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Alcest/Shelter
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Alcest/Shelter

2014-04-21 22:32



    1. Wings
    2. Opale
    3. La Nuit Marche Avec Moi
    4. Voix Sereines
    5. L'Eveil Des Muses
    6. Shelter
    7. Away [feat. Neil Halstead]
    8. Délivrance
    9. Into The Waves

    フランスのシューゲイザー/ポストブラックメタルバンドの4th。ブラックメタルとシューゲイザーを融合したポストブラックという音楽性を世に広めた元凶、云わばポストブラックのパイオニアとも呼べるバンドの最新作。先行公開された2.OpaleのPVを見た瞬間、これブラックどころかメタルですらねーじゃんってかんじのヒーリングなインディポップ/ポストロックな仕上がりの曲で、男女が絵具っぽいもの投げたりしてイッチャイチャしてるようなモロインディライクなPVも非モテ自称硬派メタラーからすると怒りと悲しみが込み上げてくるのではないだろうか。他にもNeige氏が影響を受けたというシューゲイザー四天王一角SlowdiveのNeil Halsteadがゲスト参加ってことやこの光に手を伸ばして幸せ~的なインディさながらのアートワークからも脱メタル化の流れが容易に想像できたであろう。そんなかんじで一気にポスト/インディに垢抜けてしまったことから賛否待ったなし状態なのは想像通りなんですが、ポストブラから旅立ち新たな一歩を踏み出し、これが桃源郷の先の世界だと提示するような一作に仕上がっている。ちなみにピッチ先生では割と酷評されており、プログレデスから70'sクラシックプログレへと走ったOpethの「Heritage」やブラックメタルからパンク/ハードコア/D-Beatsへと変化したDarkthroneの「The Cult is Alive」のような立ち位置に当たる作品だと書かれている。そのため上記の二バンド同様大きな変化をした結果→やや物足りないと感じる作品であり、ポストブラックの代表アーティストの座からも降りたと...まぁこんなかんじで他のメディア等からも割と並程度の評価を貰っているようだが、そんなネガティブな印象とは反対に私は本作を聴いて、実に光を描いていくような幸福感で一杯なシューゲイザー愛に満ちた作品であると同時に、やはりこれは何処を切ってもAlcestの音楽以外の何物でもないと実感し、いちアルセマニアの一員としてマンセーせざるを得なかったというわけです。ちなみに本作はアイスランドにあるSigur Rósのスタジオ「Sundlaugin」にて同じくプロデュースも手掛けるBirgir Jón Birgissonによってレコーディング、マスタリングはインディ系統でお馴染みのSTERLING SOUNDのJoe LaPortaが担当。更にはSigur Rós関連のAmiinaをストリングスで採用したりとこれまで以上の拘りを見せる豪華なバック体勢となっている。

    空から光の粒子が漏れてくるかのような神聖なイントロ1. Wingsからの流れで始まり、太陽の光をそのまんま大の字で受け止めて幸福感で胸一杯にトキメクような曲で、今までのAlcestにはなかった眩いばかりの光を最大限に表している2. Opaleからこの作品の行き先を明確に示している。優しく繊細でありつつほんのりと憂いを帯びたメロディのアンニュイなドリームポップ3. La Nuit Marche Avec Moi、Neige氏のゆったりとした歌声に美麗なストリングスでもって徐々に高まっていき、後半からのあざとくもドラマチックかつポジティブで包み込まれるような温かな轟音はまるで近年Anathemaを聴いてるかのような気分で、しっかりと胸に響いてくる名曲4. Voix Sereines、スウェーデン出身のインディロック/フォーク系バンドのPromise and the MonsterのBillie Lindahlのコーラス(1.2.8.9.でも参加)を加えた、同郷のLes Disecretsを彷彿とさせる甘ったるくも気だるいフレンチで淡い仕上がりの5. L'Eveil Des Muses、その流れから再び眩いばかりの光の洗礼を受けるかのようなピュア過ぎるロマンティックシューゲイザーを展開し、太陽からの吸収した光エネルギーでもって聴き手を安らかなへヴンへと導く6. Shelter、シューゲ四天王で最近再結成を果たしたSlowdiveのNeil Halsteadによる深みのある渋めのヴォーカルに、優美なストリングスと土着的な柔らかな感触のアコギを加えたフォークソングな7. Away、そして本編のラストを飾る大曲8. Délivranceで、タイトル通りここへはない何処かへと向かう気持ちが全力で表現されており、中盤での天上へと駆け上がるような壮大さ極まりないクライマックスに、ただ息を呑みその狂おしいまでのカタルシスに浸り感動せざるを得ない。そして限定のカバーブック仕様形態のボーナストラックとして収録されている9. Into The WavesもCDの買い直しを考えさせるほどの素晴らしい出来の曲で、上記でも名前が挙がったBillie Lindahlがリードヴォーカルを務め、彼女の透き通ったウィスパーヴォイスに神聖なコーラスを加えた本作の曲とは一味違うインディロックな仕上がりとなっている。

    脱メタル化した本作は彼らの記念すべき1stフルアルバムでシューゲブラの金字塔とも呼ばれている「Souvenirs D'un Autre Monde」の進化版のように言われているようだが、今作ってのは前作「Les Voyages De L'Âme」のラストナンバーで当時は新機軸な曲だと思っていた「Summer's Glory」の続きの物語であると私は思っている。つまり大名盤1stは路線は同じながら儚さや哀愁要素が先行してたのに対し、今作は純粋なピュアさや光属性ってかんじで、近いように見えて一番かけ離れている気がします。聴き終えた後の感覚が全くもって違うからね。他にも一気に脱メタル化したやら日和やがってなんて意見もあったりするのだが、前作をラストまでしっかりと聴いている方なら今作は十分予想出来る流れであって何の違和感も感じないはず。少なからず迷いがあった前作よりは確実に向かう方向性がしっかりと定まっているし、トータルで見ても今作のが気に入りました。そんなことから2ndや3rdでメタル方面に向く必要ってなかったってことは全く無くて、あくまで前作があってこその今作だと思うのよね。それでもちゃっかりその年のベストに選出するくらいには3rdも気に入ってるんですがねw以上のことからメタルオンリーなガチ勢からすりゃもう興味ねぇよとなる可能性大ですが、そういう幅を狭くしてしか音楽聴けないやつは一生その殻に籠ってればいいよ。本作の良さを理解出来たものこそ「Opale」という石から生まれ変わり新たな次元へと旅立つことができるのだから。そんなポストブラ創設者Alcestが前作からの微妙なマンネリ感から脱するため、もしくはDeafheavenが「Sunbather」でポストブラックの完成形態のようなものを作り上げ、台頭していったことに対する焦りかは定かではないが、自ら終止符を打ち次のステージを示した本作は完全にシューゲイザー化したもののAlcest本来が持つ魅力が全く損なわれていない素晴らしい一枚。でも他のプロジェクトではちゃんとブラックメタルっぽい曲も披露してるし、先日のライブでもブラックらしい絶叫はフロアに響いていたので、ちゃんと元あった精神も忘れてはいないんだなぁとその点も非常に感心できる。さて次作はどうなるのか早くも目が離せないところですが、今作を聴いて改めて私はポストブラックだから聴いていたのもあるけど、あくまでAlcestの音楽に惚れていたんだと再確認した。きっとどんなジャンルの音楽へと生まれ変わろうがきっと極上の音楽であることには違いないと信じてるから今後も追い続けることになるんだろう。そして一皮剥けて前へと歩き出し、ポストブラックのその先を提示してくれたAlcestにはホント敬意を表さずにいられないね。そして先駆者の底力を見させてもらったね。飽和したポストブラ界隈に対する一撃とも取れちゃうか。先日のライブ補正もあるっちゃあるが、純粋に極上のピュア音楽を提供してくれたことからもやはりベスト行きは決まったも同然で、結構上位に入れちゃうような気すらする。んなわけでポストブラが云々別個として真正面から彼らの音楽に触れてみて欲しい渾身の一作である。だからと言っていくらインディ/シューゲ化しようがAlcestはモテるけどAlcest聴いてもモテるかと言われればNo!なんだからネ!とか金剛ちゃんに言われるのは間違いなさそうではあるが...






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