• ディスプレイスメントマップの活用法 [After Effects]

    2016-12-15 02:04
    この記事はAfterEffects Advent Calendar 2016の15日目の記事です。
    14日目の記事は、metuyaさんの「簡単な何かを消す方法」です。





    個人的にAfter Effectsの標準エフェクトの中でも特に好きなディストーションエフェクト「ディスプレイスメントマップ」の使い方とか紹介したいと思います。



    ■ディスプレイスメントマップとは

    「マップレイヤー」に指定したレイヤーのカラー値でピクセルを水平・垂直方向に歪ませるAfter Effects標準のディストーションエフェクトです。
    自分で用意したマップを元に歪ませることができるので、使い方次第で多彩な表現をすることができます。
    個人的に標準のディストーションエフェクトの中では一番好きなエフェクトなのですが、他のエフェクトと比べて単純に適用しただけではどういった効果が得られるのか分からなかったり、できることは分かってもどこで使えばいいか分からないということが多いんじゃないかなと思います。私も最初は使い道がさっぱり思いつかなかったです。
    今回はそういった方に向けて、ディスプレイスメントマップの簡単な説明と、私なりの使い方をいくつか紹介したいと思います。





    ■ディスプレイスメントマップの仕組み

    取りあえず把握しておきたいプロパティはこの5つです。

    マップレイヤー(Displacement Map Layer): 歪ませる元となるレイヤーを選択します。注意する点としてマップにするレイヤーをコンポジション内に読み込んだ後にトランスフォームをいじったりエフェクトを適用しても反映されません。基本的には調整レイヤーに適用して使うと思うので、コンポジションサイズと同じマップレイヤー用のコンポジションを用意すると良いと思います。

    水平置き換えに使用(Use For Horizontal Displacement): 水平(X軸)方向への移動に使うカラー値を指定します。デフォルトでは「赤」になっていてRGBのRチャンネルを使用します。
    最大水平置き換え(Max Horizontal Displacement): 水平(X軸)方向への移動量を指定します。

    垂直置き換えに使用(Use For Vertical Displacement): 垂直(Y軸)方向への移動に使うカラー値を指定します。デフォルトでは「緑」になっていてRGBのGチャンネルを使用します。
    最大垂直置き換え(Max Vertical Displacement): 垂直(Y軸)方向への移動量を指定します。

    次に、具体的にどのようにカラー値が使われているのか説明します。
    RGBの各チャンネルはピクセルごとにそれぞれ0から255の値を持っています。
    単純に考えるとカラー値が0だと移動量も0で255になるほど移動量が増えると考えてしまいそうですが、カラー値255の半分の値である128が移動量0でカラー値が0に近づくほど移動量がプラスになり、カラー値が255に近づくほど移動量がマイナスになります……って書いててめちゃくちゃわかりづらいなって思ったので、白黒のマップを使うとして水平だけに絞ってすごくアバウトに言うと「グレーだと歪まなくて、黒いと右方向に歪んで、白いと左方向に歪む」ってことです。

    上手く説明できなくてすみません…(´・ω・`)
    3DCGで使われるノーマルマップやモーションベクターと似たような考え方ですね。

    これがわかればあとはどういう使い方をするかだけです。






    ■様々な使い方

    1. 映像が乱れる表現(グリッチ)
    フラクタルノイズなどを使って作ったマップで映像が乱れる表現ができます。
    「タービュレントディスプレイス」や「波形ワープ」など、他のエフェクトを使っても全体的な映像の乱れを表現することはできますが、部分的に歪ませようとすると手間がかかりますし、少し複雑な乱れを表現しようと思うとディスプレイスメントマップが早いと思います。
    簡単にできるので、こういった表現が好きな方にはおすすめです。




    2. 反射・屈折表現
    3Dレイヤーで床や壁の反対側に複製したキャラクターなどを反転させて擬似的な反射表現ができますが、ここにディスプレイスメントマップを組み合わせることで3DCGでいうところのバンプマッピング(実際には平だけど凸凹して見えたり)みたいなことができるようになります。
    例えば、CC Drizzleを使った雨の波紋やフラクタルノイズを使った揺らぎのマップを作って3Dレイヤーで角度を付けたコンポジションを使うことで、下の画像のように反射または屈折する水面を表現することも可能です。


    曲: たかぴぃさん
    イラスト: bobさん


    コラップストランスフォームを使えばカメラを動かしても大丈夫です。



    3. 3DCGと組み合わせた屈折表現
    3DCGで作った動画をレンダリングする際、ノーマルパスも書き出すことでディスプレイスメントマップを使って後付で擬似的に反射や屈折の映り込みを加えることもできます。
    下の画像はElement 3Dのクリスタルみたいなものにあとから2Dのイラストをノーマルパスを元に歪ませたものを重ねて疑似屈折表現をしたものになります。


    曲: 5*LEAFさん
    イラスト: 未早さん


    以前にも一度ツイッターで呟いてました。
    https://twitter.com/to7tzs/status/783171062892597248

    他にも球体の3Dモデル(CC Sphereとかでもいいかも)にフラクタルノイズか何かのテクスチャ貼り付けてレンダリングしたものをマップにして歪ませてバリアみたいなの張ったりとかもできますね。




    ■最後に

    今回紹介した使い方は私個人がよく使ってるごく一部の使い方で、紹介してるもの以外にも工夫次第で色々面白い使い方ができると思います。
    かなり雑な内容の記事になってしまいましたが、ディスプレイスメントマップ知らなかった方は「こういうのが標準であったんだ」とか使い方思いつかなかったって人は「こういう使い方ができたのか」とか少しでも思ってもらえれば幸いです。

    明日はSSomeiさんの「エクスプレッションで甘そうなトランジションを作る話」です!

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  • 読解 Element 3D V2.0 [C88 3日目 西み-35b]

    2015-08-11 19:431




    お久しぶりです。となです。

    そろそろ夏コミの時期ですね。

    …ということで、前回Element 3D V2リリース直後に簡単なレビュー記事を書きましたが、今週末に行われるコミックマーケット88にて
    「ギンイロオオカミ」で頒布されるElement 3D V2解説本『読解 Element 3D V2.0』に参加させていただきました。
    http://ae-users.com/jp/community/2015/08/dokkai-element3dv2/

    V2.0で多くの新機能が増えたElement 3Dですが、その中でも自分はCINEMA 4Dファイルのインポートについての解説を書きました。
    特にアニメーションインポートをする際のやり方や注意点などを中心に書いています。
    例として簡単にC4Dで物理演算させた複数の立方体モデルをE3Dでインポートする手順なども書いたのでC4D初心者向けの解説にもなっている…かな?と思います。






    他の方々が書かれた記事もE3DユーザーやE3D購入を検討している方には参考になるものばかりだと思うので、3日目コミケ行く方は是非チェックしてみてください。

    詳細はこちらから


    コミックマーケット88
    3日目(8月16日) 西み-35b ギンイロオオカミ
    「読解 Element 3D V2.0」
    オールフルカラー B5 110P 1,500円


    宜しくお願いします。



    ちなみに別誌で以前「Elementary」というスクリプトの解説を書かせていただいた「Ability Easing 02」も在庫少ないようですが置かれるようなのでそちらもよろしくです。



    また、こちらは自分は関わっていないですが、隣には「vol.4 - 萌えるCG読本plus」。2つ隣には「AE4U Part.3」などCG関係の本が並ぶようなので一緒にチェックしてみると良いと思います。

  • Element 3D V2 レビュー

    2014-12-05 02:592
    日本時間の12月3日、遂にVideo Copilot社のAfter Effectsプラグイン「Element 3D」のV2がリリースされました!

    軽く触ってみましたがV1からかなり進化しています。
    変わった・追加された機能が多くあるので、その中でも特に気に入ったものをいくつか簡単に紹介したいと思います。



    ■新UI

    V1からUIが大きく変わりました。
    この独自UI内でモデルのマテリアルを調整するだけでなく、複数モデルを3DCGソフトのように操作し配置・複製することができます。
    V1では配置がしづらかったためとても楽になりました。



    ■リフレクション・シャドウ

    V1で誰もが欲しいと感じていた反射と影を落とす機能です。
    遂に来ました。しかも反射は綺麗にぼかせるので、材質に合わせて調整するとリアルな質感が出せるのではないでしょうか。ただしこの反射、設定に一癖あるようで3DCGソフトのように反射率を上げれば良いというわけではなさそうです。
    たまに思ったようにいかないことが…ちゃんと仕組みを理解して綺麗に反射させたいですね。
    影はシャドウマップとレイトレースを選択できます。
    軽いのはシャドウマップですがこちらは要はラスターなので解像度(Map Size)が足りないと汚くなってしまいます。ぼかしていればあまり気にならないことが多いですがくっきりした影を出そうとすると目立ってしまうことが多いかも。マップサイズを上げるか、綺麗に出したいときはレイトレースの方を使うと良いでしょう。
    レイトレースを使って影をぼかすときはサンプル数を上げると綺麗になってくれます。



    ■デフォーム

    3Dモデルを変形させる機能です。
    V1ではモデルをそのままの形で使うしかなかったのでどうしても硬い印象がありましたが、うまくこの機能を使えば柔らかい物体の表現も!
    モーショングラフィックスでE3Dを使っていた人にも強力な機能だと思います。
    上手く使っていきたいですね。



    ■C4Dインポート

    CINEMA 4Dのファイル(.c4d)のインポートが強化されました!
    以前からC4Dモデルをインポートすることはできましたがマテリアルまでは読むこむことができずE3Dで適用し直す必要がありましたが、V2でテクスチャやバンプなど基本的なマテリアルの設定はそのままでE3Dに読み込むことが可能に!
    あとはE3D独自の部分などを少し調整すればすぐ使える状態になります。C4Dユーザーにとってこれはありがたいです。
    またマテリアルだけでなくC4D内で動きをつけたオブジェクトレベルのキーフレームアニメーションもインポートできることが判明しました。
    動きが決まっているところはC4D内で作っておいてしまいたいという場合はこれで解決です!
    また、リジッドボディでの物理シミュレーションもそのままではインポートできませんでしたがシミュレート結果をキーフレーム化させてからE3Dで読み込むことで物理演算の動きを持ってくることも可能です。 これは嬉しい!!
    キャラクターアニメーションももしかして持ってこれるのではと実験してみましたが、バインドされた状態のアニメーションはダメ、それならPLAなら・・・!と思いましたがPLA化もだめでした。
    でもPLAならその内対応する可能性もあるような気がします…!
    取り合えず動いているキャラクター(変形するオブジェクト)を読み込むなどする場合はV1と同じく今のところはOBJシーケンスで読み込むしかないようです。

    MayaやblenderなどC4D以外の3DCGソフトの場合はOBJとMTLでモデルとマテリアルをインポートできると思います。
    確かAndrewがツイッターでFBXも対応予定みたいなことを言っていた気がするので、後のアップデートでMayaなどでもC4Dと同じようにモデルやマテリアルを一つのファイルで、またアニメーションも引っ張ってこれるようになるんじゃないでしょうか。


    他にも改良された部分や新機能がたくさんあるので是非これから買う方や買った方は試してみてください!