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「彼」 猪浦直樹監督インタビュー
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「彼」 猪浦直樹監督インタビュー

2021-05-09 12:00

    東京インディペンデント映画祭・第1弾
    東京神田神保町映画祭スタッフによる推薦作品を配信いたします。


    今回は映画祭スタッフでもある、女優・平野綾子さんが
    推薦作品
    「彼」 猪浦直樹監督へのインタビューを行いましたので、
    本編の配信と併せてぜひご覧ください。


    ※本編は 会員登録(550円/月額)後に、ご覧いただけます。


    「彼」  17分15秒  監督:猪浦直樹 

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    <あらすじ>
    男性恐怖症の私は、見知らぬ若い男性から、ラブレターを渡されたが、すぐに手紙を燃やした。ところが、あの男が若い綺麗な女性と歩いているのを見かけると、侮辱されたような気がして、怒りで眠れなくなった。
    気がつくと、私は大嫌いな彼を尾行していた。

    <キャスト>
    水上詩苑、 成田真二
    東京インディペンデント映画祭 「彼」 17分15秒 監督:猪浦直樹

    配信期間:
    5/16(日)〜5/22(土)
    視聴URL:
    https://sp.nicovideo.jp/watch/1618655223
    ※期間以外は表示できませんのでご注意ください



    猪浦 直樹(いのうら なおき)

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    新潟市出身。明治大学卒。放送作家の後、フジテレビ『世にも奇妙な物語~マジシャンのポケット~』で、脚本家デビュー。

    第9回伊参スタジオ映画祭・シナリオ大賞2009短編部門、「彼」のシナリオ審査員奨励賞受賞。自費製作。第13回伊参スタジオ映画祭短編セレクション/第一回 新人監督映画祭 コンペティション部門短編作品ノミネート / 第19回 TOKYO月イチ映画祭。 

    2016年「田吾作どんのいる村」自費製作。第18回長岡インディーズムービーコンペティション撮影賞受賞/ 第二回関前諸島岡村島映画祭最優秀映像賞受賞 / 第三回東京神田神保町映画祭グランプリノミネート/第六回MKE映画祭ノミネート。



    本日はインタビュー、よろしくお願いします! 

     猪浦監督はフジテレビのドラマ「世にも奇妙な物語~マジシャンのポケット~」で作家デ ビューをされていますが、「彼」を監督しようと思われたきっかけは? 

     もともとは、テレビの脚本家になりたくて、何十年もシナリオライター目指してたの で、シナリオやプロットはいっぱいありました。 

     「彼」が第9回伊参スタジオ映画祭のシナリオ大賞2009短編部門にて審査員奨励賞を受 賞して、授賞式の時に、「彼」を自費で撮るって言っちゃったものですから。 

     

    細かい演出や絵力に心を打たれました。駅がとても可愛かったんですが、この映画の為にわざわざ建てたんですか? 

     審査員奨励賞をくれた審査員の方が、テレビドラマ「愛なんていらねぇよ、夏」や「ス トロベリーナイト」の脚本を担当している龍居 由佳里さんなので、オマージュで「龍居 駅」という駅名標を作って貼ったんです。実際は違う駅名ですね。駅はちゃんと存在するんですけど、ああいう駅が本当にあるんです。 

     そして、画力に関しては今回のカメラマンが髙間賢治さんというプロの方なんですが、 三谷幸喜監督の「ラヂオの時間」や、椎名誠監督の「白い馬」の撮影監督をした方なんです。髙間賢治さんの力で、東京からプロの録音、照明、美術の人たちが来てくれたおかげ で、映像があんなに綺麗なんです。 自主映画って、画は凝るけど音は拘らないじゃないですか。だけど音が重要なんですよね、結構。 


    髙間賢治さんが撮影してくれたんですね!髙間賢治さんとの出会いは? 

     僕が東京に居た時に、髙間さんの講演会を聞きに行ったんです。髙間さんは三谷さん、 椎名さんもでしたが、初めて映画を撮る人や若い人に門戸を開いている人で、「もし若い 人で映画撮りたい人がいたら連絡ください」と仰っていたので、監督する時は髙間さんに 連絡しようとずっと思ってたんです。それで映画を撮ることにした時に、思い切ってメールしたら、本当にすぐOKしてくれて、「やってもいいけど、美術だけはつけさせてく れ」と言われ、「GO」などの美術監督・和田洋さんを、連れて来てくれました。 

     髙間さんは「新人監督が若いカメラマンと撮るほど危険なことはなくて、新人監督ほど 俺みたいなベテランとやる方が安全だよ」と仰ってたんですけど、本当にその通りでし た。何も分からないから全部フォローしてくれるんですよ。だからあんなに良い映像が撮れたんです。 

     そして、それから何年かして髙間さんに会う機会があって、「なんであの時、僕の作品 の撮影を引き受けてくれたんですか?」って聞いたら、「あの時ちょうど暇だったんだ よ。」って言われて()。なので、いろんな運が重なりました。 


    主演の女優さんのキャラクターが役にピッタリでしたが、キャストはどうやって探しまし たか?

     私が新潟市に住んでいるので、新潟で探しました。地元の劇団にキャスト募集のチラシ とか配ったんですけど、応募が少なくて、なかなか決まらなかったんです。 

     その時に友達が、声優を育てている人を紹介してくれて、成田真二君と水上詩苑さんに 会ったんです。二人とも「STELLA*」というグループでアニソンを歌うパフォーマンスをやってる人なんですね。ちょうど成田君がハーモニカ担当だったので、それで思いついて映画の中でもハーモニカを吹いてもらいました。 

     詩苑さんは、当時、まだ、高校生だったんですよ。面接の時に、物静かなんだけど、胸 の内に秘めた何かを持ってて「この子いいな」って思って。 

     彼女は高校生で免許がないので、映画の中で運転しているのは、ヘアメイクの阿部久美 子さんです。何度も運転させて、悪い事しました。 

     詩苑さんは、今、東京に行って、XTEEN(クリスティーン)ていうパンクアイドルユニットをしています。 

    新潟の綺麗な景色に心を奪われました。ロケハンはどのようにされましたか?  

    製作費は全部自腹なので、お金貯めるまでに何年もかかるわけですよ。車は我が家の車 だし、あの帽子は私の母親の帽子だし。暇を見つけては、何年もロケハンが出来たんで す。 
     棚田は十日町市にある「星峠の棚田」っていうんですけど、毎日カメラマンが来てるくらい綺麗で有名なところなんですけども。 

     ハーモニカのシーンも、津南町の「中子の池」という、春になると桜が咲く名所なんで すが、偶然道に迷ってしまってそこに辿り着いたのがきっかけなんです。 

     

    大変だったことはありましたか?  

    普通は、プロデューサーさんや制作さん、助監督さんがいると思うんですけど、私、初 監督なので、何も知らないし、お金も無いから全部自分でやっているんですよ、制作もプ ロデュースも。助監督もいないんですよ。スタッフの食事場所も僕が事前に探して、撮影 の合間に「これから食べに行きますから」と電話したりして。その分あまり演出に力を入れられなかったな・・・と思ってはいて。 

     ただ色んなところでロケをした中で十日町市ってところにロケ応援団っていうフィルム コミッションがあって、すごい地元の美味しい物を出してくれるんですよ。例えば映画 「図書館戦争」もこの十日町市ロケ応援団でご飯をいただいたようで、その監督が「料理 のスタッフを東京に連れていきたい」って言うくらい、凄い美味しいもの食べさしてくれ ました。 

     

    撮影日数はどのくらいだったんですか? 

    2012年の8月に5日間で撮り切りました。スケジュールも全部自分で作って、宿も予約 して。カメラマンがカリスマなんで、トラブルが起きないんですよ。凄くスムーズに現場が回って。カメラも髙間さんが借りてきてくれたし。髙間さんは、長崎で別の映画の撮影 中でしたが、5日間だけ、抜けて来てくれました。義理堅い方です。 

     新潟に「国際映像メディア専門学校」という映画学校があるんですけど、機材や生徒さんを貸して頂きました。 

     髙間さんは、日本で最初に撮影監督システムを導入した方で、照明の上保正道さんと ずっと組んでいるので、すぐ照明が決まるんです。上保さんは、照明助手の山口峰寛さん を連れて来てくれました。録音と整音の光地拓郎さんと合成の宮武由衣さん、MAスタジ オの映広さんは、髙間さんの紹介。音楽のTommy Tommyさんは、光地さんの紹介です。 編集は、「Always 三丁目の夕日」や「永遠のO」の宮島竜治さんが急に出来なくなった ので、お弟子さんの鈴木真一さんを紹介してくれて、新潟で編集して頂きました。 

     

    監督ご自身についてお聞かせください。 もともとは監督志望ではなくて、脚本家志望だったのですね。 

     市川森一さんという、テレビドラマ「傷だらけの天使」とか「黄金の日々」を書いた凄い脚本家がいるんですけれども。高校生の時に市川さんが書いたNHKの「新・坊ちゃん」っていうドラマに感動しちゃって、テレビの脚本家になろうと思ったんです。 

     そして大学を卒業する時に、市川さんの家に突然おしかけて行ったら会ってくれて。 昔は、「マスコミ電話帳」とか「映画人手帳」という、文化人や芸能人の住所や電話番号が載ってる本が売ってたんですよ。それで調べて行ったら家にも上げてくれて。 

     その時、市川さんに、「就職したら、流されるよ」と言われて。それで就職せずにバイ トやりながら色々持ち込みをしてたんです。そしてやっと「世にも奇妙な物語」のシナリ オが一本通ったんですが、そのあとは機会に恵まれず、新潟に帰りました。 

     

    「彼」という作品で初めて監督をされてみてどうでしたか? 

     自分で書いたシナリオが二次元から三次元になる面白さがやっぱりあって、監督も一度 やると面白いですよね。テレビの脚本家って結局別の演出家がやるから、自分以上の作品 になることもあるけど、やっぱり自分が思ってるイメージと違うわけですよ。だけど自分 で脚本書いて監督すると、自分の思い通りのキャスト、スタッフ、場所、演技の指示がで きるから、より自分のイメージに近いものにすることができるので、それはやっぱりいい ですよね。 

     

     

    今回、脚本・制作・監督と全部ご自身でされて、どの過程が一番楽しかったですか? 

     撮影の現場も好きですが、ロケハンはやっぱり好きですね。予想もしなかった良い場所 が見つかると、興奮します。物凄く無駄足をしないといけないんですけど。 

     例えばブナ林を探しているとして、地図でブナ林を調べて一通り全部回ろうと思うんだ けど、ここは行っても無駄だろうなぁと思って駄目もとで行ったときに限ってよかったり します。期待しないで行ったら「キター!!」って()

     ブナ林のロケハンの時、山の中で一度脱輪しちゃったことがあって()。山の上でJAF を二時間くらい待ったことがあります()。山の中でもJAF来てくれるんですね。 


    自主映画について思うことは? 

    自主映画の良いところは、監督が本当に撮りたいと思ったものを撮っているところだと 思います。

    「彼」を持って全国回ったんですけど、地方の映画祭って観客少ないんですよ。苦労して 作るんですから、たくさんの人に観て貰える様に、劇場公開される映画を撮れる様になりたいですね。 

     商業映画の監督達が、自分の本当に作りたいものを撮れる様になれば、日本映画も、 もっと面白くなるのになあといつも思います。 


    「彼」を見てくれる方へ向けて何かメッセージありましたらお願いします。  

    見所は、新潟の景色とプロのスタッフの技術、水上詩苑さんと成田真二君の魅力です。
    万人に愛される作品ではありませんが、一部のマニア急増中です。(
    「シネスコにしたいんです」と言うと、髙間さんは、「シネスコこそ、This is movieですよ」と、すぐ賛同してくれました。  是非、大きな画面で !



    インタビュー・文:平野綾子(ひらの りょうこ)
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    a22cefacc7da546d4e3e01d5b3ecfa5bd5a0e28016歳の頃からお芝居を始める。その頃、家のケーブルテレビでダスティン・ホフマンの「トッツィー」を見てかなり衝撃を受ける。影響を受けた女優はシャーリー・マクレーン、ジュディ・デンチ、ケイト・ブランシェット。今、井上ひさし原作の「父と暮せば」をアメリカでアメリカの俳優と上演するために奮闘している。

    影響を受けた映画/「ディアハンター」「ヤコブへの手紙」「タクシードライバー」「ゴッドファーザー」「素晴らしき哉、人生!」





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