• 【バンナムフェス】2日目感想

    2019-10-27 20:46
    「バンダイナムコエンターテインメントフェスティバル」2日目感想。(初日はこちら



    毎回こんな感じならいいんだけどなあ。

    ...といった調子で初日がとっても楽しかったので、2日目は初めから期待して現地に赴きました。2日目の席は初日と同じく1塁側1階席で、よりステージを正面に望む、ほぼアリーナ先後尾くらいの場所でした(アソビストアとは)。ステージ全体を見渡せて、照明演出とかは綺麗に見えたのですが、やはり近いとは言えず、正直演者さんたちの細かいパフォーマンスを見れたとは言えない感じでした。スクリーンに映るのもバストアップか遠景がほとんどで、あと3面並んだスクリーンが基本全部同じ映像である件とかも含めて、次回はもう少しいい塩梅になればいいなあと思います。


    というわけで本編ですが、まずは何より初っ端の『READY!!』『Star!!』『Welcome!!』の3連打!初日のニュージェネでも思いましたが「今2015年だっけ⁉︎」とでもいうようなMOIWっぷりに超ブチ上がりました。この3曲に限らないのですが、それこそ2015年以前に出た曲はもうコールが染み付いていて、しばらく聴いていなくても完璧にできたのが我ながら可笑しかったです。この流れは個人的にこの日1の盛り上がりでした。


    ちなみにミリオンのライブでは『Welcome!!』をしばらくやっていないことから、演出・構成担当が曲の存在を忘れてる説なんかも流れていて、今回のこれで「覚えていたんだ!」みたいな反応をいくらか見ました。まあこれはほぼネタみたいなものなので、あまり真面目に取り上げるものでもない気がしますが、個人的には件の人があまり関わっていないがゆえのこの選曲だったのかなあと思います。あの人はあくまで「総合演出担当」としか言ってませんし。アイマス単独ならともかく、様々なIPが集結するライブでセトリを出入り業者に丸投げするわけがないですし、そもそもキャスティングの時点でやる曲は決まっていますし、構成やセトリには当然それぞれのIP担当含む多くの人間が関わっているでしょう。なので、Jが『Welcome!!』を思い出したというよりは、関わりが薄くなったゆえの採用だったのではないでしょうか。もしくは「ハッチポッチ」然り「フェスティバル」と名の付くライブ専用の曲だと思っているかでしょう。(...ここまで文を割いて反証することでもなかった)


    閑話休題


    個人的に冒頭3曲がこの日1番の盛り上がりだったとすでに書いてしまいましたが、正直なところ特に前半は初日に比べると圧倒的にモヤモヤするところがありました。

    特に構成についてかなり困惑してしまって、最初のMCで「今日は誰がいつ出てくるか分かりません!」と言われた時点で「ん?」と思いましたが、その後も「昨日と変える必要あった?」「混ぜる必要なくない?」という思いが付きまとってしばらく集中できませんでした。


    最初の「アイカツ!」と桃井はるこさんパートは普通にまとめてやっていましたが、構成の都合上初日にあった紹介VTRが省かれていた分、「なんかぬるっと始まってぬるっと終わった」感が強くありました。寿司の合間のガリとお茶じゃないですが、初日と同じく各コンテンツやアーティストごとに一旦リセットして観たかったです。

    あまり集中できなかったとはいえ、前半「アイカツ!」パートで言えば「歌唱担当」という役割分担は新鮮でしたし(歌を聴いて納得もしました)、後ろのアニメ映像からぼんやりと継承の物語も読み取ってグッときたりもしました。桃井さんは『ワンダーモモーイ』でちゃんとコールできなかったのが申し訳なかったので、来年もぜひ出ていただきたいです。あと『バレンタイン』のコールは周り誰もやってなくて、心の中でやってました。(仮に桃井さんを呼ぶなら「モモーイ!」「ハルコ!」のどちらになるのでしょうか)


    ここまではまだよかったんですけど、次のパートで困惑がさらに強まります。『ヒカリのdestination』『OωOver!!』『アルストロメリア』『咲くは浮世の君花火』『LEADER!!』と、アイマスの各ブランドがシャッフルされて披露されるわけですが、やっぱり「混ぜる必要なくない?」という思いが曲を重ねるごとに強まるばかりでした。特に『アルストロメリア』のあたりではシャニ→デレ→シャニとすぐ戻ってきたのもあって、「なんで混ぜたの?」「いやこの子達は可愛いけどさ」「次やるとしてもミリじゃない?」「いやこの子達は可愛いけどさ」「いやなんで混ぜたの?」「いやこの子達は可愛いんだけどさ」と混乱して大変でした。

    次のMCで気分を入れ替えようなどと思った最中、間髪入れず『ラブライブ!サンシャイン!!』発のユニット「Guilty Kiss」パートが始まるからまた大変。ちょっと休ませて。

    しかもこの「Guilty Kiss」のパフォーマンスが圧倒的な運動量かつそれが6曲連続という恐ろしさ。前段のアイマスパートから含めるとほぼ11曲連続というのもあり(多少のトークはありましたが)、終盤は確実に東京ドーム全体の客席よりステージ上のエネルギーが優っていました。このステージは混乱の中でも流石にビビりました。化け物かよ。


    永遠に続くかとも思われた「Guilty Kiss」のステージも幕を閉じ、気持ちの整理も多少はできたので、次のアイマスパートは比較的穏やかに......いや、セットリストは全然穏やかではありませんでしたが、次は全曲アイマスで混ざった感じもなく、概ね楽しく観ることができました。

    ここからは『夢咲きAfter school』『あんきら!?狂騒曲』『花ざかりWeekend✿』『自分REST@RT』『微熱S.O.S!!』『残酷よ希望となれ』と続きますが、個人的には『夢咲きAfter school』で予習(当日)の甲斐あってだいたいコールできたこと、『あんきら!?狂騒曲』のコール&レスポンスなどが良かったです。あとは当然超久しぶりの『自分REST@RT』には当然アガりましたし、ゼノグラシアパートは萩原雪歩(cv.堀江由衣)も映っていて、なんだかほっこりしました。


    ちなみにゼノグラシアは錦織敦史監督のアニメ『アイドルマスター』や『ダーリン・イン・ザ・フランキス』にも割と影響を与えていると思っていて、それについてもいつか書けたらなあと思います。


    話を戻しましょう。ライブは再び「アイカツ!」パートへ。

    普通に声優の方が出てきて、歌唱担当みたいな分担は無くなったのかなあなどと思いつつ、『セカイは廻る』は今回聴いた「アイカツ!」曲の中でも1番イケてると思いましたし、『アイドル活動!オンパレードVer.』では、門外漢の自分も「アイカツ!」ワールドの一員になれたように感じることができて楽しかったです。


    そしてここからは一気呵成のアイマスパート。『Tulip』『バベルシティ・グレイス』『ハーモニクス』『Wandering Dream Chaser』『∀NSWER』『FairyTaleじゃいられない』と、盛り上がる曲が続きます。...どこかで見たことがある展開だな。

    ここも実際盛り上がったんですけど、『Tulip』で後ろに映るMVと歌割りが違っていたり、『∀NSWER』でMVはセンターステージなのにメインステージで歌唱したりと、微妙な齟齬が気になりました。こういう「ゲームと同じにしましたよ!」的にやる割に、所々違ってるみたいな雑さってとっても気になりますよね。印象的なハイタッチシーンを「流れ上無理」とかすぐ言ってやらないみたいなやつ。ゲームと合わせるなら全部合わせるべきだし、やれないならやれないところに別のものを組み込むか、いっそ全く別のものにしてしまう方がいいと思います。できないとこをできないまま温存するのは演出の放棄では?

    ...といったことは一旦置いといて、このパートで言えば、シャニの『バベルシティ・グレイス』の「アンティーカ!」は当日予習してたのに聴き過ごしててできなかったのが残念だったのと、『Wandering Dream Chaser』は何かと噂になっていて、実際会場もすごい盛り上がりでしたが、なにぶん遠景&バストアップ映像で凄さをあまり感じられませんでした。機会があれば近くでか、いい感じの映像で観たいなあ。そして『FairyTaleじゃいられない』では、今井さん初参加もそうですし、結城アイラさんの歌詞ではこの曲が一番好きなのもあって、やはり燃えました。


    そして最後は安定のアイマス全体曲ラッシュ。『ToP!!!!!!!!!!!!!』『Spread the Wings!!』『UNION!!』『GOIN'!!!』と、エクスクラメーションマークがいっぱい付いた曲が続き、最後『THE IDOLM@STER』かと思わせての『The world is all one !!』締めも綺麗に決まっていて良かったと思います。


    ところで今回の765ASは、トップバッターだったりゲスト前の盛り上げだったり、ホスト役に徹底していた感がありましたが、その点においては物足りなかったのが正直なところです。もちろん役割としては重要な位置ですし、その役割も十二分に果たしているのを観れて嬉しく思いましたが、基本ベスト盤的なビッグチューンだけだったり、コラボした方以外のトークパートがなかったりと、少し都合よく使われただけとも感じられてしまいました。

    まあこの感じも、『THE IDOLM@STER』をやらなかったのも、中村先生が「あの言葉」を言わなかったのも、来たる15周年合同ライブの布石なんでしょうが、そこですら今回のような「ホスト役」だったり「先輩」だったり「御本尊」的な扱いで、変な膜がかかった状態でしか接することができないんじゃないかと不安になってしまいます。これを言うことについては色々な意見があるようですが、やっぱり765ASの単独ライブが観たいなあ。ネガティブな意見を先回りして内面化しても仕方ないですし、やっぱり声に出さないとどうにもならないと思うので、少なくとも私はしつこく言います。だって観たいもの。


    もし短時間でも765ASとしてまとめてやってくれてたら、つまり初日と同じ構成だったら、この感覚もまた違っていたかもしれませんし、各コンテンツに対してもより没入できたんじゃないかとも思います。一応意図としては「初日とメンツが被ってるから違う見せ方をしよう」と言うことで理解はできるのですが、その結果フェスでもない、アイマス合同ライブでもない、中途半端な印象になっていました。

    ユニットのシャッフルといっても、結局はアイマス内だけのことで、しかもユニットの紹介も省かれていました。仮にこれがMOIWだったら全く問題ありませんが、あくまで「フェス」という体裁でやってる以上、このユニットがどのブランドの、どんなアイドルによって構成されたものなのかの説明は最低限必要だったと思います。例え会場の大半が承知だったとしても、各ユニットが自己紹介する間もなく出てきては去っていくフェスなんてあり得ませんから。その辺り初日は全く問題無かったので、その分2日目の雑さが非常に目立ちました。

    こういうコンセプトに対する雑なアプローチは、直近のミリオン6thが思い出される訳ですが、あちらは逆に完全内輪のライブでくどいまでの紹介と振り返りを繰り返していました。あれとこの2日目を足して2で割りたい。

    ミリオン6thの「テレビ」とかいう意味不明なコンセプトを掲げながら実質フェスをやってたのも、今振り返ればこのバンナムフェスの予行演習だったんじゃないかと邪推してしまいます。そのまんまフェスにすると今回と被るから「テレビ」とか訳のわからないことを言い出したとか。......ミリオン6thは犠牲になったのだ。


    まあ、ここまで色んなことを言ってはきましたが、全体的にはかなり楽しんだと思います。久々にライブで声を枯らしました。おそらく初日があまりにも完璧すぎて、ハードルを上げすぎてしまったのでしょう。聴きたい曲はほとんど聴けましたし、ライブとしても全然悪いものでは無かったのであろうと思います。

    しかし、次回は初日の構成で統一して欲しいです。あと、せめてこの場くらいではあの演出家の手が入っていないものが見たいです...。言うなれば寿司を食べるとき、全てにマヨネーズをかけられる呪いをかけられているような気分です...。この際塩でもソースでもいいから別の味で食べさせてくれ...。


    うーん、結局またこの話になってしまった,,,。このまま終わるのもアレなので、最後に今回フェスの中で初めて聴いて1番良かった「アイカツ!」の曲を置いておきます。




    それでは。


    消灯ですよ。
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  • 【バンナムフェス】1日目感想

    2019-10-21 19:22
    東京ドームにて開催された「バンダイナムコエンターテインメントフェスティバル」初日、現地で鑑賞しました。


    これまでアイマスがアニソン系フェス等に出演しても「アニソンそんな知らないし…」と敬遠してたのですが、今回のバンナムフェスはそんな自分でも知ってるアーティストが出てるし、アイカツ!とかラブライブのステージも一度は見てみたかったので、後は何よりも765の久々のステージ、しかも東京ドームということで参加を決めました。(LEADERリリイベは外れた)

    そんなこんなで普通に楽しみにしていたのですが、前日の夜、アイマスライブの演出家が関わってることを匂わせるツイートをしていて一気に不安になっての当日でした。あの人が関わらないライブを観れるのでは?というのも楽しみのひとつだったので。

    しかし蓋を開けてみれば、フェスとして全く過不足のない、聴きたかった曲を聴ける、とっても楽しいライブになっていました(この初日は)。

    ちなみにこの日の席は一塁側、一階席の果ての方で、アソビ先行とはって感じでした。ただ実際遠かったんですけど、感覚としては何故かそこまで遠く感じず、なんか遠近感が狂ってました。流石ドーム。


    というわけで早速パートごとにざっくり感想をば。


    ・sideM(前半)

    本編はsideMのステージからスタート。剣を抜いたり挿れたりして「あれ?刀剣乱舞始まった?」と思った『永遠なる四銃士』や、バラを咥えて登場し急に闘牛を始める『Baile Apasionado』など、ダイナミックでバラエティ豊かなステージでした。sideMのライブはこれが初見だったのですが、全体の感想ついては後半のsideMパートのとこで書きます。


    ・MCパート

    続いて司会の小野坂昌也さんと仲村宗悟さんが登場。毒っ気も交え場を盛り上げる小野坂さんと、それを真面目にとりなす仲村さんのコンビが絶妙で、終始安定して面白かったです。


    ・FLOW

    そしてお次はFLOWが登場。パワフルなボーカル&サウンド、アニソンをさほど知らない自分でも分かるビッグチューンの数々で一気に盛り上がりました。それと、滅茶苦茶アグレッシブに動くギターの方が印象的でした。


    ・Do As Infinite

    続くDo As Infiniteもバンドセットでのパフォーマンス。多くを語らず歌一発で持っていく姿がかっこよかったです。ボーカルの伴さんが全身白でビシッと決まっててイカしてました。


    ・玉置成美さん

    続いて玉置成美さんがイケメン男衆を引き連れてバリバリに踊りながら、力強いボーカルで会場をロックしていました。玉置さんが披露したガンダムSEEDの楽曲は、アニメ本編を全く覚いだせない中でもしっかり覚えていて(コードギアスもそんな感じでした)、司会の仲村さんも仰ってましたが、音楽の力を感じました。しかし当時14歳で歌ってたのか…。


    ・BONNIE PINKさん

    それまでとは一転、その身ひとつで乗り込んできたのがBONNIE PINKさん。バンドの人がいたり、ダンサーを引き連れてバリバリ踊る人がいたり、かと思えば身ひとつ歌声一発で持ってく人がいたり、これこそフェスの面白さだなあと思いました。また、BONNIE PINKさんの楽曲は初めて聞きましたが、ノリが良く、好みのジャンルっぽかったのでチェックしてみます。


    ・シンデレラガールズ

    続くのはシンデレラガールズ。初っ端『できたてEvo! Revo! Generation!』は10th西武ドームに戻ったようで「今何年⁉︎」と思いながら楽しかった過去の思い出に浸っていました。あとは『クレイジークレイジー』を生で観れたのも嬉しかったのですが、席の問題か分かりませんが、ちょっと音量控え目に感じて、もう少し音を浴びる感じが欲しかった気もしました。


    ・765ミリオンスターズ

    そして765ミリオンスターズによるAS混成ユニットのオリメンラッシュ。トップバッターとなる『Eternal Harmony』の時点で、漸くオリメンが揃った感動と、ついに765が東京ドームに立った感動と、本当に楽しそうに歌う今井さんの姿で、なんかもう駄目でした。トドメの『Flyers!!!』は今までそこまでエモさは感じてなかったのですが、今回は歌詞の全てが刺さってどうしようもなかったです。全てが完璧でした。(ちなみに『Beat the World!!!』ラストで演者がゾロゾロ出てきたとき、Jが演出まで関わっているのを確信しました)


    ・Every Little Thing

    765MSで「こんなの見せられてこの先大丈夫?」なんて思ってる中出てくるのがEvery Little Thingという凄まじさ。ELTはトーク時のほんわかした印象が先にあったのですが、実際のパフォーマンスは本当に鬼気迫るものがあって、1曲だけで会場を制圧していました。生で聴けて本当に良かったです。


    ・T.M.Revolution

    そして満を辞して登場するのがT.M.Revolution。「場をロックする」とはこういうのを言うんだなあというのを実感するステージでした。歌・トーク・細かい振る舞いに至るまで全てがエンターテインメントでした。西川さんはそれでいて親しみやすさもあり、まさに「アニキ!」と呼びたくなる方でした。


    ・sideM(後半)

    トリは再び登場したsideM。メインユニットによるパフォーマンスが連続して披露されましたが、まずは西川さんをゲストに迎えての『DRAMATIC NONFICTION』。TMRで十分上がっていた会場の熱量がさらに一段階上がりました。西川さんはTMRに引き続き当然素晴らしいのですが、それ以上に驚いたのが、西川さんに引けを取らない仲村さんのパフォーマンス。彼の歌は初めて生で聴きましたが、センターとしての説得力が半端なかったです。素晴らしかった。

    その後も全部良くて、脚の開き方から強さが伝わる『勇敢なるキミへ』から、腕組んで歌うとかいうパフォーマンスに「そんなことやっていいんだ⁉︎」と度肝を抜かれた『バーニン・クール』、観て楽しい参加して楽しい『Study Equal Magic!』はその人気にも納得でしたし、何よりJupiterの『BRAND NEW FIELD』には、曲がりなりにも彼らのデビュー時を見ていたものとしてやはり胸を打たれました。

    sideMが最初に出てきて「また後で出てきます」と言ったとき、この構成はまあ予測できたわけですが、正直「大丈夫かな?」とも思ってしまうところもありました。しかし、それは全くの間違いで、パフォーマンス的にも貫禄的にもトリとしての役割を全うしていました。そりゃもう5年もやってるんだもんなあ(Jupiterでいえば8年やってるし)。


    そして最後は全員集合してスッパリ終わる潔さも良かったです(FLOWさんやELTのお二方までいたことには謎の申し訳なさを感じましたが)。

    というわけで、この初日はなんの文句もない、アイマス10th以来ぐらいの満足感を感じた公演でした。演出やら構成にうだうだ言わないで、あの人のここが良かったあそこが良かったと無邪気に言うことができる幸せよ。


    毎回こんな感じならいいんだけどなあ。


    【つづく】
  • 【歌詞話】AJURIKAさんと『Near to You』

    2019-10-15 20:35
    アイマス曲の作詞家さんについてと、その方の歌詞を1つ選んで書くやつです。

    今回はAJURIKA/遠山明孝さんです。


    AJURIKA/遠山明孝さんについて

    主な作詞楽曲
    『Next Life』
    『Naked Romance』
    『Nation Blue』
    『Near to You』
    『Trancing Pulse』など

    AJURIKAさんは元BNSI現フリーのサウンドクリエイターで、アイマスにおいてはソリッドなサウンドの「N」で始まるタイトルの楽曲群で親しまれています。

    歌詞については、タイトルの「N」が先行して話題になることが多いですが、その内容もサウンド同様、明確な作家性を感じさせるものになっており、特に「距離」の描き方にそれを見ることができます。


    その「距離」というのも大きく3種類に分けられて、まず1つ目は「時間的な距離」

    AJURIKAさんの歌詞には「時間」というモチーフが頻繁に登場します。中でも「過去」が描かれることが多く、ほとんどの曲がその「過去」の思い出を胸に「未来」へと向かうという、時間的な距離を感じさせる構成になっています。
    あの日見た夢を 追って 全力で走ってきた
    そんな想いずっと輝いて
    『Nation Blue』
    今 この瞬間を 全力で生きて後悔しない
    あの日の自分見つめて前を向くだけ
    『Nostalgia』

    そしてその「時間」というモチーフを極限まで突き詰めたのが、AJURIKAさん(当時は遠山明孝名義)初のアイマス参加楽曲である『Next Life』です。
    離れてゆく螺旋の記憶が 時を越えてまた二人巡り逢わせるまで
    憶えていたい二人いるだけで それが全て 満たされた幸せな日々を
    なにせタイトルからして「Next Life(来世)」ですから、非常にスパンが長い!この曲は共依存を思わせる関係性を二重螺旋に例えたり、全体の内容としては「来世で会いましょう」といった様相だったり、AJURIKAさんの嗜好を全開にした楽曲ゆえか、その後の楽曲の歌詞に比べてダークなものになっています。(ちなみにこの曲を歌う我那覇響のCVである沼倉愛美さん個人名義の楽曲『Spiral Flow』もAJURIKAさん制作で、『Next Life』と呼応するような歌詞になっているので、チェックしてみるのもいいかも)

    余談ですが、このような「時間」をモチーフにした歌詞といえば、渡辺量さんの歌詞を連想したりするのですが、やはり「時間芸術」である音楽の作り手だからでしょうか?


    2つ目は『物理的な距離』

    AJURIKAさんの歌詞は、情景描写が丁寧になされることも多く、その中にも距離を感じさせる描写を見つけることができます。
    教室の窓側 グラウンドに視線投げる
    髪を風になびかせて ボール追ってる
    『Naked Romance』
    雨が降る景色 そこに水色の傘見つけ
    キミの事が そう 気になっているんだ
    『Nation Blue』
    これら具体的な描写以外にも「空」というモチーフだったり、遠くにいる相手を想う描写なども多く、同様に「物理的な距離」を感じさせます。


    そして最後が「心理的な距離」

    それは“憧れ”だったり“目標”だったり“理想”だったり、あるいは単純に“意中の人”だったりしますが、いずれにしても「遠くにあると感じられる、大切なもの」に対してまっすぐ進んで行くというイメージは、AJURIKAさんの歌詞全てに共通していると思います。

    「時間的距離」も「物理的距離」も、結局はここに収斂していきます。
    どこまでも弱かった自分に 別れを告げたあの日から
    迷わずまっすぐ進んでる 大きなあのYggdrasilまで
    『Nostalgia』
    鮮やかな色纏う波紋は 風受けて飛び立った
    キラキラとひかる 眩しい空へと
    『Trancing Pulse』
    触れること出来ない 距離を越えて 届けたい
    歌うよ 想いのせて
    『Nothing but You』
    こういったイメージは特に走ったり手を伸ばしたりする描写を伴うため、疾走感のある楽曲と大変マッチして、聴いていて非常に気持ちがいいですし、カラオケなんかで歌うときも超気持ち良く歌えます。

    そんな感じでAJURIKAさんの楽曲は、サウンド面や「N」のタイトルのみならず、歌詞の内容を含めた全ての要素が合致して、魅力的な独自の世界観を作り出しているのです。


    Near to You
    作詞・作曲・編曲:AJURIKA


    個人的にこのパッションverが一番好き

    『Near to You』は「CINDERELLA MASTER jewelries!シリーズの第3弾における共通曲。愛称は「そばつゆ」。(Near=側 to You)

    この曲はAJURIKAさんが制作してきた楽曲の中でも珍しい、ストレートにポップな1曲で、歌詞も同様にポップさが前面に出たものになっています。しかしその一方で先に挙げた特徴が網羅された、まぎれもないAJURIKAさんの歌詞になっているというのが、この曲の歌詞の1番の魅力だと思います。

    早速歌詞の中身に入っていきますが、出だしから超ポップ。
    空に舞うシャボン玉
    陽射しに輝く街路樹も
    そう全て今その時を
    その瞬間を感じて
    キラキラしたモチーフが並んでいますが、その全てが「空」を意識させるものとなっています。この流れは次の一節にも続きます。
    虹色のこの夢は
    とても熱く熱く輝いて
    前だけただ照らしてる
    Don’t look back!振り返らずに
    前段の「空」に通じるモチーフは、ここの「虹色のこの夢」というあたりから、まさしく「夢」のイメージであり、先述の「遠くにあると感じられる、大切なもの」として考えることができます。

    その一方で「前だけただ照らしてる」と、「空」を中心に上(縦)に向いていた意識を前(横)の方にシフトしていきます。

    そして前を向いた先にに何があるのかというのがサビで明らかになります。
    いつもキミ目指し走りだす
    大好きだから
    どこまで近づけるかな
    前で待っているのは「キミ」、そしてアイドルソングで「キミ」が何を意味するかといえば、それは当然「ファン」ということになります。

    これらが何を意味するかは、1番と2番、サビ前の1節を並べると分かりやすいでしょう。
    今も感じる胸を押し出す
    鼓動は速く 前に前に
    どこまでも行くよ
    大きな夢に 飛び立つ気持ち
    風受けて舞う 遥か遠く
    どこまでも高く
    「キミ」に向かって「前に前に」、「夢」に向かって「どこまでも高く」。

    これはつまり、「大きな夢」を持ち「ファン」へ向かって歌うという「アイドル」そのものの有り様に、AJURIKAさんの歌詞世界における「距離」の感覚をそれぞれの要素に対応させ、完全なアイドルソングに昇華させてみせた歌詞になっているのです。

    また、他の楽曲では前に進むための原動力が過去にある場合が多いのですが、この曲ではそれを上(空)に持ってきており、また先述の「時間的な距離」も専ら未来に向かっており、よりポップさが際立つようになっています。
    溢れだすこの想い
    きっといつの日か叶えたい
    未来はまだ遠いけど
    Never give up!諦めないよ

    このように作家性とアイドルソングという枠が完全に一致した『Near to You』の歌詞は、AJURIKAさんの歌詞の一つの集大成になっていると言えるでしょう。


    それでは、今回はこの辺で。


    消灯ですよ。