銀剣のステラナイツワールドセッティング「禁忌症候群《ネガイ・シンドローム》」
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銀剣のステラナイツワールドセッティング「禁忌症候群《ネガイ・シンドローム》」

2019-08-23 18:59
    ワールドセッティング「禁忌症候群《ネガイ・シンドローム》」
    ――此処では、欲望とは病であった。だが、それでもアナタは願ったのだ――。

    ================
    目次
    ■階層詳細
     〈Rebirthday
    ■ワールドセッティング:ネガイ・シンドローム
     ●概要
     ●この世界について
     ●この世界における女神
     ●善き人々
     ●禁忌症候群《ネガイ・シンドローム》
     ●『奇跡』という現象
     ●創世神話/始まりの欲望
    ■キャラクター作成の手引き
     ●ブリンガー作成の手引き/調和を乱す者《ツイスター》
     ●シース作成の手引き/欲望の化身《フェレス》
      ▼「【勲章】の数」に対応する「欲望強度」
     ●エネミー作成の手引き/調和の破滅者《フォーリナー》
     ●キャラクター作成の具体的な処理
      ▼「本質の花」に対応する「欲望の性質」
    ■欲望への回帰/「歪みの共鳴」の追加ルール
     ●欲望への回帰
    ■今際の選択/終わりの欲望
     ●選択が適用される条件と処理
     ●『今際の選択』の描写
    ■ステラバトル
     ●舞台の効果文等に使用する用語
     ●ステラバトルの動機
     ●戦いの舞台について
     ●戦闘に関わる描写
     ●敗北
     ●現実への影響
    ■ワールドツール
     ●専用舞台「死に至る病《ネガイ・シンドローム》」
     ●専用プロローグ
    ■ノート
     〈End of Mythology〉
    ================

    ■階層詳細
    積層都市アーセルトレイ第6766-6772階層
    禁忌症候群《ネガイ・シンドローム》=規範世界
    ==============================
    Rebirthday
     私の上に「死」が落ちてきました。
     私と「死」の距離が縮まります。
     避けられるものではありません。
     私は避けようともせず、
    (嗚呼、痛いのはイヤだな)
     と、ただ迫る「死」を見ていました。
    「危ないよ」
     と、誰かの声がして、私の手が引かれました。
     私が一寸前までいた場所に、「死」の砕ける音が響きました。
     私は生きています。
    「『死にたくない――生きたいと願ったんだ」
     私の手を引いた誰かは、初めて会うはずなのに、昔馴染みにも思えます。
    「死にたくないから、生きよう――これから、僕と」
     と、その誰かは私に云いました。
     この瞬間から、私は、ある病に罹ったのです。
     ――私は、生きています。
    ==============================

    ■ワールドセッティング:ネガイ・シンドローム
    「善き人々」により調和された世界。
    ――此処では、欲望とは病であった。
    ●概要
    「善き人々」により調和された世界。
    この世界には、ある「規範」があった。
    『あらゆる悪徳は内に抑圧され、露呈することはない』
    この規範により生命は、「善き人々」として支配され、調和を保っている。
    だが、その絶対にして不可侵の規範を破る者どもが現れた。
    彼らは「禁忌症候群《ネガイ・シンドローム》」と呼ばれる欲望群の罹患者であり、また、生命の解放者であった。

    この世界にある限り、遍く生命は、規範に支配されている。
    ――唯一、「禁忌症罹患者」という例外を除いて。

    ●この世界について
     この世界は、いわゆるディストピア――理性によって統制される世界です。
     ただし、この世界には独裁者や人類を管理するAIといったものは存在せず、
    それらの代わりに「規範」が存在します。ルールこそが神なのです。人々は規範に逆らうことが出来ず、逆らおうとも思いません。なぜなら、規範に従っている「善き人々」は、確かに幸福だからです。
     世界の姿は、7層の階層群が一つの世界を成しており、階層ごとに文明の発展具合、それに伴う風俗等に差異があるため、ある階層では石造りの中世の西洋的な景観があれば、別の階層では統一感はないが機能性に富んだ家屋が並ぶ現代日本風の景観もあり得るでしょう。
     本来であれば、このような差異は均されるはずですが、この階層群の「善き人々」は、欲することや妬むことを禁忌としているため、差異が差異のままに残っているのです。
     このようにした理由は、このワールドセッティングの趣旨が「規範により生命の欲望が抑圧された世界」で遊ぶことにあり、欲望とはどんな時代、どんな場所であっても存在し、何らかの形で抑圧されているからです。
     ただ、この世界観の中では、注意しなければならない重要事も存在します。
     それは、『この世界に生きる人々は、皆規範を疑わず、規範に従順な「善き人々」である』ということです。
     このワールドセッティングで遊ぶ時、参加者はこの点には十分に注意する必要があります。

    ●善き人々
     この世界における一般人。
     無欲・無個性の人々であり、「調和された世界」を維持していく為の必要行動のみを日々のルーチンとして生きる人々。彼らにとっての「必要」とは、「全体の維持」だけであり、個人の生死や欲望は含まれない。彼らの行動の全ては、「規範」が世界の維持の為に必要と裁定した事である。
     「善き人々」とは、世界という一個の機械を動かす、代替可能の歯車であるともいえる。

    ●この世界における女神
     このワールドセッティング/世界/階層群に女神はいない。
     代わりに、基幹世界における女神の位置に「規範」が置かれている。
     規範とは、『あらゆる悪徳は内に抑圧され、露呈することはない』を示し、その絶対にして不可侵の規範により「善き人々」による調和された世界を実現している。
     いつから始まって、誰が、何の為に作ったか。
     それらの疑問に対する答えを持つ者はいない。
     「探求」という欲望は、規範に塗りつぶされて調和の霞の中へと消えた。
     
    確かな真実は、世界を支配する規範こそが、人々にとっての神だということだ。
     世界に起こりうるあらゆる【可能性】は規範より生まれる。むろん、「禁忌症候群」と「禁忌症罹患者」といった、規範に逆らう力・存在ですらもその例外ではない。

    ●禁忌症候群《ネガイ・シンドローム》
     禁忌症候群は、「自己の欲望が露呈する病」である。
     この世界では、禁忌症罹患者は「調和を乱す者《ツイスター》」と呼ばれる。
     その症状は、「欲望の性質」により大別されており、
    「傲慢、憤怒、怠惰、色欲、嫉妬、悲嘆、強欲」の七つの欲望群である。
     禁忌症罹患者は、これらの欲望群のうちのいずれかが露呈する。露呈する欲望は、発症以前よりその罹患者の内に秘されていた欲望である。
     また、この病が、他の病と比べて決定的に違う点は、その「露呈の仕方」にある。
     露呈した欲望は、「欲望の化身《フェレス》」として、罹患者が『こうあって欲しい』と望んだ姿で現れる。ただし、その姿は意識的に望んだものかどうかは定かではない。また、フェレスとしてだけでなく、ツイスター自身の言動にもある程度欲望の発露が表れる(程度は個人差有り)。
     禁忌症候群は、世界の内なる神の、外なる神に対する防衛反応の現れであり、神の祝福、あるいは呪詛ともいうべき力であるが、「善き人々」にとって、欲望とは病であることに変わりはない。

    ●『奇跡』という現象
     この世界での奇跡とは、「【可能性】の増幅現象」を指す。
     人が、強い欲望を以て不可能を為そうとした時、その欲望が【可能性】を励起し、不可能を可能とする事がある。これを人は奇跡と呼び、奇跡は、「規範」の軛から生命を解放することすらも可能とする。
     尚、【可能性】とは詳細不明ながら、「世界を拡げる力」であるとされている。

    ●創世神話/始まりの欲望
     始まりは、誰かの純粋な願いでした。
    『誰もが争うことのない世界』
     それを望んだのです。
     それから、誰かは星を護る戦いを繰り返し、その褒賞に願いを叶えました。
     これが世界の始まり――始まりの欲望。
     最も純粋な最も罪深い願い。
     ――はたしてその誰かは気づいていたのでしょうか?
     その願いは『誰もが願わない世界』を意味していると。
     
    ■キャラクター作成の手引き
    ブリンガー作成の手引き/調和を乱す者《ツイスター》
     このワールドセッティング/世界/階層群のステラナイトは、「内的要因により、規範を破る力を得た存在」を指す。彼らは、力を得ても尚規範の内側にある。
     世界を維持する内なる神――「規範」に選ばれた存在である彼らは、「調和を乱す者《ツイスター》」と呼ばれ、その力の一端を用いて自己の欲望を露呈させ、世界の破滅を回避する戦いを行わなければならない。

     彼らが戦いに身を投じる理由は、「禁忌症候群」にある。戦いから逃げることは、規範に支配された生命――「善き人々」に戻ることを意味する。また、それは必然半身たる「欲望の化身《フェレス》」の消失をも意味している。
     通常の『銀剣のステラナイツ』と違い、このワールドセッティングには、ステラバトルの報酬として得た【勲章】により願いを叶えるシステムは存在しない。「欲望が抑圧された世界で、欲望を露呈出来ること」自体が報酬であるといえなくもないだろう。
     ただ、得た【勲章】――露呈した欲望の数が多くなるほど、欲望もその強さを増す。
     いずれ、肥大化した欲望により、その身を滅ぼす時が来るのだ。

    シース作成の手引き/欲望の化身《フェレス》
     このワールドセッティング/世界/階層群のシースは、「禁忌症罹患者ツイスター・フォーリナー)の欲望が形を成した存在」を指す。彼らは、欲望の化身であり、欲望の奴隷だ。
     彼らの主は、「禁忌症罹患者」ではない。罹患者の内に秘された欲望こそが、彼らの主であり、彼らを形作るものである。
     罹患者が欲望を抑圧するほど、「欲望の化身《フェレス》」は欲望に忠実になっていく。
     そして、欲望とは際限のないもの。戦いを繰り返すほど、欲望は【勲章】という形で積み重なり、その強さを増す。(下記【▼「【勲章】の数」に対応する「欲望強度」】参照
     あらわれた欲望――フェレスは、罹患者の欲望《ネガイ》の理解者であり、欲望《ツミ》を共有する、半身ともいえる存在である。
     ゆめゆめ忘れることなかれ。フェレスは、アナタの欲望から生まれたもう一人のアナタ。

     どんなに欲に塗れて醜く思えようと、調和の霞が晴れたその瞬間から、
    ――それは、アナタが向かい合わねばならない「真実」となったのだ。
    ▼「【勲章】の数」に対応する「欲望強度」
    以下は、「欲望の化身《フェレス》」の【勲章】の数に対応する言動の参考として記述する。
    フェレスのプレイヤーは、これを厳密に守り過ぎる必要はないが、原則としてこれにならってRPをすること。

    ・第1強度(【勲章】0~6個)
     理性がある。あくまで抑圧されていた「欲望」が肉体と人格を持っただけ。欲望の性質にもよるが、無分別に行動して半身(禁忌症罹患者)を危険に晒すことはない。
    ・第2強度(【勲章】7~12個) 理性がある。「欲望」のままに振舞いたい衝動があらゆる状況、あらゆる場面で起こるが、半身を危険に晒したり、半身の立場を危うくするようなことはしない。
    ・第3強度(【勲章】13~18個) 時折、理性を失う。理性を失っている間、はたして半身のことを認知できていただろうか。あったのは「欲望」を叶えたいという思考だけではなかったか。自分が欲望の怪物に変わろうとしていることを感じる。
    ・第4強度(【勲章】19~24個) 時折、理性を取り戻す。自分は、いったい何をしていたのか。どうして、欲望に忠実であろうとしないのか。ところで、自分を見ているものは何だっただろう? ああ、半身だったか、そういえば。
    ・第5強度(【勲章】25~個) 理性はない。ただ「欲望」を実行するだけの獣となる。半身の存在は認知しているかも怪しく、たとえ認知していたとしても、「欲望」のためであれば半身を害することすら厭わない。もはや、「調和の破滅者」と変わらないだろう。

     「第5強度」まで至れば、内なる神たる「規範」は、世界にそのフェレスの存在を許さない。本来であれば、暴走した「欲望」は消失し、源たる禁忌症罹患者は「善き人々」に戻るだけなのだが、外なる神たる「ロアテラ」は、それほどの素養を持つ欲望やその源を放ってはおかない。ツイスターとフェレスは、規範の外側へと召し出されるだろう。
     欲望に際限はなく破滅するその瞬間まで終わりはない。
     新たなエネミー、「調和の破滅者《フォーリナー》」の誕生である。

    エネミー作成の手引き/調和の破滅者《フォーリナー》
     このワールドセッティング/世界/階層群のエネミーは、「外的要因により、規範を破る力を得た存在」を指す。彼らは、世界の中で唯一規範の外側にある。
     世界に破滅を齎す外なる神――「ロアテラ」に選ばれた存在である彼らは自らを「調和の破滅者《フォーリナー》」と呼び、その力の一端を用いて自己の欲望を際限なく暴走させ、規範の破壊を行う。

     彼らは、ツイスター同様、自己の欲望の半身たる「欲望の化身《フェレス》」とともに行動しているが、なぜ彼らがツイスターと、その在り方まで同様にしているかは定かではない。
     尚、ツイスターとフォーリナーは、事情を知らない「善き人々」からは同質の存在であると考えられている。どちらも同じ、禁忌症罹患者だと。
     フォーリナーの「欲望」は、世界を破滅させるほど肥大化したものであり、それを推し量ることは狂気を理解するに等しい。だが、あえてそれを、彼らが在り方を同様としているツイスターの「欲望強度」で表すのならば、それは「第5強度」に達するだろう。

    ●キャラクター作成の具体的な処理
     このワールドセッティング/世界/階層群でキャラクターを作成する際、通常の『銀剣のステラナイツ』の処理とは異なる点がある。基本的には通常の作成で問題はないが、その点だけは下記の通りに作成すること。
    ※このワールドセッティングでは、「ブリンガー」を「ツイスター」、「シース」を「フェレス」、「エネミー(エンブレイス/エクリプス)」を「フォーリナー」と表記する。
    ◯共通
    ・すべてのキャラクターには、「【勲章】の数」に対応する「欲望強度」が設定される。「欲望強度」は、「第1強度」から「第5強度」まで段階があり、ペア(ツイスター&フェレス)の「欲望強度」の段階は共有される。
    ・ペアは「欲望強度」を設定する際、上記▼「【勲章】の数」に対応する「欲望強度」】を参照し、「欲望強度」の段階(第X強度。Xには基本的に「1~5」の数字が入る)をキャラクターシートのどこかに記入しておくこと。
    ・ブリンガーとシースそれぞれに付与される「希望/絶望」の属性は、このワールドセッティングでは無視しても構わない。
    ◯ツイスター
    通常の『銀剣のステラナイツ』と同様に「本質の花」を選ぶ時、「本質の花」に対応する「欲望の性質」も決まる。(下記【▼「本質の花」に対応する「欲望の性質」】参照)
    ・決まった「欲望の性質」が、通常の『銀剣のステラナイツ』でいうところの「願い」の内容となる。「欲望の性質」の解釈はツイスターのプレイヤーに任せられる。

    ◯フェレス
    ・ツイスターの「欲望の性質」の決定により、フェレス
    のキャラクターも決定される。フェレスは、ツイスター「本質の花」に対応する「欲望の性質」の内容から解釈して『ツイスターの欲望が人格と肉体を持ったもの』として作成する。
    ・パートナーの「欲望の性質」は、ペアで共有される「願い」「性格」等に反映されるものである。「欲望の性質」の解釈はペアに任される。

    ◯フォーリナー
    ・フォーリナー
    を作成する際の処理も、ツイスター、フェレスと同様に行う。尚、フォーリナー(エンブレイス)の場合は、フェレスは物言わぬ人形として「壁の花(いないもの)」扱いとしてもよい。
    ・フォーリナーは、作成時点で【勲章】を「25個」より多く得ているものとする。これにより、「欲望強度」を参照する必要がある場合、「第5強度」として扱われる。

    ▼「本質の花」に対応する「欲望の性質」
    ・傲慢=【バラ】【◯さくら】【△フリージア】アルメリア
    ・憤怒=【オダマキ】【◯つばき】【☆スノードロップ
    ・怠惰=【コスモス】ハス
    ・色欲=【ヒルガオ】【◯あじさい】【△ゼラニウム】
    ・嫉妬=【アネモネ】【◯シロツメクサ】
    ・悲嘆=【ヒガンバナ】【◯アザミ】【☆こわれもの
    ・強欲=【アマランサス】【◯アイリス】【△アルストメリア】
    ・未分類=レプリカ
    (任意で決めましょう。一度決めたら変更は出来ません。)
    無印=『銀剣のステラナイツ』、◯=『霧と桜のマルジナリア』
    △=『紫弾のオルトリヴート』、☆=『筆者自作の「本質の花」』

    ▽欲望の性質
    傲慢/愛されたい、美しくなりたい。その純粋さはやがて
    虚栄を生む。
    憤怒/譲れない、許さない。気に食わないのは、愚かと嗤う声だ。
    怠惰/調和とは停滞を意味する。怠惰こそが、生命の謳歌である。
    色欲/依存されたい、依存したい。誰かのための行為こそ悦楽だ。
    嫉妬/夢、恋、希望。叶わないなどと、どうして諦めきれようか?
    悲嘆/理解されたい――されたくない。悲劇の主役は自分だけ。
    強欲/いつ何時迄もずっと。結末なんて、塵芥の価値しかない。
    「欲望の性質」解釈は任意であり、あくまで参考程度に。
    ▽「本質の花」を追加する場合
     上記には、ルールブック『銀剣のステラナイツ』を含め、利用の多いと思われるサプリメント『霧と桜のマルジナリア』、非公式サプリメント『紫弾のオルトリブート』、『筆者自作の「本質の花」』について、参考として、対応する「欲望の性質」記述しています。
     上記以外の「本質の花」を用いる時、監督と俳優は「欲望の性質」として設定される「七つの欲望(傲慢、憤怒、怠惰、色欲、嫉妬、悲嘆、強欲)」から一つを選んで、その「本質の花」に当てはめることを推奨します。


    ■欲望への回帰/「歪みの共鳴」の追加ルール
     このワールドセッティングでも、ルールブック『銀剣のステラナイツ』154頁に記述されている「歪みの共鳴」のルールは適用されます。但し、このワールドセッティングでは、「歪みの共鳴」に以下のルールを追加します。
    ●欲望への回帰

     あなたの「歪み」の点数が2点の時、この効果は自動で発動します。
     この効果が発動している時にあなたが「歪みの共鳴」のルールを使用したら、「歪み」の点数が3点に上昇するのではなく、「欲望強度」が1段階上昇します。またこの際、ペアの【勲章】の数は、上昇した「欲望強度」の段階の最低数になります。尚、舞台の効果等により「歪み」が上昇する場合もこの効果が適用されます。
     欲望の終わり未だ来ず、あなたの欲望は、その歪みすらも糧として肥大化するのです。


    ■今際の選択/終わりの欲望
    ●選択が適用される条件と処理
     ペアの得た【勲章】の累計が「25個」より多くなり、「欲望強度」が「第5強度」に達した時、そのペアは、そのセッションの「カーテンコール」のタイミングで、プレイヤーキャラクターを『エネミー(フォーリナー)化する』か、『キャラクターロストする』かのどちらかを選択しなければならない。
    以下、詳細
    条件
    ペアの得た【勲章】が累計「25個」以上になった(欲望強度「第5強度」到達)
    ◎選択のタイミング
    条件を満たしたセッションのペアの「カーテンコール」時

    選択肢
    『◯エネミー化:フォーリナーとなる』OR『◯キャラクターロスト:「善き人々」に戻る』


    ●『今際の選択』の描写

    禁忌症罹患者の「欲望」は肥大化し、もはや「規範」の制御し得るものではなくなった。「規範」は、その欲望が真の意味で世界を死に至らしめる病となる前に、欲望を露呈する力「禁忌症候群」を剥奪する。欲望の終わり――フェレスの消失が近づいている。
    だが、それでも――それでも――。

    ◯エネミー化
    それでも、アナタは願ったのだ。
    「善き人々」に戻ることを良しとせず、「規範」に、運命に――世界に叛逆することを。
    はたして、その願いは叶えられた。
    いまやアナタは如何なる規範にも縛られない、世界の外側を揺蕩う存在。
    アナタは欲望に塗れた「調和の破滅者《フォーリナー》」。
    調和から外れ、破滅するその時を待つ異邦人よ。

    際限なき欲望とともに、いつかの終わりまで生命を謳歌するがいい。
    ◯キャラクターロスト
    それでも、アナタは願えなかった。
    調和を乱しこそすれ、調和から外れ破滅する運命など、決して。

    アナタの半身たる「欲望の化身《フェレス》」が消えてゆく。
    欲望がアナタにもたらした一連の物語はこれで終わる。
    禁忌症候群より解放され、再び「規範」に抑圧される「善き人々」へと戻るのだ。
    何処かから、今はもういない、誰かの声が聞こえた気がした。
    だが、それが誰の声だったか――もう思い出すことはない。


    ■ステラバトルについて
    ●舞台の効果文等に使用する用語
     舞台の効果文等に使用する用語は、『銀剣のステラナイツ』のルールブックに基本的には準拠します。これは全ての用語をワールドセッティング固有のものにしてしまうと遊びにくいからです。また、舞台を作成する際に、ルールブックとの対応を考える手間を省くためです。
     但し、以上のことは監督(OR 舞台)の裁量に優先されます。脳内変換するのもそこまで大変ではないと思われる用語(例:「ツイスター」「フェレス」=「ブリンガー」「シース」)であれば、ワールドセッティング固有の用語を使っても構いません。
    ●ステラバトルの動機

     参加の動機については、上記「■キャラクター作成の手引き」を参照してください。
    ●戦いの舞台について
     ステラバトルの舞台は、基幹世界のように「願いの決闘場」は存在しないため、「その場、その時、その状況で相応しい場所」が、バトルの舞台となります。
     データとしては、下記「■ワールドツール」に記述する専用舞台を用いるか、自作するとよいでしょう。また、互換性の高いワールドセッティングであるため、専用舞台でなくとも使用することは十分に可能です。
    ●戦闘に関わる描写
     戦闘に関わる描写は、通常の『銀剣のステラナイツ』とほとんど変わりありません。
     ペアが「変身キーワード」を唱えると、フェレスは通常の『銀剣のステラナイツ』でいうところの「ステラドレス」となってツイスターが纏う鎧、振るう剣となります。
     欲望を纏う者同士が集まれば、あとはどちらの欲望が続いていくかを決めるだけです。
     尚、ステラバトル時以外での変身は、「規範」により封じられているため出来ません。
    ●敗北
     ステラバトルに敗北しても即座に階層群が消滅するということはありません。ただし、フォーリナーが勝利すれば、彼らを抑圧する存在が無力化されたことで、彼らの齎す破滅――欲望が階層群を構成する階層内の一階層に伝播することとなります。その階層では人心は荒廃し、秩序は破れ、混沌の溢れる世界となるでしょう。
     しかし、その混沌も、時が経てば「規範」の自浄作用により調和の内に戻ります。
     いつか「規範」の力を超えた――階層群の全てに波及するほどの「破滅」が訪れるまでは。
    上記はあくまで一例として参考のために記述したものです。
     敗北の描写に関しては、監督の裁量で自由に行って構いません。

    ●現実への影響
     現実への影響はあってもいいし、なくても構いません。参加者の嗜好が合うのであれば、「受けたダメージはフェレスの肉体の傷となって表れる(戦闘中は纏う鎧や剣が傷つく)」としても良いのです。

     この世界では、戦闘ですらも世界の神たる「規範」により支配されています。フェアなゲームになるのであれば、「規範」は現実への些細な影響程度ならば良しとするでしょう。
     「規範」――つまりは監督、アナタ自身が『こうしたい』と思ったのであれば、躊躇うことはないのです。むろん、「調和」を乱さないように心がける必要はありますが。

    ■ワールドツール
     この「ワールドツール」では、舞台、シナリオセッティング、その他このワールドセッティングで遊ぶ役に立つものを載せて行きます。このワールドセッティングを使ったそれらのものを作成された方がいましたらぜひお伝えください。許可を頂いた上で、クレジット等を付けてこちらで案内させていただきます。
    ●専用舞台「死に至る病《ネガイ・シンドローム》」
    https://ch.nicovideo.jp/tokagekko/blomaga/ar1810086

    ●専用プロローグ
     『銀剣のステラナイツ』P109にある監督がプロローグで読み上げる詩の、このワールドセッティング用のものを記述する。
     「規範に秘されし欲望が顕現する/内なる神よりわが使徒へと告ぐ――」から始まるこの詩の内容は監督の好みに合わせて変えてもらって構わないし、そのまま読み上げてもよい。
    スタンダード(フォーリナー=エンブレイス戦)の場合
    規範に秘されし欲望が顕現する
    願い欲する自由は此処に
    いまより此の場、欲望の坩堝と化す
    纏いたる欲望は(今回参加する全てのペアの欲望[花章]を読み上げる)
    相対する欲望を砕け、生命の解放者よ
    あなたたちの欲望はいまや思うがままだ
    『銀剣のステラナイツ』
    己のために剣をとれ
    欲望に溺れ果てるその時まで
    イレギュラー(フォーリナー=エクリプス戦)の場合
    内なる神よりわが使徒へと告ぐ――
    外なる神の使徒は来る
    秘された禁忌を破り、生命を謳歌せんとする解放者は(今回参加する全てのペアの欲望[花章]を読み上げる)
    あらゆる規範、あらゆる願い、あらゆる生命を破滅せんとする異邦人は(エクリプスの欲望[花章])
    『銀剣のステラナイツ』
    どちらの願いが続いていくか
    あなたたちが決めるのだ

    ■ノート
     温泉旅行にいった際、湯船に浸かりながら効能を見ていると、「禁忌症」という言葉が目に入りました。禁忌症とは、「温泉に入浴してはいけない症状(例えば、皮膚病患者が入れば症状が悪化するような効能のある湯)」を示したものだそうです。
     この言葉が気に入って(「禁忌」に「病」という胡乱ワード!)、頭に残っていたため、実際の意味をまったく無視してしまい、何かを作ってみようと考えました。
     そうしてあれこれと考えているうちに思いついたのが、この「禁忌症候群《ネガイ・シンドローム》」という、ワールドセッティングです。
     この世界は、ディストピアです。これは「外から見たら歪んだ不幸な世界に見えるが、内にいる限りその歪みに気が付かず内こそが唯一の幸福であると思っている人々の世界」を意味しています。ただし、SF的な発展した科学により支配された世界ではなく、ルールを守るという「徳」により支配されています。
     「本質の花」に対応した「欲望」がペアたるフェレスになり、経た時間の長さにより「欲望強度」が増し、ペアたるフェレスは怪物となっていく――というのは、新しいペアの関係性を作れるのではないかと思います。
     このワールドセッティングの感想、遊んだ感想やシナリオセッティング、舞台を作られた方がいましたら作者がとても喜びますのでぜひTwitter等で呟いてください。
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    〈End of Mythology〉
     この世界は「始まりの欲望」から生まれました。
    『誰もが争うことのない世界をください』
     戦いの果てに、その純粋な欲望――願い――は叶えられたのです。
     世界はそれからずっと、その欲望を続けるために在ります。
     ――誰もが争うことのない世界
     争いとは、人の「こうしたい、こうでありたい」という欲望から出るもの。
     では、実現された『誰もが争うことのない世界』とは、如何なるものでしょうか。
     ――誰もが願わない世界
     そう、それに違いないのです。
     願わなければ、欲望を露呈させなければ、争いなど起きない……。
     それは、窮極の平和を意味するものでした。――
     しかし、そんな世界を維持する神様は困ってしまいました。
    『欲望を内に抑圧する「善き人々」は、未来を生きてゆくことはできない』
     そのような結論を出さざるを得なかったのです。
     そも人類の進歩とは――いえ、人類の生活とは、欲望により成り立つもの。
     その欲望を、願いを表さないようにしてしまえば、世界など続くはずもない。

     困った神様は、あるブレイクスルーを作りました。
     ――禁忌症候群と禁忌症罹患者
     世界で唯一、欲望を露呈することが赦された存在。
     神様は、欲望を発露する彼らが世界を前に進める力になると思ったのです。
     しかし、誰もが願わない世界の為に願うことが赦された彼らは、やがて疑問を持ちます。
     欲望を露呈することは悪であり、抑圧されるものであること
     欲望は「病」とされ、常に「善き人々」とは別のものとされること
     自己の半身たる欲望の化身《フェレス》が「病」の象徴とされていること
    『願うことは――こうしたい、こうありたいと思うことは悪なのか?』
     そのうち、禁忌症罹患者の中から、世界の調和を破滅させようとする者が現れました。
     欲望の刃を以て「規範」の覆いを破ろうとしたのです。
     しかし、その叛逆は未だ成功してはいません。
     始まりの欲望を終わらせる「終わりの欲望」は未だ叶えられていません。
     ――誰もが願える世界
     世界の真実――世界の虚構に気づいた者が、今日もまた独り、自らの欲望と共に世界に反旗を翻します。
     「終わりの欲望」を求める者が、また、独り――。
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    ●ワールドセッティング作成者:トカゲッコー
    Twitter:@tokagekko
    ニコ生コミュニティ:http://com.nicovideo.jp/community/co2735762
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    本作は「どらこにあん」及び「株式会社KADOKAWA」が権利を有する『銀剣のステラナイツ』の二次創作です。
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