新国立競技場建設の見直し、良かったではないか。安倍総理の決断、国民の多くの支持も得ている。朝日新聞の世論調査だって、「評価する」が74%。

呆れ果てたのは18日の朝日の社説だ。

「強行政治の行き詰まりだ」と題して、書き出しが〈安倍首相の言葉が空々しい〉。

新競技場計画については、「空前の財政難のなか、無謀な巨費を投じる愚策」と言い、「公共事業にほど遠い代物だった」と断ずる。

朝日が計画発表の当初から、それほど厳しく計画を批判していたとは寡聞にして知らなかった。

で、安倍総理の決断に対しては〈急な心変わりは、審議を重ねるほど異論が高まった安全保障関連法案を、衆院で強引に採決したタイミングと重なり合う〉

〈内閣支持率の低落傾向に歯止めをかけたい。そんな戦術と勘ぐられても仕方ない〉

まさに典型的な下衆の勘繰り。下衆の勘繰りの見本みたいな社説だ。

平和安全保障法制に続いて安倍批判の絶好の材料と手ぐすね引いていたら、みごとに肩すかしを喰ってしまった口惜しさが滲み出ている。

よしんば朝日の勘繰るように「戦術」だったとしても、見直しを決断した方が良かったではないか。

朝日も前日まで「見直せ」「見直せ」と連呼していたではないか。

そして朝日は論を強引にこう引っ張っていく。

〈世論に押された末の今回の決定は、安倍流政治の行き詰まりを物語っている〉

時の政権を批判するのはいい。それがメディアの大きな仕事だろう。しかし、批判は飽くまで公正中立、是々非々であるべきで、ここまで、坊主憎けりゃに徹するのは異常だ。

考えてみると、政治史上、現役の時に朝日に誉められた自民党の総理はいないだろう。

安倍総理、気にすることはない。朝日に誉められたら気色が悪い、と思ってればいいのだ。

朝日もそうだが新国立競技場の見直し問題でもっと不可解、いや不愉快なのは舛添要一都知事だ。

「こんな朝令暮改をやるな」

「大日本帝国陸軍と同じ無責任体制」

「組織委員会関係者の発言を検証するといい。主張の整合性より内閣支持率が優先か」

などなどツイッターまで使って言いたい放題。

たしかに当初、都の500億円負担問題で舛添知事は不快感をあらわにしていた。

「税金を使うのだから、都民の理解がいる」と、ま、真っ当なことを言って下村文科大臣を批判していた。

それはそれで筋は通っていた。

ところが舛添知事、ある時点で、その強烈な反対をストップ。森喜朗氏や下村大臣とともににこやかに会見までしていた。

もしや、何か強力な鼻グスリでもかがされたのではと勘繰りたくなるほどの豹変ぶりだった。

ところが、見直しと決まったとたん、また元の怒りの舛添に戻ってしまった。

見直しで鼻グスリの効果がなくなった結果では!? むろん勘繰りですがね。

ま、しかし、結果的には見直して良かった。あのザハ・ハディドの設計、金のかかり過ぎもそうだし、第一、周囲の風景に馴染まない。

前の東京オリンピックの時に丹下健三氏が設計した代々木の競技場、斬新なフォルムだが、周囲の風景に溶け合っているではないか。



花田紀凱



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