょっと違った感じでした。
が、まぁとりあえず周りに合わせて無難に振る舞っておけば特に問題はないと思います。

以上になります。
興味がある方はゼヒこのマニア向けの少し不思議な空間を体験してみてください。
もし、何か不明な点などありましたら、お気軽にコメントください。
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もう来年のヤツ告知してるんですね。タンホイザー観たいなぁ。どんな演出かは事前に分かるようになってるんでしょうか。それとも見てのお楽しみ?監督の近々の傾向を自分で調べておくしかないのかな。
15ヶ月前
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>>1
新演出(毎年1本)に関しては完全に当日までわかりません。
音楽祭の初日が新演出の初出になるので、一般人が実際に見るのはもう少し後になるかと思いますが、その頃には各新聞の批評、TV中継(初日のみ中継が入る)がYouTubeにアップされてたりetcで把握することは可能ですが、自分は真っ白でいってきました。
旧演出に関しては、いろいろと情報が出そろってるので、ある程度推測できます。毎年少しずつは変わるようですが、大筋は変更ないですし。
15ヶ月前
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