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電信活動劇場『コメディ』高山康平監督からのコメント
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電信活動劇場『コメディ』高山康平監督からのコメント

2018-12-21 00:00

    東京神田ファンタスティック映画祭「土肥審査員賞」特集第二弾は
    高山康平監督の『コメディ』をご紹介します。
    1週間限定での配信ですので、監督コメントと併せてどうぞお楽しみください!

    12/21(金) ~12/28(木)『コメディ』15分 監督:高山康平
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    <あらすじ>
    毎年恒例の年末ハワイ家族旅行に出掛けようとしていたところに失踪していた長女の有希子が現れる。明らかに様子のおかしい有希子と有希子を片付けてハワイ旅行に行きたい一家の一騒動。
    配信URL:https://www.nicovideo.jp/watch/1544784902 
    ※会員登録(540円/月額)後に、ご覧いただけます。

    ※期間以外は表示できませんのでご注意ください



     監督プロフィール

    高山康平(たかやま こうへい)

    1987年千葉県生まれ。早稲田大学卒。

    自主制作した映画「くだらない くだらない この世界。」、「アイニ向カッテ」などが評価され、近年はWebCM、ジャズミュージシャンとのコラボレーション映像作品なども手がけている。


     

    制作の経緯についてお聞かせください

    コメディ映画については以前から色々と考えるところがあったのと、周りで僕の作るコメディを観てみたいと言ってくれる人が何人かいて、周期的にやってくる映画作りたい衝動とアイデアの着想が重なったタイミングがあったので制作に踏み切りました。



    タイトルの由来は?

    主人公の台詞に、物語の状況を指して「コメディだよ」と言うものがあって、それを書いたときにタイトルを『コメディ』にしようと決めました。

    その台詞は単にその場の状況を指すだけでなく、作品の枠組みの中に存在する人物がひとつメタな視点から作品全体に対して言及するという意図を持って書きました。

    また日本のインディペンデント映画業界をとりまく状況として、中小規模の映画祭でかかるのは紋切り型のドラマばかりであり、たまにあるコメディ映画もコントとの区別が曖昧なものが多く、多様とは言い難い状況にあると思います。

    このタイトルにしたのは、この映画がコメディというジャンルの枠組み自体への問いを含んでいることを強調する意味もあります。

    さらに、日本のお客さんはすごく流されやすく、映画の見方において個々人の感性よりも世間での評判に合わせて映画を楽しむ傾向が少なからずあるように感じています。別な言い方をすると、映画にわかりやすさを求める人が多いんじゃないかと思います。

    それ自体はある程度自然なことですが、その時求められるのは「わかりやすい答え」なのです。『コメディ』というタイトルは一見「わかりやすい答え」を提示しているようでありながら、その実「わかりやすい問い」を投げかける意図を含んでいます。「この作品はコメディです」ではなく、「コメディだと思いますか?」という問いかけをお客さんにすることで、お客さんに自身の観点から作品を観ることを強いることができたらよいなと思ってつけました。



    シナリオの着想について

    シナリオの着想は、ネットを中心に現代人の攻撃性と承認欲求が肥大化してゆくのを見ていて、その背景にある「一人称複数(we)の関係=横並びの関係」の喪失について考えていたのがきっかけだと思います。随分長くなってしまったので詳しい説明は省きますが、徹底した個人主義は周囲の人間の多くを潜在的なライバルに変えてしまい、それがことによると「家族」という一人称複数の関係の中にあった共同性を差異の体系に組み替えてしまいかねないんじゃないかと思います。端的に言えば、家族が「私たち」という言葉に括られない、横並びではなく対面関係になってしまう悲劇を喜劇として描こうと思ったのです。




    撮影は何日かかりましたか?スムーズにすすみましたか?何か印象的なエピソードは?

    2日間です。スタッフが少なく、準備不足もあって、とてもスムーズとは言えなかったです。

    いろいろありました。




    みどころ、こだわりのシーンは?

    タイトル後の食卓のシーンでの家族3人の顔です。それぞれなんとも言えない可笑しみが出ていてとても気に入っています。



    監督の役割とは何だと思いますか?

    一面的に語るのが難しい問題だと思いますが、第一には「最初の観客であること」だと思います。カメラの前で起こっている出来事を単純に味わい、それが面白いかどうか、美しいかどうか鑑賞することです。また、映画は建築になぞらえられることがしばしありますが、僕はどちらかと言えば庭づくりに近いと思っています(もちろん建築的な要素も多分にあると思いますが)。そしてそこで監督が果たす役割は庭師です。ジル・クレマンというフランス人の庭師の「動いている庭」という考え方がとても気に入っていて、個々の植物の個性的な運動を尊重しながら庭の方向性を決定する彼の姿勢は映画監督の役割を考える上でも示唆的だと思います。



    撮影のときに心がけているところはありますか?

    撮影前は、心がけようと思っていることが山ほどあるのですが、いざ撮影に入るとすべてすっ飛んでしまいます。撮影時は時間の流れ方や身体の状態が普段と変わるので溺れないようにするのに必死で自意識というものは脳みその奥の奥の方で小さくうずくまっています。



    映画を作り始めたきっかけ、続けるための原動力は?

    きっかけはこれというものはなく、色んなタイミングが重なってごく自然な流れで作り始めました。続けるための原動力は好き嫌いせず色んなものをよく食べることじゃないでしょうか。喩えが悪いのですが、芸術行為というのは精神的な排泄行為のようなところがあって、思想、哲学、文学、ニュース、絵画、学問、漫画、旅などありとあらゆる情報や体験を「食べ」、それについて想い、考えているとそれらが混ぜこぜに「消化」され、映画のアイデアとなって頭に取り憑きます。一度頭に取り憑いたアイデアは形になるまで頭から離れなくなってしまうので、映画として排泄する感じです。そこには排泄に似た切迫した欲動があるように感じています。



    繰り返し観ている作品?影響を受けている監督は?

    ジュリアン・シュナベール監督の『潜水服は蝶の夢を見る』は繰り返し観ています。重い題材を軽やかに描いていたり、表現主義的な手法がいくつも使われていてとても好きな作品です。また、溝口健二、テオ・アンゲロプロス監督の作品には非常に大きな感銘とインスピレーションを受けています。コメディ作品だと川島雄三監督の作品が好きです。




    新作の予定、今後の活動について

    短編、長編作品をそれぞれ企画中です。ありふれた物語の様式にとらわれず、新しい語り方を自分なりに探求していきたいです。

     






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