水島総さんが「チャンネル桜」でぼくとの電話のやり取りを公開し、ぼくが田母神俊雄さんと水島さんのバトルに関して、水島さんに謝っていると誤解している方がいるので、事情を説明しておく。

一緒に運動をし、選挙も一緒に都知事選、衆院選と戦った二人がいつまでも争っていてもしょうがない、二人のためにもならないと思い、ぼくがニコニコ動画で毎週土曜1時半から放送している「ちょっと右寄りですが――週刊誌欠席裁判」という番組で話し合ってもらうという企画を立て、二人に話を持ちかけた。

田母神さんはスケジュールさえ合えばとすぐにOK。ところが水島さんは条件をつけてきた。

「田母神さんが貯金通帳を持って来るなら出てもいい」

都知事選、衆院選で集った寄付金の出入りを記録していた貯金通帳を持って来るなら出るというのだ。

初めは渋った田母神さんだが、結局、通帳を持ってくることに同意した。

で、そのことを伝えるべく水島さんに何度も連絡を取ったが、1週間、連絡が取れない。外国にでも行っているのか。二人のスケジュールが合う放送日が迫っている。少し焦っていた。

ふと部下の井上敏治さんに聞いてみようと思い立ち電話して、事情を話した。水島さんは東京にいるという。じゃ、連絡をくれるよう言って下さいと伝えた。

すると間もなく水島さんからぼくの携帯に電話がかかってきた。たまたま「ちょっと右寄りですが」放送中だったが、やっと水島さんと連絡が取れたので、そのまま話をし、田母神さんが通帳を持って来ると言っているので、番組に出てくれますよね、と念を押すと、水島さんが新しい条件を言い出したのだ。

「事前に通帳のコピーをくれるかフェイスブックで公開するかしてくれ。その場で通帳を見ても精査できない」

そりゃ、おかしいでしょう、水島さんは田母神さんが通帳を持ってくれば出ると言ってたのだから出て下さいと押し問答になった。

放送中だったのでその模様がニコニコ動画に流れた。もっとも水島さんの言い分は視聴者には多分、聞こえなかったろうから、一方的にぼくが喋っている姿が映っていただけだ。

これについて水島さんから「放送すると事前に断りがなかった」とクレームが来た。

交渉している様子が放送されて何か不都合があるとも思えないが、事前に断らなかったのは、たしかに水島さんの言うとおりなので、その点を後日の番組で謝ったのだ。

念のためもう一度お断りしておくが、二人のバトルに関して謝ったのではない。誤解している視聴者がいるのでお断りしておく。


花田紀凱