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PLANETSチャンネルでできること

宇野常寛が主宰するPLANETSのウェブマガジンです。政治からサブカルチャーまで独自の角度と既存のメディアにはできない深度で情報発信しています。
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  • べんがら塗り〜鴻雁北(こうがんかえる)|菊池昌枝

    滋賀県のとある街で、推定築130年を超える町家に住む菊池昌枝さん。この連載ではひょんなことから町家に住むことになった菊池さんが、「古いもの」とともに生きる、一風変わった日々のくらしを綴ります。 人類が初めて使った無機塗料「べんがら」での塗装を通じて人類史の壮大さに思いを馳せながら、「古いもの」を使い続ける豊かさを噛み締めます。 菊池昌枝 ひびのひのにっき 第9回 べんがら塗り〜鴻雁北(こうがんかえる) 外壁の品格 これまで何度かお伝えしたが、私の家は古民家だ。玄関周りはおそらく最近──それでも昭和50年代に修繕されたと推定できるものの、側面の窓は無用心だということで工務店さんが格子を新たに作ってくださったのだ。 玄関先の板塀の色は褪せて薄赤く変色し、側面の格子は生木のままだったので1年も経つと色はくすんでいる。 それが少し気になっていたところ、お隣のおじちゃまがご自身の玄関先を自分で塗装していた(おじちゃまのお宅も古民家)ので、「この塗料はどこで手に入れるのですか」と尋ねてみたのだ。そうしたらおじちゃまが言うには、これは「べんがら(弁柄)」という塗料で、この地域でよく使われているもの...

    1日前

  • JR浜松町駅から芝大門、増上寺へ 〈後編〉|白土晴一

    リサーチャー・白土晴一さんが、心のおもむくまま東京の街を歩き回る連載「 東京そぞろ歩き 」。前回に引き続き、増上寺周辺を歩きます。 徳川将軍家の墓所がある増上寺ですが、現存する文化財は再建されたものも少なくありません。現存する建築物と地形から、当時の風土を探る白土さんの眼が光ります。 白土晴一 東京そぞろ歩き 第14回 JR浜松町駅から芝大門、増上寺へ 〈後編〉  芝の街歩きの続き。  芝名物とも言える芝大門を抜け、そのまま東へ向かうと、通り沿いに小さな駐車場がたくさんあるのを見ることが出来る。  この地域はオフィス街で、停められているのは営業用らしき車両が多い。付近に警察署もあるので、路上駐車が難しい場所でもあるし、駐車場の需要は高い土地だと思う。  しかし、この駐車場群が他の地域と違うのは、ほとんどが寺院が経営していることだろう。ほとんどの駐車場が、本堂や庫裏などの寺院の建物と併設するように駐車スペースが作られている。お寺や神社が自らの土地で事業を行うのは珍しくないが、都心のオフィス街付近にあるお寺は、わずかな空間でもこのように利用して駐車場を経営していることが多い。  そ...

    2日前

  • 『三姉妹』──理不尽な現実を生きる娘たち|加藤るみ

    今朝のメルマガは、加藤るみさんの「 映画館(シアター)の女神 3rd Stage 」、第28回をお届けします。 今回紹介するのは韓国映画の『三姉妹』。理不尽な現実を生きる女性たちを生々しく描いた本作に対し、「胸糞だけど後味は爽やか」と評するるみさんが思うこととは? 加藤るみの映画館(シアター)の女神 3rd Stage 第28回 『三姉妹』──理不尽な現実を生きる娘たち おはようございます。加藤るみです。 最近引っ越しをして、三人暮らしが始まりました。 わたしは結婚していて夫が居ます。 そこにプラスわたしの姉がいて、三人暮らし。 この話は話すと超絶長くなるので、めちゃくちゃ割愛して話すと、わたしが大阪に引っ越した当初、実は姉も実家から犬を連れて大阪にやってきたんですね。 当初はわたしとふたりで犬の面倒を見るつもりだったんですが、すぐに犬が亡くなってしまったため、姉は家の契約の関係もあり大阪で一人暮らしを続行したんです。 そして、なんだかんだ姉も大阪で働きはじめ、わたしたち夫婦の近所に住んでいたこともあり、晩御飯を一緒に食べよう〜みたいな感じで頻繁に家に来てもらううちに、「もう一緒に住んだ方が良くない?...

    5日前

  • 『ウルトラマンと戦後サブカルチャーの風景』第二章 ヒーローと寓話の戦後文化簡史―宣弘社から円谷へ(後編)|福嶋亮大

    前編 に引きつづき、5月13日の『シン・ウルトラマン』公開記念として文芸批評家の福嶋亮大さんの著書『ウルトラマンと戦後サブカルチャーの風景』の第二章の後編を特別公開します。 昭和ウルトラマンシリーズの物語構造には、戦後日本人のどんな精神性が刻まれていたのか? アメリカSFドラマや同時代文学との対比から考えます。 ※本記事は、福嶋亮大『ウルトラマンと戦後サブカルチャーの風景』(PLANETS 2018年)所収の同名章を特別公開したものです。 PLANETSオンラインストア では、本書を故・上原正三さんと著者・福嶋亮大さんによる特別対談冊子付きでご購入いただけます。 福嶋亮大 ウルトラマンと戦後サブカルチャーの風景 第二章 ヒーローと寓話の戦後文化簡史―宣弘社から円谷へ(後編) 2 原初的なセカイ系 『スタートレック』の神話構造  ウルトラマンシリーズの視聴者は、その奇妙なご都合主義に誰もが一度はひっかかるだろう。そこでは全宇宙の関心が地球に集中しているかのようであり、多くの宇宙人が地球を美しい星として礼賛する。ウルトラマンもハヤタ隊員をうっかり殺してしまったという理由だけで、なぜか命懸けで地...

    2022-05-17

  • カモフラージュフード|高佐一慈

    お笑いコンビ、ザ・ギースの高佐一慈さんが日常で出会うふとしたおかしみを書き留めていく連載「 誰にでもできる簡単なエッセイ 」。 今回の舞台はスーパーマーケット。レジ打ちの店員さんに商品を見せるときにどうしても考えずにはいられないことについて綴っていただきました。 高佐一慈 誰にでもできる簡単なエッセイ 第28回 カモフラージュフード  何かいい手はないかと、さっきからずっと考えている。  僕の横をいろんなお客さんが通り過ぎる。ビールとお弁当をカゴに入れた仕事帰り風の会社員、カートの下にトイレットペーパーを入れた年配の御婦人、お酒やおつまみを大量に買い込んだ仲良し学生3人組。それぞれが各々の列に並んでいく。  僕はといえば、レジより少し手前にあるパン売り場でさっきからずっと棒立ちだ。僕の持つレジカゴには、じゃがいも一袋、人参一袋、玉ねぎ一袋、牛肉300g、カレーのルー一箱が入っている。  こんな状況は今日が初めてではない。今までに何度も訪れた。そして何度も歯を食いしばりながらレジに並んだ。しかし、なんとか今日で終わりにしたい。そのためにスーパーの店内で、軽やかなBGMが流れる中、さっきから...

    2022-05-16

  • 『ウルトラマンと戦後サブカルチャーの風景』第二章 ヒーローと寓話の戦後文化簡史―宣弘社から円谷へ(前編)|福嶋亮大

    5月13日の『 シン・ウルトラマン 』公開を記念し、文芸批評家の福嶋亮大さんの著書『ウルトラマンと戦後サブカルチャーの風景』の第二章を前後編で特別公開します。 高度経済成長期に生まれたウルトラマンは、戦後サブカルチャー史の文脈から見たとき、それ以前のヒーローもののドラマと比べてどういう特色を持っていたのでしょうか? ※本記事は、福嶋亮大『ウルトラマンと戦後サブカルチャーの風景』(PLANETS 2018年)所収の同名章を特別公開したものです。 PLANETSオンラインストア では、本書を故・上原正三さんと著者・福嶋亮大さんによる特別対談冊子付きでご購入いただけます。 福嶋亮大 ウルトラマンと戦後サブカルチャーの風景 第二章 ヒーローと寓話の戦後文化簡史―宣弘社から円谷へ(前編)   前章 で見たように、私は昭和のウルトラマンシリーズには大きな断層が二つあり、そのそれぞれが時代相を映し出すものだと考えている。第一の断層は『ウルトラQ』におけるシニシズムが、ウルトラマンという高度成長期の生んだ突飛なヒーローによって乗り越えられたことである。第二の断層は『帰マン』から『A』にかけて、大きな物語や大きな...

    2022-05-13

  • 小花美穂・槇村さとる──憧れる娘(後編)|三宅香帆

    今朝のメルマガは、書評家の三宅香帆さんによる連載「 母と娘の物語 」をお届けしま1990年代の少女漫画に登場するようになった「自由な母親」は母娘関係にどんな変化を与えたのか。1994年に連載が始まった『イマジン』などの作品から考察します。 前編はこちら 。 三宅香帆 母と娘の物語 第八章 小花美穂・槇村さとる──憧れる娘(後編) 3.家父長制を境界にした母娘シスターフッドー『フルーツバスケット』 『こどものおもちゃ』において、紗南にとって実紗子は母というよりも、良きメンターのような役割を担う。つまり、母娘として自己投影や同化の欲求を抱くというよりも、母はあくまでアドバイザーであり監督者であるという距離を保つのである。そのため実紗子と紗南の関係は、母と娘というよりも、叔母と姪のシスターフッド的関係性に近しいような距離感となっている。実紗子と紗南はたしかに母娘関係ではあるのだが、どちらかというと、家父長制の内部に留まる娘と外部に飛び出した母のシスターフッドに見えてくるのだ。 前編 で論じた藤本論は「自由な母親像はシングルマザー家庭の物語に多い」と述べていたが、たしかに『こどものおもちゃ...

    2022-05-10

  • 平成を「ヒット曲」から振り返る(後編)|柴那典

    本日のメルマガは、音楽ジャーナリスト・柴那典さんと宇野常寛との対談(後編)をお届けします。 音楽バブルとでも言うような1990年代から一転、「大衆的」なものが捉えにくくなったゼロ年代からの音楽シーンを分析し、現代のアングラカルチャーからオルタナティブな感性が現れる可能性について論じます。 前編はこちら 。 (構成:目黒智子、初出:2021年12月9日「遅いインターネット会議」) 平成を「ヒット曲」から振り返る(後編)|柴那典 音楽シーンとユースカルチャーの乖離 宇野  前回に引き続き、ゼロ年代以降の音楽シーンについて深掘りしていこうと思います。2000年の「TSUNAMI」はサザン自身の総括ソングですよね。1970年代からキャリアのある国民的バンドの総括ソングが、その年を代表するような曲になってメガヒットを記録していくというのは、社会全体が年を取り始めてきたことの最初の表れだったように思います。 柴  まず振り返ると1990年代は非常ににぎやかな時代で、特に1995年以降、日本社会はどんどん沈んでいくけれど音楽はきらびやかだった。 宇野  メディアの世界は1990年代後半がバブルだったので、あらゆるものがそうでし...

    2022-05-09

  • あなたの持ちものを欲しがる人に売ることをビジネスとは言わない(前編)|橘宏樹

    現役官僚である橘宏樹さんが、「中の人」ならではの視点で日米の行政・社会構造を比較分析していく連載「 現役官僚のニューヨーク駐在日記 」。 今回は、ニューヨークひいてはアメリカ社会で大きな存在感をもつユダヤ系の人々について。市内人口の9%を占め、金融・経済・政治・メディアの重要局面で絶大な影響力を発揮するユダヤ人社会が、現在どのような状況にあるのかをタイプ別に解説します。 橘宏樹 現役官僚のニューヨーク駐在日記 第4回 あなたの持ちものを欲しがる人に売ることをビジネスとは言わない(前編) まずは近況:物価上昇・円安のダブルパンチ  おはようございます。ニューヨークの橘宏樹です。日本の皆様はいかがお過ごしでしょうか。4月中旬現在、ウクライナ侵攻については、長期化するだろうとの見方、5月9日のロシアの対独戦争戦勝記念日までに、めぼしい戦果をあげるべく、ロシアが大規模総攻撃を仕掛けるだろうとの見方が飛び交っている状況です。SNS上のプロパガンダ合戦も激しい状況で、何が正しい情報なのか、この情報は誰のどういう意図で世に出されたものなのか、いちいち判断するのが困難な状況です。  ニューヨークの日常...

    2022-05-06

  • 小花美穂・槇村さとる──憧れる娘(前編)|三宅香帆

    今朝のメルマガは、書評家の三宅香帆さんによる連載「 母と娘の物語 」をお届けします。小花美穂・槇村さとるの作品から見出せる、少女漫画における「理想」の女性像の変遷とは? ユートピアとしての「家父長制の外部」をキーワードに、1994年に連載開始した『こどものおもちゃ』について分析します。 三宅香帆 母と娘の物語 第八章 小花美穂・槇村さとる──憧れる娘(前編) 1.少女漫画の「自由な母」像が指差すもの 本連載では、これまで伝統的な家庭像のなかで描かれる母娘表象に注目し分析してきた。特に少女漫画の分野では、母に抑圧される娘の物語が繰り返し描かれてきたが、それは家父長制の伝統に則った母親の在り方ゆえのものであった。しかし一方で、少女漫画や女性漫画といったジャンルが、家父長制の要求に対抗するかのように、「自由な母親像」を求め続けてきたのも本当である。 少女漫画でしばしば描かれる、自由奔放な母親像。常識から外れていて、まったく親らしくなくて、時には主人公である娘のほうがハラハラしてしまうような母親像。このような描写について、藤本由香里は「この二作品に共通している「子どもっぽくて常識はずれ...

    2022-05-02