北條聡(ほうじょうさとし)です。このたび『ブロマガ』にて、お世話になることになりました。右も左も分からぬオッサンで恐縮ですが、どうぞ、よろしくお願いします。
現在、紙媒体を中心にお仕事をさせていただいているフリーのサッカーライターです。それまではサッカー専門誌で長いこと編集者をしていました。かれこそ20年以上でしょうか。業界入りはちょうどJリーグ開幕の年ですから、1993年です。まだ携帯電話も普及していない頃ですね。
日本代表も、まだワールドカップの本大会に駒を進めていませんでした。それが、いまでは5大会連続で本大会に出場中という「常連国」の仲間入りですから、隔世の感があります。まあ、連続出場記録が「6」に伸びるかどうかは、まだ分かりませんが……。
ヴァイッド・ハリルホジッチ監督の率いる日本代表を見ていて、いつも考えさせられるのは、果たして「世界と同じこと」をしていて、勝てるのだろうか――と。システムにしろ、戦法にしろ、例のデュエルにしろ、極めて現代風――つまりは、世界標準(グローバル・スタンダード)ですね。しかし、日本がそれを追いかけ、コピーすることに「理」や「利」が、どこまであるのか。
より速く、より強く、より高く――。
現代のサッカー界では、まるでオリンピックのキャッチコピーみたいな選手たちが増加の一途をたどっています。そうした選手たちを束ねて戦うチームに適した戦法が、現在の「世界標準」のように思えて仕方がありません。日本のサッカー界も、そうしたトレンドに乗っかるのでしょうか。
強者と同じことをしていては勝てない――。
先日、イングランド・プレミアリーグで首位のチェルシーを破ったマンチェスター・ユナイテッドの指揮官も、そう思っていたのかもしれません。名将ジョゼ・モウリーニョです。この一戦に向けてモウリーニョは「マンマーク」という古臭い戦法をひっぱり出して勝利をたぐり寄せました。言わばチェルシーとの差異に勝機を求めたわけですね。
いや、その点ではチェルシーも同じでしょう。4-4-2、または4-2-3-1というシステムが日常化したプレミアリーグにおいて「3-4-2-1」という特異なシステムへ用いて、優勝戦線を突っ走ってきました。他者との「違い」が大きなアドバンテージになっていたのかもしれません。ある意味、ナンバーワンへの第一歩はオンリーワンということでしょうか。
思えば、バルセロナ(スペイン)やスペイン代表が一時代を築いたのも、そうした理由かと。彼らは世界標準に目もくれず、独自路線を突き進みました。かつて日本代表を率いた名将イビチャ・オシムさんが唱えた「日本代表の日本化」も考え方の根っこは同じかもしれません。世界標準を目の端にとらえながら、オリジナルの道を開拓していく。ここでつまずいているのは、何も日本サッカー界だけではないのでしょうが……。
そうした面倒くさい問題意識を抱えつつ、今後も「ブロマガ」にて頑張らせていただきます。改めて、よろしくお願いします。