うしじま:
これなんですけど、とりあえず私もですね、私に対して1mmも興味がない人で、あんまりしゃべらない人としゃべるのって、結構ツラいものがあるんですよね。
かつ、私も相手に あんまり興味がなかったり、相手の趣味とあまりにも合わなかったりして、「すげえツライな」と思うことが、過去にあったんです。
いつの話かというと、キャバクラで働いた時なんですよ。
その時は、私は仕事の話を振ったりとかしてしまったんですけど。
後でキャバクラによく行く人に聞いたら「キャバクラに行く人は、仕事のことを忘れたかったり、仕事外の自分として来てたりするかもしれないから、もしかすると立場を詐称してるかもしれないし、あまり仕事についてな、細かく聞いたりするのは良くない」と。
で、「じゃあ、何の話をしたらいいんですか? サッカーの話を振られたけど、全然サッカーの話も出来なかったし、サッカーの話に興味が持てなかったんですよ」って言ったら、
「そういう時には旅行の話をしたり、休日の過ごし方を聞いたりとか、あとは『ゴハンだったら何が好きですか?』とか、『外食が多いですか?』とか、『家で作ったりするんですか?』とか、そういう質問をする方がいいよ」みたいなことを言われて。
それから、なるべく その手の話題をするように したりしてるんですけど。
※イラスト:温井裕子
あとは相手が趣味がある場合は、その趣味について、「その趣味をやってる時に、何が一番楽しいポイントなんですか?」とか聞いたりすると、まあ話してくれたりすることもあるんで。
で、あんまり話してくれなかったら切り上げて、全然別の話を振るとかでもいいと思うんですけど。
基本的には相手がしゃべってくれないと、私もあんまりしゃべれないっていうか。
一方的に私の話をするわけにもいかないから。
だから、相手が受け入れてる感じがないと、やっぱりコミュニケーションっていうのは厳しいと思うんで。
あなたが感じているこの“やりづらさ”っていうのは、そんなに特別なことじゃないっていうか。
わりと「あるある」という感じだと、私は思います。
・・・
うしじま:
小田原さんは、これについてはどう思います?
小田原:
いや、そういうのはみんな、あると思うんですよ。
「この場で話にくいなぁ」とか、「ここは、どういうふうにして話せばいいんだろう?」っていうのは、あると思うんですけど。
だから、これを読んで、僕はすごいよくわかるんですよ。
僕も、こんな感じなんで。
「これを言ったら、この人はどう思うんだろう?」とか。
「これを言ったら、気を悪くしないかな?」とか。
「何か場違いなことを言ってるんじゃないかな?」とか思って。
そう思うと、全然しゃべれなくなるんです。
うしじま:
でも、「気を悪くする」って、どんなレベルのことを言ったら、人って気を悪くするんですかね?
小田原:
いや それがね、わかんないんですよ。
なんかこう、普通のことを言っても、その人にとっては気が悪いこととかあるじゃないですか。
うしじま:
なるほどなあ。
小田原:
だから、そう考えると、本当にもう何も言えなくなっちゃって。
で、ずーっと皆がいる所で だんまりとか。
うしじま:
そういう実例はあるんですか?
小田原:
実例はありますよ。
僕は前に、芸人さんとイベントやったんですよ。
で、楽屋にもいろんな芸人さんが来てて。
僕、そこでも一言もしゃべれなくて。
挨拶しようと思っても、「挨拶をしたときに、どもっちゃったらどうしよう?」とか思って。
うぅ…。
うしじま:
じゃあ、その間は楽屋で何してるんですか?
小田原:
貰った紙をずーっと見て。
うしじま:
確認して、確認して みたいな?
小田原:
そうそう。
“確認してる人”になってる。
うしじま:
ちなみに芸人の人たちは、楽しそうに談笑してたんですか?
小田原:
友達同士の人はしてましたよ。
うしじま:
ああ、でも、みんなで交流を持ったりとかいう感じではなかったんですね。
小田原:
うん。
うしじま:
そうなんだ。
でも、芸人の人ですら、そうですよ。
だって、みんなと交流を持ってなかったんですよね?
みんなでワーッてしゃべったりとかって感じでもなかったんですよね? 芸人の人でも。
コメント
コメントを書く自分が仕事で少し関わった本で『仕事に使える! 聞く力の極意』というのがあるんですが、質問者の方にぜひ読んでみてほしいです。相づちの打ち方とかそういうレベルから説明されてます
http://www.amazon.co.jp/dp/4800241669