ゲーム実況と著作権(8)~最終回
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ゲーム実況と著作権(8)~最終回

2013-04-20 00:02
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これまでのゲーム実況と著作権との関係は、簡単に言えば
「実況・配信者と権利者」の関係が、緩やかに
「同人(誌)活動と権利者」のような関係になってきていると思う。

私は同人業界の事はあまり詳しくないのだが、少なくとも
「基本的に権利者からは黙認状態で、そのお陰で成立できているジャンルである」
「ネットの発展と共に年々ファン層が拡大(特に低年齢層で)している」
「その為、法律やモラル的な面などから青少年へ与える悪影響を危惧されている」
「上記の理由等から、それらの活動に対して否定的な層が少なからずいる」
という意味ではゲーム実況と同人活動は似ている部分が少なくないと思う。

この際勉強がてら、同人活動と著作権に絡んで起きた過去の事例などを調べてみた。
中でも気になったのは「ポケモン同人誌事件」
「先発優先提言問題(提言サイト問題)」の2つ。

前者は「ポケモン同人誌製作者が任天堂と警察から事前の警告なしに
刑事告訴されて逮捕され、同人界隈で大騒動となり
一部では任天堂バッシングや不買運動にも発展した」という事件

後者は「ネット小説(BLモノ)で、設定が似た作品を後から投稿した人に対して
一方的にパクリ認定を下し数の暴力で削除に追い込むという真の目的を隠したまま
「後発の作者は指摘を受けたら作品を消さなければならない」
という旨の宣言を行い、無理矢理正当化して大義名分を得ようとした結果
想定外の勢いで影響が波及して大騒動に発展した」という事件

ポケモン同人誌事件の方は未だに様々な分析や解釈があるが
1999年当時はまだいろいろな事が未成熟だった故に起きた事件ではある。
ただこの事件が任天堂にとっては「苦い思い出」となった面はあると思う。
(警察やマスコミの対応や反応が今と比べると過敏すぎた為か、
結果的に抗議活動や不買運動などの反発を招いてしまった事など)

2010年任天堂定時株主総会、質疑応答での岩田社長の発言を参照(Q14)
http://www.nintendo.co.jp/ir/stock/meeting/100629qa/05.html
これを読む限り、11年前に警告無しで刑事告訴に踏み切った企業とは
思えないほど、対応が大きく軟化しているのが分かる。
(悪く言えば歯切れが良くないとも言えるが)

事実、知名度の割にはニコニコ動画での(生放送は分からないが)
ゲーム実況動画や配信への任天堂の権利者削除の対応は非常に緩い
2008年に改造マリオ系動画が一斉削除された事件があったが
当時は申請権利者名が表記されておらず、
所謂「権利者なりすまし削除」説も根強い上、
削除対象がROMデータの改造に関連した動画に限られていた。

そのため通常のプレイ動画系に限れば
任天堂からの削除依頼で消えたと記録に残っているのは
恐らくwiiの「零~月喰の仮面~」が唯一の例と思われる
(発売日と同日、または発売日以前にアップされた動画が削除)
なお同ゲームの動画はその後も多数アップされているが
任天堂からの権利者削除はされていない
(ROM改造系マリオ動画もその後権利者削除されたものは無い)

任天堂権利者削除動画の一覧(Google検索結果)

コナミ、SCE、カプコン等の大手メーカーと比べてこれは非常に少ない。
※もちろん、だから実況して良いと言っているわけではない
やはりポケモン同人誌事件の影響からか相当に気を使っているように思う

「先発優先提言問題(提言サイト問題)」は直接ゲームとは関係無いのだが、
以前何度か書いたと思うが
「本音を隠して大義名分を後付けして正当化しても良い結果は生まない」
という話の実例になると思う。
「暗黙の了解」なんて作っても、今度はその「暗黙の了解を守っていれば良い」
と勘違いし、罪悪感が希薄になった人達が新たなトラブルの火種になったり
あまりよい結果を生むとは思えないのだ。

現時点では大きな訴訟等が起きていないせいもあるだろうが、
ゲーム実況は同人活動に比べて、
「18禁要素が実質殆ど無い事」
(ニコニコの場合、18禁描写が動画や配信に含まれたら殆ど削除や停止される)
「金銭の授受が発生しない点」
(同人のは原則「頒布」であって「販売(営利活動)」ではない。
…という事にはなっているが)
「閉鎖性の無さ(敷居の低さ)」
(同人誌は基本的にイベント等での手売り(手渡し)がメインであり
イベント自体に参加する為に必要な予備知識やマナーも多いのでやや敷居は高い)

などの点で、幾分は権利者や世間の理解を得やすい面はあるのかもしれない。
実際に、最近はメーカーの許可を得て活動する実況・配信者も多数出てきており
以前に比べて理解を得やすくなっているのは確かだと思う。

これから先のゲーム実況は極論すれば
1.「著作権的にクリアになるが、代わりに実況・配信できるゲームが少なくなる」
2.「著作権的にグレーなまま、今の同人活動と権利者のような関係になる」
3.「著作権的にアウトとなり、絶滅状態になる」
の3つの道があると思うが、恐らく3番の道は辿らないと思われる。
ニコニコ以外にも海外の動画や配信サイトは沢山あるし
正直「大きくなりすぎた」とは思う。

つまり1か2かということだが、こればかりはどう転ぶか全く分からないし
どちらの結果がいいのかというのも分からない。
ただ私個人は、1の結果になる事を望んでいる。
将来ガイドラインのようなものが出来て、ゲームの選択肢が狭まったとしても
後ろ指さされることなく出来るのなら、それに越したことはない。

それに同人業界が今から1の道へ舵を切るのは難しいので
どうせならゲーム実況がそっちの道へ進んでくれた方が単純に面白いのだ。
ただ実際はそう単純な事じゃない。まだまだ暫くはグレーゾーンのままだろう

私は仕事が忙しくてしばらく配信を休んでいるのだが
「なぜゲーム実況(配信)をやるのか」と言えば

子供の頃、誰かの家に集まり、友達とファミコンをやっていた
誰かのプレイを誰かが横で夢中になって見ていた
敵にやられて、クリアして、みんなで一喜一憂していた
「一回やらせて」とコントローラーを取り合い
「もう一回勝負!」とSTARTボタンを連打して
「今の無し」とリセットボタンを押して喧嘩して
自分の育てたキャラを自慢して
友達が自慢したキャラに張り合ってキャラを育てて
高橋名人の「ゲームは一日1時間」の呪縛と戦いながら
親の目を盗んで暇さえあればコントローラーを握っていた

少なくとも自分はあんな感覚をもう一度味わいたいからだと思う。
(「そもそも実況や配信自体ダメだろ」とか
「じゃあレトロゲーム以外やるなよ」というツッコミは無しで)

だからこそ、後ろ指さされることなく
堂々と「趣味はゲーム実況です」と言える日が来たらいいな
と素直に思うのだ。

最後に、私の書きたかった事を纏めると

・実況をやるのも、何のゲームをやるかも全て自己責任と自己完結。
 自分で考え、自分で判断して、自分の意志で行動して完結すること。
・新作もフラゲも割れも、「色々な」リスクと天秤に掛けて
 やりたいと思えばやればいい。それを止められるのは権利者だけ。
・考え方には必ず賛同と反対がある。絶対正しいものなんてない。
・誰かの意見を鵜呑みにしない。カッコイイ意見は良い意見とは違う
・正しいと言われている事に疑問を持て。それは本当に正しいのか?
・本音を隠して大義名分を後付けして正当化しただけの「暗黙の了解」
 なんて守る義務はない。あんなものクソ食らえだ。

…こんなところだろうか。

長々と書いて来たが、一旦ここで区切りを付けたいと思う。
書きたい事は山ほどあって、そのうちある程度は書けたけど
まだまだ書き足りない事もあり、
私の真意が伝わっているか不安な事もたくさんある。
全体的に全くもって纏まりに欠け、読んでいて
「結局何が言いたいんだコイツは」と思う所が多々あったと思う。
文章力・構成力の無さも含めて
そこはもう詫びようがないくらい申し訳ないとしか言えない。

相変わらず突っ込んだ議論や意見・質問の類はご遠慮申し上げたいが
読んだ率直な感想などあれば頂けると幸いである。

いつかまた、思い出したかのようにこの話題で書くこともあるだろうが
その時はまた生暖かく読み飛ばして欲しい。

ここまで読んでくれた事にただただ感謝したい。
皆さんのゲーム実況ライフ?に幸あれ。

ではまた。




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記事一気に読まさせていただきました!。私はニコ生牛さんぐらいしか見ていなかったので、ニコ生ゲーム実況界隈のグレーゾーンなど考えたこともなく、「牛さんがみれりゃいいや」程度の考えしか持っていませんでした。が、コレもまたモラルが無いといえるのかもしれませんね。興味のでる貴重なお話でした!お忙しいとは思いますが、またの放送楽しみにしています!
95ヶ月前
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