Myrath/Legacy
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Myrath/Legacy

2017-02-27 00:30



    1. Jasmin
    3. Get Your Freedom Back
    4. Nobody's Lives
    5. The Needle
    6. Through Your Eyes
    7. The Unburnt
    8. I Want To Die
    9. Duat
    10. Endure The Silence
    11. Storm Of Lies
    12. Other Side (Bonus Track)

    北アフリカに属するチュニジア共和国の首都チュニス出身、現在はフランス中央部の都市ナンテールにて活動するシンフォニック/フォーク/プログレッシブメタルバンドの4th。2006年結成、前身バンドX-TazyではSynphony Xのカバーをプレイしていたとされる5人組バンドで、アラビア語で伝説という意味を持つMyrathへと改名後、フランスのプログレッシブ/ネオクラシカルメタルバンドAdagioのキーボーディストKevin Codfertに見出される形でデビューを飾ります。中東風フォークソングなフレーズとメタルサウンドを融合させた2nd「Desert Call」で彼らの存在はコアなメタルリスナーに認知されることになり、続く3rd「Tales of the Sands」はアラビアンテイストを更に色濃く表現、そしてより洗練を重ねた彼らの集大成に相応しい傑作アルバムで、キングレコードから国内盤のリリースもされていました。その後、海外の大型フェスへの参戦やUSプログレメタルの覇者Dream Theaterやオリエンタルメタルの第一人者であるイスラエルのOrphaned Landといったメジャー級のバンドとのツアーを行って、認知度/実力共にしっかりと身に付けてシーンでの存在感も日に日に増しています。ちなみにチュニジアという国は西にアルジェリア、南東にリビアと国境が接していて、北はイタリアがあるためヨーロッパとの接点や影響が比較的強いのだとか。

    約5年ぶり通算4作目となる本作「Legacy」でも、前作を引き継いだ異国情緒溢れるオリエンタルなプログレッシブメタル(例えるならSynphony X/Kamelot×オリエンタルテイスト)を披露しますが、前作発表の前後に母国で大規模な民主化運動の影響でバンド側も活動を制限せざるを得ない状況になったようで、その葛藤や信念/メッセージ性を込めてじっくりと制作されたものらしく、自身のバンド名を掲げ今まで以上の意気込みを感じさせます。結成当初から繋がりのあるAdagioのKevin Codfeltをプロデューサーに、そしてJens Bogrenが前作同様ミックスに携わることでメジャー級の磨き上げられたモダンなプロダクションを獲得。現代的な音の質感がソリッドなへヴィさを引き立てると同時にシネマティックで豪華絢爛なシンフォアレンジのお陰で作品のスケールが更にグッと上がり、ワールドサイドなプログレメタルバンドへと順当に洗練/進化している姿が確認出来ます。国内での高い評判→ラウパ出演に繋がったのも納得が出来る内容であります。でも2ndからリアルタイムで聴いてきてる身としては何故今更Myrathがあたかも突如現れた新人みたいな扱いを受けているのかはちょいと謎ですな。

    アラビアンテイストにオーケストレーションが加わる映画さながらの劇的なインスト1. Jasminから次曲へ繋ぎ、Zaher Zorgatiの演歌顔負けの熱い歌唱が胸を締め付けるような哀愁性を呼び起こし、エピカルなフレーズを頻発するアラビアン節炸裂な楽曲サイドとの絶妙なバランス加減が堪らないキラートラック2. Believerからして掴みは十分で、クラウドファンディングで資金を募って制作されたPVも必見。USプログパワー直系のソリッドに刻み込まれるリフの報酬や手数の多いリズミカルなドラミングと共に決意を秘めたかのように雄々しく進行する3. Get Your Freedom Back、奥行きと臨場感を兼ね備えたプロダクションが妖艶なストリングスやkeyの音色を一層美しく哀愁的に演出する扇情性の高いオリエンタルナンバー4. Nobody's Lives、程よい緊張感とエネルギッシュとまで言えるへヴィな演奏パートが牽引する5. The Needleなど中盤にかけての流れも秀逸で、ミドルテンポの楽曲中心ながらも隙あらば導入されるストリングス隊やメッセージ性に富んだ歌メロパートがとにかく充実、通して聴いてても全くダレません。聴く者の魂に訴えかけるような情熱的でロマンティックなアラビアンバラード8. I Want To Die、オリエンタルな旋律を熱気が吹き荒れるかのように力強くエモーショナルに歌い上げていく9. Duat、近年Kamelot風のモダンダークなテイストを備えながら、あくまでも表現力の高いヴォーカルラインを生かしたメロディアスな歌メロに重きを置いた10. Endure The Silence~11. Storm Of Liesなど後半戦の楽曲もとにかく濃密で聴き応え抜群。輸入デジパック盤収録のボートラ12. Other Sideも本編に入れて申し分ない良曲。持ち前のアラビアンな旋律や壮大なシンフォアレンジに埋もれることのない硬質なメタルパワーをヒシヒシと感じさせる演奏パートのバランス加減も然る事ながら、フックのあるキャッチーな歌メロの充実度が過去最高に高まって取っつき易くなっているので、初めてMyrathを聴くという方やプログレという単語に高い敷居を感じてしまうって方でも是非チャレンジして欲しい一枚です。年間ベスト作品。


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