Nothing/Guilty of Everything
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Nothing/Guilty of Everything

2014-05-31 03:11



    1. Hymn to the Pillory
    2. Dig
    4. Endlessly
    5. Somersault
    6. Get Well
    7. Beat Around the Bush
    8. B&E
    9. Guilty of Everything

    USはペンシルベニア州フィラデルフィア出身のドリームポップ/シューゲイザーバンドの1st。元Deafheavenで現Whirr/Death Of LoversのギタリストNick Bassettが在籍しているバンドで、国内盤帯に書かれているとおりMy Bloody ValentineやSlowdiveあたりの古き良き90’sシューゲイザーを基盤としつつ、Jesuのようなやんわりと優しいへヴィなサウンドをミックスした理想的なシューゲイザーサウンドを鳴らしている。驚くべきはドゥーム/スラッジ/グラインドなどアンダーグラウンド色の強いバンドを数多く輩出するRelapse Recordsからのリリース。世間的にウケの悪いジャンルに精通してるレーベルからスウィーティなシューゲイザーバンドがデビューしたんだから最初は目を疑ったが、元Deafheavenってことで一応メタル畑出身なのだから納得できないわけではないが。話題性としてはNick Bassettばかりに注目してしまいますが、実はバンドの創設者でヴォーカル&ギター担当のDomenic Palermoって人物の影響のがサウンドに強く影響している。彼はHorror Showなるパンク系バンドを組んでDeathwishに所属していたようですが、身内と喧嘩して相手を刺して障害&殺人未遂で逮捕されたという経歴を持っており、出所後、数年間途方に暮れたのちやはり音楽しかないとして結成されたのがこのNothingなのだという。そんな再起を掛けた本作、プロデュースにはKurt Vile,The War On Drugsなどインディバンドを中心に手掛けるJeff Zeiglerを起用、極上の甘く淡い轟音シューゲイザーを聴かせるが、「Guilty Of Everything/すべてにおいて有罪」なんてタイトルを付けただけあって、ぽっかりと空いた空虚な感覚や鬱鬱しい不の感情が沸いているのはやはりDomenicの経歴が関係しているからなのかも。ヴォーカルも罪を懺悔し微かな希望を求めるが如く歌ってるかんじが何となしに伝わってきますし。

    初期のThe Smashing Pumpkinsのようなオルタナ/グランジ臭をムンムンと放ちながら、ポストロック風味のドリーミングな轟音をダイナミックにかき鳴らす1. Hymn to the Pilloryからして、独特の憂いに満ちた儚さと背負った枷の重さの如くドゥーミーな重みをヒシヒシと感じさせる重圧的な楽曲を皮切りに、叙情的なメロディを乗せた歪んだ轟音ギターに憂いを帯びた儚いヴォーカルを乗せたピュアな名曲2. Dig、The Pains of Being Pure at Heartのようなノイジーなギターサウンドに乗せて蒼く清らかに駆け抜ける気持ちの良いシューゲイザーナンバー3. Bent Nail、透明感のあるスウィーティな美メロともっさりしたノイズ音が被さった4. Endlessly、浮遊感のあるふんわりとしたイントロ~蕩けるような甘美なメロディとポストパンク風のアンニュイな空間が支配する前半から徐々に感情が爆発するかのようなエモ―ショナルな轟音を鳴らし続ける5. Somersault、程よくラウドな感触を残したメロコアライクなハードコア疾走で飛ばす6. Get Well、ゆるふわで夢見系シューゲから一転、轟音ノイズの海へダイブしていく8. B&E、清涼的なギターサウンドでまったり進行する序盤からエモく感情を剥き出しにし、凶暴な不の感情なども含めたありとあらゆる全てを吐き出していく表題曲9. Guilty of Everythingまで時に激しく、時に儚く美しく...そんなデビュー作にして圧倒的な完成度を誇る本作はシューゲイザー好きならマストバイと言える傑作に仕上がっている。

    シューゲイザーブラックのパイオニアであるAlcestが最新作「Shelter」にてひたすらに光へと導かれていったのに対し、コチラは内向的な世界を只々儚く美しく描いています。ちなみに同時期にリリースとなったLantlôsの新譜もAlcestが提唱した脱ブラック/メタルな流れに乗っかって大胆にもシューゲ/ポストロック方面に大きく舵を切ってきましたが、流石にあざとさを感じるというか二番煎じ感しかなかったかんじで、真っピンクなネタっぽいアートワークみたく号泣しかけた。その流れの中で、ポストブラックブームの中心にいるDeafheavenの元メンバーのバンドが決定打となりうる傑作を届けてくれたことに感謝したいわけで、ネオシューゲ系の量産型でもなく、ダークな質感で全体に漂う退廃的なアプローチや何故かUSオルタナメタルや90'sグランジを聴いてる感覚すらあるという唯一無二の個性でもって勝負していることは頼もしいの一言。尚、大手海外メディアPitchfolkの10点満点中6.9という微妙な点数に対してバンド側がFacebookでディスリを入れているとのことで、見てみると3月6日付けで「Fuck Pitchfork. Fuck Ian Cohen.」とだけ書かれててホントウケる。言うて、インディ担当のIan Cohen氏のレビューを漁ってみるに中々の辛口だったので、Deafheaven「Sunbather」が8.9で俺らが6.9なんだっていう元メンバーからの当てつけというか逆恨みに思えなくもなかったり。私もインディ周辺の音楽を漁るようになってからというもの、2009年頃のブルックリンから始まったインディブームに乗っかってPitchfolkばかり見ていたクチだけど、昔ほどの低得点はほとんど見なくなったし、守りに入ったのか変に基準が温くなったことで高得点を連発するせいかあまり当てにならない気がしていて、最近ではそんなもんね~と作品の見逃しがないかチェックする程度の媒体としか思ってなかったり。またしても話がズレましたが、至高のへヴィ/シューゲイザーを鳴らす彼らのデビュー作は今年のインディロック周辺でも最も話題性に富んでいてその内容も含めて非常に面白い存在であります。年間ベスト作品。




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