Tim Hecker/Virgins
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Tim Hecker/Virgins

2013-12-21 22:57



    1. Prism
    2. Virginal I
    3. Radiance
    4. Live Room
    5. Live Room Out
    6. Virginal II
    7. Black Refraction
    8. Incense At Abu Ghraib
    9. Amps, Drugs, Harmonium
    10. Stigmata I
    11. Stigmata II
    12. Stab Variation

    13. Virginal II Out (Bonus Track)

    カナダはバンクーバー出身でモントリオールを拠点に活動しているエレクトロニカ/アンビエント/ドローン/モダンクラシカル系ミュージシャンの7th。この薄暗い部屋の中で白い布で覆われた鉢といったアートワークは、得体の知れない何かに対する恐怖と覗いてしまいたいという好奇心を掻き立てられますね。音響/ニカシーンにおいて絶大な支持を得ているアーティストで、
    今年初の来日公演も行っていた模様。私は前作にあたる「Ravedeath, 1972」から聴き始めたのですが、アイスランドのキャビレークにある教会にてたった一日で録音された作品で、荒涼とした大地をバックにぼやけたピアノやシンセを用いた厳かでエクスペリメンタルな電子音楽を作り上げていて、こうスッとトリップ出来る心地よさや掻き毟るようなノスタルジー溢れる逸品でベスト級の内容でありました。各メディアにおいてもかなりの高評価を得たようです。そんな前作から約二年、同じく電子界隈の若手筆頭にしてBrian Inoの正統後継者とまで言われているOneohtrix Point NeverことDaniel Lopatinとのコラボアルバム「Instrumental Tourist」のリリースを挟んでの新作「Virgins」は、前作と同じくキャビレーク収録に加え、モントリオールとシアトルも含めた三都市でレコーディングされたもの。ミックスにはTim Hecker本人とBedroom CommunityレーベルのオーナーでBjorkやMumと言った北欧系のアーティストとのコラボもしてるValgeir Sigurðsson、エンジニアには前作同様に奇才Ben FrostとSunn 0)))/Boris/Earth作品、そして先日のKayo Dotの最新作のプロデュースをしていたRandall Dunnが担当した非常に豪華な体勢で制作されたものであります。

    神秘的なアンビエント曲で時折ぐわんと押し寄せる音の波が不思議な感覚に陥らせる1. Prism、生楽器による芳醇でなめらかな音色の波に煌びやかな電子音を満遍なく散りばめた緩やかなミニマルナンバー2. Virginal I、前作「Ravedeath, 1972」に近い冷徹な灰色の世界を想起させ、次第に迫りくるノイズ音に気持ちが揺らぎそうになるダーク色強めな3. Radiance、悲しくも綺麗に響き渡るピアノの旋律と組み込まれた細切れのノイズが不気味さを煽り続ける4. Live Room、徐々に幽玄な雰囲気を醸し出してくるせいか神々しさすら感じる曲。その延長として機能する5. Live Room Outは蜃気楼でも見てるかのようにボヤっと離脱するミニマル系の楽曲。緊張感と不安定な感覚を纏うミニマル/ニカ音楽やってる6. Virginal IIはエクスペリメンタルで儀式的要素も強いことから無駄に中毒性を孕む。繊細で上質なピアノの響きが耳を癒していく7. Black Refraction、ゆっくりと壮大な方向へと音を導き心地よいハーモニーを響かせる9. Amps, Drugs, Harmonium、波のように押しては引くノイズを緊張感漂うクラシカルな楽曲で表現していく10. Stigmata I、揺らぎのあるミニマルなアンビエントに残像的なノイズを乗っけた続曲11. Stigmata II、木管楽器による神々しさが半端ではない12. Stab Variationはダークなモダンクラシカル調の近寄りがたい何かの存在の真相に迫るような底知れぬ恐怖感を秘めた名曲。ジャケの覆われた布の中身についてなのかもしれない。デジタルボートラの13. Virginal II Outは高音ノイズと壮麗なアンビエントの間を行く楽曲で神秘性高し。

    作品を通してダークな色合いが強くて、前作とは聴いたあとの余韻が明らかに異なるものでありましたが、ピアノやクラシカルパートとの折り合いが絶妙で、知らぬ間に聞き入ってしまう謎の中毒性にやられてしまい、最近はコレばっか聴いてます。特にアルバム後半に差し掛かるとこう何かを訴えかけてくるような不思議な感覚が募るというか、まるで個々が持つあの布の中身の正体を表しているかのようで非常に興味深く考察し甲斐がある作品だと思う。その個人的感想はおいおいとしてダークアンビエント×モダンクラシカルの相性の良さも然る事ながら、OPNの最新作「R Plus Seven」を聴いたとき同様に時間など忘れて永遠に浸り続けていたいと思わせるくらいの魅力も備えている。2013年間ベスト作品。



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