鷹鳥屋明さんの連載『中東で一番有名な日本人』。今回はサウジアラビアからのレポートです。6月に大阪で開かれたG20。サウジアラビアからは、次期国王と噂されるムハンマド皇太子が出席していましたが、2018年にトルコのサウジアラビア総領事館で起きた事件への関与疑惑を日本のメディアが報じたことで、SNSでは大規模なイメージアップ作成が展開されました。
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G20の裏にあったプロモーション合戦
少し前のお話になりますが、この6月に雨の降る中、大阪で2019年G20が行われました。中東からはサウジアラビア王国、トルコが参加、招待国の中にはアフリカ連合の代表としてエジプトが参加していました。その中でも次回の2020年11月に行われるG20の議長国となるサウジアラビア王国は写真撮影の席次や、今回のイベント全体での立ち位置などを含めて総合的な印象ではかなりの厚遇を受けているようでした。そしてこの厚遇を受けてメディアやいろんな場所で登場した要人はサウジアラビア王国の次期国王と噂されるムハンマド・ビン・サルマン皇太子殿下でした。
▲来日したサウジアラビア皇太子
さて、この皇太子殿下の来日に合わせて、G20のメディア報道にピックアップされる際に日本のメディアの報道の仕方にかなり偏りが出てきました。かなり意図的なものと思われますが、今回ムハンマド皇太子が各テレビ局のテレビ画面に出る際にテロップや放送内容で出てきたものが「33歳の若さで国内の権力をほぼ掌握、ジャーナリスト殺害事件関与の疑いも」「サウジの皇太子ジャーナリスト暗殺に疑いが?」や「若くして権力掌握を成しえた次期国王」などの全体的にポジティブとは言えない内容がほとんどでした。
▲G20サミット、一同勢ぞろいの写真。真ん中に安倍総理、すぐ右手に次回議長国のサウジアラビア