Thurston Moore/The Best Day
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Thurston Moore/The Best Day

2015-04-07 00:25



    1. Speak to the Wild
    2. Forevermore
    3. Tape
    4. The Best Day
    5. Detonation
    6. Vocabularies
    7. Grace Lake
    8. Germs Burn

    USはフロリダ州コーラル・ゲーブルズ出身/現在はUKロンドンを拠点に活動するノイズ/オルタナティブ/フォーク系シンガーソングライターの4th。今年2月のHostess Club Weekenderでも来日(Band名義)を果たした活動休止中であるSonic YouthのフロントマンThurston Mooreの近年の動きを見ると、2012年に新たに結成したChelsea Light Movingでの活動、そしてUSのスーパーブラックことTwillightに電撃加入した件など話題性を欠かさない彼ですが、個人的にはそれは決して成功とは言い難かった。その前年にリリースされたアコースティック作品「Demolished Thoughts」を聴いた後だったから尚更思ってしまったわけで、それはBeckプロデュースによる儚くも眩しい光を放つ癒しの旋律の美しさに魅了された傑作でした。その背景には妻Kim Gordonと離婚寸前という渦中にあったことからどこか悲愴感も漂わせていたのも印象的で、その後の迷走に繋がった原因とも取れます。そして気持ちを新たに新天地UKロンドンに移り住んでからの本作「The Best Day」では、前作を踏襲しつつもSY時代のらしさが戻り復活を遂げる一作となっている。ちなみにべーシストはMBVのDebbie Googe、ドラマーはSY時代の相棒Steve Shelleyなど豪華な布陣。アートワークは随分昔にThurstonの父によって撮られた母が湖にて犬を抱いている写真なのだそう。

    まず冒頭を飾る1. Speak to the Wildと2. Forevermoreの2大曲におけるアコースティックギターを基本とした至ってシンプルに弾き語るスタイルからして、王道のオルタナらしいアプローチや徐々に熱を帯びてくるギタープレイにいつの間にか引き込まれているのだが、時折静寂パートを挟むことで溜まった熱量を程よく放出するその技は、彼の器用/繊細な面も垣間見たりします。前作に近いストリングスを擁したジャラジャラとアコギを弾き語るスタイルな3. Tape、そしてノリッノリな軽快さとギターロックサウンドがノイジーに響き渡る表題曲4. The Best Dayは正にタイトル通りの「最高の日」を印象付けるエネルギッシュで爽快感に満ちた名曲。その後もポストパンク的な荒さや疾走感を見せる5. Detonationや凛とした深みのあるハーモニーを奏でる6. Vocabularies、耳に響くハードな轟音ノイズがポイントとなる7. Grace Lake、そして最終曲となる8. Germs Burnもインディフォーク的な情緒感とオルタナ感、泣きのギターソロという実にThurstonらしい王道路線にて堅実に作り上げている。SYからの独特の雰囲気を受け継ぎつつ、爪弾かれるアコギやノイズなど彼らしさが全て詰まった集大成的な作品であると同時に、前作でのほんのり漂う哀愁や薄暗さが消え失せて、特有の渋さも残しつつも至ってシンプルで、活力やエネルギーをひしひしと感じ取ることが出来る。つまり俄然前向きな作品であり、彼の復活作として相応しい一枚が完成したと言えよう。とりあえず彼の才能が依然枯れていないことが確認できたことから、改めて他に手を出さずソロ一本で継続して活動して欲しい気持ちが本作を聴いて一層強まったわけですな。


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