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【相談文】

 自分は今26歳なんですが、数年前から薄々気づいていた「自分には全く何一つなんの才能もない」ということをようやく真正面から受け止めることができました。
 
 目立ちたがりなもので、今まで絵を描いたり歌を歌ってみたり思いつく限り注目を浴びられてカッコ良さそうなことはやってきました。
 けど、5年前くらいから「自分はそもそも“持ってない”側の人間だぞ…?」という自覚がわいてきて、つい最近ようやくそのことをパニックにならず受け止められるようになりました。
 
 しかし、思春期の頃から「才能やセンスの無い奴は生きている価値がない」と思っていましたし、10代の頃は口に出したこともありました。
 そう思って10年以上生きてしまったので、「才能もセンスも無い自分はじゃあ何のためにこれから生きればいいんだ?」と迷っています。
 
 仕事も週3程度のアルバイトでやりがいも無いし、そもそも労働意欲がものすごく低いし、かといってどっぷりハマれるような趣味もなく、休みの日は寝るくらいしか楽しみがない。
 正直な話「生きていてもあんまり意味が無いな」とすら思っています。
 
 なんにも持たずに生まれてきた“モブ”側の人間はどうしたら楽しくなりますか?


 
【うしじまの回答】

 これはですね、いい話があるんですよ。


●酷いようで、いい話

 私の知り合いで、すごく話の面白い5人ぐらいのグループがいて
 その中の一人は放送作家になったり、テキストサイトでそこそこ有名だった人がいるんですけど。
 5人共、そういうテキストサイトで面白い日記を書いて、有名だったり人気があったりしたんです。

 でも、その中で、余り面白くなかった人がいるんですけど、
 その最も面白くなかった人は、クリエイターとか、そういう“作る側の人間”になることを
 すごくすごく切望してたんですよ。

 でも、一番才能がなかったんです。
 そこで、その中の面白い人が、最もクリエイティブな才能の無い人に言った台詞が酷くて

「お前、一番クリエイターになりたいのに、一番つまんねーよな」

 って言って。
 その人、飲み会の最中に泣き崩れれたんですよ!

えー!? 酷いなぁ(温井)

 でも、それから彼は
 もう、そういうクリエイターとかの道をスッパリ諦めて
 普通に仕事をするようになりました。

 私は、これはいい話だと思うんですよ。

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※イラスト:温井裕子