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記事 23件
  • 鷹鳥屋明「中東で一番有名な日本人」第1回 中東で一番有名な日本人?(PLANETSアーカイブス)

    2019-03-15 07:00  
    550pt

    今朝のPLANETSアーカイブスは、「中東で一番有名な日本人」とも言われる鷹鳥屋明さんの連載の第1回です。サウジアラビアのサルマン国王に関する報道でテレビ出演をしていた鷹鳥屋さんは、日本での偏った報道について憤りを感じていました。中東やアラブに造詣の深い鷹鳥屋さんの視点から、中東のイメージと現実のギャップについて語っていただきました。 ※この記事は2017年5月16日に配信した記事の再配信です
    【告知】 鷹鳥屋明さんが、3月18日(月)に開催されるオンラインサロン・PLANETS CLUBの第13回定例会で、ゲストとして登壇されます。イベントチケットはこちらで販売中。PLANETS CLUB会員以外のお客様も購入可能です。ご参加お待ちしております!
    中東で一番有名な日本人?

    ▲バーレーン、マナマの友人の結婚式にて
    はじめまして、鷹鳥屋明(たかとりや あきら)です。現在日本と中東を繋ぐベンチャー企業で商品企画の仕事をする傍ら、日本文化や日本のポップカルチャーを中東全域に広める活動を個人で行っております。「中東で一番有名な日本人」という少し大げさなタイトルにはなっておりますが、上記活動を継続し私人として中東各国の日本のことに興味がある、日本に興味があるアラブ人の方々はだいたい知っている、現地中東大手メディアに出演を繰り返し、InstagramやTwitterでフォロワーの合計がアラブ地域で合計9万人くらいまでになり、Like数も250万を超える、くらいに知名度を上げることができました。

    ▲サウジアラビア、キングダムタワーにて講演私自身、中東・アラブという地域に触れてまだ6年程度で多くの諸先輩方を差し置いて色々お話することは大変おこがましいですが、この常時何万人ものアラブの方々からの繋がりから集めた情報や現地の人たちの意見などを交え、日本から離れており知り得る機会が少ないこの中東地域について、私自身が学んだことや感じたこと、知り得たことを皆様に共有し、少しでも正確な情報をご提供できればと思います。このような機会を与えてくださったPLANETSの方々に感謝致します。
    ■ PLANETSチャンネルの月額会員になると…・入会月以降の記事を読むことができるようになります。・PLANETSチャンネルの生放送や動画アーカイブが視聴できます。
     
  • 本日20:00から放送!宇野常寛の〈木曜解放区 〉 2019.3.14

    2019-03-14 07:30  
    本日20:00からは、宇野常寛の〈木曜解放区 〉

    20:00から、宇野常寛の〈木曜放区 〉生放送です!〈木曜解放区〉は、評論家の宇野常寛が政治からサブカルチャーまで、既存のメディアでは物足りない、欲張りな視聴者のために思う存分語り尽くす番組です。今夜の放送もお見逃しなく!
    ★★今夜のラインナップ★★メールテーマ「腑に落ちないこと」今週の1本「コードギアス 復活のルルーシュ」アシナビコーナー「加藤るみの映画館の女神」and more…今夜の放送もお見逃しなく!
    ▼放送情報放送日時:本日3月14日(木)20:00〜21:30☆☆放送URLはこちら☆☆
    ▼出演者
    ナビゲーター:宇野常寛アシスタントナビ:加藤るみ(タレント)
    ▼ハッシュタグ
    Twitterのハッシュタグは「#木曜解放区」です。
    ▼おたより募集中!
    番組では、皆さんからのおたよりを募集しています。番組へのご意見・ご感想、宇野に聞い
  • 香港の罪が中国で裁かれる「逃亡犯条例」|周庭

    2019-03-14 07:00  


    香港の社会運動家・周庭(アグネス・チョウ)さんの連載『御宅女生的政治日常――香港で民主化運動をしている女子大生の日記』。今、香港を騒がせているのが「逃亡犯条例」の改定。香港・マカオ・台湾の犯罪者を、中国に引き渡し可能にするという条例です。香港の法的な自立性が脅かされつつある背景について語ります。(翻訳:伯川星矢)

    御宅女生的政治日常――香港で民主化運動をしている女子大生の日記第25回 香港の罪が中国で裁かれる「逃亡犯条例」
    ここ1ヶ月の間、香港で最も議論されている議題は、政府が提案した「逃亡犯条例」の改定です。
    事の発端は、香港の男性が台湾で彼女を殺害し、香港へ戻ってきた事件です。 香港と台湾は刑事共助条例(いわゆる引き渡し協定)を結んでいないため、香港政府は被疑者を台湾政府に引き渡すことができませんでした。香港政府はこの件に便乗し、逃亡犯条例と刑事共助条例を改定を提案しました。内容
  • 長谷川リョー『考えるを考える』 第14回 「世界への解像度を高めたい」データサイエンティスト・風間正弘に聞く“最適化とセレンディピティの共存”

    2019-03-13 07:00  
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    編集者・ライターの僕・長谷川リョーが(ある情報を持っている)専門家ではなく深く思考をしている人々に話を伺っていくシリーズ『考えるを考える』。今回は、リクルートホールディングス(2018年4月より、Indeedに出向中)でエンジニア/データサイエンティストを務める、風間正弘氏にお話を伺います。社外プロジェクトとして、予防医学者・石川善樹氏と共に、レシピのビッグデータをAIで解析して食材同士のつながりを可視化し、新たなレシピを考案するツール「Food Galaxy」の開発も手がける風間氏。レコメンドエンジンによる最適化が進んでいく世界で、AIと人間が協同し、クリエイティビティを発揮していくことは可能なのか。人文知と工学知を掛け合わせ、世界への解像度を高め続ける風間氏の思考に迫ります。(構成 小池真幸)
    レコメンドエンジンの開発が主軸。データサイエンスからWeb開発まで、リクルートで最先端テクノロジーを実装
    長谷川 お久しぶりです。風間さんは、僕の前職・リクルートの先輩でもあります。一度、ミーティングをご一緒したこともありましたよね。

    風間 ありましたね。当時は株式会社リクルートテクノロジーズで、データサイエンス業務を手がけていました。
    長谷川 たしか、会社で表彰されていましたよね。
    風間 そんなこともありました。とあるサイト上でのレコメンドエンジンに、他のサイトのデータを横断的に活用する仕組みを構築したことを評価していただけたんです。サービスごとにデータの質や粒度が全然違うのを、うまく結びつけるのが難しかったですね。
    長谷川 どのように結びつけたのでしょう?
    風間 記事のクリックログをはじめとしたユーザーの行動データや、別のサービス上にたまっているデータをうまく活用することで結びつけました。
    長谷川 その成果を、学会に持って行って発表されたともお聞きしました。
    風間 そうですね。レコメンド関連の学会で発表しました。世界中の研究者からのフィードバックが欲しかったのと、学会での実績を作れば自分の履歴書代わりにも使えるようになるかなと思って。
    長谷川 その後、2018年4月に現在のIndeedに異動されたと。
    風間 自ら手を挙げました。データサイエンスの技術だけでなく、全般的な開発スキルをもっと身に付けたいと思ったんです。研究を重ねるうちに、「レコメンドエンジンの改良が、常にベストな選択肢とは限らない」と気付きました。パターンの色やUIを変えたりした方が、より大きな成果が出ることも多い。あらゆる要素を考慮して施策を設計できるようになりたいと思い、当時の自分に不足していた開発スキルを身につけられる環境を志向しました。
    また若いうちに英語力も磨きたかったので、グローバル企業であるIndeedは最適な環境だと思ったんです。
    長谷川 異動してから一年近く経ちますが、感触はどうですか?
    風間 勉強になることばかりです。今までほとんど触れたことがない種類のコードを、イチから勉強しながら書いています。仕事の一環として、同僚からフィードバックをもらいながらコードを書いているので、日に日にスキルが向上している感覚がありますね。
    また所属しているチームの7〜8割は外国の方というグローバルな環境で、その点でも望んでいた環境に身を置けているといえます。
    長谷川 具体的な業務内容についても教えていただけますか?
    風間 最初はエンジニアとして、画面開発やWeb開発を手がけていましたが、現在はレコメンド開発にも携わっています。求職者の方にマッチする仕事を、画面上やメールでレコメンドするアルゴリズムを構築中です。
    長谷川 レコメンド技術といえば、中国が強い印象があります。運営会社のByteDanceをはじめ、中国のAI技術の発展ぶりは凄まじいですよね。
    風間 中国は本当に勢いがありますね。AIの国際学会に参加しても、中国人の参加者数が1番多かったりしますよ。特にByteDanceは、動画内のユーザーの姿勢判定や、美脚や細い顔に見せるためのリアルタイムでの画像変換など、かなり先進的な技術を開発している印象があります。
    生きたデータを分析し、直接ユーザーに還元したかった。アカデミアの道を捨て、リクルートに就職した理由

    長谷川 レコメンドアルゴリズムのコアでもある、機械学習に関心を抱くようになったのはなぜでしょう?学部生時代は東工大で、機械学習とは全く関係のない研究を手がけられていたと伺っています。
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  • テレビドラマクロニクル(1995→2010)番外編 宮藤官九郎 『いだてん~東京オリムピック噺~』とフィクションの最前線

    2019-03-12 07:00  
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    ドラマ評論家の成馬零一さんが、90年代から00年代のテレビドラマを論じる『テレビドラマクロニクル(1995→2010)』。今回は番外編として、現在放送中のNHK大河ドラマ『いだてん~東京オリムピック噺~』を取り上げます。宮藤官九郎作品の総決算的な意味を持つ本作が、大河ドラマの鬼門である「明治以降」をどのように描こうとしているのか、スポーツや落語を通じて、政治性抜きの「男の子の物語」を復権させようとする、その試みについて読み解きます。
    次回からこの連載では、クドカンこと宮藤官九郎について語ることになるのだが、今回は番外編として宮藤の最新作『いだてん~東京オリムピック噺~』(NHK)について触れておきたい。おそらく本作はクドカンドラマの中で、もっとスケールが大きな野心作であり、今まで彼が追求してきたテーマの総決算となるのではないかと思う。
    『いだてん』は日曜夜8時から放送されているNHKの大河ドラマだ。プロデューサーは訓覇圭、音楽は大友良英、チーフ演出は井上剛と、宮藤が手がけた連続テレビ小説(以下、朝ドラ)『あまちゃん』(NHK)のスタッフが再結集している。同時に外部ディレクターとして『モテキ』(テレビ東京系)などで知られる大根仁とVFXスーパーバイザーとして『シンゴジラ』などを手がけた尾上克郎が参加している。
    物語の舞台は1964年の東京オリンピックを控えた昭和の東京からはじまり、50年前の明治時代へと遡り、二つの時代を行き来しながらオリンピックに関わった人々の姿が次々と描かれていく。  主人公は日本マラソンの父と言われる金栗四三(中村勘九郎)と、東京オリンピックの招致に尽力した日本水泳連盟元会長の田畑政治(阿部サダヲ)ということになっているが、脇を固める俳優も役所広司、綾瀬はるか、森山未來、生田斗真、杉咲花、シャーロット・ケイト・フォックス、竹野内豊、神木隆之介、星野源、小泉今日子、ビートたけしetcと実に豪華。 作品の規模、出演俳優、参加スタッフの座組を見るだけでも、本作が2019年現在におけるフィクションの最前線をひた走っていることは明らかだろう。まさに総力戦である。  宮藤にとってはもちろん日本のテレビドラマ史、サブカルチャー史においてもっとも重要な作品となることは間違いないだろう。
    全員主役の群像劇
    『いだてん』は、主演級の俳優が多数出演しているため、全員主役の群像劇を見ているかのようである。
    日本人初のオリンピック参加を目指して大日本体育協会を設立し、ストックホルムオリンピックの参加資金のために奔走する嘉納治五郎(役所広司)の物語は、昨年役所が主演を務めた『陸王』のようなTBSの日曜劇場で放送されている池井戸潤原作ドラマのようでもあるし、金栗四三と美川秀信(勝地涼)が故郷の熊本を後にして東京高等師範学校の寄宿舎で暮らす姿は、夏目漱石の『三四郎』のような青春文学の味わいがある。 一方、裏の主人公と言えるのが、語り部の落語家・古今亭志ん生(ビートたけし)だろう。若き日の志ん生・美濃部孝蔵(森山未來)が落語家の橘家円蔵(松尾スズキ)と出会い落語家として成長していく姿が金栗の物語と併走する形で描かれるのだが、町のチンピラとして浅草で放蕩生活を送っている孝蔵を取り囲む遊女の小梅(橋本愛)や車夫の清さん(峯田和伸)たちが啖呵を切る姿は宮藤の『池袋ウエストゲートパーク』(TBS系)を思い出させる。 また孝蔵と円蔵の弟子と師匠の関係を軸とした落語家の物語や、落語の演目「富久」が本編と重ねて語られるという虚実入り混じったストーリー展開は、同じく宮藤の『タイガー&ドラゴン』(同)を思わせる。 そして、スポーツを愛する若者たちの集団・天狗倶楽部のパリピ的な振る舞いは明治時代の『木更津キャッツアイ』(同)と言えるだろう。 天狗倶楽部は実際に明治時代に存在したスポーツ同好会だが、彼らの姿を見つけた時、宮藤は歓喜したに違いない。彼らのリーダー的存在の三島弥彦(生田斗真)のやけにタメのあるドヤ顔的な演技は『木更津』の主人公・ぶっさん(岡田准一)を彷彿とさせるが、第一話で全体像を見せた後で、2~5話をかけて第一話で見せた予選会の裏側を見せるという構成自体、『木更津』で見せた野球の試合になぞらせて、物語を表と裏の視点から見せていく手法の発展したものである。 まだ序盤だがこの時点で宮藤の『池袋』『木更津』『タイガー&ドラゴン』という初期代表作のテイストが散見できるあたり、本作にかけるクドカンの本気度が伺える。
    ▲『池袋ウエストゲートパーク』『木更津キャッツアイ』『タイガー&ドラゴン』
    群像劇がもたらす多様性と政治的正しさ
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  • 宇野常寛 NewsX vol.22 ゲスト:小島健志「エストニアの現在」【毎週月曜配信】

    2019-03-11 07:00  
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    宇野常寛が火曜日のキャスターを担当する番組「NewsX」(dTVチャンネル・ひかりTVチャンネル+にて放送中)の書き起こしをお届けします。2月19日に放送されたvol.22のテーマは「エストニアの現在」。ハーバード・ビジネス・レビュー編集部の小島健志さんをゲストに迎え、東欧の小国でありながら、世界最先端の電子国家として注目を集めるエストニアの実態についてお話を聞きました。(構成 籔 和馬)
    宇野常寛 News X vol.22 「エストニアの現在」 201年2月19日放送 ゲスト 小島健志(ハーバード・ビジネス・レビュー編集部) アシスタント 得能絵理子
    宇野常寛の担当する「NewsX」火曜日は毎週22:00より、dTVチャンネルで生放送中です。 番組公式ページ dTVチャンネルで視聴するための詳細はこちら。 なお、弊社オンラインサロン「PLANETS CLUB」では、放送後1週間後にアーカイブ動画を会員限定でアップしています。
    エストニアの電子政府、その成功の理由
    得能 NewsX火曜日、今日のゲストはハーバード・ビジネス・レビュー編集部の小島健志さんです。小島さんは週刊ダイヤモンドを経て、今の編集部へ移られたとのことなんですが、これまでにどういう取材をされてきたんですか?
    小島 エネルギー関係から証券、金融、最後のほうはITやデータ分析を担当していました。そのときに、孫泰蔵さんの連載を担当しておりました。
    得能 宇野さんとはどのようにしてお知り合いになられたんですか?
    宇野 今は会場の都合でなくなっちゃっているんだけど、個人的な勉強会を去年までやっていたんですよ。小島さんはその勉強会に参加されていて、そこで知り合った感じですね。
    得能 小島さんと今日考えるテーマは「エストニアの現在」です。宇野さんが小島さんを呼ばれた理由は何ですか?
    宇野 小島さんが年末に出された『ブロックチェーン、AIで先を行くエストニアで見つけた つまらなくない未来』という本がすごくうまくまとまっていて、僕も非常に勉強になった。なので、著者の小島さんをお招きして、日本はエストニアから何を持ち帰るのかを正面から議論していきたいと思っています。
    ▲ 『ブロックチェーン、AIで先を行くエストニアで見つけた つまらなくない未来』
    得能 今日もキーワードを三つ出していきます。まず一つ目は「エストニアのここがすごい」です。
    宇野 エストニアは数年前から電子政府がうまくいっている。なんでこれが日本でできないんだと思う。エストニアがあたかも理想郷のように紹介されているわけじゃん。実際にエストニアは多くの成果を出しているんだけど、噂がひとり歩きしちゃっているところもあると思うんだよね。そこで、すごく時間とお金もかけて取材された小島さんに、まずエストニアとはなんなのかを教えてもらいたい。だって、僕らが子どもの頃、エストニアを含むバルト三国は小国の代名詞だったじゃないですか。僕がエストニアを最初に認知したのはソ連が崩壊していくときでした。ソ連から最初に離脱したのが、バルト三国だったのね。そういう印象だったところが、こんなに世界中から注目を浴びるような国になるとは本当に思っていなかった。エストニアの奇跡の要点を、小島さんに教えてもらうことから議論を始めたいと思うんです。

    小島 エストニアというと、こういう『ドラゴンクエスト』の町のような非常に美しい牧歌的なイメージがありますよね。
    宇野 ロシアンテイストというよりは北欧テイストに見えますね。
    小島 まさに文化圏が北欧ですからね。

    小島 エストニアをご存知じゃない方も多いと思うので、基本的な情報をまとめました。特に注目すべき点は、人口が130万人なんです。
    宇野 130万人って福岡の人口くらい?
    小島 福岡の人口と同じくらいですね。面積も九州ぐらいの国家なんです。だから、日本の地方自治体と同じぐらいの面積と人口の国と言えます。電子国家としてエストニアは非常に有名で、「enter e-estonia」という言葉を使っております。それは電子政府ということなんですけど、99パーセントの行政手続きがすべてオンラインでできるということが今起きています。私が聞いて驚いたのが、子どもが生まれたとき、日本だとお母さんとお父さんが出生届を出しに行くと、いろいろな助成制度の手続きのために列をなして2〜3時間待っても全部終わらないですよね。それがエストニアだと、病院側が国民番号を交付してくれます。システムがつないであって、生まれた瞬間に番号が発行されて、もうその瞬間に手続きがほぼ終わっている状況になります。だから、基本的に列をなしたり、行政手続きに並ぶことはないんですね。特に確定申告のシーズンをこれから迎えますけども、それも15分くらいチェックするだけで終わってしまうんです。
    得能 日本の場合だと、列ができますもんね。
    小島 あれは大変じゃないですか。それが一瞬で終わってしまうのが、非常に優れていると言われています。私も実際見させてもらったんですけども、カードをつないで、ポータルサイトの画面にいって、そこで手続きをすることで、車の所有権移転なんかも1分あれば終わるんですね。もし、これを日本でやろうとすると、陸運局に行って、もしくはそれを誰かに頼まなきゃいけない。下手したら、半日から一日かかるんですが、それも一瞬で終わる、という仕組みができております。

    小島 こちらに歴史をまとめましたけど、91年に独立を回復して以来、ITで国を興すことで、バンキングから電子化をどんどん進めています。アイボーティングで、選挙もIDとカードがあれば、どこでもできます。世界中で自分たちの自治体の選挙ができるようになっています。イーヘルスは、電子医療システムですね。これが稼働したことで、処方箋がいらなくなったんです。普通だったら、病院に行って、診察券を出して、処方箋を出してもらって、薬局に並びますよね。それがデータ化されているので、予約をして、薬出してくださいと言うと、データで全部飛ばすんですね。そうすると薬局にデータがすでにつないであるので、病院での会計待ちがなくて、そのまま薬局に入っていけます。だから、病院での待ち時間はほとんどないと聞きますね。ポイントは、IDに電子署名という暗号化されたサイン機能が入っていることです。銀行のカードも、健康保険証も、車の処方箋も、定期券も一枚のカードでできます。SUICAと運転免許と保険証がセットになっているような感じですね。今モバイルでもできるので、オンラインバンクですから、現金もいらないんですね。世界中のどこにいても、オンラインなので、別にどこからでもできるんですね。それを行政サービスで支えているのが、非常に優れていると言われています。
    得能 カード1枚ですむのはいいですね。でも、私はカードをなくしがちなので、なくしたら大変そうと思ってしまいます。
    小島 IDとパスワードを覚えていれば、カードを意識しなくてもいいんですよ。PINコードというんですけど、それをちゃんと持っていれば大丈夫です。
    宇野 カードそのものになにかの情報が入っているんじゃないんですよね。
    小島 アクセス権なので、そういう心配もないんです。
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  • 宇野常寛 「ガンダムAGE」はなぜ失敗したのか――"遊び"への信頼を見失ったレベルファイブ日野(PLANETSアーカイブス)

    2019-03-08 07:00  
    550pt

    今朝のPLANETSアーカイブスは、宇野常寛による『ガンダムAGE』論です。ヒットメーカー日野晃博をストーリー原案に据えた本作は、なぜ失敗に終わったのか。架空年代記を通して成長/老いを描こうとする試みが空転した経緯を、『イナズマイレブン』シリーズなどを参照しながら読み解きます。(初出:「ダ・ヴィンチ」2013年7月号)※この記事は2013年12月20日に配信した記事の再配信です
    ▲『機動戦士ガンダムAGE』
     フリット・アスノは高名なエンジニアの家系──アスノ家──の長男として生まれた。幼少期からその天才を発揮し、周囲を驚愕させていたというフリットだが、その運命はある事件で一変する。彼が生まれた当時、人類は正体不明の外敵の脅威に晒されつつあった。そしてフリットが七歳を迎えたある日、生まれ育ったスペースコロニーが敵の襲撃を受け、彼は最愛の母親を失う。既に父親を亡くしていたフリットは天涯孤独の身になった。フリットは軍事技術者だった母親の意志を継ぎ、外敵に対抗し得る新兵器──ガンダムの開発を引き継ぐことを決心する。そしてフリットが14歳になった日、地球人類はようやくその姿を現した外敵──火星移民者による軍事国家ヴェイガン──との戦争状態に突入する。フリットは自ら開発したガンダムを操り、人類の救世主となるべく戦いに身を投じる。その胸に刻まれたフリットの復讐心は、戦いの中で恋人や仲間が犠牲になっていくことでさらに肥大してゆく……。
     これは一昨年(2011年)から1年間放映されたテレビアニメ『機動戦士ガンダムAGE』のあらすじだ。本作は全四部構成となっており、第二部ではフリットの息子アセムを、第三部と四部ではアセムの息子(フリットの孫)キオを主人公に、約100年に及ぶ地球人類とヴェイガンとの戦争の行方を描いた大河ストーリーが展開する。
     はっきり述べれば、本作は「ガンダム」シリーズ屈指の不人気作品だ。ストーリー原案に株式会社レベルファイブを率いる人気ゲーム作家・日野晃博(代表作に「レイトン教授」「イナズマイレブン」シリーズがある)を迎え、主に小学生男子を中心とした低年齢層をターゲットにしたと思われる本作は、視聴率、ソフト販売、玩具の販売とすべてにおいて苦戦が報じられた。失敗の原因はいくらでも思いつく。1年の放映期間をもってしても圧倒的に尺が足りず、詰め込み過ぎのエピソードを強引に処理する脚本は常に総集編を見ているかのような印象を視聴者に与えたのは間違いないし、近年のアニメとしては作画のクオリティも高いとは言えなかった。
     しかし、僕が引っ掛かるのはもっと別のことだ。僕は日野晃博は現代日本を代表する作家のひとりだと考えている。日野は僕の知る限りもっとも果敢に「失われた20年」以前の少年漫画(ジャンプ)、児童漫画(コロコロコミック)のドラマツルギーを現代的なものにアップデートすることに挑戦している作家であり、そして相応の成果を上げている作家である。しかし、その日野をもってしても、「ガンダム」を扱うことはできなかったのだ。
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  • 本日20:00から放送!宇野常寛の〈木曜解放区 〉 2019.3.7

    2019-03-07 07:30  
    本日20:00からは、宇野常寛の〈木曜解放区 〉

    20:00から、宇野常寛の〈木曜放区 〉生放送です!〈木曜解放区〉は、評論家の宇野常寛が政治からサブカルチャーまで、既存のメディアでは物足りない、欲張りな視聴者のために思う存分語り尽くす番組です。今夜の放送もお見逃しなく!
    ★★今夜のラインナップ★★メールテーマ「再会」今週の1本「世界不死計画」アシナビコーナー「たかまつななの木曜政治塾」and more…今夜の放送もお見逃しなく!
    ▼放送情報放送日時:本日3月7日(木)20:00〜21:30☆☆放送URLはこちら☆☆
    ▼出演者
    ナビゲーター:宇野常寛アシスタントナビ:たかまつなな(お笑いジャーナリスト)
    ▼ハッシュタグ
    Twitterのハッシュタグは「#木曜解放区」です。
    ▼おたより募集中!
    番組では、皆さんからのおたよりを募集しています。番組へのご意見・ご感想、宇野に聞いてみたいこと、
  • 丸若裕俊 ボーダレス&タイムレスーー日本的なものたちの手触りについて 第6回 旅人の喫茶と、都市に見る〈幻〉

    2019-03-07 07:00  
    550pt

    工芸品や茶のプロデュースを通して、日本の伝統的な文化や技術を現代にアップデートする取り組みをしている丸若裕俊さんの連載『ボーダレス&タイムレスーー日本的なものたちの手触りについて』。今回のテーマは「ジャーニー」。茶を「伝える」というテーマのもと、新しいプロジェクトにアップデートされようとしているGEN GEN ANについて。さらに、コーヒーと茶が交差する地点から見えるフォースウェーブの可能性について考えます。(構成:大内孝子)
    GEN GEN ANという実験装置
    丸若 今日は、「EN TEA」と「GEN GEN AN」ついて考えたことをお話しできたらと思っています。もともと茶のマスターブランドとしてEN TEAがあって、これは茶の製品開発と製造を手がけています。もうひとつ、GEN GEN ANという店舗の経営を渋谷でやってきて、2年くらい経った今、なぜGEN GEN ANを始めたのかを改めて考えていたんです。それでわかったのは、茶を「作る」ことに特化したのがEN TEAで、茶を「伝える」ことに特化したのがGEN GEN ANなんです。その中のひとつのプロジェクトとして店舗があった。店舗というのはひとつのアウトプットで、茶には本来こういう楽しみ方があるよね、こういう意味があるよね、みたいなことを伝えるプロジェクトの総称だったなと。だから、来年は店舗だけではないGEN GEN ANをちゃんとしていかなくちゃなと思っています。
    宇野 店舗だけではないGEN GEN ANというと、具体的には?
    丸若 二つ、キーワードがあります。ひとつは「ジャーニー」をテーマに、今年の春からGEN GEN ANというプロジェクトで、パリ、ポートランド、コペンハーゲン、アムステルダムなどの諸国へ旅したいと考えています。それは、江戸時代にいろいろなところを旅して茶を広めた売茶翁が、最後に構えた庵が幻幻庵で、それを現代にアップデートしたのが渋谷のGEN GEN ANである、というコンセプトに繋がるんですね。海外の人たちにこのGEN GEN ANをどう伝えていくか。今回行ってみてどこが一番いいか探してこようと思っています。
    今は冗談みたいなアイディアだしでしかないけれど、例えば、アムステルダムはコーヒーショップの隣にティーショップを作ってみたり。コペンハーゲンでは、クリスチャニアなんかでTEA TIMEなんかしてみたい。お金儲けになるわけがないんですが、めちゃくちゃおもしろそうだなって。アンチテーゼを具体的な形にしたいと思っていて、どれが一番形になりやすいかも含めたジャーニーです。茶だからこそ旅するっていうのがいいなと思っています。
    もうひとつは、もっとスペシャルな茶の体験ができる空間を作ろうと思っています。具体的な場所はもう決まっていて、ざっくりとしたイメージだとワインでいうテイスティングハウスのような空間を作りたいんです。
    GEN GEN ANの動きでいうとその二つなんですが、全部実験なんです。GEN GEN ANをやってきて「こういう茶のスタイルありだよね」とか「こういう茶葉の淹れ方ありだよね」というのが、3年目になってようやく形になってきた。その一つとしてのアウトプットがEN TEA HOUSEだったんです。
    また、まだお話しできませんが、他の飲料との取り組みや、ライフスタイルを引率するブランドとのプロジェクトも。 分かる人には、分かるという概念を一つ一つ解放していきたいと思っています。 こんな風に、今まで僕たちも想像でしかない、新たな茶の楽しみ方を多くの人々と形にしていけているのは、たぶん幻幻庵があったからなんですよ。すごい小さい実験なんだけど、そのアウトプットがいきなり飛躍する感じがおもしろい。これは現代的だし、東京的だなと思うんです。
    だから、今はジャーニーってハードコアなことに見えるかもしれないけど、数年後には、日本人が旅行するときは茶を持っていくことになるかもしれない。茶にまつわる場所に行くのが世界のお金持ちの一つのトレンドになるかもしれない。そういう人間の飽くなき探求のところに茶を差してくということをしたいんです。食とか、そういうところの実験装置としてのプロジェクトがGENGENANなんです。
    ▲渋谷・「GEN GEN AN」
    茶を通じて都市をアップデートする
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  • 三宅陽一郎 オートマトン・フィロソフィア――人工知能が「生命」になるとき 第九章 社会の骨格としてのマルチエージェント(後編)

    2019-03-06 07:00  
    550pt

    ゲームAIの開発者である三宅陽一郎さんが、日本的想像力に基づいた新しい人工知能のあり方を論じる『オートマトン・フィロソフィア――人工知能が「生命」になるとき』。前編に引き続き、役割を与えられた人工知能・エージェントについての議論です。人工知能に欠落している社会的自我と実存的自我の統合による「主体性」の獲得、そしてその先にある、人間の代わりに人工知能によって構成された社会のあり方について構想します。
    (5) 社会的自我(me)と実存的自我(I)を持つ人工知能エージェント
    マルチエージェントとして外側から役割を与えられたエージェントと、自律した世界に根付く人工知能には乖離があります。これは、社会の側から要請する知能と、存在としての根を持つ知能には乖離があるからです。人間誰しも、外側から期待される自分と、個として内側から実存する自分の間のギャップに苦しんだことがあるかと思います。   ジョージ・ハーバード・ミード(1863-1931)はその論文「社会的自我」(1913年)の中で、社会に対して持つ自我を社会的自我、それを meと名付けました。また、個として深く世界に根ざす自我をIと言いました。 社会的自我(me)と実存的自我(I)は常に緊張関係にあり、混じり合わず、その間に溝があります。知能の持つ自我には、この二つの極があり、その極の緊張関係によって、我々の知能は巧みなバランスの中で成立しています。  社会的自我と実存的自我は知能に二面性をもたらします。しかし、どちらも自分の真実の姿なのです。二つの自我は衝突しながらも、緊張関係を生み出します。一つは存在の根源から、一つは社会的・対人的な場から生成されます。我々は時と場合により、どちらかを主にしながら、さまざまな局面を乗りきります。そのような二つの自我はお互いを回る二重惑星のように回転し、とはいえ、外から見れば一つのシステムとして機能します。
    ▲図8 社会的自我(me)と実存的自我(I)
    人工知能の開発においては、自律型知能としては「実存的自我」(I)を、マルチエージェントの研究としては「社会的自我」(me)を探求して来ました。人工知能の研究はこの二つを無意識のうちに別々に研究して来ました。歴史的にはこれはある程度は計算パワーやメモリの制限によるものでしたが、現在ではそれを言い訳にすることはできません。この乖離は実際の知能の像とは遠いものです。人の知能はある程度自律的に育ちつつ、社会や他者から影響を受けながら形成されるものだからです。そして、まさにそのことこそが、人工知能の研究の進捗を阻害している一因でもあります。乖離している二つの自我を統合しつつ、総合的な知能を作ることが、これからの人工知能を導くことになります(図8)。 自律型エージェントが自律型知性に至るということは、単に外側から与えられた役割を遂行する人工知能ではなく、内面からの人工知能と外面からの人工知能をつなぐことになります。  エージェントの役割は外から与えられます。まさにそのことによって、エージェントは最初から社会的な存在です。エージェントを社会に、そして世界にどれだけ食い込ませることができるかが、マルチエージェントとしての知的機能の高さということになります。そのような社会的自我を持つエージェントに、実存的自我を融合させるということは、与えられた役割による人工知能を脱することではありますが、それを放棄する訳ではありません。また単に独立した存在となることでもありません。社会に連携した存在であると同時に、世界に自律した根を持つ存在となることでもあります。無意識から立ち上がる実存的意識と、社会的自我の意識から押さえ付けられる社会的自己の意識の相克を人工知能に持ち込むことが、新しいステップへ人工知能を導くことになります。
    (6)人工生命とエージェント
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