メカとの付き合い ワンフェス2014スペシャル(高橋良輔監督出演)
閉じる
閉じる

新しい記事を投稿しました。シェアして読者に伝えましょう

×

メカとの付き合い ワンフェス2014スペシャル(高橋良輔監督出演)

2014-08-06 22:00
    先日のワンフェス関連の生放送で高橋良輔監督がちょっと出演していたのでちょっとまとめを…と思ってたらアーカイブ動画がアップされたので、別にもういいかな…w アーカイブ動画の20分頃までをまとめてます。

    ワンダーフェスティバル2014[夏]
    高橋良輔のメカとの付き合い
    ”特別出張版”

    『電撃ホビーマガジン』で絶賛連載中の「高橋良輔 メカとの付き合い」出張版。『装甲騎兵ボトムズ』や『太陽の牙ダグラム』といったリアルロボット作品を手掛けてきた高橋良輔監督をお招きして、これまで連載で展開してきた記事の振り返りと、いよいよ『電撃ホビーマガジン9月号』からスタートした「勇者王ガオガイガー編」の内容を少しだけ先出ししてしまいます!乞うご期待!!

    【出演】
    高橋良輔(アニメ監督)
    司会:木村学(電撃ホビーマガジン編集部)

    ー「メカとの付き合い」は9月号で第19回を迎える。取り上げてきたのはダグラム、ボトムズ、ガリアン、レイズナー、ガサラキ。振り返りとしてその中でもボトムズについて語っていければと。ボトムズについてはどういうところをポイントにメカを構築していったか。
    「色々と思うことはたくさんあったが、ポイントはやはり大きさ。スピード感のあるアクションをするのにどのくらいの大きさがいいのか。空中を飛ぶものであれば見せ方で色々ごまかせるが、地上に立ってるものだと、大きいとスピード感が出しにくいのでギリギリロボットのイメージを残しつつ。というのはもっと小さくなるとパワードスーツという概念が入ってくるかもしれないので。自分としては、これだったらロボットと認識してもらえるだろうという大きさを、大河原さんやスタッフと話して、4mという大きさに決めた。

    ー「人との対比」はダグラムでも描かれていたが、ダグラムからのサイズ面でのフィードバックはあったのか?
    「10mというフルサイズは人間との対比の中では、ロボットは大きくて重くて強いもの、という演出にならざるを得ない。素材的にはダグラムとボトムズはあまり変わらない。肌合いとしての「鉄」。私もそうだが大河原さんも鉄という素材をうまく使ってくれるので、鉄でいながらスピード感が出せてあまりもろくないというところに落ち着いた。」

    ーけっこう連載の中でも「鉄」という表現を使われていた。
    「世代的なものだと思う。私の世代だと鉄という素材がメカと結びつくのに素直だった。アニメの画面の中に込めるものと、音声もしくは違う情報として作品を補完するものとして言葉を使う場合、鉄という言葉を表現する、修飾することが多いが、新しい素材だと少なくとも自分のアンテナには引っかかってこないというか…。なので例えば「鉄と炎」と言えば作品のイメージが湧いてくるが「ジェラルミンと炎」というとなかなか…。そういうところもあって、鉄というものが自分の中ではマテリアルとして重要。

    ー着弾した時の音も鉄っぽいというか。スーパーロボットと違ってすぐ爆発しなかったり、爆発しないでそのまま沈黙というシーンも結構多かった。音で言うと印象的なのがローラーダッシュ。ローラーダッシュは音から入ったのか?
    「ローラーダッシュに関しては、先ほども言ったロボットの一番の魅力をどこに置くかと言った時にスピード感。スピード感を出すのに4mとは言え足でガチャガチャということではスピード感は出しにくいだろうと。で、あの機構を考えたが相当迷った。というのは私の世代のおもちゃというのはどんなものでも最終的に下にタイヤが付いて動かせるようになっている。だからタイヤを付けると自分の中ではおもちゃっぽい。リアルを標榜しながらおもちゃっぽくなるのはぶち壊しだということで、さんざん考えた結果、見せ方に関しては各演出がうまくやってくれるという自信があったので、やはり音だろうと。音に関して相当注文を付けさせてもらった。自分のイメージ以上に音があのロボットを助けてくれたんじゃないかと思っている。」

    ー確かに印象的な音になった。後にもローラーダッシュ的な機構を搭載したロボットはどんどん出てきたのでリアルロボットに非常に影響を与えたと思う。ターンピックもスピード感で?
    「現代ではロボットというのは身近になっているが、我々がロボットものを作っている時は、ロボットはまだ遠い存在だった。そのロボットをリアルに見せるためにはどうすればいいかを監督の立場で考えると、現実にあるものと想像上のものとの接点というのが大事だと。ボトムズのロボットは大きさから言っても装甲車からジープというイメージだったが、戦車だと信地回転というものがある。左右の履帯を逆に回すとその場で強引に回転できる。あれを何とか取り入れられないかと考えた。戦車に行く前に普通に自分たちの回りにあったトラクターの延長線上にある工事車両などを見ていると、かなり強引な動きをする。これをなんとか、ということで、ローラーダッシュをその場でやると回れるが、半回転しながらというのはコンパスから考えた。現実にあるものと想像上のものをくっつけていくという作業が自分の場合は多い。」

    ーもう一つスコープドッグの特徴として聞きたいのがダグラムから続いたが「顔が無いメカ」。この顔を無くした目的というかチャレンジというか…。その辺りを。
    「顔があるロボットとして真打ちがガンダムである気がする。ガンダムはヒットの兆しがあって、僕らの中では十分ヒット。でこれからどうなるかはわからない。ということはガンダムの路線は追えないだろうと。だったらいっそ乗り物としての、という僕の思い以前に、大河原さんはそれをやりたかった。なのでダグラムの時に顔を外してコクピットにした。あれは僕が考えたのではなく、大河原さんがオリジナルのデザインの中に既にもう完成してあった。それを作ってしまったところで、今から思うと視聴率の問題を言ってもしょうがないが、ダグラムは出版社には評判が悪かった。重い、暗い、ださいと。そうすると作り手としては寂しい。ところがテレビ東京のあの時間帯の視聴率としてはすごく良かった。いつもは「視聴率じゃないだろう」と言いながら、あの頃は結構視聴率に励まされた。そこそこの成功が見えたので、ここの部分は踏襲していこうということで、ボトムズも普通の意味での顔をなくそうと。ただ、ダグラムでは表情がない。あくまでもコクピットの中に入って、あるいはパイロットの姿が見えて初めて感情が伝わる。そうではなくロボットそのものにも表情が欲しかった。それで人間の顔ではなく表情を付けるにはどうしたらよいかということで、僕が好きだった顕微鏡やアイモっていう16ミリのカメラがあるんだけど、そういうところからターレットを持ってきてくっつけたということです。」

    ーあれはレンズにそれぞれ役割があるというのもすごい
    「やはりどうせ付けるんだったら色々説明が付いたほうがいいなということで。」

    ーレンズが回る意味があったのかというコメントがあったが、演出上のものだったのか。
    「例えば左右に移動する時には、ロボットが強いものだとして周りをジーッと用心深く見る時にはスライドを使って、そこであれっと思った時にはカチャッと回す、という音も含めたメリハリを演出上考える。僕もアニメーションは長くやってきたが、僕の演出の方法というのは、演出家で一番多いのがコンテを最終的な、重いものとして重要視するという監督は多いと思う。僕の場合は、演出がだいたい4名か5名付くので、その演出に対して、演出が持っているものをもうちょっと出したい。そこには僕自身の演出能力をあまり信用していないということもあるし、絵コンテもちょっと不得手ということもあるので、演出の人たちが工夫できる材料を揃える、で、それを「こういう使い方をしてほしい」「これはこっちで」と、デザインと機能を最初に決めておいて、それを演出の人にうまく使ってもらうというのが僕の演出方法の柱としては太いところ。だからそういう準備は必ず必要なんです。

    ーそう言う意味ではボトムズはギミックを演出で使いきっていると思う。ATがパラシュートで着地した時にショックを抑えるためにダウンフォームになって戻るというのがあったが、あれは演出が応用したのか?
    「スタッフとの話ではよく出てはいたが、あれを第一ステージの終わり(恐らくウド編のラストのことを指していると思われる)でうまく使ったのは演出さんの工夫。今まで話してきたことを「ここだ」と使っていただけたと思う。

    ーあれは見事だった。聞きにくいことも聞いてしまおうと思います。ダグラムの商品の成功があったからだと思いますが、スコープドッグはあの形についておもちゃ化やプラモデル化という面でメーカーから反対はなかったのか。顔が無かったり、全身が緑とかヒーローっぽくない。結果としては売れたが、当時はどうだったのか。
    「私はサンライズに入ってからはフリーなんですが、フリーが仕事するというのは組織の人と付き合わなきゃいけない。そうするとメーカーさんはアオトの方(地名だと思うがよくわからない)。当然メーカーさんの中にもいろんな人がいます。いろんな人といっても8割は常識的な考えをする人ですよね。それは大事だと思うんですけど中には常識じゃない考えをする人もいる。で、私達が自分で作る時にはやはり、ちょっと外れた考えを強烈に推してくれる組織の人の協力が絶対必要なんで。まあそういう方がいたんですね。最初はやはり「ボトムズ」という名前そのものも否定されました。昔はトップレスバーなんてのがあって、それの発展形というか、法律では許されてないんですけどボトムレスバーってのもあったんですよ。なので「えーっそんないやらしいイメージの名前を付けていいのか」っていう大反対がありました。でもまあこれはアストラギウスというところなので英語ではない。ただ、ボトムっていう言葉のイメージはかなりひきずりました。底辺というか。

    ーまあでもそれが後々演出やイメージに生きて「最低野郎=ボトムズ」みたいなイメージが出て定着した。そういうアオトの方のご理解のある方がいたのが今の成功ですね。
    まあこれは冗談ですが、僕は本当の意味での大ヒットというのは経験していない。狭間で自分のやりたいもの、もしくはスタッフとこういうもの作りたいよね、っていうものを作りたいわけです。そうすると、ほんとの出世街道を歩いている大会社の人というのは、僕の考えはダメなんです。で、会社にいたんだけど鳴かず飛ばずで…ああアオトの人は違いますよ。その頃は王道を進んでいましたから。鳴かず飛ばずでそろそろ仕事をしないと周りの評価も危ないな、でもどうして仕事しようっていう組織の人に取り付くのが僕の仕事の第一歩みたいな。そういう人たちが「ああおもしろいかもしれないな」と思ってくれると、後々すごく粘り強く支援してくれるということがあります。

    ※まとめはここまで。後は動画をご覧ください。


    広告
    コメントを書く
    コメントをするには、
    ログインして下さい。