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【新春特別企画】TKFFC2019グランプリ高橋伸彰監督インタビュー
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【新春特別企画】TKFFC2019グランプリ高橋伸彰監督インタビュー

2021-01-01 00:00

    あけましておめでとうございます!
    2021年新春特別企画は、TKFFC2019グランプリ・高橋伸彰監督の「夏の夜の花」です。

    大阪芸術大学から日本大学芸術学部大学院へ、そしてチャン・ツィーを輩出している中国の国立の映画大学・中央戯劇学院に留学し博士号取得と、異色の経歴をもつ高橋伸彰監督に1月3日からの配信を記念してインタビューを行いましたので、作品鑑賞と併せてお楽しみください!

     


    高橋 伸彰 /  Takahashi Nobuaki
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    大阪芸術大学映像学科卒業 。2011年に北京に赴き、中国語を勉強。 翌年に中国政府奨学金を受け招待留学生として中央戯劇学院に在籍する。
    2018年に中央戯劇学院映画学科の博士課程を修了。 博士論文テーマは「川喜多長政の戦時中における中国での映画製作」。 中国で様々な映画製作に従事する一方、近年は俳優としても活動している。


    これまでの主な監督作品-
    2007年「葛城天使」(16フィルム,30分)
    2009年「地上からの観測」(75分)
    2011年「日本ドキュメンタリー上映会Real in 北京」オープニング映像(3分)
    2014年「地上地流星群」(30分、中国語)

     

     

    ――高橋監督、グランプリの受賞おめでとうございます。高い評価を得た「夏の夜の花」ですが、日中共同制作と伺いましたが、発想はどこから生まれたのでしょうか?

     

    僕は中国に住んでいるのですが、中国の友人は日本旅行の話を沢山してくれます。本当に楽しい話をしてくれますが、「実際の日本はどうなのか?」「日本に住んでいる外国人はどうなのか?」というと、現実とは少し違うのではないかという想いがありました。ですから、少し違った目線から見た日本と、日本に住んでいる中国の方を題材にして、中国の人達にも見てもらいたいなと考えたんです。

     

    日本でロケをした中国映画が本当に沢山ありますが、ほとんどが北海道のリゾート地などでの純愛や恋愛を描いているので、より現実的なテーマを取り入れて日本を観てもらえたらなという想いもありました。また、場所だけでなく、日本が抱える家族的なもの――親子問題や気付けない家族観というのも取り入れてみました。なかなかシナリオにするのが大変でしたが、色々な調査をして、ようやく仕上げられた感じです。



    ――調査はどのようにされたんですか?

     

    大阪にいる中国の方を探してお話を伺って、どんな生活をしているのか調査しました。夫婦関係がどうなのかも伺うと、崩壊している家庭環境に接することもありました。でも、どんな環境であっても「とにかく前向きに生きていこう」という生命の力強さのようなものを感じたので、これを何とか映像化したいなという想いになっていきました。



    ――大阪の街、画的にも効果的だったような気がします。ゲームセンターが最高でした。

     

    東京ではちょっと描けないようなロケ地を沢山探しました。あの辺は本当に狭い商店街の中にあるんです。撮影許可は取っているのに違うお店の方から「きちんと許可取られているんですか」みたいなツッコミもあったり(笑)。なかなか他の地域にはない体験ができたと思います。



    ――喧嘩のシーンでは通報されたとか。

     

    そうなんです。実は当初僕の書いたシナリオがうまく中国語でハマらなかったので、その日はほぼ半日をかけて、ヒートアップできるかどうか役者さんと読み合わせをしながら変えていきました。すると、役者さんたちの気持ちが入って、引きや寄りの映像で何テイクも重るほどにどんどんヒートアップしていったんです。後半、僕は演出に口を出さず役者さんの気持ちに委ねました。

     

    暫くしてスタッフから「警察が外にいる」と報告されたんです。最初は何で呼ばれているのか分からなくて、スタッフの車か機材の置き方が問題だったのかと思ったんですが、「中国人が喧嘩をしている」と通報されたということでした。撮影許可も取っていたし僕たちは気持ちが入っていたので周りを忘れていました。

     

    結果的には、事情を説明してすぐに問題解決して、大阪府警の方にも「何ていう映画ですか」と興味を持ってもらえて、かえってよかったです(笑)。



    ――それだけ迫真の演技だったわけですね。むしろ演技というより想いがぶつかり合うという映像で感動しました。

     

    今回は皆さん舞台をメインにされている役者さんなので、彼らが空間を自由に使えるように読み合わせをして現場でリハーサルを重ねて、そこからカメラの構造を決めていくスタイルにしました。カットを重ねて順番に撮っていくやり方もありますが、あのシーンは最初から終わりまで一気に撮りました。時間はかかるし効率は悪いのですが、そのほうが役者さんの気持ちが入ると思って。寄りやアップの映像では「2センチ動いてほしい」などの細かい話もありますが、まずは自由に演じていただいて、役者さんの気持ちが入ることを重視しました。本当に皆さんに感謝していますね。



    ――監督は普段から役者さんの気持ちがのるような形を意識して撮られているんですか?それとも今回だから? 

     

    基本的には毎回このスタンスです。大学の時に映画を勉強して、卒業作品はワンシーン・ワンカットに挑戦しました。そこから始まったかな。

     

    事前にしっかりディスカッションします。同じシナリオでも役者さんからだと見方も変わるので、「このキャラクターはどういうキャラクターなのか」「背景はどうなのか」「こういう趣味があるのか」とか、シナリオでは描かれていない細部を議論します。そういう形でやるので、たとえば「怒りが足らない」というようなニュアンスの話はしますが、動きについてあまり指示はしませんね。



    ――言葉やセリフを書き替えるのは、現地で?

     

    そうです。シナリオハンティングをしてシナリオをしっかり書きますが、撮影日の雰囲気や空気によって「ちょっと合わないな」とか「この役者さんにはこの言葉合わないな」などと感じたら、僕はどんどん変えちゃう。



    ――監督のシナリオは、まさに生き物ですね。

     

    はい、ライブ感を重視しているので。映画は舞台と違って観客の皆さんとは生で対峙できないので、できるだけ現場のライブ感をしっかりキャッチして撮っていきたいんです。テイクによって役者さんの動きが変わることは全然気にしません。何テイク重ねても同じ演技をすべきと考える方もいますが、僕は編集で繋がると思っているので、それよりもライブ感を重視します。まあ、それで編集が大変な時もありますが(笑)。

     

    基本的にはどこから撮っても繋がるようには考えて撮っているので、役者さんの動きは制限したくないと思っています。だから、役者さんがやりやすいと言ってくれる現場は嬉しいですね。



    ――納得しました。映画を観ているというよりも、ちょと覗き見ている感じがあったので。

     

    そう、若干ドキュメンタリータッチでもあるんです。特にヤンヤン役の子は全くの素人だったので、緊張して泣いてしまったり、セリフが覚えられなかったり、その日の感情どころか1分後の気持ちも変わってしまうので、僕らも緊張しました。そこで、徹底的に彼の気持ちに合わせることにしました。本当のお母さんにも付いてもらって、現場に慣れるまでの前半は気まずいシーンを、リラックスするシーンは後半に持っていきました。

     

    本来であればセッティング完了後に役者さんに入っていただきますが、それだと突然の環境変化に慣れないので、スタッフが照明やカメラをセッティングしている間に、彼には好きに居てもらいました。順応性を重視するためにそうしましたが、結果的にはスタッフを含めてヤンヤンを中心とした家族を作り上げることができて、よい現場になりました。



    ――お父さんとのシーンなどは、今の緊張感のお話からは想像できないくらい本当の親子のような温かみがありましたね。

     

    あのシーンは最終日に撮りました。撮影がない日もヤンヤンには現場に来てもらって、お父さん役のジャックと楽しく過ごしてもらいました。ジャックも子供が大好きだったので一緒におやつを食べたりして、いい関係を作ってくれたので感謝です。本当に協力してくれました。



    ――監督のお話を伺うと、カメラの中だけを作り込むというよりも、世界を作ってその一部を切り取るイメージですね。

     

    ああ、それは考えたことはないですが、そうかもしれないです。大学の時から自主製作・卒業作品含め、そこの現場のロケ地の温度感を大切にしたいと考えていました。その中に人々が住んでいるという形でいつもイメージしてシナリオも書いていて。その場の空気感をまず活かしたいという想いがあるので、そういう風に見えるのかもしれませんね。



    ――家族の問題は世界共通の普遍的なものですが、中国生活が長い監督から見た中国と日本の家族は違いますか?それとも一緒でしょうか?

     

    築き方、家庭の在り方という意味においては、求めるものは同じでもプロセスが違うのかなと感じます。たとえば中国では、家庭ではお父さんがご飯を作りますが、なぜかというと「お母さんが子育てをメインにしてくれているからご飯は僕が作るよ」という愛情表現のひとつなんです。そういう面が日本の在り方とはずいぶん違うと思います。



    ――それを伺うと、映画の中の夫婦がこじれていたのかちょっと分かります。

     

    背景も研究したので。僕の中でこれは絶対とは言い切れませんが、中国の女性は強くて日本よりは男女間で対等であることが見えるので。奥さんが強いと家庭は繁栄すると思われています。面白いと思いますね。共働きの家庭も多いので、それぞれの祖母が交代で孫をみたり、3世代で繋がっているというか。



    ――すると今回の映画の家庭は単身日本に渡ってきて、バラバラで子育てして……という大変さがより際立ちますね。

     

    はい、ちょうど昨日も、中国から「観ました、凄く良かったです」と連絡をいただいたんですが、嬉しかったですね。中国の方も日本の方もまんべんなく観てもらえる映画を作ったので、そう観てもらえると嬉しい。



    ――状況的には切ない設定なのに、何とも言えない温かさがあると感じたのですが。

     

    そこを作っていくのは本当に役者さんたちです。実はシナリオを書いていた時点で、スタッフ間で「この映画は凄く暗くなるのではないか」という心配がありました。カメラマンも制作陣も、ロケ地を探しながら「このシナリオはどうも暗い感じがする」と。だから僕は「そんな暗い作品にする気はない」と伝えました。とくに役者さんたちは「そうは感じない」と言ってくれたのでこれで行きました。

     

    人間の心を描く作品ですが暗くしたくない、置かれている状況は悲しいかもしれないけれど、前を見られる楽しく愉快なものにしたかったんです。お父さんには絵を描くという夢があって、お母さんも子供を育てて自分で切り開いていく希望を持っている。ヤンヤンにも希望がある。あんな形だけれど皆が希望を持っているので、暗い作品になるはずはないという想いがありました。

     

    シナリオを書いた時に、読む人にとってはイメージが変わってしまうので難しい問題ではあると思います。でも、そこが監督の仕事かなと。観客の皆さんも、それぞれの立場で希望を持っているし、そこに何かを上乗せして観てもらえたらと思っています。



    ――映画製作を始めたきっかけを教えていただけますか?

     

    小さい頃からバイオリンをやっていましたが、音楽の世界は厳しいのでこれでは無理だなと。でも芸術という分野が凄く大好きで映画も観ていました。音楽をしていたのでオペラや舞台の映像を観る機会が多かったのですが、ある時、世界的な指揮者のカラヤンが自ら演出して作ったコンサート映像に衝撃を受けました。映像でこんなにも世界観を変えることができるのかと。「こういう風に撮ればこういう風に面白く描けて、観客にこういうメッセージが伝えられるんだな」と、どんどん映像に興味を持つようになって、それなら映画を勉強しようと。そこから映画関係の学校で勉強するようになって短編を撮りました。ただ、僕には逃げ癖があるのか、違う分野に行きたくなって、大学院まで行ってから一度仕事をして、その後中国に行ったんです。



    ――ん?ということは、中国に行かれたのは当初映画を勉強する目的ではなかったのですね?

     

    そうなんです。普通に語学を1年間だけ勉強しようと思って。元々中国映画も好きで文化にも興味があって、中国語で理解できるようになりたいなと思っていたので。中国の大学は留学生用の語学機関があるので、僕は、中央戯劇学院に1年間だけ語学を勉強して帰る予定だったんです。

     

    ところが、僕の語学留学した中央戯劇学院は国立の映画演劇学校でもあって、

    同じ大学でもキャンパスも違うんですが、本科で勉強している彼らと接して、そこで学んでいる中国の学生の「熱さ」がとにかく凄くて、

    「またやりたい、映画をしっかり撮りたい」と思い始めました。試験に受かって運よく奨学金も取れて、本格的に博士課程に進むことになったんです。

     

    ーー博士号を取得した中央戯劇学院は、日本にはない国立の映画演劇学校ということですが、新しい発見などありましたか?印象に残っていること等ありますでしょうか?

     

    なぜ中央戯劇学院に留学したかと申しますと、ほとんどの学科が舞台演劇の教育を取り入れているからです。映画学科では最初の二年間は映画撮影の実施と共に、ステージでの演出とお芝居を勉強します。その発表の為に映画の脚本を脚色したり舞台の台本を使ったりします。

    中央戯劇学院の英語表記は”The central academy of drama” なのですが、英語表記を見て僕が感じたのが、映画であれ舞台であれ、お芝居を観客に届けることに変わりはなく、大切なのはどの様なDramaを伝えられるか。そこが重要なのではないかと、常々思っています。

    そして、映画の物語を作り上げていく中で、クラスで徹底した議論を積み重ねます。シナリオやプロットを課題で仕上げて、一人ずつ皆の前で発表します。そのあとは、クラスの仲間から色々と意見が飛び交います。そして感想を述べる生徒同士で意見がぶつかり合い、肝心の発表した当事者が議論から置いて行かれるなんてこともよくあります(笑)。しかし、先生は解説を入れるだけで肯定も否定もあまりしません。あくまでも自由な議論を重要視させます。それは、先ほど述べた舞台演出での科目も同じです。僕がそこで学んだのは、批判されても批判しても、お互いの人間関係にしっかりとリスペクトがあることです。「喧嘩するほど仲良くなる」という言葉が中国語にもあるのですが、その考えが本当に根強いです。

     

    今回の作品が撮れたのも、本当に出会った中国の友人たちのお陰だと思っています。彼らの存在がなければ1年で留学を終えて違う仕事をしていたかもしれません。中国の学生さんは「こんなものを撮りたい」と一人ひとりがテーマを持っていて、「明確に表現したい」と強く思っています。だから彼らの映像は本当に力強いです。そんな彼らとは日本映画と中国映画の違いを沢山議論しました。



    ――どんな違いがあると議論になりましたか?

     

    実は僕は、日本映画の「抑えた感じ」があまり好きではなかったんですが、彼らが好きなのはそこでした。中国映画や香港映画はメッセージ性を強く前に出して語るしカメラワークも強い。でも日本映画はそことは距離を置いてわりとストーリーも平板です。その視点からもう一回観直してみると、日本映画をどんどん好きになって、結果的に『夏の夜の花』は日本風味を入れながら撮りました。

     

    彼らに日本映画のよさを気付かせてもらったことに感謝です。僕も日本からみた中国の話もするし。気付かない点をお互い語り合えたのかなと思います。



    ――影響を受けた監督は?

     

    選べませんが、やはり最初に映画を面白いと思ったのは黒澤明監督作品。カラーから入って白黒も観始めました。子供の頃だったのでうまく言葉にできませんでしたが、何とも言えない力強さやカッコよさを感じました。そこからは香港のウォン・カーウァイ監督が大好きになって中華系にハマりました。ハリウッド系も大好きですが、映画という意味では、黒澤監督やウォン・カーウェイ、チャン・イーモウに傾倒して、中国文化にも興味を持って、結果留学までした感じですね。



    ――監督は、いまテーマとして何を伝えたいですか?

     

    やはり家庭、親子をテーマにしたいです。実は大学の時から一貫して親子をストーリーの核として撮っています。次も構想していますが、おそらく娘と母がメインになります。



    ――社会問題としてなのか、ご自身の経験などからの問題意識があるのかどちらでしょう? 

     

    両方ですね。育ってきた環境、友人の家庭など色々な家庭を見てきたので。たとえば母子家庭や父子家庭などで抱える問題はありながら皆さんとても前向きなので、そういう部分を描けたらいいなと思います。色々な家庭の在り方がありますが、子供は親に愛してほしいという気持ちは絶対あるので、そこをしっかり描きたいです。



    ――まさに、今回の「あのセリフ」に凝縮されていますね。

     

    「あのセリフ」を言ってもらうまでに50分くらいかかって大変でした。ヤンヤンに気持ちを入れてもらって、カメラは長回しにしながら後ろに僕がいて、お母さん役にも居てもらって。あの一言を言ってくれた後にカットをかけた時、涙が出そうになりました。

     

    そんなわけで二度と子供を使った撮影はしたくないと一瞬思いましたが、やはり次もやってみたいです。大人の予定通りには進まないし大変なことも多いんですが、その中で気付かせてくれることが沢山あります。何よりも子供は現場のスタッフや役者さんたちの一体感を生んでくれる存在だと感じたので、次もやろうかなと。本当に大変なんですけどね(笑)。



    ――今回はナレーションもヤンヤン君。ぐっと来ました。

     

    最初はお母さんのナレーションで考えていましたが、編集していくうえで、お母さんの姿はもう十分伝わるなと。だったら、ヤンヤンは言えなくて諦めたセリフが多かったのでナレーションでやり直そうと。僕はちょうど中国で編集していたんですが、彼も中国にいるということで、マイクとヘッドホンと音響セット一式をもって向こうの高速鉄道に乗って、静かな部屋を用意してもらって、6時間かけて録音しました。

     

    その素材を持ち帰って音を入れ込んでいくと軌跡的にピッタリ合う。行ってよかったです。ちょうど彼が中国にいてくれたことも含めて運がよかったと思います。彼のおかげです。



    ――グランプリを取るべくして取ったという感じですね。映画としてはショートですが、構想も含めたら物凄い時間をかけた作品です。そこまで大変な思いをしてでも作り続ける映画の魅力とは?

     

    僕が小さいころから映画を観てきたのは、自分では体験できない、自分が知らない世界を映画が教えてくれるからでした。映画は外の世界を知るツールであり教科書でもあったんです。だから、自分が作る時は、そういう形で皆さんに提供したいという想いが強いです。

     

    また、国や地域が違うと言葉も変わりますが「人間は皆同じ」という部分は描いていきたいです。今回の家族は中華系の家族ですが、万国共通というか、世界中に通じる形で描いたつもりです。僕はそこを捨てたくない。追及していきたいですね。



    ――2020年を振返ってどうでしたか?

     

    表面的には失ったものが多い1年だったと思います。僕も、中国の家に帰れていないことでやりたかったことができていません。でも、映画の世界だけだと思っていたパンデミックの状況を突き付けられて、人間は一体どういうものだったかと考えされられました。

     

    だから、失った1年だと思ってはいけないなと。人間の100年という見方をすると、経済が発展して、中国の発展も凄くて、世界中が経済中心に突き進んできた中、ストップせざるを得ない状況になってもう一度考る、よい時期だったのではないかなと思います。当たり前のことが当たり前でなくなったときに、どれだけ感謝を忘れていたかを考える時期だったのかなと。仕事や収入面で大変な方々も多いのですが、大切な1年だったと思っています。

     

    ずっとスピードアップさせていくなんて難しいし、立ち止まって再発見することは沢山あります。気付かなかったこと忘れていたこと。不平不満もあると思いますが、ポジティブに捉えたいです。



    ――創作にも影響しそうですね。

     

    常にそう考えていますね。来年はやはり1本撮りたいです。この1年で気付いて感じたことを。僕は8~9年日本を離れていて帰省してもせいぜい2~3週間だけだったので、あまりちゃんと日本社会を見てこなかった。今はじっくり変化などを見ているので色々描けそうです。



    ――2021年、どんな年にしたいですか?

     

    ということで1本撮ります。とりあえずできるところまでやっていこうと思います。2020年で感じたことを2021年で表現したい。直接コロナを描くわけではありませんが、その中で感じたことを人間の心の中のこととしてうまく描けたらと思っています。



    ――高橋監督、本日はインタビューありがとうございました。新作の完成を楽しみにしております。





    インタビュー: 櫻井彩子





    「夏の夜の花」 24分31秒監督:高橋伸彰
    配信期間:2021年1月3日(日)~1月9日(土)
    ⬇️配信先⬇️
    http://www.nicovideo.jp/watch/1578656283
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    大阪で生活する中華系の母と子。4歳のヤンヤンは、父と数ヶ月前から会っていない。 彼は以前、父が描いた花火の絵を見つける。 それを見た母は、花火を見に行く約束をするも、その約束を日々の忙しさから忘れてしまう。                           

    ▼予告編      https://youtu.be/juLmuUudkvk 








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