現代金融理論「MMT」到来前夜、日本経済予習⑪、日本の輸出輸入
閉じる
閉じる

新しい記事を投稿しました。シェアして読者に伝えましょう

×

現代金融理論「MMT」到来前夜、日本経済予習⑪、日本の輸出輸入

2019-04-20 19:13

    http://www.jftc.or.jp/kids/kids_news/japan/item.html
     このサイト見やすくて分かりやすくて優秀、サイトを編集企画した人は凄い、間違いなく熟読する価値がある。

    ■輸出は費用、輸入は便益
     国際貿易を貿易赤字/貿易黒字の水準ではなく、その実質的(実物的)効果に基づくと、輸出は費用で輸入は便益となる。
     実物的には、当然ながら、輸出は実物の流出であり、輸入は実物の流入です、故に、実物的には輸出は費用となり、輸入は便益となる。
     この場合、輸入増加が生じると、それが持続可能かどうかは別として、少なくとも経済厚生自体は(輸入財消費を通じて)上昇する。
     これにより、貿易赤字は、財・サービスの純流入(純取得)という意味で、実物面では明らかに得になっている。

    (図解入門ビジネス 最新MMT[現代貨幣理論]がよくわかる本 望月慎(著) 引用)

    ■貿易赤字の持続可能性の二つのケース
     貿易赤字=輸入超過は、財・サービスの純流入を示唆し、短期的には「実物的に得」になっている状態ですが、そうした貿易赤字が持続可能でなければ、輸出追加か、国際決済上の破綻のいずれかになる。
     ①自国が海外部門に対して魅力的な輸出品を中長期的に提供し続けるというケース
      たとえばオーストラリアのような天然資源が豊富な国であれば、海外部門がオーストラリアからの天然資源の「購入権を貯蓄」しておこうと考えるのは合理的です、その結果として、(海外からの)対内投資超過と貿易赤字が平行して生じ得る。
     ②海外部門に対して広範に決済通貨を提供する立場であるケース
      典型的なのはアメリカで、世界各国が基軸通貨であるUSドル建ての貯蓄を求める以上、アメリカはその分の経常収支赤字計上が常に求められる立場にあります。
     上記2ケースではいずれも、貿易赤字国が十分な規模の赤字を計上しなければ、残りの世界各国の貯蓄需要が満たされず、むしろ全体の経済厚生が悪化しかねない。

    (図解入門ビジネス 最新MMT[現代貨幣理論]がよくわかる本 望月慎(著) 引用)

    ■日本の経常収支黒字の累積
     石油ショック以降から昭和57年にかけて9年間、輸出の伸びが、GNP全体の伸びの大半を占める異常な輸出突出型成長を結果的にしたが、日本はなんとか輸入超過しないように、輸出に力を入れてきただけである。
     これは、資源がないために、なんとか外貨を貿易で獲得して資源を買う外貨を入手しようとしたにすぎない、その努力が行き過ぎであったためである。
     重要なのは国外の資源(モノやサービスを含む)を獲得するには、外貨主に国際決済通貨であるドルが不可欠なことである。

    ■完全雇用を達成する為の政策
     ほとんどの国は、国内の完全雇用、固定為替相場、自由な資本移動を「3つを同時」に追及することはできない。(ダニ・ロドリック トリレンマ)
     完全雇用を達成するために国内政策(金利政策・財政赤字など)を実行できることを望んでおり、そしてこういった政策の実行が経常収支赤字をもたらすのであれば、国家は資本の移動を制御するか、為替レートの固定をあきらめなければならない。
     このように、為替レートを変動させることは、国内政策により大きな余地を与える。
     資本の制御は、国内政策の独立を追及しつつ為替レートを保つという別の方法を提供する、もちろん、これらの政策は政治的なプロセスに委ねられる。
     (MMT現代貨幣理論入門 L・ランダル・レイ 引用)

    ■変動相場制
     変動相場制では、自国通貨の価値(価格)を外貨に紐付けたりする必要はなく、自国通貨であれば自由に通貨発行できる。
     変動相場制+自国通貨に基づく金融財政制度においては、財政政策における金融的制約が存在しない、このため政府の政策スペースが最大化され、実物生産キャパシティ(特に労働力)の最大限利用がより容易となる。
     変動相場制では、総需要変動が(政府支出によるものであれ、民間支出によるものであれ)発生して消費・輸入パターンや物価水準自体を変動するようであれば、その分だけ為替レート変動が生じる。
    (図解入門ビジネス 最新MMT[現代貨幣理論]がよくわかる本 望月慎(著) 引用)

    ■グローバリゼーション=世界規模化
     「人(労働力)、モノ・サービス、金(金融・資本・税金)、情報」などが国境を越えて地球規模で自由に移動し、リベラルな国際秩序の下で自由貿易・自由市場・自由競争を行う。
     このため、経済恐慌・金融危機・紛争・社会不安が短時間のうちに世界規模で波及し政治的・経済的・文化的・軍事的な影響が地球のいたるところで同時に現れる状況になる。
     グローバリゼーションがもたらす国境を越えた影響により、地政学的な下部構造が崩壊したとなれば、その上部構造にある表面的なリベラル国際秩序やグローバリゼーションもまた、終わりを告げることになる。
     グローバリゼーションによって国益を最大化するために費やした犠牲や代償の成果は国民に利益をもたらすものでは必ずしもない、過去の歴史ではグローバリゼーションロックインのスイッチングコストは国民の血で清算された。
     グローバリゼーションは、リベラルな国際秩序の下では「国境」を無意味なものにすると信じられてきた、しかし国際秩序は不安定化を辿った、イギリスのEU離脱・アメリカのトランプ壁や保護主義が示す警告は、「国境」というものが政治的のみならず経済的にも如何に重要であるかを教えている。

    ■国境と国民国家は戦争の原因なのか?
     欧州委員会委員長のジャンクロードユンケルは、2016年8月に「国境は政治家がこれまでに作り出した最悪の発明品だ」と宣言した。
     政治家が実際に国境を「発明」したのかどうかは議論の余地があるにせよ、ユンケルがこの発言をした時までに、政治家が確かに国境を消せることは明白になっていた。
     シュンゲン協定(26カ国による国境のない領域形成)は新たな平和と統合の時代の先触れとなるよう企画されていた。「人、物、サービス、資本の自由で制限のない移動」に何らかのデメリットがあろうとは思わなかった。
     戦争が本当に「国境の存在」と「国民国家」によって引き起こされたのだとしたら、その廃止を望まない者がいるだろうか。
     だが20世紀の戦争を「国境」と「国民国家」のせいにするには無理がある、時として紛争の原因になるにしても、だからといって国境と国民国家がなければ世界から紛争がなくなるというものでもない。
     (西洋の自死: 移民・アイデンティティ・イスラム ダグラス・マレー (著) 引用)

    貿易経常収支の黒字政策は近隣窮乏化政策
     貿易経常収支の黒字を目指そうとする政府の政策は、特に輸出相手国が不況にある場合には、輸出によって相手国の市場と雇用を奪う政策、いわゆる近隣窮乏化政策といえる。

    ■比較優位の原理
     イギリスの経済学者デヴィッド・リカード(David Ricardo,1772-1823)は、『比較優位の原理』を提唱することで、自給自足ではない『自由貿易(国際貿易)による生産性・効率性の向上』を支持しました。比較優位というのは、それぞれの国が相対的に生産性の高い分野(生産物)という意味である。例えば、ある国が自動車よりも綿花を生産することのほうが相対的に得意であれば(相対的に労力・コスト・時間がかからないのであれば)、綿花の生産分野が比較優位ということになり、自動車よりも綿花に特化した生産を行って、外国(自動車生産が得意な国)と貿易をして自動車を輸入したほうが効率的ということになる。
     各国が『比較優位な分野(生産物)』にだけ特化して重点的な生産活動を行い、余剰な生産物を輸出する事ができれば、それぞれの国の生産コストは低くなり生産効率性は高まるというのが、デヴィッド・リカードの『比較生産費説』と呼ばれる古典的な経済理論です。リカードは経済学を数量的なモデル化を通して構築していくアプローチを初めて採用した経済学者であり、『国富論』のアダム・スミスとデヴィッド・リカードは古典派経済学の思想的・モデル的な二大源流になっています。
    修正改変なく原文のままでウェブページの一部引用
    引用元“http://esdiscovery.jp/

    ■貿易依存の脆弱性
     天然資源、原料、エネルギー、食料、医療など国民が生存に必要な物資を輸入に依存することは有事(紛争・シーレーン封鎖・自然災害・不作・干ばつ飢饉・新コロナなどの感染症・パンデミック)においては非常に脆弱な経済構造である。

    ■輸入が伸びるのは国内生産力がないから
     「内需は伸びているので経済そのものは良好な状態だが、輸入が伸び過ぎているためこれに食われてしまっている」これは経済論としては何の根拠もない。
     どうして内需が活発なのに輸入が伸びすぎるのか、それは、国内に内需を満たすだけの生産力がないからだ。
     消費ばかりが伸びて、消費が伸びたとたんに輸入が増えるような経済になっているからだ。
     (悪いのはアメリカだ 日本は悪くない 下村治(著) 引用)


    ■自由貿易は世界の全ての人に利益があるか?
     私の考えですが、それぞれの自主独立した国民経済(完全雇用)と自治の基盤である国民的自給を無視すれば、自由貿易は全ての国と全ての国民に利益があると思う、しかし、自由貿易は上手くいっていない。
     上手くいかない最大の要因は、自国民の生活水準と福祉を向上させることにインセンティブが発生しない国の政府が存在すること、そのよう国では安い労働力が容易に手に入り、他国に比べて税負担が少ない、規制が緩く環境保護規定や衛生安全規定が事実上存在しない、また通貨操作、違法な補助金、知的財産権侵害、輸出主導型にするための自国市場保護など、自由貿易ルールを無視する。
     自由貿易ルールを無視し自国民の全体的な生活水準と福祉を向上させていない国が存在する、よりにもよって人口14億人を抱える国がそうであれば、そういった国と自由貿易で競争すれば何処の国も勝ち目は無い、それが「世界の工場」という呼び名の裏側にあるように思われる。
     自由貿易ルールを無視し自国民の全体的な生活水準と福祉を向上させない国と世界各国が自由貿易で競争に勝とうとすれば、世界各国が自国民を窮乏化や貧困化させる競争をしたり、安価な労働力の搾取を求めて経済移民や外国人労働者を奴隷労働者へと仕立て上げるようになる。
     一部の独裁的又は専制的な国家に世界各国が引きずられて世界各国が自国民を窮乏化や貧困化させる競争をするようになれば、自由貿易は世界の全ての人に不利益をもたらすだろう。
     また、一部の独裁的又は専制的な大国に世界各国が「引きずられる現象」は政治にも影響を及ぼす、民主主義の国民国家は経済統制や情報統制を強めることで国民を統制し次第に社会主義化しつつある、それが世界各国が個々もがきながら戦争の奈落へ落ちていくグローバリゼーションという名のアリ地獄になる。

    世界の貿易依存度 国別ランキング
      2017年 日本 27.37% 207ヵ国中186位
     「日本の貿易依存度は世界各国と比べて非常に低い」

     ・貿易依存度はGDPに対する貿易額の比率
     ・貿易額は貿易輸出総額と輸入総額の合計値で国際収支ベース(FOB価格ベース・所有権移転ベース)
     ・貿易額にサービス輸出・輸入は含まない


    広告
    コメントを書く
    コメントをするには、
    ログインして下さい。