艦これRPGシナリオ『よくあること・夏』
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艦これRPGシナリオ『よくあること・夏』

2017-09-06 03:36
    シナリオ『よくあること・夏』テストプレイ済

    【シナリオスペック】
    よくあるシナリオ(夏)
    使用:『着任ノ書』『抜錨ノ書』(選択:『建造ノ書壱』『建造ノ書弐』)
    艦娘人数:2~4人
    プレイ時間:3時間程度
    リミット:1サイクル
    任務:1、鎮守府フェイズのシーンを[PC人数-1]回達成する
      :2、艦隊戦に勝利する
      :3、決戦フェイズにて、敵艦隊を全滅させる

    【あらすじ】
    夏の日に恋をしました。
    暗い洞窟で、少年と、少女は出逢いました。
    夏の日に恋をしました。
    恋を恋とも気づかぬふたりは、睦言を交わしました。
    夏の日に恋をしていました。
    太陽はとても眩しくて、それでも見つめ続けていました。
    そうして、夏の日に恋は終わりました。
    それを恋だと気づかぬままに、ふたりは別たれてしまいました。
    或る夏の、よくあることでした。
    青く輝くふたりの恋にわたしたちは何を見るのでしょう?

    【導入フェイズ】
    事前に鎮守府名と艦隊名、旗艦の決定を行うこと。
    なお、自己紹介等を行う場合もここで行うとよいだろう。
    ==========================================
    ある夏の日のことだった。
    PC達は提督執務室に呼び出され、このような話をされる。
    「既に話を聞いているかもしれないが、ここ2日間、鎮守府の前で佇んでいる少年がいる。」
    「どうやら、艦娘と話をさせろと言っているらしい。」
    「人の良い守衛が少年に理由を訪ねても、『艦娘じゃないと話さない』の一点張りらしい。」
    「放っておくわけにも行かなくてな。この暑さで倒れられでもしたら外聞も悪い。」
    「そこで、お前たちにはその少年の話を聞くだけ聞いてやって欲しい。」
    「この暑いなかで面倒だとは思うが相手は民間人だ。適当にあしらってやってくれよ。」
    そして、PC達は少年の元へ向かう。
    ==========================================
    鎮守府正面には、件の少年が立っていた。
    少年はPC達の姿を見るなり、安堵の表情を浮かべたが、すぐに緊張した面持ちになった。
    そして、少年は話し始める。
    「海の向こうへ連れて行かれた女の子を助けて欲しいんだ。」
    「名前も知らない子だけれど、大切なともだちなんだ。」
    突然の話しに困惑するPC達に対して、少年は絞り出すような声で続けた。
    「皆は何かの間違いだって言うけれど、ホントのことなんだ……。――」
    ==========================================
    少年はPC達に以下のようなことを話した。
    『少年の話』
    少女とは秘密の場所で出会った。

    そこは危険だからという理由で人が寄り付かない海辺の干潮時にだけ入れる洞窟だ。
    少年は、夏休みの開放感からか、大人たちが近付くなと言うそこへ気まぐれに訪れた。
    少女と初めて出会ったのはそのときだ。

    少年は少女のもつ不思議な雰囲気に月の光のような印象を受けたという。
    少女の方も最初のうちは少年を警戒していたようだが、2人が友達になるのにそう時間は掛からなかった。

    少女はいつも無口だった。
    少年がとりとめのないことを話し、それを少女が静かに聞いている。
    少年は少女の名前も、住む場所さえも分からなかったが気にはならなかった。
    それほどに少女との時間を気に入っていた。

    ある日、少年は少女に贈り物をした。「月の形を模した青色の簪……。
    そのときから、2人が会うときには、少女の色素の薄い長い髪にはそのがついていた。
    そのような逢瀬がしばらく続いた。――

    が、近頃になり少女の様子がおかしくなった。
    少女はしきりに海の方を気にしていた。
    理由を聞くと「来る」とだけ答え、あとは悲しそうに海を見ていた。

    少年が海の向こうへ連れて行かれる少女を見たのは2日前のことだ。
    いつもの秘密の場所へ向かった少年は少女がいないことを不審に思い、辺りを探した。
    そこで、不気味な化物に連れて行かれる少女を見た。
    化物が向かう先に見えたのは遠く西にある島だった。

    周りの大人に言っても、誰かも分からない友達を助けてくれという話を聞いてくれはしない。
    それどころか、少年を嘘つき呼ばわりする者までいる始末だ。
    絶望した少年は最後に海を護る艦娘に希望をみた。

    少年は、PC達に少女を助けてくれと懇願した。その言葉に嘘はなかった。
    ==========================================
    その後、PC達は少年を宥めて家に帰らし、提督に報告する。
    「その少年の話が本当かどうかは別としても、海の化物と言われて放ってはおけないな。」
    「火のないところに煙は立たない。どちらにせよ、その島を調査する必要はあるだろう。」
    「ただ、すぐに出撃というわけにはいかない。戦闘に備える必要がある。」
    「それに、その話が事実だったとしても、すでに時間が経ちすぎているから少女は――」
    「いや、とにかく今回の件は正式な任務とする。」
    「もし深海棲艦がいた場合は、場所のこともあり殲滅してもらいたい。よろしく頼むぞ。」
    しっかりと準備と整え、島の調査に向かおう。

    補足「PCに駆逐艦「春雨」がいた場合」
    PCに春雨がいた場合、少年は少女と春雨の見た目がとても似ていることを伝える。
    ただし、雰囲気はまるで違うため、少女と間違うことはない。

    最後に、感情点の処理。任意のキャラクターを選び、そのキャラクターに感情点を1点取得

    【鎮守府フェイズ】
    シーンエディット:交流、作戦(選択追加:任務)

    ■補足情報
    ここに記述する情報は、シナリオの進行の上では必要のない情報である。
    ただ、シナリオの深みをより増すことができると考えるため記述する。
    もし、シーン内で情報が伝えられそうな場面があった場合は伝えるとよいだろう。
    情報の開示に関しては判定の成否等は特に必要としない。
    時間に余裕があるならば、イベントシーンとして伝えてもよい。
    なお、情報の扱いが難しく感じるならば無理に伝える必要はない。
    以下、情報項目。
    ●情報1「少女について
    推奨タイミング:少年を出せそうなときに開示するとよい。
            場合によれば、導入で言わしてもよいだろう。
    少女の見た目について。少年が言うには、
    ・頭の左側へ片括りにしたサイドテールの髪型で、全体的に色素が薄い。
    ・髪には「月の形を模した青色の簪」をつけている。
    ・服装はセーラー服のようなものを着ていた。
    とのことだ。洞窟のなかでしか会わなかったこともあり、詳しくは判然としない。
    ▼情報1-A「追加情報
    開示条件:PCに春雨がいた場合に開示
    ・その少女は駆逐艦「春雨」と見た目がよく似ているそうだ。

    ●情報2「人々の反応
    推奨タイミング:少年の知り合いが出せそうなときに開示するとよい。
    件の少女と会ったことがあるのは少年だけで、他に姿を見た者はいないらしい。
    少年が嘘を吐いているとまで言う者はそこまで多くはない。
    ただ、実際に行方知れずとなった少女は確認されていないために動いてはいない。
    そのようなこともあり、多かれ少なかれ疑いを持っている。
    大人たちの反応はオオカミ少年に対するそれに似ている。

    ●情報3「島について
    推奨タイミング:島のことを知っているキャラクター等、
            島の情報が出せそうなときに開示するとよい。
    島の名前は「寄月島-オクリツキシマ-」という。
    満月の夜、月は日没頃に東の空から昇り、日の出頃に西の空へ沈む。
    これ自体は自然なことだ。が、沈む方に島があった。
    島の位置関係上、朝方になると月が島の方へ落ちてゆくように見えるのだ。
    それを古人は「月が夜を去る前に島へ別れを告げているようだ」と言ったため、
    いつからかこの島は「おくりつきしま」と呼ばれるようになった。
    ――月がよる島、月をおくる島。

    ●情報4「最近の話
    推奨タイミング:いつでも。提督やNPCの艦娘等、
            NPCと話すときにでも開示するとよい。
    数日前から寄月島の周りの海が荒れているという。
    航行できないほどではないので問題はないが、原因は分かっていない。
    町の人も少なからず不気味に感じているようだ。

    【決戦フェイズ】
    準備を終えたPC達は島へと出撃する。
    島の周辺の海は荒れているが、艦娘であるPC達が航行できない程ではない。
    PC達は島へと近づいてゆく。
    すると、島影から深海棲艦が現れ、PC達の方へ向かいつつ攻撃を行ってきた。
    少年の話は嘘ではなかったのだ。
    敵の規模は大きくないものの、敵艦隊には旗艦と思われる「駆逐棲姫」の姿が確認できる。
    見たところ手負いのようで動きも悪いが、されど姫級、油断はできない。
    さあ、艦娘よ。深海棲艦を撃滅し、海の平和を護ろう!

    【艦隊戦】
    戦闘に関する特記
    シナリオの描写として島を登場させてはいるが、処理の煩雑さを考えて、
    あえて「島」のルールは使用しない。また推奨もしない。
    それでも使用する場合は、PC達の状態を考慮し注意すること。

    敵編成:PC人数に合わせて記述する。
        このままで問題はないが、提督はPC達の艦種等を考慮し調整すること。
    (PC数2):(旗艦)駆逐棲姫×1、輸送ワ級×1
    (PC数3):(旗艦)駆逐棲姫×1、軽巡ホ級×1、輸送ワ級×1
    (PC数4):(旗艦)駆逐棲姫×1、軽巡ト級×1、輸送ワ級×1
    ※輸送ワ級(建造ノ書壱記載)のデータが参照できない場合は駆逐イ級1体を代わりとする。
     なお、PC数2のとき、PC側艦隊の火力が乏しければ輸送ワ級の能力は使わないこと。
     (具体例を挙げると、駆逐軽巡だけの艦隊である場合等。)

    敵旗艦「駆逐棲姫」の一部戦力値の変更(※重要)
    このシナリオでは、敵旗艦である「駆逐棲姫」の【装甲力】【回避力】の値が減少している。
    【装甲力】駆逐棲姫が「手負い」であること示すデータだ。
    【回避力】は駆逐棲姫が「自分の命」よりも優先して守るものがあることを示すデータだ。
    【損傷状態】にこそ影響はないが、PL達にとっては喜ばしい情報だろう。
    戦闘開始時、PL達に以下を通達する。
    「駆逐棲姫」の【装甲力】は減少しており、減少後の【装甲力】は「12点」であること。
    「駆逐棲姫」の【回避力】は減少しており、減少後の【回避力】は「2点」であること。

    戦闘条件
    戦闘勝利条件:敵旗艦の撃破
    戦闘敗北条件:PC艦隊の全滅、敵旗艦の未撃破
    ==========================================
    [戦闘勝利]→エンディングAへ。
    [戦闘敗北]→エンディングBへ。

    【終了フェイズ】
    [エンディングA]※敵艦隊の状態に合わせて描写に改変を加えること。
    ――寄月島に月が落ちてゆく。
    沈みゆく「駆逐棲姫」は手を伸ばす――今はもう、届かない場所へ。
    その伸ばした手には何かが握られている。
    月の光に照らされ青く輝くそれを見つめて、彼女は言葉を紡ぐ。
    ツキガ…月が、きれい……。ずっと、あぁ―――
    その言葉を最期に、「駆逐棲姫は沈んでいった。
    戦闘はPC達の勝利に終わった。
    この島周辺の制海権は確保できただろう。
    そのとき、【「駆逐棲姫」にとどめを刺したPC】は駆逐棲姫」の残骸から、
    月の形を模した青色の簪」を見つける。
    何故か、それはあの戦闘のなかであっても壊れてはいなかった。――

    帰投したPC達は、入渠等を終えた後、提督に詳報を伝える。
    「ご苦労だった。本当に深海棲艦がいたとは、近海の警備を強化しなければいけないな。」
    「島に急ぎ人員を送り調べたが、件の少女の姿は、その亡骸らしきものも含めてなかった。」
    「報告を聞く限り、人間が連れて行かれたようにはどうにも思えない。」
    「……しかし、とにかくよくやった。キミ達の働きによって海の平和は護られた。」
    「それから、あの少年のことはキミ達に任せる。」
    「彼に何かを伝えるか、何も伝えないか。どうするにしても、よく考えてやってくれ。」
    最後に、提督はPC達に向けて、というよりも独り言のように呟く。
    「少年の話を聞いたときはどうなることかと思ったが――」
    それは、今回の顛末を表す一言だ。
    「――結局は、よくあることだったな。」

    [エンディングB]※自艦隊の状態に合わせて描写に改変を加えること。
    ――寄月島に月が落ちてゆく。
    戦闘はPC達の敗北に終わった。
    PC達の被害は大きく、危険な状況であったが、なぜか敵はPC達を放って撤退していった。
    海に残ったのは、ボロボロのPC達だけだった。――

    何とか帰投したPC達は、入渠等を終えた後、提督に詳報を伝える。
    「敵を逃したのは拙かったが、とにかくキミ達が無事で何よりだ。」
    「他の艦隊を出撃させ、島の周辺の制海権を確保した。敵は既にいなかったよ。」
    「島に急ぎ人員を送り調べたが、件の少女の姿は、その亡骸らしきものも含めてなかった。」
    「……しかし、とにかくよくやった。」
    「キミ達の働きによって、辛くもではあるが、海の平和は護られた。」
    「それから、あの少年のことはキミ達に任せる。」
    「彼に何かを伝えるか、何も伝えないか。どうするにしても、よく考えてやってくれ。」
    最後に、提督はPC達に向けて、というよりも独り言のように呟く。
    「少年の話を聞いたときはどうなることかと思ったが――」
    それは、今回の顛末を表す一言だ。
    「――結局は、よくあることだったな。」

    【エピローグ】
    エピローグは自由にしてもらって構わない。
    PC達が望むように演出を行うとよいだろう。

    演出終了後、成長処理を行ってください。
    シナリオは終わりです。お疲れ様でした。

    【シナリオノート】
    まず、初めに。このシナリオでは悪雨ちゃん(駆逐棲姫)は脚あります!
    原作との差異に関しては、そういうものもいる、ということで気にしなくてもいいでしょう。

    今回のシナリオは、ボーイ・ミーツ・ガールのお話です。
    ただ、艦これRPGの主人公は艦娘たちですので、そのお話に別の関わり方をするように作りました。細かな内容はここで繰り返しても仕方がないので割愛。
    つまるところ、少年が経験した淡い夏の恋は、文字通り海の藻屑となってしまったのでした。
    ―――ただ一つ、青く輝く簪だけを残して。
    少年がそのあとどうなったか。それは、遊んだ方のご想像にお任せしましょう。

    タイトルの『よくあること・夏』というのは初めは仮題のつもりでした。
    なかなか良いタイトルが思いつかなかったので、結局はそのままになりました。
    このシナリオはこれから作成を予定している春夏秋冬で季節感をイメージしたシナリオの一番最初となります。
    一般的に、夏はポジティブな季節のように扱われることが多いように思いますが、僕のなかではどちらかというとネガティブな季節です。明るい太陽の光は成長や出会いを象徴する傍らで影も生み出しているのです。
    また、タイトルの「よくあること」はこのシナリオのもう一つのテーマのつもりでもあります。当たり前だと思っていることも、別の面から見れば特別なことかもしれません。
    今回のお話では普段行っている艦隊戦に敵側の事情がついてきた、という感じでしょうか。
    そういうものを書いてみようと思った1番初めがこのシナリオです。

    次がいつになるか未定ですが、季節がくれば書きたいと思います。

    このシナリオを遊ぶという方がいらっしゃれば質問や相談はいつでも受け付けます。
    Twitterや配信等で気軽に聞いてください。

    なお、Twitterで御紹介していただけるときは「#艦これRPG」つけていただけると公式展開再開にも微力ながら繋がるかもしれません。私もこっそり確認して嬉しくなります。
    よろしくお願い致します。

    シナリオ製作者:トカゲッコー
    Twitter:@tokagekko モーメント:艦これRPG自作データまとめ



    クリエイティブ・コモンズ・ライセンス
    この 作品 は クリエイティブ・コモンズ 表示 - 非営利 - 継承 4.0 国際 ライセンスの下に提供されています。

    ここまで読んでいただき感謝致します。それでは、良い艦隊生活を!

    某年某月某日、GRAVITY DAZE 2「ア クゥ オーン トゥ ワ/赤いリンゴ」を聴きながら





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