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「一夜二糸」齋藤栄美監督 インタビュー
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「一夜二糸」齋藤栄美監督 インタビュー

2021-12-05 12:00

    東京インディペンデント映画祭・第1弾
    東京神田神保町映画祭スタッフによる推薦作品を配信いたします。

     


    こんにちは、白水美代です。

    今回ご紹介する作品は、齋藤栄美監督「一夜二糸」です。

    一見対照的に見える2人の女性が、互いの欠けたところを補い合いながらそれぞれ1人の女性として凛々しく立ち上がる様が美しく描かれた映画です。

    出会ったばかりなのに誰より自分を奮い立たせる存在、そんな人に出逢えた彼女らをうらやまずにはいられません。

    是非ご覧ください。




    「一夜二糸」24分 監督:齋藤栄美

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    <あらすじ>

    結婚を機に台湾から来日したイージュンは、ある夜、夫の態度に耐えられなくなり家を飛び出す。夜の街を彷徨う中、入った居酒屋で亜樹に出会う。明朗快活な亜樹だが彼女にも人には言えない悩みがあった。

    「あなたも私も何も欠けていない」。一夜の出会いは二人の人生を前進させる。


    <キャスト>

     清水ゆみ、森口彩乃、古河耕史


    視聴期間:12/12(日)~12/18(土)

    https://sp.nicovideo.jp/watch/1637620325

    ※期間以外は表示されません              

    ※登録料(550円/月)




    齋藤栄美(さいとう えみ)プロフィール

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    東京造形大学映画専攻卒業後、フリーの助監督として、瀬々敬久監督、周防正行監督、黒沢清監督、三島有紀子監督など多くの監督の下で経験を積む。

    2017年若手映画作家育成プロジェクトndjcにて短編映画『トーキョーカプセル』を監督。2018年長編映画企画『うぶごえ』がMPA/DHU/TIFFCOMピッチングコンテストにてプレジデント特別賞を受賞、翌年Asia Pacific Screen Awardsに招待される。2020年短編映画『一夜二糸』が国内外複数の映画祭にノミネート。

    2021年ソニー・ピクチャーズによるオムニバス映画『DIVOC-12』にて短編映画『海にそらごと』を全国劇場公開。




    ▼齋藤栄美監督インタビュー▼


    早速ですが、「一夜二糸」という作品を撮ろうと思ったきっかけや制作年などを教えてください


    この作品の原案を書いたカメラマンの迫さんから、「一緒に作品を作りませんか?」と声をかけられ制作を開始しました。普段は自分で脚本を書いているので、今回は初めての共同脚本になるのですが、私にとって良い経験になったと思います。

    作品は2019年の冬に撮影をして、2020年の春に完成しました。海外の映画祭ですと、オーストラリアで開催されたBrisbane International Film Festivalをはじめ、その他、イギリス、カナダ、香港などの映画祭でノミネート&上映されました。日本では今年の秋にSKIPシティ国際Dシネマ映画祭でノミネート&上映されました。


    作品タイトル「一夜二糸」にはどのような意味がこめられているのでしょうか?


    この作品は或る「一夜」に「二人」の女性が出会う物語です。タイトルを「一夜二人」ではなく、「一夜二糸」としたのは、「糸」にした方が登場人物のはりつめた心情や、2人が交差し強くなっていくイメージを表現できると考え、「一夜二糸」というタイトルをつけました。


    違う生き方をしている2人が居酒屋で出会い、コインランドリーでお互いを語ったりラストシーンで主人公の気持ちが変わっていくところが好きです。まさに糸ですね。演出する際に意識したことや工夫したことはありますか?


    演出する際に意識したことは、物語のキャラクターに役者の方を当てはめるのではなく、役者の方に合わせてキャラクターをふくらませていくことです。その方が私が描いている人物像よりもさらにイメージが広がりますし、役者の方の魅力も存分に引き出せると考えています。

    これは今回の「一夜二糸」に限らず、いつも私が映画を演出する際に意識していることです。

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    ロケ地についても教えてください。コインランドリーを選んだのはどうしてでしょうか。またその他、こだわりのロケ地はありますか?


    ロケは阿佐ヶ谷、中野を中心に撮影をしました。コインランドリーを選んだのは、イージュンや亜樹の寂しさや孤独を和らげる、五感を刺激する場所が良いと思ったからです。コインランドリーって、洗剤の匂いや湿った暖かな空気、洗濯機の回る音がしていて、他人の息遣いを感じますよね。1人じゃないんだという安心感に包まれた環境に2人をおき、本音を語り合うシーンを撮影したいと考えました。

    他にこだわったロケ地としては、イージュンの家です。冒頭の雑踏や居酒屋など、賑やかで色があるロケ地とは対照的に、イージュンの家は冷たさが漂う白を基調したシンプルなロケ地を選びました。


    この作品を推薦したスタッフ(白水さん)からエンディングでのヒールの足音がとても印象的だったと感想を聞いているのですが、このアイデアは?


    同録ではなく効果音の方に依頼して、こだわりをもって作ったので、そう言っていただけるのは嬉しいです。

    脚本段階から、この映画に関しては音楽を使いたくないと考えており、町の雑踏音、電車の音、コインランドリーの洗濯機の音など、環境そのものの音を活かしています。なので、ラストシーンも環境音で終わりたいという思いがありました。実は冒頭のイージュンが雑踏を歩くシーンでは足音を入れていないんです。彼女はまるで存在していないかのように足音もたてずに彷徨っています。そんなイージュンが、ラストでは自立した一歩を踏み出し、力強く歩いていくという意味合いを込めて、足音を際立たせた環境音をエンディングに入れました。


    作品への想い、また作品を楽しみにしている人たちへメッセージをお願いします。


    この映画は「私には何かが欠けている」と考えている女性たちの物語です。夫や恋人との関係や仕事。イージュンと亜樹は、1人では答えを出すことのできない、様々な悩みや葛藤を抱えています。そんな2人が出会い、互いを認め合うことによって、彼女たちは悩みや葛藤を燃料に変えて前進します。その力強く美しい姿を、観客の皆さんに感じ取っていただけたら嬉しいです。


    監督についてもお聞きします。映画に興味を持ったのはいつ頃でしたか?


    両親が映画好きだったので、物心ついたときには映画を観ていましたね。金曜ロードショーなどで良い映画が放送された時には、いつもビデオに録画してくれていたので、その映画を繰り返し見ていました。子供の頃好きだった映画は「ネバーエンディングストーリー」です。映画の世界観が魅力的で、いつかこの中に入ってみたいと思っていました。それは難しい願いなんですけど...。でもある日「ネバーエンディングストーリー」のパンフレットでメイキング写真を見た時、「映画を作る人になれば、映画の中に入れるんだ」と思ったんです。そこからさらに、監督になれば自分の好きな世界をつくれると思い、監督を目指しました。


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    小さい頃から映画に触れてこられ、学生の頃は映画について何か学んだりしましたか?

    また、卒業後はどのような経験をされましたか?


    学生時代は東京造形大学の映画学部で映画やアート映像について学びました。大学卒業後は、瀬々敬久監督、周防正行監督、黒沢清監督、三谷幸喜監督、三島有紀子監督など多くの監督のもとで、商業映画の助監督として経験を積みました。自分自身が監督となった今でも、助監督時代に得た経験は役にたっており、とても感謝しています。

    でも今は、撮影所システムがあった昔とは違い、助監督から監督になるのは難しい現実があります。そんな時に文化庁が主催する「ndjc:若手映画作家育成プロジェクト」という、オリジナル脚本で短編映画を監督できるプロジェクトがあることを知り、応募し合格しました。このプロジェクトで「トーキョーカプセル」というカプセルホテルを舞台にした短編映画を脚本監督し、監督デビューをしました。


    さまざまな経験を経て映画監督を掴んだのですね。最近の活動やこれから手掛ける作品についてもお聞かせください。


    最近では、ソニー・ピクチャーズエンターテインメントによる『DIVOC−12』というオムニバス映画の中の一編、『海にそらごと』を脚本監督し、全国劇場公開されました。また、最新の短編映画『1.2%』を海外の映画祭に出品中でもあります。

    短編映画は数作品監督しているものの、まだ長編映画を監督したことがないので、次は長編映画を監督したいと思っています。


    最後に映画の道を志す学生に向けて一言メッセージをお願いします。

    映画に限らず、好きなものを見つけたら自分で限界を決めずに、実現に向けて努力し続けてほしいです。チャンスはいつ来るか分からないですし、途中でやめてしまったらチャンスを得ることすらできなくなってしまいます。好きなものがあるって、とても素晴らしいことだと思うんです。自分の好きなものを大切にして下さい。



    貴重なお時間頂きありがとうございました。

     





    白水美代(しろうず みよ)プロフィール

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    福岡県出身

    日本大学芸術学部映画学科 在学中。

    児童期より演劇に親しみ、高等学校在学中、ミニシアターでの映画鑑賞に熱中。

    映画のカメラマンを志す。

    現在は人物、風景問わず写真を撮り、Instagramにて公開している。映像作品も製作中。

     


    好きな映画は「リップヴァンウィンクルの花嫁」「ある船頭の話」「Twilight saga」シリーズ「ホモ・サピエンスの涙」「春江水暖」「名もなき生涯」「エヴォリューション」など


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