艦これRPGシナリオ『怪談鎮守府七つ噺』
閉じる
閉じる

新しい記事を投稿しました。シェアして読者に伝えましょう

×

艦これRPGシナリオ『怪談鎮守府七つ噺』

2017-10-26 03:11
    シナリオ『怪談鎮守府七つ噺』テストプレイ済

    【シナリオスペック】
    鎮守府七不思議探索シナリオ
    使用:『着任ノ書』(選択:他サプリ等)
    艦娘人数:2~5人
    プレイ時間:3~5時間程度
    リミット:1サイクル(特殊進行【シナリオで遊ぶ際の補足事項】で解説)
    任務:1、鎮守府フェイズにおいて、PCシーンを[PL-1]回達成する
      :2、7つの怪談噺の真相を知る
      :3、鎮守府フェイズのPCシーンを全て達成する
    合意事項:キャラクター作成時には行うこと。シナリオにはいくつか特殊な処理がある。
         その点を簡単にPLに説明し合意を得ておくとよいだろう。
         以下、必要と思われる点を箇条書きする。
         ・進行において、通常の艦これRPGとは異なる進行をする。
         ・イベントカードは使われない。
         ・艦隊戦は発生しない。
         他にも必要と思うことがあれば都度加えてほしい。


    【あらすじ】
    「これは、本当にあったお話らしいのだけれど―――」
    そうして、不気味な噂は語られる。
    ―――日常に潜む魔のハナシ。
    ―――暗がりを覗いた
    ハナシ。
    ―――”友達の友達”のハナシ。
    くだらないと笑ってしまえばそれでお終い。
    目を瞑り耳を閉じて、通り過ぎれば事も無し。
    だが、それでも不思議暴かなければならない。
    真実とは、暗がりへ飛び込むことを要求してくるもの。
    あってはならないものはやはりあってはならないのだ。
    語られる噺に、わたしたちはどんな真実を見るのだろう?

    【NPCデータ】
    神風/このシナリオの怪談の語り手。PC達の調査に同行する怪異への水先案内人でもある。
    神風/駆逐艦
     ●前提
      レベルは「1」。艦隊戦もないため、変える必要もないだろう。
     ●戦力
      命:1,火:0,回:2,装:5,装備力:2,行動力:19
     ●得意カテゴリ
      作戦/守勢/便利
     ●初期個性
      元気/幸運/×フリー
     ●装備アビリティ
      小口径主砲/電探
     ●初期アビリティ
      救難作業/伊達に長く……
     ●固有アビリティ
      【伊達に長く……
      固有/なし/サブ/神風
      自分が行為判定を行うときに使用できる。
      自分の【行動力】を1d6点消費し、その判定にプラス1の修正をつけることができる。
     ●アイテム
      なし

    長波/「食堂の噺」に登場

    巻雲/「食堂の噺」に登場
    夕張/「工廠の噺」に登場
    狭霧/「厠の噺」に登場
    如月/「厠の噺」に登場
    那珂/「練兵場の噺」に登場
    グラーフ・ツェッペリン/「談話室の噺」に登場
    プリンツ・オイゲン/「談話室の噺」に登場
    秘書艦/「資料室の噺」に登場、他に登場するNPC以外で決めること
    深海棲艦(潜水艦)/「港の噺」に登場


    【シナリオで遊ぶ際の補足事項】
    情報項目について
    シナリオのなかには時折、【『◯(情報項目名)』】と記述されている箇所がある。
    これは、セッションの際に進行をスムーズにするために情報自体をロールプレイ(以下、RP)ではなく項目として用意したものだ。これを用いると、たとえばNPCが情報を話す場面で、実際にNPCにRPとして話させるのではなく、“(NPC名)はこういうようなことを話した”と情報項目を提示することで、会話のなかで伝えたい内容がブレたり、上手く伝わらないという事態を防げる。
    今回はシナリオの性質上このような形で用意した。
    情報はこのように伝えてもいいし、RPで伝えてもいい。それは各提督が判断してほしい。

    鎮守府フェイズの進行について
    ①「このシナリオにおける鎮守府フェイズ」
    このシナリオでは、鎮守府フェイズにおいて、「イベントカード」は使用しない。
    シーンプレイヤーを決定したら、『◯怪談鎮守府七つ噺目次』の7つある噂話のうちから1つ選んでもらい、そのシーンを描写する。
    また、以下の点に注意すること。
    ・リミットは特殊進行の1サイクルとなる。
    ・シーンは全て「平常シーン」として扱う。
    ・PLの人数によって、PLがシーンプレイヤーになる回数が変更される。(下記④参照)
    ・シーンプレイヤーに選ばれなかった噂話はマスターシーンとして処理する。(下記③参照)
    ・イベントの被りペナルティはない。
    ・イベントの「達成」と「残念」の効果がシナリオ固有のものへ変更される。(下記②参照)

    ②「イベント『達成』『残念』の効果について」
    シナリオで設定されたシーンイベントでは通常のシーン同様にシーンプレイヤーの行為判定が要求される。行為判定に成功/達成した場合と失敗/残念した場合で、幾つかの効果がある。
    成否が決まったシーンプレイヤーは該当効果のどれかを選んで適用すること。
    達成効果
    ・自分の【行動力】を1d6点回復する
    ・自分以外のキャラクター1人に対して【感情値】が1点上昇する
    ・自分以外のキャラクター1人から自分に対して【感情値】が1点上昇する
    ・任意の開発表を使った開発を資材の消費なしで1度行うことができる
    残念効果
    ・PC全員の【行動力】が1d6点減少する

    ③「マスターシーンの取扱について」
    このシナリオではシーンプレイヤーにイベント表の役割を持つ『◯怪談鎮守府七つ噺目次』の7つの噺の中から1つを選択してもらい、それを描写する。
    このとき、選ばれなかった噺はマスターシーンとして処理することが必要となる。
    基本的にはプレイヤーシーン時の描写と変わらないので、各提督でやりやすいように描写するとよい。
    描写する際には以下の点に注意すること。
    ・描写は基本的にそのイベントで要求される行為判定には成功しているものとして行う。
    ・行為判定は行われないため、シーンの「達成」「残念」の効果は発生しない。
    時間に余裕があるのであれば、同行NPC「神風」を擬似的なシーンプレイヤーとして扱い行為判定させて、描写を行ってもよい。この場合にはイベントの「達成」「残念」の効果は発生させてもよい。
    また、シーンの描写を行う際に、誰かしらのキャラクターを描写の軸にしないとやりにくい、という提督も同行NPC「神風」を擬似的なシーンプレイヤーにすればやりやすくなるだろう。
    同行NPC「神風」を擬似的なシーンプレイヤーにするつもりであるならば、事前に個性の決定等を行うことを推奨する。

    ④「PL数によるシーンプレイヤー担当回数」
    以下は、あくまで例である。
    それぞれのPLが平等にシーンを行えるのであれば、進行順は各提督で任意に変更してもよい。
    ◯PL数2の場合
    PL1人あたりシーンプレイヤー3回担当。マスターシーン1回。
    (補足)マスターシーンは鎮守府フェイズで、最後に行う。
    進行順【①PL、②PL、③PL、④PL、⑤PL、⑥PL、⑦マスター】
    ◯PL数3の場合
    PL1人あたりシーンプレイヤー2回担当。マスターシーン1回。
    (補足)マスターシーンは鎮守府フェイズで、PLシーンの半分終了時に行う。
    進行順【①PL、②PL、③PL、④マスター、⑤PL、⑥PL、⑦PL】
    ◯PL数4の場合
    PL1人あたりシーンプレイヤー1回担当。マスターシーン3回。
    (補足)マスターシーンは鎮守府フェイズで、最初とPLシーンの半分終了時、最後に行う。
    進行順【①マスター、②PL、③PL、④マスター、⑤PL、⑥PL、⑦マスター】
    ◯PL数5の場合
    PL1人あたりシーンプレイヤー1回担当。マスターシーン2回。
    (補足)マスターシーンは鎮守府フェイズで、最初と最後に行う。
    進行順【①マスター、②PL、③PL、④PL、⑤PL、⑥PL、⑦マスター】

    ⑤イベント「残念」時の描写について
    これは、基本的に神風から「◯◯なオチだったのよ」と簡潔に噺の真相を伝えられる。
    自ら真相を解明したか、神風の話によって真相が判明したかの違いだけである。
    ただし、当然だが自分で解明した方が描写は濃いものとなる。
    また、神風から話のオチが伝えられるタイミングはシーンの最後にしておくとよい。

    【導入フェイズ】
    事前に鎮守府名と艦隊名、旗艦の決定を行うこと。
    なお、自己紹介等を行う場合もここで行うとよいだろう。
    ==========================================

    ある日の夜、夕食を終えて就寝まで自由時間を過ごしていたPC達は提督に呼び出される。
    提督の執務室には提督と秘書艦娘がおり、やってきたPC達にある任務を命じた。
    それは、最近になり鎮守府内でまことしやかに囁かれている不気味な噂話の調査であった。
    「ただの与太話と捨ててしまえばそれまでなのだが、どうも怪談話めいているようだ。」
    「なかには過剰に怖がる者もいる。それで任務に支障が出たら笑い話では済まない。」
    そういえば、最近は夜に部屋の外を出歩いている艦娘の姿は少ない気がする。
    「噂の出処を見つけてやめさせるのは難しい――“友達の友達”は見つからないからな。」
    「なに、キミ達にそれを探せとは言わない。」
    「キミ達には噂がどのような原因で話されているかを調査して欲しい。」
    「そして、解決できるようであれば、してもらいたい。」
    「そこまでは良い。ただ、ここで問題なことは――」
    問題なことは、どのような噂があるのかが分かっていないこと。
    噂話というが、その詳細を提督と秘書艦ともに殆ど掴めていないらしい。
    「言いたいことはあるだろうが、こちらも日々の業務で手が回らなくてな。」
    よって、まずは鎮守府で話されている噂話に詳しい協力者を探す必要がある。
    提督の言葉のあとに秘書艦が続ける。
    「談話室ならそのあたりに詳しい艦娘もいると思います。この後に寄ってみてください。」
    「これも大事な任務だ。よろしく頼むぞ。」
    提督と秘書艦に見送られ、PC達は談話室へ向かった。
    ==========================================
    談話室は母港に面している。今も任務のために抜錨する艦娘の姿が見える。
    ここは24時間使用できる場所であり、ジュークボックス、ラジオ、ドリンクサーバー、それから書架がひとつある。
    暇な艦娘が集まってお茶をしたりと、同室の者に迷惑を掛けずに夜更かしできる場所だ。
    普段は騒がしい場所だが、今日は噂話が原因なのか艦娘もそれほど多くはいない。
    と、そのなかにいる艦娘の1人がPC達に話しかけてきた。
    「今晩は。皆は怪談話を怖がって夜は出ないみたいだけれど、貴方達は怖くないの?」
    神風型駆逐艦一番艦「神風」――この鎮守府に所属する艦娘のひとりである。
    「私は部屋にいる方がなんだか怖くて……それにここならたれかしらいるから……。」
    「おばけが怖いとかじゃないわよっ!? 色々と話を知って怖がってるんじゃないの!」
    「食堂とか、工廠とか、お手洗いとか、どこも怖い話で不安なんかじゃないんだからっ!」
    「ここもここで噂があるから、あまり遅くまではいられないのだけれど、他よりは……うん……。」
    何かブツブツと言っているが、どうやら彼女は今回の噂話の件にそれなりに詳しいらしい。
    彼女にPC達の任務を伝えると、知っていることを教えてくれるだろう。
    「ええ、いま鎮守府で話されている内容だと――」
    と、神風はPC達に鎮守府内で噂される7つの怪談話をおおまかに伝えた。

    『◯怪談鎮守府七つ噺目次』
    ・怪談一つ目「食堂の噺」
    ――人を喰う食堂のハナシ。
    ・怪談二つ目「工廠の噺」
    ――狂わせる哄笑のハナシ。
    ・怪談三つ目「厠の噺」
    ――開けてはならぬハナシ。
    ・怪談四つ目「練兵場の噺」
    ――生者誘う霊魂のハナシ。
    ・怪談五つ目「談話室の噺」
    ――団欒する怪異のハナシ。
    ・怪談六つ目「資料室の噺」
    ――開かない部屋のハナシ。
    ・怪談七つ目「港の噺」
    ――背筋這う視線のハナシ。

    「――この7つよ。どれも怖いわよね……。」
    ひとまずは、これで怪談話の概要は掴めた。
    後は、実際にその場に赴いて調査をしなければならない。
    「あっ、ちょっと待って!」
    「あの、好ければなのだけれど、私もその任務に加えてくれないかしら?」
    「こわ、いのは怖いけれども、でも、夜が来る度に談話室にいるのもなんだし……。」
    「それなら、貴方達と一緒に調査をして、原因を知った方が後腐れはないと思うの。」
    「怪談話はどれも夜のことだし、私しばらく夜間任務はないから、一緒にだめかしら?」
    神風は目をうるませてPC達にお願いしてくる。
    調査する人数は多い方が何かと都合もいいだろう。
    少なくとも、今のPC達に断る理由はない。
    「ホントに?!良かったぁ。じゃあ、これから夜はよろしくねっ!」
    PC達の艦隊に駆逐艦「神風」が加わった。
    「それじゃあ――怪談の真相を解明しにゆきましょうっ!」

    ※最後に、感情点の処理。任意のキャラクターを選び、そのキャラクターに感情点を1点取得する。
     なお、神風はPC達に1点の感情を取得しているものとして扱う。

    【鎮守府フェイズ】
    シーンエディットや、進行等は「【シナリオで遊ぶ際の補足事項】-▼鎮守府フェイズの進行について」を参照し、PLに説明するとよい。

    補足①「話し手としての神風/NPCについて」
    このシナリオでは、噂話の内容を神風がPC達に話し、それを実際にPC達が調査するという流れになる。情報項目として提示してはいるが、話自体は神風がPC達にしているということは意識しておくとよい。
    また、PC達から神風に噂話の内容について質問等があるだろうが、神風自身も話は実際に見たわけでなく、“友達の友達”が体験したとしか聞いていないため、詳細は分からず、かつ話自体に責任を持つことできない。
    つまるところ、神風のRPをする際には必ず本当のことを話す必要はない。
    補足②「鎮守府フェイズの期間について」
    必要もないため、期間は明確には定めない。ただ、一夜の事ではなく、数日から数週間程度の期間を想定すればよいだろう。夜、PC達が集まって調査をできるときにしているのだ。
    場合によれば、どこかの夜の調査に参加できないPCもいるかもしれない。その場合でも、調査自体をすることは可能だ。あるいは、遅れてやってくるPCがいるということもあるだろう。
    そのような場合は臨機応変に対応すること。シーンは全て鎮守府の中で起こることなので、対応は比較的し易いと思われる。


    ●怪談一つ目
    登場:駆逐艦「長波」、駆逐艦「巻雲」(PCにいる等で出せない場合は、他の艦娘を出す)
    内容:神風は、「これは、本当にあったお話らしいのだけれど……」と語り始めた。
    『◯食堂の噺』
    嘘かまことか。こんな噺がひとつ―――
    鎮守府の「食堂」には、夜な夜なこの世ならざるものが出るらしい。
    夜中に食堂の前を通りかかると、何か物音が聞こえる。
    管理を一任されている給糧艦も既に帰っており、食堂も閉じている時間である。
    だのに、カチャリ、カチャリと音は聞こえるのである。
    翌朝になると、実際に昨日の晩とは違う位置に食器が移動しているらしい。
    それは彼の世から響く音。誘われて食堂へ入れば最後、2度と出てくることはないという。
    ◯描写
    話を聞いたPC達は時間を待ってから夜の食堂へ向かった。
    人気のない暗い廊下を進み、食堂へ向かうと、確かに何か物音が聞こえる。
    食堂へ入ると、何かひそひそとした、しかして内容は判然としない不気味な囁き声も聞こえてきた。
    ◯判定
    『指定個性:食べ物』
    達成:何か、美味しそうな匂いを感じた。
    【真相解明】「◯真相」を描写する。
    残念:結局、不気味なこと以外は何も分からなかった。
    【真相判明】後日、神風から「夜な夜な食堂で銀蝿していた駆逐艦が見つかった。」という話を聞く。
    ◯真相
    雰囲気に飲まれて気が付かなかったが、食堂にはほのかに食べ物の匂いが漂っていた。
    どうやら、それは食堂の奥――厨房の方からしているようだ。
    厨房は食堂からカウンターを隔てて存在する。
    そのとき、カウンターから何かが出てきた。
    それは人影のようで――と、それは勘弁したように声を上げた。
    「も、申し訳ないっ! もう夜食はやらないから勘弁してくれっ!」
    「ゆ、許してくださいー!」
    人影の元からパッと明かりが放たれた。どうやら、手持ちランプを点けたらしい。
    照らされたのは、駆逐艦「長波」と駆逐艦「巻雲」の2人だ。
    どうやら、一度空腹で銀蝿したのが癖になってしまったらしい。
    2人は、PC達にもうこのような形で銀蝿はしないということを約束して帰っていった。
    これが、食堂の話の顛末である。

    ●怪談二つ目
    登場:軽巡洋艦「夕張」(PCにいる等で出せない場合は、他の艦娘を出す)
    内容:神風は、「これは、本当にあったお話らしいのだけれど……」と語り始めた。
    『◯工廠の噺』
    嘘かまことか。こんな噺がひとつ―――
    鎮守府の「工廠」には、夜な夜なこの世ならざるものが出るらしい。
    工廠、といってもPC達が普段使っている工廠ではない。
    そこは今の工廠ができる以前に使われていた所で、現在では工廠として使われていない。
    が、昔の工廠の設備自体は残っており、艦娘の中には「旧工廠」と呼ぶものもある場所だ。
    現在は不要になり廃棄する予定の装備を一時的に置いておく倉庫として使われている。
    その「旧工廠」から、夜になると不気味な笑い声が聞こえてくることがあるというのだ。
    それは狂人の嗤う声。その声を聞いたものは気が狂ってしまうという。
    ◯描写
    話を聞いたPC達は時間を待ってから夜の旧工廠へ向かった。
    旧工廠は、新しい工廠の影に隠されるように建っていた。
    重く赤錆びた鉄扉の中の様子は外からではわからない。
    ――と、扉の中から微かに何かが聞こえてきた。
    それは、押し殺したような笑い声で、重い鉄扉からくぐもって不気味に漏れている。
    ◯判定
    『指定個性:人脈』
    達成:その笑い声にはどこか聞き覚えがある気がした。
    【真相解明】「◯真相」を描写する。
    残念:結局、不気味なこと以外にはよく分からなかった。
    【真相判明】後日、神風から「旧工廠で秘密の開発を行っていた軽巡洋艦が見つかった。」という話を聞く。
    ◯真相
    その声は、PCの記憶が正しければ軽巡洋艦「夕張」の声に似ている気がした。
    もう一度、よく聞いてみると、確かに夕張の声に違いない。
    ここにはまだ動く工廠の設備が残っているという。
    今の工廠の影に隠れるようにあり、多少動かしても音が遠くに届かない。
    ――そういえば、軽巡洋艦「夕張」は工作好きなところがあったような。
    内緒で装備弄りをするには、うってつけの場所だろう。
    PCが扉を開けたり、声を掛けたりすると、中から驚いた声が聞こえてくる。
    「ひゃあっー! あっ、倒れる倒れる!ああっ!」
    ガタガタと音がした。しばらくして、軽巡洋艦「夕張」がPC達の前に姿を現した。
    「いやね。ちょっとだけ、ちょっとだけよ? どうせ廃棄する装備なんだし弄ってもいいかなって。」
    「それに、ここ静かだから深夜アニメとか見てもって何でもないわっ! ええっ!」
    「でも、外に音が漏れちゃってたのね。うぅん、誰かを怖がらせたいわけじゃないし……。」
    と、少し考えてからPC達に向かって言う。
    「そうね。ちゃんと提督に申請出して弄らせてもらいます。お手数お掛けしたわね。」
    と、バツが悪そうに工作で汚れた頬を掻いた。
    これが、工廠の話の顛末である。

    ●怪談三つ目
    登場:駆逐艦「狭霧」、駆逐艦「如月」(PCにいる等で出せない場合は、他の艦娘を出す)
    内容:神風は、「これは、本当にあったお話らしいのだけれど……」と語り始めた。
    『◯厠の噺』
    嘘かまことか。こんな噺がひとつ―――
    鎮守府の「厠」には、夜な夜なこの世ならざるものが出るらしい。
    厠、と古くさい言い方をしているが、有り体に言えばトイレである。
    鎮守府内には夜になると人通りがないために利用者が殆どいないトイレがある。
    これは、そのトイレの話である。
    夜中、そのトイレを使おうと入り口の扉前までゆくと、話し声が聞こえてくるのだ。
    ふたりの女の声がヒソヒソと、あるいはクスクスと――何かを囁きあっているという。
    先に入った利用者がいるのか。いや、そうではない。
    トイレの明かりは点いていない――利用者はいないのだ。
    それは此の世ならざる者の会話。
    中へ入ってしまえば最期、会話の仲間に加わることになるのだという。
    ◯描写
    話を聞いたPC達は時間を待ってから夜のトイレへ向かった。
    保安灯に照らされた廊下は完全な暗闇よりも不気味さを放っている。
    件のトイレの前までやってきた。
    トイレの扉の小窓、その曇り硝子からは霞んだ暗がりしか感じられない。
    そして、トイレから、ヒソヒソと、あるいはクスクスと囁きあう声が聞こえてきた。
    ◯判定
    『指定個性:負けず嫌い』
    達成:この程度を恐れて何が艦娘か!仲間もいる。既に恐れはない。扉の先を確かめよう。
    【真相解明】「◯真相」を描写する。
    残念:結局、不気味なこと以外にはよく分からなかった。
    【真相判明】後日、神風から「例の厠で夜な夜な不幸話に花を咲かせていた駆逐艦が見つかった。」という話を聞く。
    ◯真相
    PCがトイレの扉をガラリと開くと囁き声はぴたり、とやんだ。
    トイレは暗いが、月明かりによってかすかに様子をうかがうことができる。
    入り口の壁にあるスイッチを入れれば、照明を点けることができるだろう。
    PC達から見て、右手には大きな鏡が1つと、洗面台が3つ並んでいる。
    左手には個室が4つ――その3つ目の扉だけが閉じている。
    ここのトイレは人が入っていないときは開いているはずだ。現に、他の3つは開いている。
    明かりも点けずに、誰か利用しているのだろうか?ならば、なぜ、このように静かなのか。
    と、そのとき誰かが――清掃時にできたものだろう――水溜りを踏みピチャリと音が鳴った。
    「ひゃあっ!」
    と、神風が驚いて悲鳴を上げる――今の悲鳴、3つ目の個室からも聞こえてきた。
    「だ、だめよ。見つかるわ、狭霧ちゃん……!」
    「あっ、ご、ごめんなさいっ! 如月ちゃん!」
    「あぁ……もう観念するべきね。」
    「はい……。」
    ガチャリと音がする。個室の戸が開く。
    中からは2人の駆逐艦が現れた――「如月」と「狭霧」だ。
    あまり接点のないように思える2人だが、“運がない”という共通点があり、仲が良いらしい。
    そのため、夜な夜なこうして人気のないトイレでお互いの不幸話に花を咲かせていたという。
    「その、あまり人前でするものでもないでしょう……?」
    「それに、不幸自慢、みたいに思われても何だか恥ずかしいですし……。」
    「「ねぇ?」」
    とはいえ、2人も反省しているようだ。
    今後は、このような紛らわしいことはやめると約束した。
    これが、厠の話の顛末である。

    ●怪談四つ目
    登場:那珂(PCにいる等で出せない場合は、他の艦娘を出す)
    内容:神風は、「これは、本当にあったお話らしいのだけれど……」と語り始めた。
    『◯練兵場の噺』
    嘘かまことか。こんな噺がひとつ―――
    鎮守府の「練兵場」には、夜な夜なこの世ならざるものが出るらしい。
    艦娘といえども、訓練の全てを海上で行うわけではない。
    練兵場はPC達もよく知る場所だ。
    練兵場は広い。
    端に立って反対の端を見ると、そこにいる者が米粒くらいにしか見えないほどだ。
    その練兵場に、夜になると人魂が出るらしい。
    練兵場の奥、ゆらゆらと、赤や青の怪しい光が揺れているのだという。
    それは彼の世の誘蛾灯。誘われた者は不慮の死を遂げることになるという。
    ◯描写
    話を聞いたPC達は時間を待ってから夜の練兵場へ向かった。
    練兵場に着いたPC達は、その反対側に――ゆらゆらと揺れる光を見た。
    それはまるで手招きのようで、PC達を誘うように怪しく揺れている。
    あれが、人魂なのだろうか……。
    ◯判定
    『指定個性:夜戦』
    達成:恐怖を抑えて、よく見てみると、光に何か見覚えがあった。
    【真相解明】「◯真相」を描写する。
    残念:結局、不気味なこと以外にはよく分からなかった。
    【真相判明】後日、神風から「練兵場でアイドル(夜戦)をしていた軽巡洋艦が見つかった。」という話を聞く。
    ◯真相
    あの光、もしかするとサイリウムの光ではないだろうか?
    サイリウムといえば、普段から持ち歩いている艦娘に心覚えがある。
    それに、あのゆらゆらとした動き――よくみれば踊っているように見えなくもない。
    と、そのとき神風が何か聞こえたようで、このようなことを言う。
    「あら?何か歌のようなものが聞こえたような……。」
    はたして、怪しい人魂の正体は軽巡洋艦「那珂」であった。
    「あれー?皆こんな時間にどうしたの? あっ、もしかして那珂ちゃんの追っかけ?!」
    「だめなんだよ? アイドルはファンの前ではいつも完璧じゃないといけないんだからねっ。」
    「練習を覗き見るんじゃなくて、次のライブに来てくれればバッチリ最高のやつ見せちゃうんだからっ!」
    と、いう那珂である。
    他の者が不気味がっていることを伝えると、場所を変えることを約束してくれる。
    これが、練兵場の話の顛末である。

    ●怪談五つ目
    登場:グラーフ・ツェッペリン、プリンツ・オイゲン(PCにいる等で出せない場合は、他の艦娘を出す)
    内容:神風は、「これは、本当にあったお話らしいのだけれど……」と語り始めた。
    『◯談話室の噺』
    嘘かまことか。こんな噺がひとつ―――
    鎮守府の「談話室」には、夜な夜なこの世ならざるものが出るらしい。
    談話室は24時間開放されている場所である――とはいえ、四六時中誰かいるわけではない。
    夜、ある時間を過ぎた時点で談話室の利用者は極端に減少する傾向がある。
    ――艦娘の睡眠時間は外見年齢に影響される性質がある。
    特に駆逐艦級になると顕著で、平常時には夜間に強い睡眠欲求を感じる者が他艦種に比べて多いという。それこそがこの談話室の無人時間の正体であり、要するに談話室の利用者の大半は駆逐艦なのである。これには艦種毎に割り振られる部屋の広さが関係しているのだが、そこは割愛する。
    さて、談話室の噂話だが、それは概ねこのような話だ。
    ある艦娘が眠れないために談話室で夜を明かそうとした。
    談話室の扉の前までゆくと、中から何か物音が聞こえてきた。
    自分のように眠れない誰かがいるのだろう……。
    ――そう思って扉を開けようとしたときに気がついた。
    聞こえてきた物音は歌声だ。それは、聞き慣れない奇妙な節で歌われている。
    歌の意味は分からない。不気味に思い、扉を開きかけた姿勢で耳をそばだてていると、
    「「■■■■■■■!」」
    突然、歌とは違う奇妙な複数の声が中から響いた。
    驚いた艦娘はそのまま自室へ逃げ帰り朝まで震えていたという。
    それは怪異の団欒。もし扉を開けていたら、その艦娘は朝を迎えることができただろうか?
    ◯描写
    話を聞いたPC達は時間を待ってから夜の談話室へ向かった。
    談話室からは、確かに不思議な節の歌と、何か奇妙な話し声が聞こえてきた。
    ◯判定
    『指定個性:外国暮らし』
    達成:聞き慣れない節と雰囲気のせいで気がつかなかったが、どうやら聞こえてくるのはドイツ語のようだ。
    【真相解明】「◯真相」を描写する。
    残念:結局、不気味なこと以外にはよく分からなかった。
    【真相判明】後日、神風から「夜の談話室で自国のラジオを聴き、酒を飲んでいた海外艦娘が見つかった。」という話を聞く。
    ◯真相
    談話室から聞こえてくるのはどうやら海外のラジオのようだ。
    つまるところ、歌はドイツ民謡で、話し声はドイツ艦娘同士の母国語での会話だった。
    話していたのは正規空母「グラーフ・ツェッペリン」と重巡洋艦「プリンツ・オイゲン」のふたりだ。
    「おや、この時間に誰か来るのは珍しいな。」
    「わぁー! グーテン・アーベント! 皆もお酒飲む?」
    ふたりはほろ酔いといった体でPC達に酒を勧める。
    どうやら明日が非番の夜には、談話室へ集まりラジオを聴きながら近況を話したりして異国暮らしの寂しさを慰め合っていたらしい。
    「この時間だと利用者がいないと聞いてな。後ろめたいことはないが、余計な心配を掛けたくはなかったんだ。」
    「皆優しいからねー。私達が帰りたいとかそういう風に思ってるって心配とかされたら申し訳ないし。」
    噂話のことについて話すと、ふたりは驚き、今後はもう少し違うやり方を考えると言った。
    これが、談話室の話の顛末である。

    ●怪談六つ目
    登場:秘書艦
    内容:神風は、「これは、本当にあったお話らしいのだけれど……」と語り始めた。
    『◯資料室の噺』
    嘘かまことか。こんな噺がひとつ―――
    鎮守府の「資料室」には、この世ならざるものが出るらしい。
    鎮守府には幾つか資料室が存在する。
    これは、その中でも「第四資料室」と呼ばれる場所の話だ。
    そこは他の資料室とは離れた鎮守府の隅にあり、所謂“開かずの間”である。
    曰く、そこは鎮守府地下にある拷問室へ繋がっている。
    曰く、そこはいらなくなった艦娘を閉じ込める部屋である。
    曰く、そこは提督が艦娘を使うときに利用する部屋である。
    曰く、曰く、曰く、……。とにかく、多くの曰くが付いている。
    実態の掴めない、しかして実際に存在する不気味な部屋こそがその資料室なのだ。
    不気味さ故だろうか、普段そこへ近づく艦娘は殆どいない。
    ◯描写
    話を聞いたPC達は夜の資料室へ向かった。
    日中夜間に関係なく日光が差さない薄暗い廊下の先、立ち並ぶ部屋の一室。
    そこはまさに鎮守府の影だった。
    扉のネームプレートには【第四資料室】と書かれている。
    扉には鍵が掛かっており、開かない。この扉の先には一体何があるのだろうか?
    鎮守府の扉を壊すというわけにもいかない……、さて、どうにかして入れないものか。
    ◯判定
    『指定個性:幸運』
    達成:そのとき、PC達に話しかける声が聞こえた。
    【真相解明】「◯真相」を描写する。
    残念:どうにも、開けることができそうにない。諦めるしかなさそうだ。
    【真相判明】後日、神風から「あの部屋は秘書艦と提督が使う特殊な資料を扱う部屋らしい。」という話を聞く。
    ◯真相
    「あの、貴方達こんなところでどうしたのですか?」
    PC達に話しかけてきたのはPC達の鎮守府の秘書艦だ。
    彼女は鍵らしきものを持ってPC達を不思議そうに見ている。
    事情を話すと、納得した顔でこう言う。
    「ああ、なるほど。そういう事情でしたか。ここは、そう怪しい場所ではありませんよ。」
    「この部屋――【第四資料室】は提督と秘書艦の権限がないと利用できない場所です。」
    「なかには、この鎮守府に所属する艦娘達のデータがあります。」
    「普段の素行や訓練の成績――そのようなものですね。」
    「あまり口外するものではないので、知らない子も多いでしょうから……。」
    「伝わっていくうちにへんてこな話になってしまったのでしょう。」
    「皆に言い回られても困りますし、ここの話はこれで解決です。お疲れ様でした。」
    秘書艦は苦笑しながらそう言い、PC達を残して扉の鍵を開けてひとり中に入っていった。
    これが、資料室の話の顛末である。

    ●怪談七つ目
    登場:深海棲艦
    内容:神風は、「これは、本当にあったお話らしいのだけれど……」と語り始めた。
    『◯港の噺』
    嘘かまことか。こんな噺がひとつ―――
    鎮守府の「港」には、夜な夜なこの世ならざるものが出るらしい。
    ―――夜の港は、暗い。
    とはいえ、これは物理的な暗闇というわけではない。
    何が暗いのか――物理的でなく精神的なもの、雰囲気が暗いのだ。
    それは夜への不安と、そして日中の明るい港を知る故に感じるのだろう。
    音――昼は誰かの音で溢れているが、夜は誰のものでもない音ばかりが聞こえてくる。
    光――昼は陽光が赤く世界を照らすが、夜は月光が青く世界を照らしている。
    昼は暖かく、夜は寒々しい。つまるところ、夜の港の雰囲気はそのようなものだ。
    これは、そのような夜の港の話だ。
    夜の港を歩いていると、誰かの視線を感じる。
    辺りを見渡しても誰もいないのだが、確かに視線を感じるのである。
    あるとき、その視線を感じた艦娘で電探を装備していた者がいた。
    彼女は視線を不気味に感じていると、突然電探が反応した。
    それは、彼女のすぐ側――暗い海に誰かがいることを示していた。
    慌てて目を向けるも、そこには誰もいない。もう一度電探を見ると、反応は消えていた。
    それは深海からの視線。沈んだ艦娘の怨念が戦友を道連れにしようとしているのだという。
    ◯描写
    話を聞いたPC達は時間を待ってから夜の港へ向かった。
    港にはPC達以外誰もおらず、静かな波の音が聞こえ、冷たい風が吹いている。
    「きゃあっ!!」
    突然、神風が叫び声をあげた。彼女は自分の電探を不気味そうに見ている。
    「え、えええと、私、電探持ってたから、見てみたら、確かに、そ、そこに反応がっ……!」
    彼女が指差す先は暗い夜の海だ。そこには何者もいない。
    「どうして――あっ違うわ……! ――敵潜ッ!」
    その声に反応したかどうか、暗い海のなかで何か影が動いた。
    今なら分かる――あれは敵の潜水艦だ。
    とにかく、逃がすわけにはいかない!
    ◯判定
    『指定個性:対潜戦闘』
    達成:PCの対潜攻撃は敵に命中した。
    【真相解明】「◯真相」を描写する。
    残念:夜の闇のせいか、PCの対潜攻撃は外れ、敵は逃げていった。
    【真相判明】後日、神風から「夜間任務から帰投中の艦隊が逃した敵潜水艦を倒した。」という話を聞く。
    ◯真相
    PCが咄嗟に放った対潜攻撃は確かに敵潜水艦を沈めた。
    どうやら、1隻だけだったようで、神風の電探にも反応はない。
    まさかこんなところにまで入ってこれるとは、単独故に哨戒網から逃れたのだろうか。
    とにもかくにも、これで謎の視線の噂は解決した。
    これが、港の話の顛末である。

    【終了フェイズ】
    [エンディング]
    ●真打。――最後のハナシ
    登場:神風
    内容:『
    或る、いなかったはずの艦娘の噺』
    最後の調査をもって、PC達の任務は完了した。
    結局、どの噂話も“この世ならざるもの”など関わっておらず、ただの勘違いや錯覚だった。
    PC達の活躍もあり、今後同様の噂話がされることもなくなるだろう。
    今は調査内容を報告するために提督の執務室にいる。
    執務室には提督だけがおり、秘書艦は遠征艦隊の出迎えの為に席を外している。
    現在、提督はPC達の報告書を読んでいるため、少し手持ち無沙汰だ。
    夜も遅く、照明のために執務室は明るいが、執務室の窓から見える母港は暗い。
    丁度、遠征艦隊が帰投したのだろう。不明瞭ながら母港を歩く艦娘の姿が朧げに見える。
    と、そのとき、提督が疑問の声をあげた。
    「ん……? そんなはずはない……。」
    そして、PC達に尋ねてくる。
    「この報告書には『噂話は駆逐艦「神風」から聞いた』とあるのだが、間違いはないか?」
    間違いはない。調査は彼女の積極的な協力があって順調に進んだのだ。
    PC達の返答を聞いた提督は、思い詰めたような顔をして考え込んでいる。
    「いや、キミ達が嘘を言っているとは思っていない。思っていないが、だが――」
    ―――コンコン、コンコン
    提督が何か言おうとしたとき、執務室の扉をノックする音が響いた。
    「誰だ。いまは任務の報告中だぞ。」
    「あっ、ごめんなさい!駆逐艦「神風」、長期任務から帰投したので報告に来ました。」
    ……長期任務の、報告?それは、おかしい。
    だって、神風はPC達と一緒に調査をしていたのに。
    「あの、後の方が良いかしら?」
    「……いや、構わない。入ってくれ、神風。」
    「わかったわ。」
    執務室の扉が開く――そこにいたのは間違いなく、駆逐艦「神風」だ。
    PC達が調査を共にした神風とどこも変わらない、はず。
    「ええと、では改めて。駆逐艦「神風」、長期任務から帰投したわ。報告書はこれよ。」
    「…………。確かに、間違いなく長期任務の報告書は受け取った。」
    「ご苦労だったな。明日は非番とするから、ゆっくり休んでくれ。」
    「ええ、久しぶりに帰ってきたのだし、明日はゆっくりと休むわ。」
    「ああ……、ところで、神風。」
    「たとえばだが、鎮守府の怪談を調査しろと言われたらどうする?」
    「絶対いやよ。」
    神風は即答した。
    「あ、いえ、任務ならそれはします、けれども、でも、できれば私はやりたくないかなあ。」
    「――そうか。いや、ただ聞いただけだから、気にしないでくれ。」
    「ええ?うーん……、じゃあ、おやすみなさい。」
    神風は去っていった。
    提督は、PC達に向かって、こう言った。
    「……世の中、どうにも不思議なことはあるらしい。」
    「噂を無くすための任務だったが―――新しい噂が増えてしまったな。」

    【エピローグ】
    エピローグは自由にしてもらって構わない。
    ただ、終了フェイズがエピローグを兼ねている部分もある為、
    特にPLや提督からやりたいことがなければ終わるとよいだろう。
    また、PLから「いなかったはずの神風」について、他の者にはどのように見えていたか知りたい」といった提案があった場合を考え、それを以下に記述する。
    また、これはセッションの時間に余裕がある場合にしてもよいだろう。

    ◯真相(これは「●真打」の真相にあたる)
    噂話を調査するなかで出会ってきた艦娘に「いなかったはずの神風」について尋ねた。
    すると、このようなことを彼女たちはPCに伝えた。
    ・自分と会ったとき、PC達のなかに神風はいなかった。
    ・ときおり、PC達は「神風」と話している様子であったが、それはPC同士の会話であった。
     PCの誰かが「神風」と呼ばれて、その「神風」とPC達は話していた。
    ・多少不審ではあったが、そのときは自分の非が暴かれていたことと、
     何か理由があるのだと思い指摘しなかった。
    ・そのときの様子は見様によっては、”何かに憑かれていた”ようだったかもしれない。
    これは箇条書きのように伝えてもよいし、登場したNPCを出して台詞として伝えてもよい。

    演出終了後、成長処理を行ってください。
    シナリオは終わりです。お疲れ様でした。

    【後口上】
    このシナリオは鎮守府で学校の七不思議のようなことがしたいと思い生まれました。
    前からやりたいとは思っていたのですが、通常の艦これRPGとは進行がかなり異なってしまうために躊躇っていました。
    そこで実験的にいままで公開したシナリオにそれらの要素を少しだけいれてみて、プレイヤーがどのような反応をするか試してみると、意外と受け入れていただけたので、作成し公開した次第です。
    戦闘はシステムの華ともいえるので、ないというのは違和感があるかもしれません。
    艦隊戦を抜いた大きな理由としては時間的に長くなりすぎることがあるのですが、もしどうしても戦闘をやりたいという方がいらっしゃれば、鎮守府フェイズの7つ目の噂を、深海棲艦との艦隊戦ということで処理するとよいでしょう。(多少の改変は必要です)
    作者としては、たまにならこういう遊び方をしてもいいんじゃないかなあ、と思っています。
    シナリオの内容については野暮になるのであえて触れません。
    途中の7つの怪談噺は独立しているため、アレンジしたり新しいものに変えたりすることも簡単にできると思います。そのため、遊ばれるときには気ままにやっていただきたいのですが、注意点として、オチは必ず現実的なものでなければなりません。お化け幽霊だとか、そういうものではなく、現実に存在するものがオチを担当することによって、エンディングの不思議が際立つのです。その点だけはご留意ください。

    このシナリオを遊ぶという方がいらっしゃれば質問や相談はいつでも受け付けます。
    Twitterや配信等で気軽に聞いてください。

    なお、Twitterで御紹介していただけるときは「#艦これRPG」つけていただけると公式展開再開にも微力ながら繋がるかもしれません。私もこっそり確認してとても嬉しくなります。
    よろしくお願い致します。

    シナリオ製作者:トカゲッコー
    Twitter:@tokagekko モーメント:艦これRPG自作データまとめ

    クリエイティブ・コモンズ・ライセンス
    この 作品 は クリエイティブ・コモンズ 表示 - 非営利 - 継承 4.0 国際 ライセンスの下に提供されています。

    ここまで読んでいただき感謝致します。それでは、良い艦隊生活を!

    某年某月某日、落語の怪談噺を聴きながら(「もう半分」「生きてゐる小平次」おっかな面白かったです)



    広告
    コメントを書く
    コメントをするには、
    ログインして下さい。