夏の音楽祭その3、BBC Proms
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夏の音楽祭その3、BBC Proms

2018-09-11 19:00
    しばらく間が空いていた間に、イギリスにきて1年が過ぎてしまいました。
    1年間の振り返りは、まぁそのうちやるとして、本日は夏の音楽祭関係、最後の記事としてBBC Promsをご紹介したいと思います。

    BBC Promsは日本でも一部が収録放送されているので比較的知名度は高いかもしれません(自分は知りませんでしたが)。
    この音楽祭はロンドンのRoyal Albert Hall(ロイヤルアルバートホール)という会場で、7月上旬から9月上旬までの8週間毎日クラシック音楽のコンサートをやるという、なかなか気合いの入ったイベントです。厳密にはクラシック以外もやりますが。

    歴史は結構古く、1895年が第1回だったそうなので、中断や変更があったにせよ、100年以上開催しつづけています。
    しかも、このロイヤルアルバートホールは収容人数7,000人で、後述しますが実際はもっと詰め込むので、クラシックコンサート会場としては、めちゃくちゃ大規模です。
    日本のサントリーホールが約2,000人なので、日本でこの規模のクラシックコンサートは、年末の第九イベントぐらいしか存在しないかと思います。

    この音楽祭の趣旨は、良い音楽を気軽に楽しめるようにする、というモノで、チケット価格も抑え気味、ドレスコードもなければ、ビール飲みながらでもOKといったかなり緩い感じになっています。
    特に特徴的なのが、当日券の取扱い。プロムスでは最大1,350枚の立ち見席が6ポンドで売られていて、これはシーズンパスか当日販売専用です。
    つまり、前日までにチケットを買っていなくても、席さえあれば当日フラッとやってきて、6ポンド(900円弱)で、ビール片手に鑑賞できるわけです。
    しかも、この立ち見席というのが、会場内で最も良い場所に位置しているのです…。

    こちらはRoyal Albert Hallのサイトから拝借した座席配置図です。

    この舞台ド真ん前にある、Arenaという部分の席を全部引っ込めて、平らにしてしまって、そこが立ち見席になっています。
    まるでライブハウスのような感じです。(Galleryも立ち見です)


    こんな感じで、みんな床に座ってます。
    演奏が始まると立つ人が多いですが、場所に余裕があれば座ることも可能ですし、スカスカだと寝っ転がったり、本を読んでたり…。かなり自由です。
    その代わり、人気のある会は座る余裕がないぐらいギチギチになりますが。

    ただ、「良い音楽」という割にはクオリティは様々で、BBC Symphony Orchestra(BBC交響楽団)が演奏するときはキレイですし、毎年やってくるベルリンフィルをはじめとしたゲストオーケストラのクオリティは高いのですが、それ以外の例えばBBCの地方オケあたりは、たまにンー?と思うことがあったりします…。もちろん、比べれば、の話ですけどね。
    しかも、人気の高い曲目であるほど、BBC交響楽団がやることが少なかったり…。

    あと、やっぱりホールがとても広いので声楽は厳しい時があります。
    声量が物足りない歌手は完全にオケにかき消えてしまいます。
    第九やったときは合唱は人数そろえてるから良いんですけど、ソロが完全に合唱とオケに負けてましたし。歌手の地力がでる怖いホールですね。
    オーケストラは音量が下がるとちょっと聴きづらいですが、基本的には問題ないです。

    曲は本当に千差万別で、今年はマーラーの交響曲第8番というコーラスが5編成にも及ぶ、総勢1,000人近い演奏者による曲があったり、オペラを小道具、衣装、芝居つきで3幕全部通しでやってみたり、バーンスタインのウェストサイド物語を衣装と芝居だけでやってみたり、バッハの平均律クラヴィーア第2集を1人で2.5hかけて演奏したり(10分休憩したけど)、タンゴ踊ってみたり、バロック音楽があったかと思うと、良くわからない現代音楽の新曲が出てきたり、と、様々で、まさにお祭り感がありました。
    全体的に、他の音楽祭に比べるとエルガーやヘンデルの比率が異様に高く、UKのクラシック音楽コンプレックスを感じさせる構成ではありますが。

    特に有名なのが最終夜で、この日は伝統的にRule Britania、エルガーの威風堂々、国歌etcの愛国ソングを観客と一緒に斉唱します。
    持ち込みもいろいろOKで、みんなユニオンジャックの小旗やらコスチュームやら、はたまた全く関係ない国の国旗やらで会場はカオスになります…。

    なぜドイツ国旗に虹旗に…勝手にボックス席飾り付けしてるし…。

    まぁ、この愛国バリバリな雰囲気を利用しようと、いろいろ画策している団体はいるようで、勝手に自分たちの団体の風船を飛ばしてみたり、イギリスのEU離脱反対団体がEU帽子やら小旗をタダで配ったりしてました。
    UK旗は有料で会場で売ってるので、無料のEU旗に飛びついた人も多かった模様デス。

    最終夜のカーテンコールの様子。目立つEU帽子は団体がタダで配ってたヤツです。
    会場の中でまで配ってました^^;

    これだけ謎に盛り上がる最終夜はチケットが特殊で、最低5回はプロムスに通わないと座席抽選に参加できなかったり、当日の立ち見席は徹夜覚悟で並ばないとゲットできなかったりするのですが、自分はシーズンパスという185ポンドでシーズン中入り放題というチケットを使ってお金で解決しました…。
    好きなだけいけるので普通にお得です。立ち見席ですが。
    たぶん20回は行ったと思うので満足しました。
    (1回6ポンドの立ち見席なので、本当は30回以上いかないと元は取れないのですが、そこは「確実に入れる」代金と考えて…)

    ということで、この最終夜の様子は年末頃にNHKで放送されますので、熱狂っぷりをどうぞご覧ください。音楽的には黙ってても客が来るのをいいことに、人気のない曲もチョイチョイ混ざってますが。
    あと、7~8月にイギリスにお越しになる場合は、チラッと曲目を検索してみると面白いのがあるかもしれません。
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