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file:17 「猫が死んで辛い」
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file:17 「猫が死んで辛い」

2015-07-16 19:00
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    ――――――――――――――――――――――――――――――

    【相談文】

     5年間飼っていた猫が死んでしまい、辛いです。
     
     “諭吉”という名前のメス猫でした。
     あまり体の丈夫な方ではなく、去年の暮頃から部屋の隅で寝こむようになり、何とか面倒を見ていたのですが、ある寒い朝、目を覚ますと硬くなっていました。
     
     諭吉は友達のいない私にとって、唯一の家族でした。
     今でもたまに猫がいた頃の夢を見て、起きてから涙がこぼれます。
     諭吉を埋めた近所の公園の近くを通ると、悲しい気持ちになります。
     
     またこんな悲しい思いをするのかと思うと、新しい猫を拾ってくるという気持ちにもなれません。
     私はどうすればいいのでしょうか?
     
    【うしじまの回答】
    ※今回はゲストの鎌田紘子さん、岡田斗司夫さんを交えての会話形式での回答となります。

    うしじま:
     いやぁ、これはね。
     もう、私、相談文を読んだ瞬間に思ったんですよ。

     「新しい子猫を飼ったほうがいい」ですよ。

    鎌田:
     へぇ、そうなんだ。
     なんでですか?

    うしじま:
     かわいいから。

    鎌田:
     そうか。
     かわいいのを飼って、悲しみを忘れるっていう。

    うしじま:
     かわいいものを飼ったら、忙しくて前のことを考える容量が少なくなってくるから。

    鎌田:
     あぁ、なるほど。

    うしじま:
     それは、“忘れる”ってこととは、また違うんですよ。

     思い出したりする暇がなくなってきて、徐々に悲しみが別の喜びに圧迫されてね。
     少なくなるっていうことだと私は思うんですよ。

    鎌田:
     「忙しくしろ」ってことですね。
     基本的には。

    うしじま:
     そうです!
     基本的には「忙しくしろ!」って事なんですよ。

     この人はもう今後、猫を飼えない事情があるってわけでもないみたいなんで。
     私はね、「猫をまた飼っていいんじゃないかな?」と思うんですよ。

     猫はだいたい10年ぐらいで死んでしまうけど。
     あんまり、こんな事言いたくないですけどね。

     たとえばですよ?
     子猫を飼う。
     そんで、5年たったら、また新しい子猫を飼う。
     そしてまた5年経ったら、新しい子猫を飼う。

     そうすると、二匹は常に必ずあなたのそばにいるっていう感じになっていいんじゃないなー?
     なんて思うんですけどね。

     こういうのはちょっと、安易ですかね?

    ・・・

    うしじま:
     私はね。
     辛い気持ちはわかるんですけど、猫を飼った方がいいと思うんですよ。
     諭吉以外にも、いい出会いがあるかもしれないし。

     鎌ちゃんはどう思う?

    鎌田:
     私、本当に全然わかんなくて。

     私も飼ってた猫とか犬とかが死んだ経験とかもあるんですけど。
     だけど、もう、「死ぬのは仕方がないな」って、すごい割り切れるから。

     この、なんかね、その「どうすればいいでしょうか?」っていうの、すごいわかんなくて。

    岡田:
     わからないタイプなんだ?

    鎌田:
     そうなんですよね。

    うしじま:
     これは、シンドいけどさ。
     もう、悲しいけどさ。
     しょうがねぇよ。

    鎌田:
     そう!すごい悲しいんだけど、そうなんですよ。
     「しょうがないな」って。

     その病気で死んだわけでもないんだから。

    うしじま:
     そう。
     天寿をまっとうしたじゃないですか。

    鎌田:
     そうそう。
     「天寿をまっとうしたから、しょうがないな」っていう感じだったから。

    ・・・

    岡田:
     うしじまさんは、引きずるタイプなの?
     それとも、鎌ちゃんと同じ、割り切れる方なの?

    うしじま:
     割り切るというか、「死んだなぁ」って。

    岡田:
     じゃあ、この相談してる人の
     「5年たって死んでしまい、辛い」とか「いつまでも思い出す」っていうのは
     気持ちは分かるけども、自分はあんまり、それはないんだ?

    うしじま:
     まあ、時おりは、「あの犬はもう、死んで、いないんだ」って思ったりしますけど。
     そんな感じですかね。

     もちろん、悲しい気持ちもありますよ。

    鎌田:
     あるある。

    うしじま:
     「あぁ、もう死んだんだよなぁ。もっと遊んどきゃよかったなぁ」とか。
     なんか、そういう後悔はあるかな?

    鎌田:
     そういうことは、すごいある。
     あるけど、死んで、その、「私は今後、どうしたらいいでしょうか?」っていうぐらい落ち込むことがないから。

    うしじま:
     そう、ない。

     どうですか、岡田さんは?
     岡田さんって、犬とか猫とか飼ったことあります?

    岡田:
     俺も飼ってたことがあったし、犬も猫も死ぬまで飼うかなぁ。
     でも、やっぱり死んだら次の犬とか猫、飼っちゃうな。

    うしじま:
     そうですよね。

    岡田:
     なので、なんだろうな?
     俺も、うしじまさんとまったく同じなの。
     「新しい猫を飼えばいいのに」って思うんだ。ただ単に。

     で、新しい猫を飼ったら、諭吉に対する罪悪感が生まれるわけよ。
     「諭吉の事をドンドン忘れていく私」っていうね。

     でも、それでもいいじゃんって思うんだよ。
     その罪悪感も込みで、自分の中でずっと葛藤していく事が、実は“成仏させる”ことでさ。

     思い出して悲しい気持ちじゃなくて、新しい猫を見て「カワイイ!」って。
     で、諭吉のことを思い出したら「諭吉、ゴメン! こっちの猫の事を、今ついつい考えちゃった!」っていう。

     このやり取りの中で、段々罪悪感が薄れていって。
     今の猫に集中してっていうので、切り替えりゃいいと思うんだけどね。

     でも、そんなふうに割り切れたら、こんなふうに相談をよこして来ないだろうね。

    うしじま:
     すげぇ、辛いんだろうなぁ。

    ・・・

    鎌田:
     なんか、ペット亡くして辛い人って、すごい多いですよね。

    岡田:
     いるよね。

    うしじま:
     そうだねぇ。
     私はまあ、死んだらさ、そりゃ悲しいけどさ。
     ここまで悲しんだことはないわ。

    鎌田:
     そう!
     でも、「こんな悲しむんだ?」っていうぐらい、本当「ご飯も食べなくなっちゃいました」とか言う人もいるから。

     「そういう人に対してどうすればいいんだろうな?」ってのが、すごいわかんないわけで。

    岡田:
     あのさ、それってさ。
     
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