この度、梅津瑞樹オフィシャルファンクラブ「梅津の潜む穴」が開設する運びとなりました。

「ファンクラブ」と聞くと何やらむず痒く、またそもそも「ファンクラブ」というものが自体が実態不明というか、応援してくれる個人をクラブの名の下に一括りにしてしまった途端にその人が不明瞭かつ不透明になってしまう感じが拭えなかったのですが、インターネットを介したコミュニケーションが当たり前なこの時代、その不透明さみたいなものが必要な場所があるのではないか、ただ個であるのではなく、全を介していることをより強く意識した上で個としてあれる場所を用意するのも良いのかもしれないという結論に至りました。


では、そのような場所に適当なのは、何処か。

それは「穴」に他なりません。


――その穴はどこまでも広く深く、それに伴って暗い。その最奥に辿り着くことはできず、中は互いの顔が判別できないほどの闇。

しかし辺りから声は聞こえる。確かに他の誰かがそこにいる気がするが、もしかしたら自分自身の声が反響したものか、風鳴りだったやもしれない。


というように、なんとなく想像され得る情景としての「穴」も、なんとなく秘密結社の仮面舞踏会じみていて、なんとなく良いのですが、また別の視点においても「穴」は最適と言わざるを得ないのです。

壁にあいたもの、紙にあいたもの、心にあいたもの、記憶にあいたもの、今あなたに読んで いただい  ているこの文章を                    






                 妨げる様にあいたこれでも、どのような「穴」でも構いませんが、皆一様に主たるものが存在し、そこに生じた現象、状態こそが「穴」の正体です。

「穴」は、主としているものが大なり小なり欠落している状態という情報以外に実体はありません。空が有る、即ち実質的にはないものを定義しています。

しかし、その定かではない夢幻の城に、ともすれば滑り込むことができる術を僕達は知っています。そして一度没入してしまえば、僕もあなたもまた「穴」を形作る一部となるのです。