無職転生・二次創作小説「お前、いつからそう錯覚していた?」その1 ※5/1一部改訂
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無職転生・二次創作小説「お前、いつからそう錯覚していた?」その1 ※5/1一部改訂

2015-04-30 21:52



    ※この二次作品は「無職転生」のコアなネタバレを含んでおりますので、原作を最後まで読み切っていない方の閲覧はご注意願います。つまり回れ右。




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    ━━━龍神・ウルペン。

    95代目龍神の名を受け継いだ、当代最強の武人。
    ラプラス戦役において、多大なる戦果を上げし英雄。
    武器を持つことを否定し、徒手空拳のみで戦うその姿は、まさに「龍神」の名にふさわしい。

    ━━━曰く、魔神殺しの三英雄の一人。
    ━━━曰く、龍族歴代最高の天才。
    ━━━曰く、龍神拳を極めし者。
    ━━━曰く、その剛拳は天翔ける赤竜を屠り、その豪脚は大海原を疾った。
    ━━━曰く、その鋼の肉体は眩く輝き、あらゆる攻撃を跳ね返した。
    ━━━曰く、その拳より放たれる闘気は、地形をも変えた。
    ━━━曰く、雨の日に、路傍に捨てられていた子犬を拾い、育て上げた。

    彼を賛美する言葉は枚挙に暇がない。
    だが、どれも彼を評するには、的確とは言えないだろう。
    実際に彼の戦いを間近で見たものは、ほぼ死に絶えた。
    ところが唯一、現在でも彼を知る者は生存している。

    かの甲龍王・ペルギウスその人である。

    空中城塞ケィオス・ブレイカーを居城としており、滅多に人前に姿を現さない。
    あるいは、既に死んでいるのではないか、そう噂されていた。
    しかし、甲龍王ペルギウスの生存は、ごく最近になって、確認された。

    確認された事例は、二つ。
    一つは、我がアスラ王国、アリエル・アネモイ・アスラ女王陛下の即位前の帰国式典にて。
    もうひとつは、甲龍王と親交の深かった、剣神流の名手『狂剣王』エリス・グレイラットの葬儀においてである。

    しかし、かの甲龍王に拝謁できる者は限られており、たとえ歴史の検証人といえども、滅多な行動は出来ない。
    我々、アスラ王国資料室としては、目下、全力をあげて、甲龍王への謁見を願い、歴史の生き証人として、重要な人物である甲龍王に直撃取材を試みる所存である。

    『甲龍歴49■年(掠れて読めない)アスラ王国資料室 室長 ジェド・ブルーウルフ』


                       ※

    時代は遡って、甲龍歴420年代。
    アリエル・アネモイ・アスラが女王と成り、歴史が動いた時代である。
    その歴史の影に、一人の人物が暗躍していた。

    ━━━ルーデウス・グレイラット。

    甲龍歴400年代最強の魔法使いと呼ばれた男である。
    だが、今回の話は、ぶっちゃけあんまり彼には関わりが無い事であった……。


                       ※


    「……んあ~、歴史ある王国ってのは、どうしてこう肩が凝るのかねぇ~」
    俺は礼服の襟元をくつろげ、うんざりした気持ちを隠さず呟いた。
    うんざりといえば、この長い廊下もうんざりだ。どんだけ広いんだ。

    「仕方ないよ、この国は本当に歴史があるんだもん」
    右隣を歩くシルフィが、俺を嗜めるように言う。ピッと指を立ててる姿が可愛い。
    あんまり可愛いので、つい、その指をパクッと咥えてしまった。
    「やん!…もぅ、ルディったら。誰かに見られるよ?」
    ちょっと頬を膨らませるシルフィ。…ムラムラくるじゃないか!
    今日は彼女も着飾っており、若草色のドレスを着ている。白い髪に似合っており、まるで森の妖精エルフのようだ。……エルフ(長耳族)だったっけ。

    「私も、由緒ある王国とかは苦手ですね。生まれが生まれだけに…」
    そう呟いたのは、俺の左隣を歩くロキシー。
    彼女は青い髪に合わせた、白系のドレス。やや地味だ。

    そのロキシーの顔色が冴えない。俺はその理由を思い出して激昂する。
    「生まれだなんて!神であるロキシー先生は、たまさかこの世に光臨なされただけの話です!!偉い貴族には、それが解らんのです!!気に入らんな、あの言い方!!」

    えぇぃっ!!思い出しても腹が立つ、あの貴族のドラ息子。
    ヌラヌラと脂ぎったニキビ面で、いけしゃーしゃーと「臭いと思えば、薄汚い魔族だ」とか抜かしおった!!若さ故の過ちなどでは済まさんぞ!!

    人種差別だけでも聞き捨てならないのに!
    俺のロキシーに対して!!
    いやらしい目で舐め回すように見たあと、そう吐き捨てたのだ!!!
    俺の嫁であり、俺の神であらせられる現人神ロキシーであるぞ!!不敬者め!!
    俺の怒りは有頂天。あの野郎、ハイスラでボコるは……。

    「……でも、だからと言って、庭園を焼き払うのは、どうかと思いますが」
    憤慨する俺に、若干引き気味になりつつ、それでもロキシーは俺の左腕に自分の腕を絡めてきた。…なにか柔らかいモノが当たってるんですが。ダメよロキシーこんなところで…。

    ━━━ゴホン。そう、俺達は、アスラ王国のとある大貴族の祝賀会に招かれたのだ。
    息子の15歳の誕生日とかで、成人の儀をやるからとか。
    ぶっちゃけ、バックレたかったのだが、政争に勝利し、近いうちに即位が確定している王女であるアリエルの顔を立てて、出ることにした。

    着いてみたら、大貴族らしく、やたらデカイ館に、デカイ庭園。
    やたら趣味の悪い彫像がひしめき合っている。正直キモイ。

    シルフィやエリスは平気な顔をしていたが、ロキシーは若干遠慮気味。
    「私は、妾みたいなもんですし、魔族ですから…」
    と、公的な場に出る時のロキシーのイジケ癖である。いじらしいったらありゃしない!

    俺はシルフィに頼んで、ロキシーをコーディネイトしてもらった。
    いつも地味なローブ姿な彼女が、今日はすっかり可愛らしい淑女に。
    …なるかと思ったけど、どっちかと言うと、ピアノの発表会の中学生みたいだった。

    しかし、頭を結い上げてもらい、化粧をしてアクセサリーなどをつけて鏡の前に立ってみると、いつもの自分と見違えたようで、すっかり機嫌が良くなっていた。
    「これで、私もルディの奥さんに見えますかね?」
    などと、嬉しそうにクルクル回っているロキシー。

    俺は興奮したね。
    「凄いよこのロキシー!さすが俺のお嫁さんだよぉー!!絶好調であるっ!!」
    と、ノリノリのカメラマンのようにはしゃいだ。
    うん、どこかの御大将のような顔になっていたのは、間違いない。

    シルフィやエリスも、口々に褒めた。
    「うん、すっごく可愛いよロキシー!」
    「いいじゃない!髪型も決まってるし、青い髪と白いドレスが似合ってるわ!」
    三人、鏡の前でキャッキャウフフと盛り上がっていた。

    それが、である!!
    いざ、祝賀会に行ってみたら!!
    脂ぎったニキビ顔のクソガキに、ロキシーを罵倒されたのである!!
    これは、宣戦布告とみなして良い発言なのだ!!
    覚悟完了なのだ!!当方に迎撃する用意あり!!

    ドルディアだったら、裸にひん剥いて水をぶっかけるところだが、ここはアスラである。
    俺はドラ息子の首根っこを掴んで庭に引きずり出し、目の前の壮麗な庭園を中級魔術「フレイムピラー」で焼き尽くしてやった。

    中級魔術とはいえ、俺が無詠唱で魔力を練り上げると、聖級魔術を軽く超える威力になる。
    四季折々の花を咲かせる樹木で埋め尽くされた、ちょっとした森くらいの広さだった庭園は、一瞬で灰と化した。…ちょっと気持ちよかったのはナイショだ。

    ドラ息子の父親であるボンクラ貴族は腰を抜かしていた。自慢の庭だったらしい。
    息子の祝賀パーティ当日に、庭が丸焼けになるとは、とんだ成人式だったな。
    息子は息子で魂が抜けたような顔をしていた。
    俺はその耳元で「ねぇ、どんな気持ち?」と、二度ほど囁いた。

    一応、その後、アリエルには謝罪したが、アリエルもシレっとした顔で、

    「構いません。私の友人であり恩師でもあるロキシーを罵倒した愚か者です。吐いた言葉は自分で責を取る。貴族に生まれた者としての義務を、再確認できたことでしょう」
    とか言いやがった。

    実際、あの貴族は第一王子から寝返ってきた連中らしいので、一度アリエル派の恐ろしさを味わわせたいと思っていたらしい。二度と寝返らないように。
    案外、体よく利用されたようなもんだ。ま、いいけど。

    「フンッ!!あんな奴!!うちのロキシーを馬鹿にしたんだもの!私にぶった斬られないだけ、ありがたいと思えばいいのよ!」
    鼻息荒く宣言したのは、先頭を歩く赤い髪の女性、エリスである。

    彼女は赤い髪に合わせた黒一色の服。
    黒いズボンなのは、いざという時に戦えるようにとの事。
    一応祝賀の宴なので長剣の「鳳雅龍剣」は帯びず、「魔剣・指折」を腰に佩いている。
    背が高く、スタイルの良いエリスは、煌びやかな装飾の指折も、よく似合っていた。

    「……いや、エリスの気持ちは嬉しいのですが、やはり、斬ってしまうのは大問題になってしまうので、出来れば殴る程度ですませて下さい」
    ……ロキシー先生、淡々と結構な爆弾発言でございますよ?

    「そうね!次はそうするわ!ルーデウスは手を出しちゃダメよ!!」
    ボレアスポージングでそう息を巻く我が妻エリス。…爆弾岩かコイツは。
    シルフィはと言うと、
    「誰も死んでないし、脅しくらいなら、いいんじゃないかな?」
    とすまし顔。さすがアリエルの戦友。裏切り者には手厳しい。
    エリスは我が意を得たり、と頷くと、クルリと向きを変え、ズンズンと先を歩く。

    ……ふと、何か気になったのか、立ち止まってしまう。
    視線の先には、壁に飾られた絵画群。
    どうせ、趣味の悪い裸婦だの理解できない抽象画だのが飾られているんだろうと思ったが、
    よく見ると、王宮に飾られていた物と同じだった。

    魔神殺しの三英雄の肖像画である。
    一つは甲龍王ペルギウス。銀髪に黄金の双眸。煌びやかな鎧。
    一つは北神カールマン一世。黒髪に引き締まった顔。

    最後の一つは、銀髪と金髪が入り混じった男性の肖像画。
    ━━━龍神ウルペンその人の肖像画である。

    400年前の人物である。
    ペルギウスは長命な古代龍族なので、未だ存命中だが。
    人族と龍族の混血である彼は、もうこの世には居ない。

    オルステッドに聞いた話だと、最弱の龍神候補だったとか。
    しかし、筋骨逞しい肖像画を見てると、とてもそうは思えない。
    どう見ても、銀髪のターミ○ーターだろ、この人。
    チカラこぶり過ぎだろ。チカラアリナミン過ぎ。

    それに、魔神ラプラスにトドメを刺したのも、この人らしいし、どこが最弱なんだか。
    ……まぁ、オルステッドに比べれば、誰もが弱い存在かもしれんけど。

    「こいつらが、魔神ラプラスをブッ殺した連中ね!」
    エリスは傍若無人な発言をした。誰かに聞かれでもしたら…!相手は死ぬ。スィーツ(笑)

    「ちょっ…エリス、言葉には一応気をつけてよ」
    シルフィが、一応メッて感じでエリスに声をかける。
    エリスはシルフィの方をチラッと見て、肩をすくめた。
    それから、腕を組んで、ウルペンの肖像画を眺める。

    「どれくらい強かったのかしら、コイツ」
    エリスの顔は、ニマニマとした笑みを浮かべている。強敵と対峙した時の顔だ。
    頭の中は、既にバトルモードに移行しているのか。
    エマージェンシー。エマージェンシー。

    「当時の龍神だったし、オルステッドほどでないにしろ、相当強かったと思うよ」
    俺は頬を膨らませるシルフィの頭を撫でながら、エリスの横に立つ。

    「フーン……」
    エリスは俺の説明を聞きつつ、上の空だ。

    「━━━そうだ!!」

    唐突に、エリスが俺の方を向く。
    「今度、ナナホシの様子を見に行く時に、ペルギウスに話を聞きましょうよ!」
    物凄い笑顔。
    良い事閃いた!って顔してらっしゃる。麦わら帽子のあの少年のようだ。

    「ん?このウルペンの事をか?」
    「そうよ!だって仲間だったんでしょう?この二人」
    「あー、そっか、ペルギウスの師匠筋だったらしいな」

    成程ね、当時の事なら、当事者に聞けばいい。捜査の基本だな。
    俺は軽く考え、エリスの発案に賛同した。
    その時は、それで終わった。
    アリエルから貰った屋敷に帰り、その日はみんなでグッスリ寝てしまった。
    翌朝には、昨日の事などすっかり忘れてしまっていた。


    ━━━ペルギウスに、ウルペンの事を聞く。

    ━━━それが、まさかあんな事になろうとは。
    ━━━この時の俺には、思いもよらなかった。





           ーその2につづきますー




    ※すいません、忘れないうちに、書いておこうと思って…(汗)
    今回は短編になるかと思います。文章荒いかも…;;

    それでは、また(店`ω´)ノシ












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