【捧げ物】月兎の街づくりクラフト 第六話より
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【捧げ物】月兎の街づくりクラフト 第六話より

2019-05-23 22:07
    先日、拙作「深淵の王と三条の魔術」に、恐れ多くもVOICEROID実況者のみら様から支援絵を頂きました。
    以下はそのお礼にと思い拙くも執筆した、みら様の「月兎の街づくりクラフト」への支援SSになります。
    私が勝手に書いたものですので、以下の内容と「月兎の街づくりクラフト」は直接の関係はありません。
    「この作品はフィクションです。実在の人物・団体とは~」というやつです。
    僅かにですが流血等の表現がありますので、苦手な方はご注意ください。
    なお、ヴィンディケーター視点になりますので、動画のゆかりさんが敵側に立っています。それでも宜しければどうぞ↓






    「村人どもは恐るるに足らん。女だ、あの女を狙え!」
    旗を掲げて手下のピリジャー達に怒鳴った。
    俺はヴィンディケーターと呼ばれている、村を追放されたはぐれ者の1人だ。
    先日、俺達のリーダー…兄貴が、1人の女にやられた。
    忌々しいあの村に最近やってきたという、目障りな女だ。
    俺達は今、兄貴の仇を討つため、入念な準備をして村への襲撃を決行している。
    襲撃は数回に分けて行う。波状攻撃でアイアンゴーレムを排除しつつ女を疲弊させ、最後にラヴェジャーを投入して押し潰す算段だ。
    その第一攻撃を俺と、志願した勇敢な手下達が担当する。
    俺は旗を背負い金具で留め直すと、この日のために磨いてきた鉄斧を握り締め、手下達が放つクロスボウの矢の中、女に突進した。
    命は惜しくなかった。

    「よくも…兄貴を!」
    矢を防ぐために女が構えていた盾の側面から攻撃するため、斧を垂直ではなく袈裟懸けに振り下ろす。
    入った、が、浅い。俺の斧は女の肩を掠めただけだ。
    直後、俺の腹部に熱く冷たい、矛盾した感覚が刻まれる。
    女の反撃だ。1度、2度、3度と鉄の剣が振るわれる度に、赤い飛沫が舞うのが見えた。
    しかし、兄貴の受けた痛みはこんなものではなかった筈だ。俺は下唇を噛み締め、斧を握り直す。
    その時だった。女の視線は俺から外れ、俺の後方を見ていた。
    背後からは矢の風切り音と、村人の間抜けな声が聞こえている。
    どうやら俺の手下が村人の1人を追い立てているのが、女の目に映ったらしい。
    この好機を逃す手は無い。
    「他人の心配を、している場合か!」
    全身全霊で水平に振り抜いた俺の斧は、確かに女の胴を両断した。

    勝った。
    耐え切れず膝を付く。
    あの女さえ居なければ村人は烏合の衆だ。他の者たちで問題無く殲滅出来るだろう。
    いや、アイアンゴーレムが居たか。しかし先に女を始末できた場合、あれにはラヴェジャーをぶつける手筈になっている。
    そのラヴェジャーを含む最終襲撃部隊にウィッチも居た筈だ。ポーションの投与が間に合えば、俺も助かるかもしれない。
    達成感に包まれて親指を立てながら、俺は前に倒れ込んで目を閉じた。


    「おイ、女の死体はドこだ?」
    「ボスだけダ、女は木っ端微塵になっタか」
    「流石新しいボスだゼ、兄貴と互角に喧嘩でキるのはボスだけダったからナ」
    途切れそうな意識の中、手下達の声が聞こえる。
    「やッた、ボスまだ生きてルぞ」
    女の死体が見付からないようだ。木っ端微塵…まではした覚えが無いが、クリーパーでも沸いたのか?
    「よシ、ボスをウィッチの所ニ運ぶンだ」
    だとしたら俺もよく生きていたもんだ。女を倒して直ぐに俺も倒れたから、ほんの数mの所で爆発した事になる。
    「俺がコっちを持つ、お前は足ヲ持て」
    …いや待てよ、おかしい。ならば何故爆発音を聞いていない?
    手下の声が聞こえるのに、クリーパーの爆発が聞こえない訳がない。
    「お、おイ…あレ見ろよ……!」
    手下の1人が慌てた様子で叫んだ。
    重い瞼を無理矢理持ち上げ、霞んだ視界で手下が指差す方を見る。
    そこには―――

    「あノ女、クラフターだ! リスポーンしヤがった!!」
    俺が討った筈の女が、五体満足で立っていた。





    この後、ゆかりさんを完全に撃破するのは不可能と悟ったヴィンディケーター達は作戦を変更し、村人への攻撃を優先して動画のような展開になる…というお話のつもりです。
    お目汚し失礼いたしましたm(__)m

    みら様の動画はこちら


    頂いたイラストはこちら


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