現代金融理論・現代貨幣理論「MMT」到来前夜、MMT理論概略
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現代金融理論・現代貨幣理論「MMT」到来前夜、MMT理論概略

2019-05-03 12:41
     我々は、政府の政策立案に合理的な分析を加えるために、貨幣が機能する方法に関する知識を利用する。
     自国通貨主権を有する政府にとって非自発的な自国通貨によるディフォルトは文字どおり不可能なため、現在世界中の政策担当者の頭の中を支配している、政府赤字や債務比率や他のあらゆる無意味な懸念を、我々はいとも簡単に克服できる。
     我々には、完全雇用を達成する支出能力があるか?「ある」。
     我々には、社会保障を実施する支出能力があるか?「ある」。
     すべての学童のランチトレーにミルクを載せる支出能力があるか?「ある」。
     問題は、主権通貨を発行する政府の支出能力に関するものではないし、そんなものはそもそもあり得ない。
     問題は資源に関するものである。
     (MMT現代貨幣理論入門 L・ランダル・レイ 引用)


     MMTの根幹は「貨幣についての単なる事実」の描写に過ぎず、理性的な人物である限り何人たりとも否定し得ぬものだ。
     政府の財政赤字は政府の貨幣供給量を意味しているのだから、当然ながら経済成長を導く。これは誰も否定できない事実だ。しかも、徴税権を持つ政府が、全ての貨幣の価値の源泉となる現金を創出しているのであり、その創出主である政府が、貨幣によって破綻することなどあり得ない。これもまた、何人たりとも否定できない事実ではないか。
     (MMTによる令和「新」経済論: 現代貨幣理論の真実 藤井 聡 引用)



    ※注意、私は学者ではないことをご承知下さい、参考までに留めて下さい


    ■補足として日本経済MMT予習編
     ①"円"日本通貨
     ②日本政府と日本銀行
     ③日本銀行のバランスシート
     ④国債とは
     ⑤市中銀行の信用創造
     ⑥負債フローと国債フロー
     ⑦国内総生産
     ⑧循環通貨、需要と供給、デフレとインフレ
     ⑨名目と実質、就業者数、税とは
     ⑩投資は経済を成長させる
     ⑪日本の輸出輸入
     ⑫負債とは何か
     ⑬【お金から生産へ】着目点のシフト
     ⑭本当に税金は必要か?
     ⑮所得とは何か

    ■理論前提状況
     ・MMTの訳 Modern Monetary Theory
      貨幣論であり現代貨幣理論と訳するのが正しい

     ・日本国債の債務の不履行はない

     財務省のHPから平成14年4月30日「外国格付け会社宛意見書要旨」の一文を抜粋
     日・米など先進国の自国通貨建て国債のデフォルトは考えられない。
     (デフォルトとは債務不履行のこと)
     財務省のHPから「外国格付け会社宛意見書要旨について」の一文を抜粋
     「外国格付け会社宛意見書要旨」は黒田財務官より格付け会社3社(Moody’s、S&P、Fitch)に発出した書簡の要旨です。
     (黒田財務官とは令和元年5月3日現在、日本銀行の黒田東彦総裁

     ・「自国通貨建て日本国債」は「外国通貨建て債務」エロア資金及びガリオア資金とは違う
     「
    エロア資金」とは、援助開始時には無償とされたが1948年1月アメリカが突如として日本に対し返済を要求した占領地域経済復興資金のことである。
     救済的政策を付与されたガリオア資金と共に、第二次世界大戦終結後、アメリカ合衆国政府の軍事予算より拠出された。経済復興を目的としたため、石炭や鉄鉱石、工業機械など生産物資の供給のために充当された。交渉開始から7年後の1961年6月、返済額4億9000万ドル、返済期間15年、年利2.5%の条件で妥協案が成立。
     「ガリオア資金」とは、占領地域救済政府資金のこと。
     第二次世界大戦が終わると、アメリカ軍占領地の疾病や飢餓による社会不安を防止し、占領行政の円滑を図るためアメリカ政府がオーストリア等の占領地、そして旧敵国の占領地である日本と西側ドイツに対して陸軍省の軍事予算から支出した援助資金である、日本は、アメリカとの断続的な交渉の上で、1962年に西ドイツの返済率にならって約5億ドルの返済協定を調印した。
     「自国通貨建て債務」と「外国通貨建て債務」の違いを明確に理解する必要がある。

     ・MMTは基本理論(政策的含意はない)
      MMTの貨幣論は基本理論ですので、MMTを利用して具体論を構築する必要がある
      ※トンデモ理論否定について、MMTの貨幣論自体を否定した主張なのか、MMTを利用した具体論を否定した主張なのか、ハッキリと区別して判断する必要がある

     ・インフレ抑制策について
      インフレ抑制策はMMT理論とは切り離して論じられる必要がある

     ・金融制策について
      金融政策はMMT理論とは切り離して論じられる必要がある

     ・日本銀行の金融政策
      現在、日本銀行の進める量的緩和による結果とMMT理論の結果は類似する
      主に市中消化した国債を日本銀行が買取をした結果と類似する

     ・政府の財政政策
     主に国の財政の歳入や歳出を通じて総需要を管理し、経済に影響を及ぼす政策のこと。


    ■実務の側面
     ・銀行貸出は預金に先行する
      市中銀行の信用創造(万年筆マネー)
      市中銀行で信用創造が行われることで実体経済へ金融資産が流れる仕組みを説明
      内生的貨幣供給理論を現実に行われている実務によって説明
      銀行貸出量は信用創造によって資金量に制約(準備金制約はある)されない。
     ※銀行貸出は資金に制約されないが、貸出金利の決定は別の理論が必要になる

     ・政府の支出は税収に先行する
      予算執行に際し政府短期証券の発行で財源を賄っている、政府支出の後に税収がある。
      つまり、政府支出は税収に先行するので政府支出は税収に基づかない。
      非政府部門の自国通貨での貯蓄は、政府の財政赤字より先には存在し得ない。
      非政府部門の総貯蓄が政府の財政赤字よりも少なくなることはあり得ない。
      ※国の資金調達には、その必要に応じ国債発行、長期借入金、政府短期証券の発行、短期借入金の4方法がある。
      ※国庫と日銀の受払い業務にて、日銀へ政府短期証券の発行・償還を行う

     現行の国庫制度の下では、国庫金の受払いはすべて日本銀行本店に設けられている政府預金に集中計理される仕組みとなっているため、政府預金残高は日々の国庫金の受払状況に応じて絶えず変動することとなる。
     こうした変動に対して、無利子の当座預金に国庫金を必要以上に積んでおくと財政に対してその分余計な資金調達コストがかかる一方、逆に当座預金残高が不足する場合には国庫金の円滑な支払いが阻害されることとなるため、国庫大臣(財務大臣)は日々の国庫金の受払いについて予め予想をたて。
     当座預金残高の不足が見込まれる場合には、財務省証券分としてのFB (政府短期証券)の発行等を通じて資金を調達し、必要以上の余剰が生ずる場合には、有利子の国内指定預金(一般口)への組替整理を行う、ことによって、概ね当座預金残高を必要最小限の水準に維持するよう資金繰りを行っている。


     ・政府硬貨を除き貨幣とは負債(貸借記録)である
      日本銀行当座預金(貸借記録)、日本銀行券(借用書)、銀行預金(貸借記録)

     ・統合政府の信用創造
      政府と日本銀行を統合政府として捉えた場合は貨幣を金融経済内(政府・日本銀行・市中銀行)で調達できる
      ①市中消化した国債を買取り、日本銀行が間接に引き受ける(結果的に統合政府の状態)
      ②国債を日本銀行が直接引き受け(現行法律により原則禁止)
      ③日本銀行は政府の子会社(連結決済の状態を考えても良い)

    ■観察の側面
     ・信用貨幣論
      貨幣とは負債の記録であり債務証書であり、政府の徴税権によって貨幣の信用は担保される、人々が主権国家の貨幣を受け取る理由は、主権国家が発行した貨幣で租税を支払わなければならないからである、人々が納税義務を解消する手段として主権国家が発行した貨幣が使われる、貨幣が人々に必要であることを主権国家が保証している、すなわち主権国家の権力が貨幣の需要を生み出している。
      貨幣とは負債の一形式であり、経済において交換手段として受け入れられた特殊な負債である、この「特殊な負債」とは債務不履行の可能性が極めて低いと人々から信頼される負債である。

     ・表権主義
      租税が貨幣の価値を動かすという考え方で、政府の租税が「租税を支払うことができる貨幣」に対する需要の存在を保証しているとする。

     ・計算貨幣
      計算単位は国家権力によって定められ、社会的に認められ広く採用される。
      この計算単位を持った貨幣のことを計算貨幣という。
      価値を示す又は価格を表示する計算単位は「円」「ドル」「ポンド」などが各国で定められている。
      政府は負債の返済を政府が定めた計算貨幣で償還できることを強制する。
      負債は計算貨幣で表示され、計算貨幣が流通し、負債の返済に用いられる。
      政府が定めた計算貨幣によってのみ政府は租税や罰金に対して義務を解消する。

      ・円の信認
     国債の残高が増えすぎたり、円が増えすぎれば「円の信認」が失われ、円の価値が暴落するリスクがあると論じられているが、それは、債務が増えたから等の理由では起こりえない。
     政府の徴税機能が崩壊したり、国民が政府そのものに対して反逆して納税をボイコットする等、貨幣の価値を保障している「徴税を巡る国家体制」が失われた時にはじめて、「円の信認」が失われるのである。(MMTによる令和「新」経済論 藤井 聡 から引用)

     ・財政政策による実体経済への貨幣の供給量はモノ・サービスの供給能力(生産力)に制限される

     上記の制限により「インフレ率」を基準とする新たな財政規律を主張  

      インフレ率はインフレ指数を構成する要素、例えば輸出輸入量・国内消費・失業率・物価・国民所得の関係を十分に考慮する必要がある、つまりインフレ率は物価が上がった下がっただけで単純に判断はできない、物価も生活必需品価格・食料品価格・エネルギー価格・コアコアCPIなど細かく注視する必要がある。
      コアコアCPI:消費者物価指数(CPI)から価格変動の大きい食料品とエネルギー(原油市場など)の価格を除いた指標
      現実はモノ・サービスの供給能力(生産力)は100%発揮されない状態が一般的である
      実体経済が総需要不足下(デフレ)では政府財政政策(公共投資など財政出動)を支持する
      実体経済の貨幣量(金融資産)と貨幣流通量(金融資産)を調整することを支持する
      ※具体的な財政出動方法は他の経済理論や主張により異なる
      ※具体的なインフレ抑制は他の経済理論や主張により異なる
      具体的な金融政策はMMT理論とは切り離して論じられる必要がある

    ■市中銀行の信用創造による影響
     国債残高<家計金融資産 国債残高と家計金融資産(民間)は結果的に相関関係にある
     つまり、【常に国債残高よりも家計金融資産(民間)が上回る】

     マネタリーベース<銀行預金 マネタリーベースは膨張し銀行預金を創造する
     現金貨幣<銀行預金 利便性により貨幣流通量は銀行預金が遥かに多い

    ■部門別収支の会計恒等式
     国内民間部門収支+政府部門収支+海外部門収支=0
     (貯蓄-投資)+(租税-政府購入)+(輸入-輸出)=0
     (MMT現代貨幣理論入門 L・ランダル・レイ 引用)
     海外部門収支がゼロの場合、国内民間部門によって保有される純金融資産は政府の財政赤字と同額になる。

    ■統合政府の信用創造による影響
     ・新規国債が増えればGDPも増える、国債新規発行額とGDPは結果的に相関関係にある

     ・金融経済内の短期金利
     
    日本銀行が国債を市中銀行から買えば、日本銀行当座預金(マネタリーベース)は準備預金として増え続けて超過準備預金が増加する、日本銀行が日本銀行当座預金にプラスの利息を付ける場合は、市場金利はその利息を超えた金額になる。
     ・新規国債発行の資金制約は無い
     国債発行額が増えれば、日本銀行当座預金(市中銀行のマネタリーベース)は準備預金として増え続けて超過準備預金が増加する
     ・徴税の必要性
      政府は金融経済内で資金調達できるので徴税の必要は無いが、徴税による貨幣の需要を調整する必要を支持する
      実体経済内の納税が可能な金融資産量を徴税により調整することを支持する
      インフレ抑制(増税など)、デフレ対策(減税など)で徴税は有効な手段である

    ■金利(金利におけるクラウディングアウトの否定)
     ・国債金利
     現実では、新規国債発行に資金制約はない、資金(日銀当座預金)はほぼ減じずに資金(マネーストック)供給量が拡大するため、資金(日銀当座預金)の需要が増加しても、新規国債発行により追い出し現象が起きることで国債金利が高騰するとは考え難い。
     ・銀行貸出金利
     現実では、信用創造により銀行貸出は預金に先行するため、資金の需要(企業へ銀行貸出など)が増加しても「追い出し現象」による銀行貸出金利の高騰は考え難い。

    ■財政赤字は金利を引き下げる
     政府の財政赤字などの歳出は誰かの銀行預金準備預金(日銀当座預金)の両方同時に純増をもたらすので、財政赤字は市中銀行を超過準備(日銀当座預金)の状態にする可能性が高い。
     何もしなければ、市中銀行は翌日物金利を競って低下させるだろう、つまり、財政赤字の最初の効果は金利を下げることである。
     そのあと、「利付きの、超過準備の代替物」を提供するために、日本銀行または財務省が国債を売却する、つまり国債売却オペレーションの効果は、準備預金(無金利)と国債(有金利)の入れ替えである、それは、市中銀行でダブついた準備預金(無金利)の代わりに貯蓄預金(利付国債)を提供するようなものである、これは翌日物金利に対する下げ圧力を取り除くために行われる、よって金利が誘導目標より低下することを防ぐ。
     日本銀行が準備預金(日銀当座預金)にプラスのサポート金利を付けるならば、財政赤字は市中銀行が準備預金を金利がより高い国債に置き換えようとするため、準備預金を増やした市中銀行に国債価格をつり上げさせる、つまり国債金利を低下させる傾向がある。
     結論は財政赤字は金利を引き下げるのである。
     自国通貨建ての政府債務に対する金利は政策変数である、通常は中央銀行が設定する、重要なのは短期国債の金利をほぼ決定づける国内翌日物金利を設定するのは、その国の政府(中央銀行)だということである。
     (MMT現代貨幣理論入門 L・ランダル・レイ 引用)

    ■中央銀行(日本銀行)の金利誘導
     政府の国債売却は、本当は政府の赤字支出に必要な「借入」オペレーションではない、国債売却は、中央銀行が金利誘導目標を達成するのを手助けするように設計された金融政策の一部である。
     (MMT現代貨幣理論入門 L・ランダル・レイ 引用)

    ■就業保証プログラム
     就業保証の提案をMMTアプローチに含めることについては、議論が分かれている。
     MMTは純粋に説明的であるべきで、いかなる政策も推奨すべきでないと主張する者もいれば、就業保証プログラムは最初からMMTの一部だと主張する者もいる。
     我々は20年前にMMTアプローチを展開し始めたが、最初から就業プログラムを取り入れていたので、実のところは後者が正しい。
     (MMT現代貨幣理論入門 L・ランダル・レイ 引用)

    ■MMTをもっと詳しくもっと正確に
    MMTによる詳しい説明は下記、評論家様の動画を見ればよく分かると思います
    ・評論家 中野 剛志氏
    ・表現者クライテリオン 編集長 藤井聡氏
    ・経世論研究所所長 経済評論家 三橋貴明氏

     修正は随時しようと思います。
     間違いや補足等ありましたらご教授をお願い致します。
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