音系MADに青春をかける高校生ラノベを書いてみた
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音系MADに青春をかける高校生ラノベを書いてみた

2014-03-23 22:14
  • 7
おはようございません。午後10時です。The-U.JINEです。

突然ですが、ちょっと前にTwitterで「音MAD作者のラノベあったら面白いんじゃね?」
みたいな流れになったので、自分で書いてみました。

とはいえ、実在の音MAD作者をラノベ化するわけではなく、
「よくある部活モノのノリで、音MADを作る部があったらどうなるだろうか」
というコンセプトです。

まァ、説明するより実際見てもらったほうが早いと思いますので、
鼻くそでもほじりながら気楽に読んでください。

……ラノベのタイトルがどうだとか実際に見てどうだとか
ハーレムなんてクソ食らえだとか言ってたような奴が書いたものなので、
色々察してください。




 イントロ



「ええっ!? 皆さん音系MADなんか作ってらっしゃるんですか!?」

 再生から数秒、若木はヘッドホンの片耳を持ち上げ背後の会長を顧みた。

「音系MAD『なんか』とは失礼ね」

「あっ、す、すみません。随分仰々しい前置きがあったものですから、つい」

 眼鏡の奥の瞳を光らせ批判の声を上げたのは副会長・流香先輩だ。憐れ若木は、その殺人的な眼光に射すくめられモニタに向き直った。当の会長はというと、自分の動画を見られるのが恥ずかしいのか、やや照れ臭そうに頭を掻いているだけだ。

「おとけいまっど……? 若木クン、なんですの? それ」

 大木さんがモニタを覗き込み、キョトンとしながら尋ねた。

「えーと、所謂MADはわかるよね? 動画を編集したり改編したりして、面白おかしく、あるいは大真面目に別の動画に作り変えるの」

「ええ、もちろん存じ上げておりますわ」

 若木はモニタを見つめたまま、淡々と説明を続ける。

「それの音声に特化したバージョン、とでも言えばいいのかな。例えば、アニメからセリフを切り出して楽曲のリズムや音程に合わせた編集を行うとか、はたまた楽曲からボーカルだけ抜き出して、別の楽曲にあてがったりとか……そういったMAD形態を総合して音系MADって呼ぶんだ」

 うむ。実に簡潔な説明だが、だいたいあってる。

 一般ピープルでも動画サイトの閲覧をしていれば一度は見たことがあるであろうこの手の動画だが、その動画形態を意識する人は少ないだろう。

「ああ、なんだ。そういうことでしたの。それなら見たことがありますわ」

 しかしそこは大木さん、流石にネットカルチャー発のクリエイターに注目してると言うだけのことはあるな。こういうちょっと俗な動画もちゃんと評価して――

「驚きましたわ。まさか、こーんな低俗な動画を作るために、神聖なる学び舎の一室を借りきっていたとは」

 そう吐き捨てると、彼女はジトッとした目つきで挑戦的に周囲を見渡した。

 うん、違ったね。全然評価はしてなかった。

「低俗、だと?」

「やめなさい阿久津」

 敵意むき出しで椅子から立ち上がった阿久津先輩を副会長がたしなめる。おお、ここへ来て初めて副会長の副会長らしい面を見た気がする。

「この女は私が殺る」

「やめなさい先輩。マウスじゃ人は殺せません」

 やっぱダメだこの人は。黄門様よろしくこのレーザー光が目に入らぬかとマウスを掲げたので、ひとまず手で遮っておいた。

「あ、あのっ、いきなり低俗ってのはちょっと、失礼じゃありませんか?」

 今までおろおろと不安そうに成り行きを見守っていた麻生田さんが、律儀に挙手しながら大木さんへ意見した。

「俺も、高尚なものではないとは思うんですけど、頭ごなしに否定しなくたっていいじゃないですか」

 便乗するように俺も意見を述べてみる。

「僕もちょっと、低俗ってのは適切じゃないと思うんだけど」

 大木さんの顔色を伺いながら、若木もフォローを入れてくれたのだが。

「では、わざわざ校舎の一室を借り、課外活動としてやるべき事だと?」

 身内からの提言にも打ち負けず、彼女はキッパリと言ってのけたのだった。

 ……大木さんの言うことにも一理ある。麻生田さんを庇ってあげたいところだが、こういうのはあまり健全とは言えない趣味だ。個人でひっそりやることが望ましいと思う。だからこそこの場、この活動は今日まで秘匿されて来たのだろう。

 麻生田さんも反論ができず、手をそろそろと膝上に降ろししょげかえってしまった。

「流行りのMADはお嫌いですか」

 視聴を続ける若木の肩に手をかけ、会長が問う。

 しかし若木が何か言うより早く、大木さんが声を張り上げる。

「好き嫌いの問題ではありません。悪貨が良貨を駆逐することなどあってはならないのです」

「本義から離れた言葉の使い方ね。私そういうの嫌いだわ」

 野次を飛ばす副会長を尻目に、大木さんは会長へと鋭い視線を浴びせた。

「部室の下見にやってきて正解でしたわ。やはり、この現代映像研究同好会は解体し、私達が新たに次世代映像研究部を立ち上げます。貴方達の活動内容如何では新設部への転属も、と思っておりましたが、音系MADなどという低俗な動画作りに勤しむ不健全な輩を所属させるわけにはいきませんわね」

 凛とした決断的な声が部屋に木霊した。

「そ、そんなぁ」

 麻生田さんが立ち上がり抗議しようとするが、

「貴女、一年生でしょう? 仮入会しているそうですが、こんな不健全なことはやめてもっと快活なクラブ活動をなさい」

 大木さんは威圧的に腕組姿勢のまま一喝した。

「高校生活三年間。短いけれど可能性は無限ですわ。純粋に映像制作に興味があるなら、新設部は貴女を歓迎しますけれど」

「……」

 そう言われて、言葉に詰まる麻生田さん。

 あんな物言いではあるが、あれが先輩である大木さんなりの、本心からの気遣いなのだろう。

「――で、でも私は……!」

 麻生田さんは今にも泣き出しそうな顔で、言葉を絞り出そうとした時だった。

「んー、君達はどうもせっかちだね。せっかちなのは悪いことじゃないけど、前提を忘れてもらっちゃ困るなぁ」

 様々な感情が交錯する剣呑な雰囲気の中、のんきな調子で割って入ったのは会長だ。

「ひと月前、校長先生は我が同好会について『一ヶ月以内に部活動の最低必要人数六人を揃え、活動実績をあげれば同好会解散命令は取り止め、部活動への格上げを約束する』と仰ったんだ。この通り誓約書もある」

 爽やかな笑顔でわざとらしく誓約書をちらつかせる会長に、大木さんが顔をしかめ吐き捨てる。

「ええ。校長先生から伺いましたわ。恥知らずにもかなりの無茶を言って通してもらったものだそうね」

「無茶? そんな風に言ってたのか、校長先生は」

 ? なんだろう。会長は口元を隠してくつくつと笑ったが、今ものすごく下卑た目つきになった気がする。

「何がおかしいのかは知りませんが、猶予は残すところあと二日。そこの一年生の彼女が入ったところで五人ですし、活動実績などどうするおつもりですの? 解散は決まったも同然ではありませんか」

「それがせっかちだと言うんだよ」

 会長は不敵に微笑むと、俺の肩にやや乱暴に手を置いた。そしてさながら舞台役者のように手を振り上げ、高らかに宣言したのだった。

「彼こそが我々が目をつけたスーパールーキーにして救世主、音系MADという細小ジャンルでありながら動画サイトで再生数ミリオン動画を二本も叩きだした、塩塚悟くんだ」

 言い終わるが早いか、ガターンと豪快な音。音のする方向を見ると、阿久津先輩が尻餅をついていた。

「ミ、ミリオンだとう!?」

 倒れた椅子の影から、畏怖だか敵意だかそんな視線を浴びせる阿久津先輩。

「し、塩塚くんそんな凄い人だったの……!?」

 麻生田さんは……尊敬の眼差しだろうか。ちょっと、いや、大分恥ずかしい。

 若木は少し驚いた様子で、大木さんは能面のような顔でこちらを見つめていた。

「ま、そういうわけだから。ご理解いただけたかな」

 俺の肩をバンバンと叩く会長。

 まずい。今言わないと非常にまずい。このタイミングしかないぞ。

「いや、ちょっと、言いたいことがあるんですけど」

「んんー、何だい?」

 肩を叩く手はいつの間にか揉みほぐすマッサージに変わっていた。

 ……ひとつ咳払いをして、はっきりと一言。

「俺、やっぱり入りませんよ」

 ――カチ、カチ、カチ。秒針の音が三つ。

「ん?」

 会長が眼鏡をずり上げ、俺の肩を揺らす。

「いや、だから、入りませんって」

 ――カチ、カチ、カチ。秒針の音が三つ。
 次の瞬間。

「「「ええええええええええええええええっ!!??」」」

 空気を裂くような絶叫が響き渡った。


 かくして俺は、澱む青春の一ページを開くことなくピリオドを打った。

 ……つもりだった。少なくともこの時は。





と、まぁこんな感じ。ひとまずイントロ部分のみ。

音MADを作る高校生がいて、学校に音MADを作る怪しい会があって、
個性豊かな先輩がいて、女の子がいて(←ここ重要)、
ピンチがあってチャンスがあって青春がどうだとかそんな。

本編は今ちまちま書いているところです。

それとこれはとてつもなく重要な事なので強調しておきましょう。
内容は予告なく変更される場合があります。ご了承ください。
(修正とか辻褄とか)


あ、現状文章のみなので動画の素材なんかにゃなりゃしませんが、
非商用利用に限り二次創作・改編自由ですので、
なんか適当に煮たり焼いたり吐き捨てたりしてください。



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まだイントロだけがけど、面白そうだたわ。
キャラが区別できてないけど・・・
68ヶ月前
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さりげなくいくつかの音MAD素材のネタやセリフが散りばめてあって面白い。
68ヶ月前
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これはいいものだ
68ヶ月前
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結構面白そう
68ヶ月前
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人間はラノベを書こうとするとき、
「ラノベぐらいなら俺でも書けるだろう」と考える。
でも実際にはほとんどの人が書けない。
それほどに文章を書くのは、めんどくさいし、エネルギーを消費するもの。

音MADだけじゃなく物書きにもなれるThe-U.jineさんは
やはり多才なお方だなぁと感動してしまいました。
68ヶ月前
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>>5
>「ラノベぐらいなら俺でも書けるだろう」と考える。
>でも実際にはほとんどの人が書けない。
まさにコレでした。実際にやってみたらなかなかどうして筆が進みませんで、
参考に読んだメガヒットラノベ群を前に畏敬するばかりです。
とはいえ、ブロマガにして投稿という形でスタートラインに立ちましたので、是が非でも完結を目指したいと思います。
68ヶ月前
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私もアンソロジー書いてますが大変ですね・・
66ヶ月前
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