【詳細版】スーパードンキーコング RTA 視聴者向け基礎知識
閉じる
閉じる

新しい記事を投稿しました。シェアして読者に伝えましょう

×

【詳細版】スーパードンキーコング RTA 視聴者向け基礎知識

2019-06-20 21:26

    概要

    スーパードンキーコング (DKC, Donkey Kong Country, ドンキー1) をプレイしたことがあるRTA視聴者を対象に、ドンキー1のRTAがどういうものかをざっくりと紹介するための記事です。

    とんこつのドンキー1RTA放送を見に来た方に、はじめに目を通していただいたり、FAQのように参照していただくことを想定しています。

    やや情報量が多いので、一部カットして短くまとめた概要版もあります:
    【概要版】スーパードンキーコング RTA 視聴者向け基礎知識:とんこつのブロマガ - ブロマガ

    この記事では、ドンキー1RTAに関する基礎知識を以下の4項目に分けて紹介していきます:

    I. 主要カテゴリ

    II. 主要な技

    III. ドンキー2&3との違い

    IV. バージョンによる違い



    I. 主要カテゴリ

    speedrun.com (SRC) 上の6つの主要カテゴリについて紹介します。

    Donkey Kong Country - Leaderboard - speedrun.com

    いずれものカテゴリも計測開始は「One Player」選択の瞬間、終了はクルール撃破後にバナナが地面に触れた瞬間です。

    カテゴリ名に続く数字は、2019年6月30日現在のSRC上の世界記録です。


    1. All Stages (WR 31:56)

    全てのステージをクリアするカテゴリ。競技人口最多。

    口寄せを利用して終盤ステージにワープするカテゴリと区別してこのように呼ばれます。

    日本語では全ステージRTA、あるいは単に全ステとも。


    2. 101% (WR 46:10)

    達成度101% (完全クリア) を目指すカテゴリ。

    101%の内訳は、(通常ステージ×33) + (ボーナスステージ×67) + (キングクルール) です。

    ワールド1〜6のボス戦は達成度と関係なく、実際ワールド2のボスはバグ技によってスルーされます。

    また、ボーナスによる達成度は入った瞬間に加算されるため、ボーナスイン後はスタートセレクトで離脱したりわざと失敗したりします。


    3. Any% (WR 7:59)

    口寄せによるワープを使ってもよいので、とにかく最速でクルールを撃破するカテゴリ。

    ワールド1から3-5、3-5から6-2にワープするのが現行のルートです。


    4. Old Summon (WR 16:16)

    6-2へのワープが発見される前に最速であった、旧any%とも言えるカテゴリ。

    1-1から4-5にワープして、それ以降はall stagesと同様に進みます。

    日本語では旧口寄せRTAとも。


    5. No Major Skips (WR 40:57)

    主要な「ワープ」が全て禁止されたカテゴリ。

    「ワープ」の定義はステージの一部をショートカットすることであり、例えば以下の項目が該当します:

    ・ボーナス、ワープバレル、ステージ間をワープする技の利用

    ・スーパージャンプ (後述) などの、ステージの一部をひとっ飛びできる技の使用


    6. Reverse Boss Order (30:38)

    ステージ間ワープを駆使して、ワールド6のボスからワールド1のボスまでを逆順に倒してからクルールを撃破するカテゴリ。

    長らくマイナーカテゴリ扱いでしたが、2019年5月にNo Major Skipsとともに主要カテゴリに昇格しました。



    II. 主要な技

    All Stagesにおいて特に重要な7つの技をピックアップして紹介します

    (他のカテゴリで重要な技や細かい技もたくさんありますがここでは省略します)。

    使用されるステージ、短縮タイムに関する記述は全てAll Stagesに準拠します。


    1. Fanfare Skip (ファンファーレカット)

    海外版限定。ステージクリア後に流れるファンファーレ中にA、B、Y、X、スタートのいずれかを押すと演出をカットすることができ、全ステージ合計で約52秒の短縮になります。

    走者によってはペンなどの道具を使って連打するため、激しいカチャカチャ音が発生します。


    2. Mapwarp (マップワープ)

    海外版限定。ワールド1のマップにはコーナーが4ヶ所存在しますが、コーナーに重なる瞬間にA、B、Y、X、スタートのいずれかを押すと1-2または3-5にワープできます。


    ワープの猶予は1F (60fpsのゲームなので1/60秒) です。

    また、コング2体で歩いてのマップ移動中にはワープ不可能です。


    All Stagesでは3-4クリア後に3番目のコーナーを利用して3-5終盤にワープします。

    短縮タイムは約16秒であり、11回以内にマップワープを決めれば普通に3-5をクリアするよりも速いことになります。


    3. Extendo (Extended Roll、ディレイローリング)

    敵を巻き込むローリングの距離を伸ばすための基本テクニックであり、ほとんどのステージで使用されます。

    ローリング始動後にYを一旦離して、敵を巻き込んだ後にYを再入力すると、単にYを押しっぱなしにするよりも距離を稼ぐことができます。

    以下、3-4での使用例をお見せします。

    Y押しっぱなしのローリングではロープに届きませんが



    2体目を巻き込んだ後にYを離して空中で再入力するとローリングの距離が伸び、ロープを掴むことができます。




    4. Superjump (SJ、スーパージャンプ)

    画面外まで限りなく高くジャンプするバグ技です。

    「とある仕込み」を行った後で、Bを押しっぱなしにした状態で敵やアニマルコンテナを踏むと、Bを押している間いくらでも上昇し続け、Bを離した瞬間に落下が始まります。

    通常は、横移動速度を稼ぐためにYも押しっぱなしにします。


    以下、2-5での使用例です。

    まず壁際で被弾して、被弾したドンキーが画面外に大ジャンプするようにします (仕込み)。



    相方を回収し、犠牲ジャンプでそのままクラッシャを踏みます。


    このときBを押しっぱなしにしていると、画面外のワープバレルに大ジャンプで入ることができます。


    この技には主に3つの利用法があります:

    (1) ステージのギミックを無視して簡単にゴールまでひとっ飛びする

    (現行の最速ルートでは採用されていませんが、3-3、5-3、6-2などのステージで安定ルートとして使用されることがあります)。

    (2) SJ状態でロープに掴まることで別の大技 (SFR) につなげる (後述)。

    (3) 通常のジャンプでは届かないバレルに無理やり入る (2-5の例)。



    5. Jumproll (JR、飛鳥文化アタック)

    空中をローリングで一直線に飛び続ける大技です。

    敵を踏む瞬間の1FにYを入力してローリングを始動すると以下のような状態になります。



    Y入力が1Fでも早いとただのローリングに



    Y入力が1Fでも遅いとただ敵を踏むだけになってしまいます。



    また、Yを入力後すぐに離さないと普通のローリングに化けてしまう場合があるので、場所によってはYをチョン押しすることが必要です。

    以下、JRが使用されるステージと短縮タイムを挙げます。

    これから挙げるJRはしばしばステージ名の略称 (太字) で呼ばれます。


    5-5 (MCM, Mine Cart Madness)

    3秒短縮。1Fでも遅れると落下死するので狙わない走者も少なくありません。


    6-1 (TuT, Tanked Up Trouble)

    クリッターを利用するJR (kremTuT) と、ネッキーを利用するJR (birdTuT) の2回チャンスがあります。

    kremTuTは約56秒 (安定法だと8〜38秒)、birdTuTは約43秒の短縮になります。

    またJR状態では

    約4秒ごとに1ピクセルずつ高度が下がる

    敵をスルーできるがジンガーにだけは被弾する

    という仕様があるので、左右にグリグリ動いて高度を落とすことで蜂やタルを避ける動作が行われます。


    6-5 (Perils, Platform Perils)

    10秒短縮。失敗した場合、約5秒犠牲にして2回目のJRを狙うことができます。

    また単騎でない場合には、ドンキーに入れ替えて犠牲することでさらに別の場所でもJRを狙うことができます。



    6. Super Jumproll (SJR、大化の改新)

    ローリングで画面外を高速に飛び続ける、SJとJRを組み合わせたような大技です。

    5-1を例に紹介します。

    ・まずはSJと同様の仕込みを行います (ディディーが画面外に大ジャンプすればOK)。



    ・相方回収後、敵を踏む瞬間の1FにYを入力します(Bは押したまま)



    ・敵をたくさん巻き込むと、より高速になります (4体で最高速度)。



    以下、SJRが使用されるステージと短縮タイムを挙げます

    (ステージ名の略称で、そのステージでのSJRそのものを指すことがあります)。


    3-3 (Frenzy, Forest Frenzy)

    SJによる安定ルートと比べて約18秒短縮。

    2019年2月、SFR (後述) による別の安定ルートが発見されました。


    4-6 (RBR, Rope Bridge Rumble)

    通常ルートと比べて約10秒短縮。

    SJRに挑戦して失敗した場合と比べると約19秒差が出ます。

    タイヤ上で始動する関係で、ここのSJRは例外的に猶予1〜7Fとなります。


    5-1 (ODA, Oil Drum Alley)

    通常ルートと比べて約23秒短縮。

    SJRに挑戦して失敗した場合と比べると約28秒差が出ます。

    犠牲せず2体で行う攻めルート (damageless ODA) も存在します。


    5-3 (Antics, Elevator Antics)

    通常ルートと比べて約13秒短縮。

    SJRに挑戦して失敗した場合と比べると約18秒差が出ます。

    ただし2体で5-3に入場しないと挑戦できないため、通常のODAを決めていない場合か、damageless ODAを決めた場合にしかチャンスはありません。


    6-3 (Misty, Misty Mine)

    通常ルートと比べて約25秒短縮。

    SJRに挑戦して失敗した場合と比べると約29秒差が出ます。

    2018年11月、SFR (後述) による安定ルートが発見されました。


    これら以外にも、1-2、3-4、6-2、6-4などでSJRによる短縮が可能です。

    しかし、仕込みがピクセルパーフェクト、短縮幅が小さい等の理由から、RTAでは現状ほぼ使われていません。



    7. Super Free Roll (SFR)

    SJ状態でロープを掴んでから着地し、そこからSJRと同じように高速ローリングで画面外を飛行する技です。

    基本的に1F技であるSJRとは対照的に、ロープを経由してSJの上昇力を保存することで簡単に出せるので、Super “FREE” Rollと呼ばれます。

    以下、6-3での使用例を紹介します。

    ・ディディーが大ジャンプで退場するように被弾することでSJを仕込みます。


    ・SJを発動し、そのままロープに掴まります。


    ・ロープからオイル缶に着地します。ローリングを出すと上昇を開始し、敵を巻き込むことで高速化します。


    All Stagesにおける使用ステージは主に3-3、6-3です。

    どちらもSJRルートと比べて約2秒のロスでステージをクリアすることができます。

    他にも3-4、5-1、5-3などで安定ルートとして採用されることがあります。



    III. ドンキー2&3との違い

    同シリーズ他作品のRTAと比べた場合の競技性と競技人口について、

    (どうしても主観が入りますが) なるべく客観的に説明します。


    1. 競技性

    ドンキー1ではチームアップなどのアクションや凝ったギミックが少ないため、ディディーのローリングジャンプの精度の重要性が高いという特徴があります。

    良く言えば多くのステージを高速で駆け抜けるスピード感が爽快であり、悪く言えば作品自体のボリュームが少なく、(特にボス戦が) 単調です。


    また、シリーズ最初の作品ということもあり派手なバグ技が多めですが、

    JR、SJRをはじめとする1F技がタイムを大きく左右する点も大きな特徴です。

    これらは特に後半ステージに偏っているので、ドンキー1RTAの大きな見所でもあります。


    ただし、2018年11月にSFRが発見されて以降、1F技の重要性は小さくなってきており、

    今後も新技の発見によって競技性が変わる可能性は大いにあります。



    2. 競技人口

    世界的に見るとドンキー2 > ドンキー1 > ドンキー3の順にSRC上の競技人口が多く、

    日本人走者に限ればドンキー2 > ドンキー3 > ドンキー1の順となります。

    日本での人口が少ない最大の理由は、ドンキー1に限っては全カテゴリで海外版が有利であるからだと考えられます。

    そのため、ドンキー1RTAには他の作品以上に国内のコミュニティで日本語版の競技が独自に発展してきた歴史があります。

    例えば新口寄せany%RTAは、そのような流れの中で確立された競技の一つです。

    スーパードンキーコング - ニコ生RTA Wiki



    IV. バージョンによる違い

    まず日本語版、北米版のバージョンの違いについて述べます。

    日本語版ではファンファーレカット、マップワープができないため、全カテゴリで北米版が有利です。

    他にも敵配置、当たり判定、暗転時間など細かい差がありますが、主要なのはこの2点です。


    以下、北米版バージョン1.0〜1.2 (U1.0〜1.2) の違いについて説明します。

    カートリッジのバージョンは、裏面の刻印によって高確率で判別することができます。

    またこの判別方法はドンキー1に限りません。


    U1.0 (裏面の刻印が数字2桁)

    どのカテゴリにも最適なバージョンです。


    U1.1 (裏面の刻印が数字2桁+A)

    Old Summon、Reverse Boss Order以外のカテゴリには最適なバージョンです。

    口寄せによるワープ時にU1.0と異なる挙動をするため、この2つのカテゴリではタイム的に不利になります (ワープ自体は可能です) 。


    U1.2 (裏面の刻印が数字2桁+B)

    ファンファーレカット、マップワープができないので通常は用いられません。

    また、VCはバージョン1.2です。

    北米版カートリッジを入手するには、北米版Amazonでの個人輸入や、セカイモンなどの輸入代行業者を利用するといった方法があります。
    いずれもU1.2を購入しないよう注意が必要です。


    走者の方へ

    内容について修正が必要な点がありましたらtwitter (@tnkt_kong) かdiscord (tonkotsu#6716)、放送内コメントにて直接ご指摘いただければ幸いです

    (他の方法だと気づかないことがあるため)

    記事内容の改善のため、ご協力のほどよろしくお願いします。


    広告
    コメントを書く
    コメントをするには、
    ログインして下さい。